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疾走する工学立国Ⅰ

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【疾走する工学立国Ⅰ】

● 電子レンジ文化考

省エネで取り上げてきた電子レンジ(欧米ではマイクロウェーブと言っているが)応用法(参考『積極的平
主義の分水嶺
』2014.05.09/『電子レンジ専科』環境工学研究所WEEF 上図クリック)を散々と掲載して
きたが、ここ1、2年でネット上で関連グッズが満載されるようになった。そう考えると「和食」のユネス
コ無形文化遺産登録は、家庭ないにおびただしい電子調理器や加工食品の浸透ににより家庭料理文化が変容
し、そのことにより「和食」と家事労働が外化され「外食化」されているのだと妙に感心する。ところで、
電子レンジ用調理容器の基本的な技術は下図の株式会社ミヤオカンパニーリミテッドの特許考案で押さえら
れていると考える。その特徴は、瀬戸物やプラスチックなどの非金属容器に底部にはマイクロ波を吸収体を、
それ以外はマイクロ波透過体で、上蓋は二重として加熱蒸気が一旦上蓋内流れ込み凝縮され容器底部に戻る
孔と上蓋上部から、所定圧力を越えたら蒸気が逃す孔が施された上、取手部には断熱部材で火傷を防止し、
上蓋と鍋胴体は所定の圧力超えても吹き溢れを防止する加工を施す。さらには、鍋内壁は汚れ付着防止や対
象食品の付着防止、あるいは、グリルや燻製専用の鍋底敷きなどをオプションに備えている、と。まぁ~、
そんなような視点で設計されていて、その反面、手軽に、調理手間省き、消費者の嗜好性に合った加工食品
の多様化とともに、電子レンジ専用加工食品の内挿化が進行している。 


ところで、加工食品の安全的側面は勿論のこと、カーボンリスクという環境側面から、二酸化炭素排出量も
包装袋にもプリントアウトして欲しいものだと思ってみた。省エネを兼ね蒸し野菜の栄養価を高めることが
できる調理法として進化していくことは間違いない。

※ 調理容器でなくても至って簡単にすませる方法を紹介:まず、瀬戸物平皿にオリーブオイルで表面を塗
  るように少量加える→さとう製菓(メーカは関係ない)の切り餅を1つ載せ、お醤油を適量ふりかけ→
  砂糖を適量するかけ→5百ワット電子レンジで30秒加熱。それを取り出し頂くのだ。美味い!(小腹
  が空いたときは重宝だ)。 

 

岡山大学の三宅通博教授らの研究グループが豚糞尿由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(S
OFC)において、バイオガスからの炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し作動温度 600℃でLED電球の点
灯に成功している。5年前から豚糞尿由来のバイオガスの高効率利用(利用効率50%以上)を目指して、バ
イオガスを燃料とする中温作動型SOFCの開発研究を行う。SOFCの作動温度の低温化は望まれますが、バイオ
ガスを燃料とするSOFCの開発は、バイオガスからの炭素析出が大きな障害となる。この研究では、炭素析出
を抑制できる触媒の組成を決定、バイオガスを効率よく利用できる改質装置とSOFC発電性能評価装置で評価。

改質バイオガスを燃料として単セルの発電試験を行ったところ、バイオガスを直接燃料として利用している
先行研究の作動温度より約200℃低い6百℃で、上図1に示すLED電球が点灯できた。4時間程度の発電では
あるが、炭素析出は殆ど見られなかった。

ところで、水素は、その持っている物理的性質から質の高いエネルギー源であること、さらには燃焼生成物
が水のみであるためクリーンなエネルギー源であることで大変注目され、近年様々な製造法が検討されてい
る。中でも、水を原料とした水素の製造は環境負荷が低いという観点から実用化への期待は高い。しかしな
がら、安価かつ安定的、高効率に水素を生成できるシステムは未だ完成していない。

例えば、自治体の有機廃棄物から誘導されるSOFCへのバイオガスの直接供給は、カーボンニュートラルな再
生可能エネルギーシステムが研究されていが、実際のバイオガス中のCH4 / CO2比はバイオガス組成物が強く、
有機廃棄物の種類やメタン発酵の操作条件に影響され1.4~1.9の間で変動する。アノード支持ボタン電
池を使用して、バイオガスを燃料とするSOFCの安定した動作が 800℃での内部改質モードで達成。 0.8 V以
上のセル電圧は、200ミリアンペア/平方センチメートルで8百時間かけて記録。これは、実際のバイオガス
への空気添加は炭素形成のリスクを減少させ、アノード過電圧の低下に起因するセル電圧を損なうことなく、
より安定した動作をもたらすことを実証したことないなる。 

尚、バイオガス燃料電池システムの概要理解のために下図(クリック)を記載しておく。

 

 

※ ScSZ:スカンジア安定化ジルコニアの化学記号

ところで、今夜の段階ではどのような触媒が使用されたのかわからないが、下図の特開2010-240621のような
酸化物の担体(酸化アルミ)とこの担体表面上に形成した遷移金属の触媒成分(ニッケル)と、担体の表面
上に形成したアルカリ土類金属の酸化物(酸化マグネシウム)と、表面付近の担体(酸化アルミ)内に形成
された、アルカリ土類金属(マグネシウム)と担体の成分とを含有するバリア層(四酸化二アルミニウムマ
グネシア)とを含む構成触媒を用いることで、寿命が長く、廉価な触媒で素の析出を抑制可能な触媒が提案
されている(実積?)。これは群馬大学で知財だが、前記した岡山大学の研究グループのメンバーは、強誘
電体ペブスカイト型酸化物の触媒で、エタノールから水素を取り出すことに成功している。これは蛇足では
あるが、

 


● ペロブスカイト型触媒で エタノールを水素変換

 
特開2012-161751 触媒及びその製造方法

 

国際先端技術総合研究所が、ガラス板に内蔵できる完全無色透明の光発電素子を開発。人工水晶を使った新
型の発電素子で、太陽電池と同様に太陽光のエネルギーを電力に変換できる。変換効率はまだ3%程度と低
いが、日差しをカットする45%の高い熱遮断率があり、発電と遮熱双方の効果で、従来の太陽電池をしの
ぐ性能が見込める。高純度な二酸化ケイ素から作られる人工水晶を使って光発電素子を開発した。国内メー
カーが製造する人工水晶の端材を使うため原材料は安価。ソーラークオーツ(SQ)と呼ぶ独自素材を開発
し、電解液を挟んだ2枚の導電性ガラスの一方にSQを貼り付けた構造を持つ。紫外光と赤外光を使い発電
し、可視光は透過する。光発電素子をビルなどのガラスに使えば、発電と遮熱の機能で、20%台の効率を
持つ既存のシリコン太陽電池を上回る性能が得られる。光発電素子はガラスに内蔵し、「光発電ガラス」建
材として子会社のIFTL―Solarが事業化するという。そこで、断言しよう。この事業は成功すると。

※今夜から「今夜もニュースがてんこ盛り」シリーズの兄弟シリーズを初掲載!こうご期待。
 


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