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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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動乱と安寧

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第53章 盗賊の驕り
かりにわたしが旧知を得て、大いなる「道」にのっとる政治を行なうとする。そのときわたしが心
がけるのは、何よりも邪道に踏みこまぬことだけだ。
大道は坦々として平かだ。にもかかわらず、人々は、小知に頼って小径を歩きたがるものだ。
役所が立派なのは、政治が行き届いている証拠だといわれる。だが真相はまさしく逆で、そんな国
にかぎって田畑は荒れはて、人民の米櫃はカラッポだ。にもかかわらず為政者は、美服をまとい、
利剣をさげ、食貳には山海の珍味を並べ、私財をせっせと蓄えている。盗賊の騏りとはこのことで
ある。これほど「道」にそむいた行為があろうか。

第54章 自律にまかせよ
内にしっかと根ざしたものは、抜けることがない。内にしっかと抱いたものは、奪われることがな
い。自己に内在する「徳」を、しっかと守って放さなければ、子孫も祭祀を絶やさない。
「道」が個人に付与した徳(身の自然)を守れば、人は本性に返る。家に付与した徳を守れば、家
は繁栄する。甘に付与した徳を守れば、村は長久である。国に付与した徳を守れば、国は豊かであ
る。天下に付与した徳を守れば、万民はひとしくうるおう。
だから、個人を律するには、個人の徳に基づく。家を禄するには、家の徳に基づく。村を抑するに
は、村の胎に基づく。国を抑するには、国の豹に基づく。天下を抑するには.、天下の徳に基づく。
天下の徳に基づくからこそ、天下の現状を判断できるのである。
        
家をもって家を観、国をもって国を観る 万物は「道」の現われとして、それぞれ徳を付与されて
いる。老子が無為を行為の基準としたのは、万物に内在する必然の理を信じたからであった。
儒家は「修身斉家治国平天下(個人の修養を積んでその徳を家から国家天下に及ぼすこと)」を政
治理念とした。老子はこれに対して、家は家の、国は国の、天下は天下の、それぞれ自律にまかせ
よと説くのである。

※ 2つの章を次式に表すと「貧困×簒奪→動乱 VS. 福祉×自律→安寧」となろう。 

 

 Oct. 19, 2018

 
”Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
【エネルギー通貨制時代 Ⅵ】  

【海洋風力事業篇:カルフォルニア沿岸海洋発電所建設計画】

米国の最初のオフショア風力発電所、ブロックアイランドからの5タービン設備が2016年にオン
ライン化。カリフォルニアの風力プロジェクトは、深海では新しい技術が必要となる(ニューヨーク
タイムズ)。

10月19日、同州連邦内務省は、カリフォルニア州中部および北部の水域にロサンゼルスの再生可
能エネルギー源として、6年以内に海洋発電を開始することを公表。これまで、海岸近くの太平洋の
深層が計画促進の障害―――巨大な風力タービンを支えるな塔の固定が困難――となっていた。同州
エネルギー委員会のメンバーであるカレン・ダグラス氏はこれまで世界に建設されたものよりもずっ
と深いだろうと語っているが、ヨーロッパでテストされている技術の入札も考慮している。9月には
ジェリー・ブラウン知事が2045年までにゼロカーボン電力に完全移行の法案に署名し、国家計画
の陽光発電と陸上風力発電の枠を超えた目標を設定している。前出のダグラス氏は海洋風力は、再生
可能エネルギー目標を達成できるとも話している。海上風力発電の潜在的価値は、リスクは紛争など
も含めるとあるが、カリフォルニア海岸沿いの開発には、海の眺望の荒廃を心配する反対や鳥類、漁
業、海洋哺乳類への影響があり事前調査を実施し進められる予定。

● 深く掘る
カリフォルニアの沖合いの深海に風力発電所を建設する特別な課題が存在する。より浅い海域では、
係留施設を海底に直接運ぶが、より深い場合、プラットフォームを海底に係留するアンカーラインを
備え塔を固定(上図参照)。カリフォルニア州は米国で浮遊風力タービンをメイン州立大学(Univer-
sity of Maine)が、エネルギー省から4,000万ドルを借款で独自開発した浮遊式風力発電プラットフォ
を採用し、21年まで建設に8,000〜14,000世帯に電力供給する商用事業を計画した。

 

● 35年には再エネ20%に到達

米国のウッドマッケンジー(Wood Mackenzie)調査会社は、35年までに世界の電力需要にしめる再生エネが、
現在の7%から20%を満たす可能性が高いと予測。それによると風力、太陽光、電気自動車の組み
合わせにより、1日あたり約1000億立方フィートの石油移動にブレーキーがかかり、35年以降、再
エネ転換がさらに加速する(下図参照)。「35年の変曲点」から1年後バス、車、トラック、自転
車で移動する全モータの15~20%を占める電動モータを使用し、石油需要ピーク予測。電気自動
車は40年までに1日当たり600万バレルの石油消費量を削減。政策がより野心的になったり、高度な
エネルギー貯蔵やマイクログリッドなどの技術が現在の予測よりも早く定着すれば、さらに変曲点が
前倒しする可能性があるとも指摘している。 Oct. 22, 2018

尚、この予測は、気候変動の最悪の影響を緩和に必要だとする科学者の排出シナリオに比べるとまだ
遠く、この月に発表された国連の報告書では、世界は、世紀半ばまでに温暖化を15℃に制限するに
は、再生可能エネルギーを70~85%の必要があると主張されている。同社の責任者Dan Shreve)は、
IPCCの目標達成は非常に困難になるだろうと語っている。

 

【社会政策トレッキング:バラマキは正しい経済政策である 19】     

 Yutaka Hrada, Wikipedea 
第3章 ベーシック・インカムは実現できるのか
第7節 比例税についての修正の余地
これまで、BIは単一の税率で説明してきた。しかし、BIを累進税と組み合わせることもできる。
所得2000万円以上の層では、現行の税制ではおおむね40%の課税(地方税を合わせて50%
となる)となるので、この層の税率を40%にすることもできる。そのためには、所得を申告させ、
さらに高い税を課すことをしなければならない。これは現在でも年収2000万円以上の層に対し
て行っていることなので、追加的な行政コストはかからない。年収2000万円以上の層の所得を
すべて百計すると1316兆円になる。ここから10%を追加的に課税して得られる税収は、13
16兆円の10%ではなくて、1316兆円の所得のうちの2000万円を超える所得である。そ
の所得金額は8兆円となり、税収は8000億円となる。所得を再分配すべきだというイデオロギ
ーは別にして、BIが実行可能であるかどうかを財政的に議論するうえでは重要ではない。

一方、所得の低い階層の税率を下げることもできる。この場合も、所得を申告させ、所得が300
万円以下の層の税率を下げて、還付することになる。ただし、この所得階級の人々の数は197万
人と多く、またその所得合計額も33・6兆円と大きい。人数が多いことは行政コストがかかると
いうことであり、合計金額が多いことは税収が減るということである。税率を20%にするために、
所得の10%の税金を還付すれば、その金額は3・4兆円になる。これは無視できない金額である。



また、トービンが提案しているように(第2章の「給付レベルに現れる哲学の組織」の項で説明し
たように、BI支給額と課税額が同じになるまで50%の税率を適用するという)、低い所得に対
して高い税率を課すという考え方もある。それは課税額からBIの給付額を差し引いたものが、中
間所得層でマイナスにならないようにするためである。これは、高いレベルのBIを給付し、かつ
財政的に成り立つようにするための工夫であるが、比較的所得の低い層の労働供給インセンティブ
を阻害する可能性かおる。また、多くの納税者が確定申告をしなければならないことになるので、
行政コストを高める可能性もある。
Is a Negative Income Tax Practical?   James Tobin, Joseph A. Pechman, and Peter M. Mieszkowski May
15, 2018

第8節 日米の所得格差と累進課税の影響
前項で述べたことは、所得分配がより均等な国では、より高いBIを給付するために、より高い累
進課税をすればよいということにはならない、ということである。なぜなら、高い所得の人はわず
かしかおらず、その人々に高い税率で課税しても、金額としては大したことにはならないからであ
る。したがって、BIの給付額を引き上げようとすれば、より多くの中間的な所得の人々への課税
を強化することになる。しかし、所得分配がより不平等な国であれば、より少数の人に高い税率で
課税することで大きな税収を得ることができる可能性がある。このことを、日米の所得分布から、
具体的に考えてみよう。

データの関係から、表3‐2にそろえて日米の家計の所得分布を見たのが表3‐5である。
日本の場合、500万円未満階級の日本全体の所得に占める比率は28・1%、500万~100
0万円未満階級の比率は40・3%、1000万円以上階級の比率は31・6%、200万円以上
階級の比率は7・0%である。これに対して、アメリカの5万ドル未満階級のアメリカ全体の所得
に占める比率は18・9%でしかなく、5万~10万ドル未満階級の比率は31・2%、10万ド
ル以上階級の比率は44・9%、20万ドル以上の階級の比率は17・0%になる。
日本で、2000万円以上の所得階級(の2000万円以上の部分)に10%高い税率を課すと6
400億円の税収になる(数字が前項と異なるのは、前項が表3‐3によるのに対し、ここでは表
3‐1によっているからである)。
これに対して、アメリカで、20万ドル以上階級(の20万ドル以上の部分)に10%高い税率を
課すと450億ドル(約4・5兆円)になる。アメリカの全所得が日本の3倍弱ということを考え
ると、20万ドル以上での10%の追加課税は日本では1・5兆円の税収という価値になる。BI
の実現に必要な税収の96・2兆円に比べるとわずかだが、差額の足りるか足りないかわからない
部分については大きな意味を持つ金額となる。

もちろん、この比較法には批判があるだろう。日本の平均所得はアメリカよりも小さいのだから、
同じような金額の区分で上位の所得を比較すればよりアメリカのほうが大きくなるのは当然である。
そこで、全世帯の上位5%の所得以上の人の総所得を考えたい。概算であるが、それは日本では1
200万円以上の人の所得、アメリカでは15万ドル以上の人の所得になる。そのような人々の所
得の全所得に占める比率は、日本21・8%、アメリカ39・5%となる。このように計算しても
アメリカの高額所得者への追加的課税は、日本の倍近い税収を得られることになる。
ただし、表3‐5の日本のデータでは、高額所得者の所得が十分に捕捉されていない可能性がある
ので、これを考慮すると、日本でも高額所得者への課税は、BIの実現に多少の意味があるかもし
れない。

 Feb. 1, 2013

第9節 BIの水準は低すぎるか
以上で、BIという制度が財政的に実現可能であることを示した。しかし、反対の意見はもちろん
多いだろう。まず、私の考えるBIが財政的に可能であるのは、月にヒ万円と、その水準が高くな
いからである。ただし、現行の生活保護水準と比べて極端に低いわけではない。現行の生活保護で
夫婦と子二人の場合、都市部では、生活扶助22・7万円、住宅扶助4・7万円、教育扶助1・3
万円、合計して28・7万円である。町村部では、生活扶助17・7万円、住宅扶助1・9万円、
教育扶助1・3万円で合計20・9万円である。ここで提案したBIでは、大人7万円、子ども3
万円であるから、夫婦と子二人で月20万円であり、

現行の町村部の基準と変わらない。そもそも生活扶助費であれ、BIであれ、金額を居住する場所
によって変える必要がなぜあるのだろうか。日本国憲法は、居住、移転の自由を保障しているので
あるから、生活コストの安いところに住めぼよいのではないだろうか。10
60代夫婦であれば、生活保護費はすべての項目を合計して、都市部で16・4万円、町村部で
10・8万円となる。本書で提案したBIでは14万円となる。

母と子ども一人の場合は、すべてを合計して、都市部で19・1万円、町村部で13・3万円とな
る。本書で提案したBIでは10万円となる(生活保護水準については、厚生労働省「生活保護制
度の見直しについて」5頁、「生活扶助基準額の見直しの具体例」http://xnvw.mhlw.go.jP/stf/shingi/2
r9852000002udvb‐att/2r9852000002ufot.pdf
、による)。

要するに、大人の場合、町村部では、生活保護水準とほとんど変わらず(場合によっては高くなる)、
子どもへの手当が少ないという関係になっている。これは、子どもを虐待する親が子どもへの生活
扶助費を目的として子どもを手放すことを拒否する事例があることから当然のことと思われる。こ
のような事例が一般的ではないとすれば、大人へのBIの水準を引き下げて、子どもへのBIの水
準を引き上げ、給付総額が変わらないようにすることも考えられる。

20歳未満人口は2260万人、20歳以上人口は1億492人であるから(表3‐3註⑦による)、
子どもへの給付を月6万とするためには、20歳以上人口への給付を月6万3500円に引き下げ
ればよい(〔給付総額69兆2660億円-20歳未満人口2260万人×月6万円×12か月〕
÷20歳以上人ロ1億492万人)。月6万3500円でも、60代夫婦の場合、現行の町村部の
生活保護水準より高いことになる。

BIの水準を現行の生活保護水準にまで上げるとすると、制度が複雑で一概には言えないが、前述
の浦川准教授の試算によれば、一人月額8万3060円というところであろう。これは、本書で提
案したBIの二割増しに近い給付水準となり、前述のように財政的に困難となる。

だからBIをやめようというのでは安心を保障することはできない。過大なBIを保障することが
できないということであって、日本国憲法の保障する健康で文化的な最低限の生活は十分に保障で
きる。

また、私は、ここで提案したBIの水準が低すぎるという反論は真剣なものではないと思っている。
そのようなことを主張をする人が王真剣であれば第1章の「日本の生活保障水準は高い」の項で述
べたように、生活保護水準以下の所得で暮らしている人は人口の13%いる(橘木俊詔『格差社会』
18頁、岩波新書、2006六年、の推計による)のに、実際に保護を受けている人は201年で
全人口の1・6%しかいないという事実に真剣に向き合うはずだが、到底そうしているとは思えな
いからだ。生活保護水準を下げようという議論に反対する人々は、このことをどう考えているのだ
ろうか。

生活保護制度を廃止してBIに置き換えることは、生活保護の給付水準を引き下げることになる。
これは、5つの理由で正当化できる。第1に、第1章で述べたように、日本の生活保護水準はイギ
リス、フランス、ドイツより2~3割高いことである。第2に、前述のように、日本の生活保護水
準は高いが、実際に保護を受けている人は少ないことだ。給付水準を下げても、より多くの人に給
付すべきではないだろうか。第3に、生活保護水準を、都市部で高く、町村部で低くする理由はな
い。日本国憲法は、居住、移転の自由を保障している。第四に、生活保護を受給させて、それを取
り上げ、より低い水準での生活をさせることで利益を得るという貧困ビジネスが成立していること
だ(「生活保護費ピンハネ板敷きに布団1枚通帳、受給者に返還」、『毎日新間』千葉版、200
9年7月18日、など)。

これは、現行の生活保護水準が高すぎることを示している。第5に、マクロ経済スライドによって
年金給付を引き下げるからだ。

マクロ経済スライドとは、将来の社会保障会計の健全性を維持するために、賃金や物価が上昇して
も年金給付額をそれ以下の上昇率でしか上げないようにするということである。結果的に、204
3年までに年金給付額を19・3%削減することになる(社会保障審議会年金部会提出資料、厚生
労働省年金局「年金額の改定(スライド)の在り方」2014年10月15日、http://www:mhlw.
go.jp/file/05-Shingikai-12061000-SeisakutoukatsukanSanjikanshitsu_ShakaihosyoutantouShakaihoshoutantou/
0000061312.pdf
)拠出のある年金を引き下げるのだから、拠出のない生活保護水準は低くするしか
ないのではないか。

             原田 泰著 『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるいか』

なかなか先に行き着きませんね。

                                     この項つづく

 ●今夜の一品

 ワンタッチアロマキャンドル

   ● 今夜の一曲

唄 木戸泰弘 『22才の別れ』 Music Writer 伊勢正三/石川鷹彦

 


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