9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」
(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25)
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3 冠は麻で作るのが礼の定めだが、今は手間を省くために絹で作
る。これには、わたしも賛成する。だが、主君への挨拶を堂上で行
なう最近の慣例は、不遜にすぎるというものだ。人はどうあろうと
も、わたしは礼に従って堂下に降りたい。(孔子)
〈手間を省く〉 冠に使う布は、糸二千四百本を二尺二寸の頓に織
りこんだ目の細い麻布と規定されていた。
子曰、麻冕禮也、今也純儉、吾從衆、拜下禮也、今拜乎上泰也、雖
違衆、吾從下。
Confucius said, "From a courtesy point of view, a hemp cap
is formal. Nowadays, some people wear a silk cap because of
an economical point of view. I shall follow those people.
From a courtesy point of view, we should bow down to our lord
from the lower ground of the palace when we are called by our
lord. Nowadays, some people bow down at the place of equal
height to the lord, it is arrogance. I never follow those
people."
【佐竹本三十六歌仙下句トレッキング;藤原の敏行⑫】
#TheThirtySixImmortalPoets#FujiwaranoToshiyuki
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
❦ 秋が来たと目にははっきりと見えないけれども、風の音にはっ
と気づいた。
恋ひわびてうちぬる中に行きかよふ夢のただぢはうつつならなむ
❦ 恋に悩んで悶々と過ごすうち、ふっと落ちた眠りの中で、あの
人に逢えた。夢の中で往き来する道は、まっすぐあの人のもとに通
じているのだ。現実もそうであったらいいのに。
すみの江の岸による波よるさへや夢のかよひぢ人目よくらむ
❦ 住の江の岸に寄る波は、昼も夜もしきりとやって来るのに、あ
なたは来てくれない。暗い夜でさえ、夢の通い路で、人目を避ける
のだろうか。
老いぬとてなどかわが身をせめぎけむ老いずは今日に逢はましもの
か
❦ 年を取ってしまったと、なぜ我が身を責めたりしたのだろう。
老いるまで生きなかったら、今日のような良き日には出逢えなかっ
ただろう。
古今和歌集
ふる雪のみのしろ衣うちきつつ春きにけりとおどろかれぬる
❦ 降る雪のように真っ白い蓑代衣を着ておりますと、暖くて、お
や私のもとにも春が来たのだなあと気づきました。
後撰和歌集
藤原敏行(?~901)
宇多朝歌壇で活躍した歌人。『伊勢物語』第107段「身をしる雨」
などから、在原業平と親交があったと考えられる。能書家としても
知られ、京都・神護寺にある貞観17年(875)銘の梵鐘の序詞
は敏行が揮毫した。
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。
【ポストエネルギー革命序論94】
室温で曲げられる完全無傷な薄膜アルミナガラス
11月15日、フィンランドのタンペレ大学らの研究グループは、
酸化物ガラスの割れやすさを克服すべく、アモルファス酸化アルミ
ニウムの低変性特性により、室温および高ひずみ速度で破壊するこ
となく変形できる。このためこの薄膜は、室温で高密度で幾何学的
な欠陥がない限り、100%まで塑性流動できる。 低温でのアモルフ
ァス酸化物のはるかに高い延性を示すことを発見した。これにより
電子デバイスやバッテリーなどのアプリケーションの機械的抵抗と
信頼性を改善する可能性を秘めた耐性ガラス材料に資するものと期
待される。
DOI: 10.1126/science.aav1254
図1.室温300Kでa-Al2O3の粘性挙動測定とシミュレーション手順
(A)a-Al2O3(サンプル)の永久変形(ひずみ)と流動測定の、そ
の場測定でせん断-圧縮を比較。 スケールバー、100 nm。力ベクト
ル。(B)張力下でのa-Al2O3(試料)の永久変形と流動測定のその
場実験とシミュレーション準備。スケールバー、1μm。 PLDフィル
ム、パルスレーザー蒸着フィルム。 (C)実験(exp;各データポイ
ントに対してN = 1サンプル)およびシミュレーション(sim .; N
= 6)塑性流動中のひずみ速度(log10)の関数としての粘度(log
10)。シミュレートされた流体ストレスの平均は、合計25〜50%ひ
ずみ。全シミュレーションは、バルク動作をシミュレートに周期的
境界条件(PBC)で実施。
①特開2019-106378 Li二次電池用のガーネット材料 クアンタム
スケイプ コーポレイション
【概要】
下図36のごとく、ガーネット材料組成物として、リチウム充填ガ
ーネット及びアルミナをドープされたリチウム充填ガーネットであ
る。また、微結晶粒を有するリチウム充填ガーネット薄膜である。
また、イオン伝導性材料の高密度で薄型(<50μm)の自立型膜を含む
構造体を製造する方法であり、焼結技術を含む、固体電池用途で電
解質及びカソライトとして使用するのに好適であるガーネット材料
組成物、及びその作製、使用方法、及び該ガーネット材料組成物を
用いた電気化学デバイスの提供。
②特開2011-155271 強誘電体層を有する層構造体、および、層構
造体の製造方法 ピレオス リミテッド
【概要】
下図1のごとく、基板Sと、白金層PSと、白金層PS上に形成さ
れた強誘電体層FSとを有しており、基板Sの表面OSは二酸化ケ
イ素を含み、基板Sと白金層PSとの間にアモルファス酸化アルミ
ニウムから成る中間層ZSが設けられる。この中間層ZSにより強
誘電体層FSのモルフォロジーが改善され、層構造体の均一性が保
証される、基板と白金層と強誘電体層とを有する層構造体において、
白金層と基板の間の接着性を改善する層構造体を提供する。
図1
水に浮かぶ金属の不沈船が現実に なぜ?
蟻触発され、非常に撥水性のある金属構造を製作したことを公表。
それによると、超疎水性(SH:superhydrophobic)表面は、浮力増
加と抗力低減まで完璧に実現できるもののその実用は限られていた。
その理由として、①SH表面が浸水したり、②機械的摩耗で損傷する
と、超疎水性表面の撥水力が低下。ここでは、これらの困難な2つ
の障害を回避し、水蜘蛛と火蟻に触発され、高度な超疎水性多面金
属構造物(highly floating multi-faced SH metallic assembly)
を設計し、この浮動特性を理論的に、あるいは実験的に研究し、最
適化する。この構造物は、前例のない浮動能力を発揮----数か月間、
水面下に沈めた後でも、水面に浮上した。さらに驚くべきことに、
従来の船舶や水上装置とはまったく対照的に、深刻な損傷や穿孔の
後でも、浮遊能力を維持。超疎水性多面金属構造物の潜在的な用途
は、浮体デバイスや電子機器の保護から、高度に浮体可能な船や船
舶にまで広範に及ぶ。
この構造は、研究室がフェムト秒のレーザーバーストを使用し空気
を閉じ込め、表面を超疎水性または撥水性にする複雑なミクロおよ
びナノスケールパターンで金属の表面エッチング法を開発技術を使
用。しかし、長時間水に浸した後、表面の疎水性が失われ始めるる
ことを発見。そこで、クモとアリの生態を模倣----水面下または水
面上で長期間生存できる構造--①密閉されたエリアに空気を閉じ込
める→②水生クモは、水中ドーム型の蜘蛛の巣(=ダイビングベル)
を作り、超疎水性の脚と腹部の間の表面から運ばれる空気で満たす
→③火蟻は、超疎水性の物体の間に空気を閉じ込める筏をつくる→
④2つの平行なアルミニウム板の処理面が外側ではなく内側を向い
ている構造を作成。表面は適切な距離だけ隔て、構造体を浮かせる
のに十分な空気を閉じ込めて保持。つまり、本質的に防水部位を作
成。超疎水性の表面は、構造物が水に沈むことを余儀なくされる場
合でも、水が部位に入るのを防ぐ。
● 今夜の一枚
ゴトウヒロシ 『蜜と太陽化』
1962年、名古屋生まれ。91年第1回Adobe Design Contest Adobe賞
第12回日本グラフィック展ダニエラパラツッオーリ賞受賞以来、作
家として活動開始。93年2月HBギャラリーにて初個展以来、毎年個展
開催。デジタルイメージ゙農地グループ展にも参加。99年1月よりキャ
ノン幕張デジタルギャラリーーにて個展。10月パリ「ヴァンティロ」グ
ラフィック日本展に参加。主な仕事に角川書店刊「おんな紋」、東京書
籍刊「心みだれて」、実業之日本社刊「夜離れ」等カバーイラスト、郵政
局絵入り年賀状イラスト、ディシラMonthlyバースデイカードイラス
ト等がある。
http://www.c-engine.co.jp/goto/ E-mail goto@hiltd.cojp
コンピュータに入る前のボクは、観察者となって目の前の被写体で
ある花を手に取り、裏側の茎と額がどのように接合しているのかを
調べ、花弁を開いて雄しべの形をスケッチする。葉脈の有り様を写
し取るのは根気がいるが葉の厚みを表現するためには必要な作業な
ので途中で投げ出してしまうわけにはいかない。相手が食べられる
物の時はあとで味わうことを想定すると悪戯にこねくり回すことは
できないが、それでも葡萄なんかは実をもぎ取ってしまわなければ、
茎の具合がわからないし、柘榴だったらやっぱり割ってみて赤い実
をかき分けてみたくなる。つまんだ実を口に含もうものなら、その
酸っぱさを表現してみたいと、絵描きとしてもっともらしい欲も沸
いたりして。同じ実でもリンゴやレモンといったよく静物画のモチ
ーフになるようなものは苦手だ。一度仕事の依頼で描いた ことがあ
るが、どう転がして眺めてもリンゴはリンゴで、さっぱり自分の絵
にならない。被写体が生き物である以上、ふだん何かしら感情移入
して描くようにしているのだが感情どころかどう描いていいのかも
さっぱり思いつかなかった。やはり相性はある。描きやすいのは多
少複雑な形をしているものだ。南天なんかは実の形は単純だけれど
枝振りが複雑な美しい曲線を持っているので絵作りし易い。蜻蛉や
蟻みたく羽や足があるものも描き易いな。しかしイカを描いたとき
は最悪だった。泳いでいるイカを水族館にスケッチに行くのが面倒
だったので、近所の魚屋で仕入れたのだけれど、机の上に置いてご
丁寧に吸盤の1つひとつまで描き写しているうちに、Zライトの熱
で勝が溶けだしてきて、あたりは黄色い汁でひたひたになるし、な
により臭いが強烈で、まるで塩辛を鼻に詰めているような感じ。さ
すがに懲りた。それぞれの絵にそれぞれの思い出があって、そんな
一期一会を重ねながら画業に精進の日々。