第21章 不滅の予不ルギー
普巡存在としての「道」は、かすかでおぼろである。捉えどころのないその底に、物象が潜んでい
る。奥深く探りがたいその底に、エネルギーが潜んでいる。そのエネルギーは、不滅である。そこ
に確固たる法則がある。
太古より今日に至るまで、「道」は絶えることなく存在し、万物を統括している。わたしは、何に
基づいて万物を理解するのか。それは、万物の根元である「道」に基づいてである。
〈普遍存在としての道〉 原文は「道の物たる」。「物」とは、知覚される個々の物質ではなく、
その根元をなす質料因※をさす。
第22章 うつろだから満ちる
欠けているから、完全になる。まがっているから、まっすぐになる。うつろだから、満ちる。古い
から、新しくなる。少なければ得、多ければ失う。これが自然の法則である。この法則を体得した
聖人は、自己を主張せずに「道」にのっとることによって、おのずと天下の規範となる。
自己を知者とみなさぬから、かえって人から知者とされる。自己を是とせぬから、かえって人から
是とされる。自己の功を跡らぬから、かえって功を認められる。自己を有能と考えぬから、かえっ
て能力を讃えられる。
自己を否定して人と争わぬ特に、争いをしかける者はけっしていない。
「欠けているから完全になる」という古人の言に、何のいつわりがあろうか。自己主張を捨てて
「道」にのっとったときにのみ、徳は万全の力を発揮するのだ。
※アリストテレスの説いた四原因の一。事物が生成するための素材となるもの。 質料因(羅: causa
materialis)意外に、形相因(羅: causa formalis):そのものが「何であるか」 を規定するもの 作用
因(羅: causa efficiens):そのものの運動変化の原因、目的因(羅: causa finalis):そのものが存在し、
運動変化する目的 からなる。
Four causes of Aristotle
【特集:胆振(いぶり)地方中東部地震】
9月6目、北海道胆振地方中東部を震源とすM6、7、最大震度7の地震が発生。広範囲にわたって
土砂崩壊が起き、約40名の犠牲者が出た。この度の地震でお亡くなりになられた方々のご冥福を
お祈りするとともに、ご家族の皆さまにお悔やみを申し上げます。また、怪我をされた方々、被害
に遭われた方々に心よりお見舞を申し上げます。まだ多くの余震も発生しています。引き続きご注
意ください。
さて、このエリアである「北海道道南・青森県」は、「MEGA地震予測」では「要注意」のエリア
でした。8月22目号掲載のAI地震予測ではレベル4のエリアに該当。また、えりものPv観測点に
前兆と思われる異常が現れている。MEGA地震予測」では胆振地方が約3ヵ月前から隆起から沈降
に変化していることに留意していた。7月25日号で初めて「胆振(いぶり)地方は沈降をしてい
ます」とコメントを出すが、その後胆振地方の東側の沈降は収まり、苫小牧から札幌付近までの沈
降が目立つようになったため、表現を苫小牧から札幌のエリアに改める。
・長期的傾向を見ると、上図1に示すように、6か月前は緑色の隆起エリアでしたが、3か月前に
は青色の沈降が目立ち始める。
・地震直前の9月5日号で掲載した隆起・沈降図では苫小牧から札幌に向けてはっきりと青色の沈
降帯が現れていた(上図2参照)。経験則から沈降は隆起よりも地震発生に強く影響を及ぼす要
因であるので警戒しなくてはいけない現象である。
・上図3は苫小牧から札幌にかけて現れた沈降帯と震度5以上の揺れた市町村を示しる。震度分布
を見ると沈降帯の東側の境目で大きく揺れていることが分かる。
・以上を要約すると、今回の胆振地方中東部地震のキーワードは、「沈降が進行し、隆起に転じた
現象」であり、これが地震を誘発したと解釈します。
・地震直前に超低気圧の大型台風が通過して、吸い上げられた地盤が急激に沈下したことも誘因の
一つと考えられます。雨で緩んだ地盤が激しく揺られたことが大規模な地すべりを起こし、被害
を大きくした原因であると考えている
【防災独立型サニテーションシステム】
● 独立防災型生活用水の確保
井戸から飲料用水をポンプを使用して取水し、浄化装置、滅菌器及び除鉄槽等の沈澱槽を介して飲
料用水供給装置があるが、大震災等の災害が発生した場合、従来の取水装置では取水管の破損等に
より災害時に使用不能になったり、防火用水は防火壁の破損により、消火はもちろん生活用水とし
ても利用不能の場合があり、破損を免れても水の腐敗等により生活用水として使用できない、ある
いは停電で作動させられない等の問題が生ずる可能性がある。このように、大震災時においても取
水可能で安価な、耐震型飲料水用井戸装置が提案されているが(上下図参照)、例えば、下図の実
用新案は、井戸の開口部材(2)に井戸のケーシング(1)を地震から保護する手段(3、4)を
設け、ケーシング(1)の下端に水中ポンプ(30)を設け、取水した水を浄化、滅菌するととも
に、内燃機関で駆動する非常用電源(26)――ここで、符合19は流し台、符合31はフェンス
を示し、したがって、大地震等の災害時においても、井戸のケーシング1の上端部は開口部材2と
の間で破損することがなく、水中ポンプ30と貯水タンク10とを接続する樹脂製のチューブ5は
ケーシング1の内側に保護され、耐圧性フレキシブル管を介して接続されているので、破損により
取水不能となることがない――を備え、大震災時においても取水可能な耐震型飲料水用井戸装置を
安価に提供できるとしているが、地震による井戸そのものが破損や水脈涸れは想定されておらず、
また、耐震・耐浸水パッケージ化などの詳細も不詳である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 開口部材 3 緩衝部材 4 保持部材 5 チューブ 6 耐圧フレキシ
ブル管 10 貯水タンク 11 活性炭ろ過機 12 滅菌器 13、14、17 水回路
16 沈澱槽 20 滅菌液タンク 26 非常用電源 30 水中ポンプ
また、下図の株式会社ホクコンの可搬式緊急総帥ユニット(ETU型)の手押しポンプタイプであれ
ば電源喪失の場合でも既存の井戸に異常なければ取水接続口と接続すれば揚水供給可能だが、前述
と同様、水脈涸れ、井戸の破損に対応できない。従って、鑿井(さくせい)時の耐震対策の有無が
前提となる。また、揚水ポンプが水中ポンプ方式か地上置きポンプ(渦巻き式/容積式)が問題と
なり、前者なら地震応力で機能不全となる可能性が高くなるが、後者なら取水配管材料/構造を配
慮しておれば、水脈涸れがなければ揚水できる。さらに、後者の場合手押しポンプではなく、容積
式ポンプの電動軸に回転式手動衝動伝動ユニットを付加しておけば自動/手動兼用が可能である。
また、この項の表題図の株式会社ホクコンの独立型太陽光発電システム「エコソーラーユニット」
(ESU型)をのように蓄電池とセットにすれば、原理的には、電源は担保されるから、後は耐震構
造型埋設貯水槽に火災鎮火用水として、あるいは、通常のサニタリー(sanitary)用水として使用で
きる。下図、特許事例は、ソーラーパネルを熱や降雪、汚れなどからまもる散水装置ものだが、水
源を井戸、降雨――集中豪雨による浸水・洪水等の自然災害を抑制するシステムや、夏場に代表さ
れる水不足・温暖化対策なども視野にいれた、自然資源の雨水の利用――貯槽(+上水/下水)と
しソーラー(+系統電力)+着電池を動力現にすることで防災独立型として参考できるの掲載。
● シャワーの水、浄化し9割再利用 WOTA May 9, 2018
WOTAは14年、独自のろ過フィルタ開発でない市販のフィルタとセンサを組み合わせ、自社開
発のソフトウエアを活用。センサから集めたデータで水の流量や汚れ具合、温度などを測定すると、
水質の状態やフィルタの汚れ具合を予測。事業化の際にはフィルタの汚れ具合から利用料金をはじ
き出し最適設計を行う。目標は、シャワーや洗面台に装置とシステムを接続し、複雑な工事を不要
にし、家電を置くような感覚で、1日で水道のインフラを整備する。太陽光発電や蓄電システムな
どで電源さえ確保できれば、孤島や砂漠、山岳地帯のような場所でも水が使える。水源や上下水道
に依存する必要がなく、人間の生活エリアが未開や宇宙開発につながる(上図参照)。
16年4月に起きた熊本地震では、トラックの荷台にシャワーブースをくくり付け、東京から被災
地に駆けつける。「プライベートな空間で浴びるシャワーと公衆浴場では、疲れの取れ方が全く違
う」。被災した人からの声に、事業化の意義を感じる。実用化にはまだ課題もある。現在は1台数
十万円かかる。実用化の段階では量産効果でコストダウンを図る。さらに、現時点では再利用でき
る水の種類が限られる。今の技術レベルでは台所やトイレの排水などは浄化できない。フィルタで
除去するだけでなく、微生物を使って分解して浄化する技術が必要になる。生活で使う全ての水を
まかなうには、もう一段のブレイクスルーが必要。水が貴重な中東や国土が広い米国から強い関心
が寄せられているが、日本も決して人ごとではないはずと語る。高度経済成長期に整備が進んだ上
下水道は老朽化に直面し、近い将来、莫大な更新コストが必要になり、人口減少が進めば、限界集
落のようなインフラそのものの維持が難しいエリも広がると予測している(日経産業新聞 2018.
05.02)。このように、WOTAの水縦貫システムは、精密濾過膜技術(精密・限外濾過・逆浸透)
とセンサ(電気伝導度)をAI(人工知能)制御システムをパッケージ化を特徴とする。
● 生活排水の完全循環システムの考察
ここで、生活排水のなかで屎(し)尿処理の高品位化が架台となる。大きくは生物処理(好気性+
嫌気性:下図参照)と非生物処理(マイクロバブル/オゾン/水中プラズマなど)に分けられ、さ
らに、前者は単独型と合併型)とに分けられ、さらには、嫌気性生物型にはメタン発酵からのメタ
ンガスの燃料電池発電化も考えられる。参考に上下図に生物処理型技術課題と事例技術を掲載(参
照)。
● 排水ゼロの循環式水洗トイレ
高知市の建設会社「ダイドウ」が販売する循環式水洗トイレ「リサイくるん」が熊本地震被災地で
注目を集めた。排水ゼロ、年数回のくみ取りで使用でき、衛生面の不安も少ない。震度7を2度観
測し、大きな被害をで受けた熊本県益城町にも5月に設置され、災害時のトイレとしても期待され
る。復興拠点「益城町災害ボランティアセンター」には、全国からボランティアが集まる。駐車場
そばの仮設トイレは、同社が無償で貸し出した(排水ゼロの循環式水洗トイレが注目 熊本地震被
災地にも設置、 産経WEST 2016.06.18)。
特徴は、微生物を利用した活性汚泥処理や、ろ過を独自に組み合わせて汚水を浄化し再利用するシ
ステム。無臭・透明な洗浄水が循環し、排出されない。1日約200回の使用で、汚泥のくみ取り
は数カ月に1回程度。従来の循環式トイレは1日約100回が限度。組み立ては不要、バッテリー
で稼働し災害太陽可能。5年前の東日本大震災で、被災地の不衛生なトイレを目の当たりにして、
同社が培った水道・土木工事のノウハウを生かせないかと考え、開発をスタートさせた。高知高専
などと共同で開発し、処理能力向上につなげる。外部からの水も電気も必要としない「自己完結ト
イレが理想」で。水洗などの電力に太陽光発電を利用することも検討中している。
ところで、下図の二シム電子工業のような完全自己処理型トイレ(詳細不詳――山岳用の自己処理
型トイレに動力としてソーラー/バッテリーを付加したものではないか?)なども商品も提案され
ているが、ここでは、道機産業株式会社のマイクロバブルを使った処理装置を掲載する。
❑ 特開2011-069111 循環式生分解処理トイレ 道機産業株式会社
【概要】
従来、トイレの汚水を生分解処理し、洗浄水として再利用する循環式の糞尿処理技術が提案されて
いる。例えば、水洗用便器と、水と形のある排泄物やゴミとを分離するための分離貯留槽と、微生
物培養素材を内蔵した曝気槽と、オゾンを内部に導入するオゾン槽と、浄化水収納槽とを有し、水
洗用便器と分離貯留槽と曝気槽とオゾン槽と浄化水収納槽との順を経て再び水洗用便器に至る順に、
自然落下とオーバーフローとポンプによる上昇移動とによって水を循環させる循環式水洗トイレが
あるが、水を循環させるためのポンプの他に、別途、曝気用空気を導入するためのブロワーを各曝
気槽に設置しなければならず、イニシャルコストが高くなることはもとより、常時運転させると消
費電力量が大きくなり、ランニングコストが膨大になる。また利用人数が多い場合には、頻繁に汲
み取りしなければならず、メンテナンスコストが膨大になるという問題がある。また、人里離れた
僻地等のように交通の便が悪い場所に設置した場合には、わざわざそこまでバキューム車で赴かな
ければならないという問題がある。
本件は、便器を洗浄水で洗浄した後の糞尿を含む汚水を、隣接配置された複数の処理槽に順次移送
させながら生分解処理と脱色処理を行って再び洗浄水として再利用する循環式生分解処理トイレで
あって、所定の処理を終えた後の処理槽内に揚水ポンプの吸入口を配置するとともに、その所定の
処理を終える前の他の処理槽に前記揚水ポンプに連結されており前記汚水にマイクロバブルを混入
させて噴射可能な噴射ノズルを配置し、前記所定の処理を終えた後の汚水を前記処理前の他の処理
槽に戻して循環させながら浄化する。下図のごとく、便器2を洗浄水で洗浄した後の糞尿を含む汚
水を、隣接配置された複数の処理槽に順次移送させながら生分解処理と脱色処理を行って再び洗浄
水として再利用する循環式生分解処理トイレ1であって、所定の処理を終えた後の処理槽内に揚水
ポンプ7の吸入口を配置するとともに、その所定の処理を終える前の他の処理槽に揚水ポンプ7に
連結されており汚水にマイクロバブルを混入させて噴射可能な噴射ノズル8を配置し、所定の処理
を終えた後の汚水を処理前の他の処理槽に戻して循環させながら浄化することで、1つのポンプを
共用して汚水の循環と生分解処理のために必要な空気の供給を行うとともに、糞尿を効果的に破砕
し、消費電力量を抑制することができる循環式生分解処理トイレを提供する。 特開2011-069111
【符号の説明】
1 循環式生分解処理トイレ 2 便器 3 投入処理槽 4 濾過処理槽 5 脱色槽 6 貯水槽 7,7a,
7b,7c 揚水ポンプ 8 噴射ノズル 8a 糞尿破砕用ノズル 8b,8c 空気供給用ノズル 9a,9b,9c ス
トレーナ 21 ロータンク 31 移送開口部 32 接触材 41 濾過材 42 鋸歯状仕切板 42a 鋸
歯部 43 パンチングメタル板 44 上端開口板 45 下端開口板 51 脱色材 71 吸入管 72
吐出管 73 給水管 81 本管 81a 通水路 82 吸気管 83 入水口 84 噴射口
【関連特許技術】
・特開2016-011524 災害用循環式水洗トイレシステム 株式会社ダイドウ
・特開2017-119280 汚水処理装置 株式会社栃木日化サービス
・特開2017-217571 可搬式浄化槽 JFEエンジニアリング株
・特開2015-217136 仮設トイレ収容型地下貯蔵槽 株式会社CNT 他
・特開2015-073979 有機性廃水処理方法及び装置並びに化成肥料の製造方法及び装置 水ing株式会社
・特開2013-194474 退避施設 株式会社ホクコン 他
● 防災独立型サニテーションシステム
さて、わたし(たち)が想定する「防災独立型サニーステーションシステム」は、地震、洪水、火
災を回避(避避)地(学校/公園/集会場などの公共施設)に1日500人以上利用できる、給水
(飲料/生活用水:トイレ、洗面、シャワー、入浴)が可能な完全独立、つまり、循環使用できる
設備で、動力はソーラー&サーマル(+ピエゾ)/蓄電池/メタン&水素燃料電池を備えたシステ
ムであり、バリアフリー/百パーセント再生可能エネルギーを前提に設計仕様決定される。このた
め上下水水の接続は選択肢を前提としている。循環処理設備及び付属タンク類は基本地下埋設とし
て設備は耐震/耐浸水/耐熱・保温(凍結防止)仕様である。尚、水処理方式には電気分解、各種
精密濾過、オゾン、水中プラズマ、紫外線、マイクロバブルなど、さらに、飲料水は魚縮水も選択
肢に入る、以上、足早にみ考案してみた。これで海外展開できる事業の素地は完成したことになる。
● 今夜の一枚
Sep. 13, 2018