7.述 而 じゅつじ
ことば-------------------------------------------------------
「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」(6)
「一隅を挙げて三隅をもって反らざれば、復せざるなり」(8)
「不義にして富みかつ貴きは、われにおいて浮雲のごとし」(15)
「子、怪、力、乱、神を語らず」(20)
「三人行えば、必ずわが師あり」(21)
--------------------------------------------------------------
13 孔子は斉(せい)に滞在していたとき、大韶を聴いて深い感銘
をいう、数カ月もの間、どんなにうまい料理を食べても味がわからぬ
ほどであった。孔子は言った。
「夢にも思わなかったことだ、これほどの音楽があろうとは」
子在齊、聞韶樂三月、不知肉味、曰、不圖爲樂之至於斯也。
Confucius listened to Shao music when he stayed in Qi.
He was impressed by the music as he couldn't taste anything for
three months. Confucius said,
"I've never thought that a music can be so lofty."
【ポストエネルギー革命序論55
岩手県遠野市初!メガソーラーシェアリングが稼働開始
岩手の特産品 畑わさびを栽培、地域活性化に貢献
8月30日、SBIホールディングス株式会社は、岩手県遠野市で開発を
進めてきた営農型太陽光発電所「SBI遠野第一ソーラーシェアリング発
電所」が、2019年6月17日より商業運転を開始していることを公表。
SBIエナジーが取り組むソーラーシェアリングは、千葉県匝瑳(そうさ
)市でのメガソーラーシェアリングプロジェクトへの参加に次いで2
件目。本発電所は、株式会社東北銀行よりプロジェクトファイナンス
の形で融資を受け、協栄電工株式会社が設計・施工を担当。総面積約
1.9ha、発電出力1.2メガワットの太陽光発電を行うとともに、下部農
地での営農は、合同会社オービットファームに委託し、岩手県の特産
品の一つである「畑わさび」の栽培を予定す。想定年間発電量は約
1,390MWh(20年平均)となり、一般家庭約316 世帯分の年間電力量を賄
うとともに、約702t - CO2/kWhのCO2削減に貢献予定。 発電した電力
は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用して東北電力に売電
し、売電収入の一部を、営農者や地域に還元するなど、本発電事業を
通じて地域活性化にも貢献させたいとのこと
clustered regularly interspaced short palindromic repeat;クリ
スパー) は数十塩基対の短い反復配列を含み、原核生物における一種
の獲得免疫系として働く座位。配列決定された原核生物のうち真正細
菌の4割と古細菌の9割に見出されているが、プラスミドやファージ
といった外来の遺伝性因子に対する抵抗性に寄与するものだが、これ
を使用し、Enterococcus faecalis 細菌から抗生物質耐性遺伝子を除
去するプラスミド----細胞内で複製され、娘細胞に分配される染色体
以外のDNA分子の総称---の設計に成功したことを公表。現在、2050年
までに癌を上回る可能性があり、毎年 1,000万人以上が死亡予想され
ている抗生物質耐性感染症。In vitroおよびマウスモデルでは、被操
作プラスミドで抗生物質耐性遺伝子をE.faecalisから除去することで
院内感染症を、マウスモデルでプラスミドが耐性遺伝子の存在量を3
倍減少した。
図1.CRISPR-Casは、in vitro共培養で抗生物質耐性遺伝子を標的と
し、 排除する接合pPD1誘導体プラスミドを設計。
(A)pPD1誘導体pKH88の概略図。pKH88は、構成的腸球菌bacAプロモ
ー ターの制御下で、cas9とCRISPRガイドRNAをコード。ガイドRNAは、
CRI SPRリピート領域と、pAM771のermB遺伝子(pKH88 [sp-ermB])ま
たは pCF10のtetM遺伝子(pKH88 [sp-tetM])に相補的なユニークな
スペー サー配列で構成されいる。pKH88誘導体は、接合伝達、クロラ
ムフェニ コール耐性(cat)、およびバクテリオシンbac-21の生合成
に必要な遺 伝子をコードする。
(B)標的レシピエントE.フェカリス細胞へのpKH88誘導体の送達を描
いた図。
(C)豊富なエリスロマイシンまたはpKH88 [sp-ermB]またはpKH88[sp
-tetM]の取得後のテトラサイクリン。
(D)耐性E.faecalis OG1SSpレシピエント。トランスコンジュゲート
集団からのエリスロマイシンおよびテトラサイクリン耐性の除去は、
pKH88誘導体を標的とする同族スペーサーの導入に依存。
マーカー; R –リファンピシン、F –フシジン酸、Cam–クロラムフェニ
コール。 Abx –抗生物質耐性。 ** p = 0.006(Cのパッセージ0の
場合)** p = 0.003(Cのパッセージ1の場合)、** p = 0.009(Dの
パッセージ0の場合)。
【要約】
多剤耐性(MDR)細菌と闘いの新しい治療法の進化は、MDR細菌感染の
増加により脅かされている。 特に懸念されるのは、抗生物質療法に抵
抗性のある院内感染(HAIs)。グラム陽性の腸内病原体であるEnteroc-
occus faecalisはHAIs関連し一部の株はMDR化とており、Enterococcus
faecalisの増殖制御の新しい戦略を必要とする。以前にE.faecalisⅡ
CRISPR-Casシステムを特徴づけ、抗生物質耐性決定因子の配列特異的
除去のの有用性を実証する。このCRISPR-Casシステムの抗生物質耐性
遺伝子の選択的除去のためにE.faecalisに効率的に移行するフェロモ
ン応答性接合プラスミドにエンコードされた構成的に発現されるモジ
ュールへの適応について説明する。
in vitro競合アッセイを使用して、これらのCRISPR-Casをコードする
デリバリープラスミド、またはCRISPR-Cas抗菌剤が、腸球菌集団にお
ける抗生物質耐性の発生をシーケンス固有の方法で低減できることを
示す。さらに、マウスの腸にCRISPR-Cas抗菌剤を配置すると、抗生物
質耐性の大便連鎖球菌の発生が数桁減少することを示す。最後に、CR
ISPR-Cas抗菌薬を内包するE.faecalisドナー株は、in vivoでの抗生
物質耐性決定因子の取り込みに耐性があることを示す。この結果は、
CRISPR-Cas抗菌剤の共役送達が、定義されたMDR細菌の正確なターゲテ
ィングまたは哺乳類の腸内の多微生物群集の精密工学のプロバイオテ
ィクス細菌からの将来の展開に適応できることを示す。
プラスチックの燃焼時に発生する二酸化炭素の削減に
貢献する「グリーンナノ」
3%の添加で二酸化炭素を60%削減
海洋プラスチックごみが大きくクローズアップされている。人類の生
活に大きな利便性と恩恵をもたらしたプラスチックが、いま地球環境
を脅かす。そんなプラスチックをエコマテリアルに変えることが可能
な夢のような新技術。アクテイプが開発した「グリーンナノ」。
深刻化する海洋プラスチックごみ問題
死んだクジラのお腹から、ビニール袋やカップなど、大量のプラスチ
ックが出てくる映像がニュースやインターネットで流れ、多くの人に
衝撃を与えた。経済協力開発機構(OECD)の18年の報告によれ
ば、プラスチックごみの発生量は増加の一途をたどり、1980年の5千
万トンから15年には約6倍の3億2百万トンに上っている。その多
くは、陸城だけでなく海域に流出し、このままいけば50年までに、
魚の重量を上回るプラスチックが海洋に流出されることが予想され、
海洋汚染問題は日に日に深刻化。海洋プラスチックゴミの中でも、直
径5ミリ以下の微細なプラスチック粒子は「マイクロプラスチック」
と呼ばれ、含有する添加剤や、海洋を流れる間に吸着する化学物質が
食物連鎖により生物の体内に取り込まれ、生態系へ深刻な影響及ぼす
ことが懸念されている。マイクロプラスチックによる海洋汚染は、日
本近海でも広がっている。環境省の調査によれば、日本近海に浮遊す
るマイクロプラスチックの量は、世界界平均の27倍だと報告されて
いる。東京湾では、カタクチイワシの約8割の内臓からマイクロプラ
スチックか検出されたという調査結果も出ている。廃プラスチックの
主なリサイクル法は回収収したり固形燃料にする。「サーマルリサイ
クル」。 日本の廃ブラスチックのリサイクル率は85.8%だが、うち
58%が熱回収。「サ ーマルリサイクル」となっている。しかし、廃
プラスチックを燃やす「サーマルリサイクル」.は燃焼時にC02が発
生するのが問題。この問題を解決する魔法のような新技術が、アクテ
イブの開発した「グリーンナノj。
燃焼時に二酸化炭素の出ない方法を考える
マィクロブラスチックの問題を解決するには、燃やして体積を減らす
のが最も効果的。石油由来のプラスチックを燃やせば石炭と同等程度
の火力を出せる。だから燃やして熱回収や発電をするのがサーマルリ
サィクルの本質と言える。アクティブ・営業本部の山室博巳氏は、海
への流出を止め、燃焼時の温室効果ガスを抑えることができれば、プ
ラスチックほど利便性の高いものはない。一番大事なのは、そこに着
目することです。燃やして二酸化炭素が出るなら、出ないことを考え
る。そうした発想で開発されたのが「グリーンナノ」だと」と話す。
「グリーンナノ」は、製品でも素材でもない。いつもの原料にわずか
な量のレジンペレットを加えるだけで、プラスチック製品を焼却処分
する際に発生する二酸化炭素を大幅に削減する、次世代のエコ技術。
この新技術のコアとなるのは、アクテイプ創業のきっかけとなった「
ナノベクシルカプセル(N、V、C)」。リン脂質という界面活性物質
でできた膜を持つナノサイズの小さなカプセルで、カプセル内には様
々な材質を封入することが可能。「カプセルの中に脱水素触媒を入れ
ることで、プラスチック燃焼時の二酸化炭素削減を実現している。
「グリーンナノ」に使用しているナノベクシルカプセルは、化学吸着
と炭化反応の組み合わせで、燃焼時に発生する二酸化炭素を削減して
いる。プラスチックの原料となるポリエチレンやポリプロピレンは炭
素と水素で構成されている。そのプラスチックが燃えると、熱によっ
て炭素と水素が分解し、炭化水素ガスかでる。そこで発生した炭素が
酸素と結合し二酸化炭素が発生する。「グリーンナノ」を加えて製造
したプラスチック製品は、燃焼時にナノベクシルカプセル内の脱水素
触媒が働き、炭素に酸素が寄りつかないようにする。残った炭素は炭
素同士で結合し、強固な炭化物になる。炭化物になったものは、千度
以上の熱を加えても二酸化炭素を発生しない。この灰をさらにセメン
ト工場で燃やせばセメントの中に含有され、廃棄物の点で言えば、構
造材の中に使われたり、ヤードで埋立てられ安定状態になる。少なく
とも、マイクロプラスチックとして海洋へ流出することはなくなる。
低コストでリスクの少ない環境対策
2011年には、株式会社サトーとの共同間発で、この「グリーンナ
ノフを使用し、焼却時に二酸化炭素を吸収するラベルの開発に、世界
で初めて成功。焼却時にラベル自体の二酸化炭素だけでなく、周囲の
二酸化炭素も吸収し「グリーンナノ」を添加していないラベルに比べ
焼却時に発生する二酸化炭素を20%以上削減。アクティブ社では、
ごみ焼却場(ストーカー炉)と同様の直接燃焼による排出ガスをりアル
タイムに測定する実証試験も行っており、「グリーンナノ」を使用し
た場合、ラミフィルムで平均63%、不織布で平均59%の二酸化炭
素削減ができると結果も得ている。「グリーナノ」の優れている部分
は、原材料のメイン樹脂にマスターバッチのグリーンナノを3%添加
するだけで燃焼時に出る二酸化炭素を約60%削減できること、さら
に、透明性や強度などの材質も犠牲にすることなく、環境対応をする
ことができる。もう1つ大きいのは、製造工程を全く変える必要がな
いこと。例えば、植物由来の材料に変えるとなれば、フリレムを作る
工程から変えることが必要となり、製造上のリスクもコストヘの影響
も大きい「グリーンナノ」なら、樹脂など、もともとの原料にマスタ
ーバッチを3%均一に添加するだけで、環境性能は間違いなく上がる。
ちなみに、「グリーンナノ」を使った場合、単純な原価計算で上がる
コストは約3~5%。今後、環境対策への要求がますます高くなる中
で、製造工程を変えることなく、コストもリスクも最小限ですむ、魔
法のような新エコ技術。プラスチックの持つ (強度〉〈透明性〉〈低
コスト〉の特長を維持しつつ、環境対策も図れる「グリーンナノ」。
現在、少しずつ注目を集めており、アパレル副資材メーカーのテンタ
ック株式会社か採用を決め、グリーンナノを添加した樹脂を使った製
品製造を開始、また、使い捨て傘に使用して、とのくらい二酸化炭素
を削減できるかを検証したところ、大きな削減を期待できることから
大手コンビニメーカーなどからの引き合いも得る。
毎日使うもので二酸化炭素を滅らす
燃焼時にC02を削減するとはいえ、石油系のプラスチヅクは、どう
してもく悪役〉にされがちだが、プラスチックの原料となるポリエチ
レンやポリプロピレンはガソリンなどを取った後の廃棄物を有効活用
してできている。本来、石油を使わない植物由来のものがいいという
考え方はあるが、透明性や機能性をある程度犠牲にしなければならな
い上、植物由来は入れた分だけC02を削減できると言うか、それが
事実かどうかの検証は実際にはされていない。レジ袋をやめて、全部
紙にする場合、紙を作るには木を切らねばならないことを考えれば、
本当の環境対応がどういうことなのかを、もっと深く考える必要があ
りると話す。これは裏付けデータを早急に公開されて判断するしかな
い。一方で生分解性プラスチックの場合、発見されたクジラのお腹か
ら出てきたレジ袋は生分解性プラスチックだった。生分解は微生物分
解のため、条件が揃わなければ分解されない。さらに、仮に2年で分
解するからゴミの分別かいらないと言ったところで、2年間形状を保
ったままのゴミを処理場として持っていられるかと筥えば現実的でな
く、結局燃やすことになる。日本では、分別を徹底し、回収し、焼却
する廃棄物処理が定着している、なぜ燃やすかと言うと、体積を減ら
すため。これがマイクロプラスチックにとって、現在一番いい処理法
だと思もわれる。文明の力で作ってきたプラスチックを燃やし、熱や
電気として回収することで、再利用する。プラスチックの利便性も機
能も犠牲にすることなく、環境にも配慮する、これが究極の環境対策
廃棄物をただなくすのではなく、使って使って、ダメになったら電気
に回す。「グリーンナノ」はサーマルリサイクルと親和性の高い技術
と言えると前出の山室氏は話す。現在、世界中で大きな問題となって
いる温室効果ガスについては、火力発竃や製鉄所に二酸化ガスを補足
回収する材料を投入し、地中深く埋めようという大きな国家プロジェ
クトも勤いている。そうした取り組みの効果は大きいとが、毎日使う
ものでコツコツを二酸化ガスを減らしていきたいと話す。何年も前か
ら使って定着しているレジ袋をなくすことが、本当にできるのといっ
た状況の中で、プラスチックを便利に使いながら温室効果ガスを減ら
すことのできる「グリーンナノ」は、救世主とも言える。1つひとつ
は小さくても、積み重なれば大きな力となる。「グリーンナノ」を通し、
地球温暖化防止に少しでも貢献していければ。と話す(出展:環境ビ
ジネス,2019年秋季号)。
関連特許
①特開2008-063284 タンパク質類内包リポソーム、タンパク質類内包
リポソームの製造方法、製造装置、リポソーム製剤 阿部正彦 他
【概要】図3のごとく、タンパク質類内包リポソームの製造方法は、
膜脂質とタンパク質とが混入された混合溶液界面に超臨界状態の二酸
化炭素を接触させる超臨界二酸化炭素界面接触工程と、接触後所定の
時間経過後に前記界面に接触する二酸化炭素の圧力を減少させる減圧
工程とを含む。これによりタンパク質類内包リポソームおよびこのリ
ポソームを用いたリポソーム製剤を提供できる。
リポソーム(Liposome)は、主に生体由来のリン脂質などにより形成
される二分子膜構造を有し、内部に水相を有する閉鎖小胞体であり、
1965年にBanghamらによって発見された。その構造的特徴から発見以来、
近似度の高い生体膜モデルとして広く利用されてきた。近年ではリポ
ソームは医薬品・香粧品の基材として応用が盛んに試みられているが、
特に注目されている研究の1つとして遺伝子運搬体として応用する研
究に注目が集まっている。すなわち、リポソームの内水相は、外界と
隔離された小胞であるため、内包した物質を特定の部位に運搬するこ
とができ、かつ血清中に含まれる核酸分解酵素に代表される遺伝子分
解成分からも保護できるため、遺伝子運搬体として注目されている。
さらに近年では例えば薬物送達システム(Drug Delivery System;
DDS)のキャリアーとしての応用研究などが盛んに試みられている。
リポソームが遺伝子運搬体や薬物送達システムなどとして用いられる
理由として、生体膜の主要構成成分であるリン脂質を用いるので、生
体適合性に優れることや、膜組成やサイズの選択が容易であること、
内水相に水溶性薬物、二分子膜内部に油溶性薬物の両方を保持するこ
とができること、膜上に抗原、抗体、糖などの特異的リガンドを結合
できること、体内の分解酵素などによる薬物の失活を防ぐことができ
るとなど、様々な利点を有することを挙げることができるが、リポソ
ームの実用化において、製造方法、安定性、保存法などについての更
なる研究を必要としているのが現状である。
リポソームの製造方法としては様々な方法が知られている。例えば
(1)リン脂質または糖脂質のサスペンションを超音波で処理する超
音波処理法、(2)リン脂質または糖脂質と界面活性剤の混合ミセル
を形成し界面活性剤を除去する界面活性剤除去法、(3)有機溶媒に
溶かしたリン脂質または糖脂質溶液を水槽に注入して、水と有機溶媒
の界面でリポソームを形成させる有機溶媒注入法、(4)リン脂質ま
たは糖脂質を懸濁した水溶液を凍結した後、溶融して脂質二重膜を形
成し、これをさらに凍結溶融してリポソームを形成させる凍結融解法、
(5)水に溶解しない有機溶媒に、少量の水系溶媒を加え、超音波を
あててW/Oエマルジョン(逆ミセル)を形成し、有機溶媒を減圧下
で除去する逆相蒸発法、(6)超臨界二酸化炭素流体にリン脂質また
は糖脂質を溶解し、減圧過程で保持対象水溶液を攪拌注入する超臨界
二酸化炭素逆相蒸発法、などを挙げることができる。
※この他、従来法のBangham法は、容器内でリン脂質をクロロホルム
に溶解し、次いでクロロホルムを蒸発させて容器内面上に脂質薄膜を
作製した後、上記薄膜に水を加えて薄膜を膨潤させ、さらに容器を振
盪することにより、MLV(multi-lamellar vesicle)形状のリポソーム
を得る方法がある。
【発明を実施するための最良の形態】
タンパク質類内包リポソームについて検討した結果、驚くべきことに
タンパク質類の保持量が従来法(Bangham法)で製造されたリポソー
ムのよりもかなり多く(時に5倍以上)や、分散安定性にも優れるタ
ンパク質類内包リポソームを提供することができ、この製造方法を見
出すに至った。タンパク質の保持効率が増大した理由については、一
例として考察するに以下の二要因を挙げることができる。まず一つに
は、内水相の保持量の増大である。この理由は、得られるリポソーム
の安定性、膜枚数が大きく起因していると考えられる。リポソームの
安定性が良好であるとリポソームが分散した状態を保つため内水相の
保持量が増大し、また、膜枚数が一枚であると形成するリポソームの
数が増えるため内水相の保持量が増大するためとも考えられる。
二つにはリポソームへの表面吸着量の増大であるとも考えられる。本
法では特許文献3などから一枚膜のリポソームが形成できることが知
られている。一枚膜のリポソームが形成できるとリポソームの数が増
えるため、バルク中と接するリポソームの面積が広くなり、多くのタ
ンパク質をリポソーム表面、および二分子膜中に保持できたものでは
ないかと考えられる。
②特開2013-122020 二酸化炭素排出量削減樹脂組成物およびその製
造方法並びにその用途 アクテイブ株式会社
【概要】二酸化炭素吸収剤の分散性を高めて、焼却時の二酸化炭素排
出量の削減効果が高く、軽量で機械的物性に優れた樹脂材料とその製
造方法および用途を提供するために、二酸化炭素吸収剤と、ポリオレ
フィン系樹脂の結晶核剤とを内包するリポソームをポリオレフィン系
樹脂に添加してなることを特徴とする。
樹脂材料は、軽量、腐食に強い、成形が容易等の特徴を活かして、フ
ィルム、シート、ボトルを始めとする各種成形品に加工され、日常生
活用品から産業用途まで幅広い分野において大量に使用され、我々の
生活を支えている。しかし、幅広く大量に普及したため、廃棄時の焼
却における有害物質の発生等各種問題を引き起こしている。ここで代
表的な有害物質であるダイオキシンの排出問題は、燃焼温度の制御に
よって解決されてきているが、地球温暖化への影響から排出量削減が
強く望まれている二酸化炭素は、燃焼の最終生成物の1つであるため、
削減が難しいのが現状である。
一方、この焼却への対策として、埋め立てによって自然分解する生分
解性樹脂も存在するが、大量に使用される樹脂材料を全て置き換え、
埋め立てによって処分することは困難であるため、樹脂の廃棄方法は
焼却が重要な位置を占めてしまう。また、廃棄量そのものを削減する
方法として、再生利用が行われているが、再生利用はまだ一部である
のと、再利用を重ねるごとに強度等の物性が落ち、最終的に焼却され
ることとなるため、二酸化炭素排出の根本的な解決とはならない。以
上の様な二酸化炭素排出問題を解決するため、二酸化炭素の発生を抑
制する化合物を樹脂に配合する方法(例えば特許文献1、2および3
参照)が出願されている。特許文献1では、二酸化炭素の発生を抑制
する化合物として炭酸カルシウム、アルミノ珪酸塩および水酸化カル
シウムを用いている。特許文献2では、ゼオライト、炭酸カルシウム
特定の難燃化剤を用いている。特許文献3では、ココナツ中果皮繊維
を用いている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、有機化合物である
樹脂と相溶性の悪い無機化合物を二酸化炭素の発生を抑制する化合物
として、通常の方法で押出機によって混練り、配合するため、無機化
合物の分散性が悪く、凝集が起こって樹脂の耐衝撃強度の低下を招い
てしまう。また、凝集することによって無機化合物の表面積が小さく
なるため、アルミノ珪酸塩やゼオライトの空孔に二酸化炭素を吸着さ
せる効果や、水酸化カルシウムと二酸化炭素の化学反応を活かしきれ
ない。そのため、無機化合物による二酸化炭素の吸収量を多くするた
めには無機化合物の配合量を増やすこととなり、さらに耐衝撃性が落
ちて脆い材料となり、樹脂材料の軽いという特長も失われてしまう。
また、特許文献3では、植物由来の配合物であるため、耐熱性が低く
樹脂成形時の高温で変色や臭いが発生する。従って、成形温度と方法
が制限され、樹脂材料の化学的安定性と成形が容易であるという特長
が失われてしまう。
③特願2008-135009 ベクシルの製造方法、この製造方法によって得
られるベクシルおよびベクシルを製造するためのW/O/Wエマルション
機能性成分を脂質でカプセル化する|筑波大学 国際産学連携本部
多相エマルション法、あるいは脂質被覆氷滴水和法という2つの新し
い製造技術を使用して、親水・疎水いずれの薬理成分や食品機能成分
も脂質でカプセル化(リポソーム)できる。特に水に溶けやすい親水
性成分を効率的にカプセル化できる製造技術。
これは大変面白い技術。二酸化炭素排出量削減もエネルギーと同じで
「ベストミックス」と言うわけでですね。「コツコツ削減戦術」の有
力策として勉強させていただきました。
【ゼロウエスト事業編】
タイで電気・電子機器廃棄物のリサイクル実証事業スタート
アジア諸国でのリサイクルモデル確立を目指す
9月13日、NEDOは、本日、タイ工業省工場局(DIW)と電気・電子機
器廃棄物(WEEE)リサイクルの実証事業を実施することに合意し、基
本協定書(MOU)を締結したことを公表。それによると、タイ国内初
となる日本の高度リサイクル技術を用いたWEEEの一貫リサイクルシス
テムの導入や、タイに適したガイドラインの導入支援に取り組み、廃
棄物処理の適正化を後押しします。また、同国内で処理できない貴金
属と有害廃棄物の混合物を日本で再資源化することで国際資源循環を
実現し、タイをはじめとするアジア諸国におけるリサイクルモデルの
確立を目指す。本実証事業は、「アジア省エネルギー型資源循環制度
導入実証事業」のテーマの一つとして実施しています。2017年度にタ
イで実施した実現可能性調査(FS)の結果をもとにステージゲート審
査を通過し、2019年度から2年間の予定で実施。WEEEの破砕後に排出
されるミックスメタル(プラスチック、ガラス、金属などの混合物)
の粒度・比重選別を行うことで、有価物(銅、ステンレス、アルミ、
貴金属)を効率よく回収する自動リサイクルシステムを導入し、その
有効性を検証。また、タイ国内で処理できない貴金属(金、銀など)
と有害廃棄物(鉛、亜鉛など)の混合物を、日本で再資源化すること
で国際資源循環を実現し、タイをはじめとするアジア諸国におけるリ
サイクルモデルの確立を目指す。これと並行して、日本の家電リサイ
クル法や小型家電リサイクル法を参考にしながら、タイに適した廃棄
物処理に関わるガイドラインの検討を共同で実施する予定。
Feb. 12, 2019
“消せるトナー"で用紙の削減
パリ協定、RE100など脱炭素化に向けた動きが急速に進むなか、
それに呼応する形で世界企業・大手企業を中心 に環境経営が推進さ
れてきている。その一方で、何から手を付けてよいのかわからないと
いう企業も多い。東芝テックが展開するハイブリッド複合機「Loops」
は、環境経営を促進するひとつの有効な手段といえるだろう。
オフィスにおける環境対策の現状
昨年12月に開催されたCOP24では、締約国がパリ協定実施に向けた只
体的な方策について合意した。これにより、温室効果ガスの削減、
脱炭素に向けた国際的な枠組みが大きく前進したといえるが、公的セ
クターの動き以外にも、RE100やSBTなど脱炭素に向けた国際的なイニ
シアティブも拡大。参画する企業は、国内外で増加の一途をたどって
いる。政府も2030年度に2013年度比で温暖化ガスを26%削減するとい
う数値目標を掲げる。これは、エネルギ ーミックスと整合的なものと
なるよう、技術的制約、コスト面の課題などを十分に考慮した裏付け
のある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標として
設定された。一方、日本の温室効果ガス排出量は、2017年時点で庶界
第5位。日本企業の温室効果ガス抑制の取り組みをみると、工場や倉
庫等の場合、水銀灯からED照明への切り替え、空調機器の効率化、エ
ネルギーマネジメントシステムの導入によるエネルギーの最適化等を
通して一定のC02排出抑制の成果は出ている。しかし、オフィスの
場合、LED 照明や空調の改善、節電に関する社内アナウンス等はある
程度実施されているが、それ以外の対策は、手を付けられていないケ
ースが多いのが現状。
CO2抑制の手段として 期待される用紙の削減
こうしたなか、オフィス内の環境対策 として複合機の児直しを検討
する企業 が増えてきている。従求は、複合機の C02排出量を抑制
するためには消費電力を抑えることがメインであった。しかし、図1
を児てわかる通り、C02の排出量でみると、複合機本体よりも用紙
に 由来するC02の排出が圧倒的に多い。政府の方針でも、用紙の削
減はC02抑制のためのひとつのキーワードになっている。具体的に
は、2016年5月に 閣議決定された政府実行計画のなかで 「用紙類の使
用量の削減」という実施項 目を設け、「用紙類の使用量を、2013年度比
で、2020年度までに政府全体で概ね10%以h削減することに向けて努
める」と述べる。用紙の削減は、C02排出抑制のためのひとつの有
力なF段といえる。
¨消せるトナー¨で ペーパーリユースを実現
東芝テックが開発した消せるトナー 搭載の複合機「Loops」は、ベーパ
ーリユースによる用紙の削減でCO2の排出 抑制を実現する。従来は、
一度印刷した用紙は社内で保管するか破棄するかの選択。Loopsはこ
こに新たな選択肢“消色"を加えた画期的な複合。パイロットコーポ
レーションが開発した摩擦熱を利用し、こすることでインクが消える
筆記具「フリクション」から始まったもの。Loopsは消せるブルート
ナーで印刷し、使い終わった用紙は専用の消色装置で白紙に戻す。な
お、フ リクションの消える温度とLoopsのトナーが消える温度は違う。
ブルートナーで印刷した文書にフリクションで追記可能。フリクショ
ンとの併用で、今までと同じように紙を使い、オフィス内でのリサイ
クルができる。また通常の消えないブラックトナー搭載のハイブリッ
ドタイプで活用できる。