10 郷 党 きょうとう
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他の篇と追ってことばの記録ではなく、公生活、私生活における孔
子の具体的行勣のひとつひとつを記録したものである。これらは、
とりもなおさず礼のエキスパートによる礼の実践の記録であって、
これによって当時の礼の規定の具体的内容をうかがい知ることがで
きる。事実、この篇のすべてが孔子についての記述であるわけでな
く、礼の一般的規定 を述べた部分が多いとする説もある。
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9 主君の祭祀に参列して頂戴した犠牲の肉は、その日のうちに食
べ、宵越しにしなかった。また自家の祭祀に用いた肉も、三日以内
に片づけ、三日を越すと口にしなかった。
祭於公不宿肉、祭肉不出三日、出三日不食之矣、食不語、寢不言、
雖疏食菜羮瓜、祭必齊如也。
He should eat meat which was given by his lord at the rites
by the end of the day.He should not offer meat over three
days at the rites of his family. If over three days passed,
do not eat the meat. He should not talk when he eats and when
he sleeps. He must behave respectfully at the rites even if
he offered coarse food.
2019.12.18
〇今週の注目ポイント
①予測エリアの圏外でしたが12月12日に宗谷地方北部を震源とする
地震(M4.2、震度5弱)が起きました。 震源の深さが7kmと浅かった
ためにマグニチュードが小さいにも関わらず最大震度は5弱。
揺れた範囲は限定的。8月7日発行の「MEGA地震予測」では宗谷地方
の「中頓別」に6cm以上の大きな週間高さ変動があり、要注意を呼
び掛けました。 異常が出てから実際の地震が起きるまで3か月以
上かかる場合がある。現在、時間的精度を高めるために、新しい予
測方法を開発中。
②4cm以上の週間高さ変動は北海道、秋田県および栃木県に各1点
で合計3点ありました。秋田県は先週に続いて高さ変動があるので
警戒を怠らないように。
③隆起・沈降は全国的に隆起と沈降が相半ばしているが地域により
隆起または沈降が優勢な箇所がある。
④水平変動は先々週同様全国的に静穏。南西諸島はやや活発。
〇要警戒
(震度5以上の地震が発生する可能性が非常に高い)
東北地方・北関東
関東地方周辺
九州南部
〇要注意
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い)
北海道釧路・根室周辺
北海道道南・えりも・青森県周辺
北信越地方・岐阜県
南海・東南海地方
九州北部
南西諸島
〇要注視
(震度5以上の地震が発生する可能性がある)
鳥取県・島根県周辺
人口減少時代のまちづくり㊵
第22章 文化 何がおこっているのか
第89節 価値観の多様化の現況は
【要点】
①家族のあリ方は、伝統的な家族規範から抜け出し個人の価値観や
主体的選択にゆだねられつつある。日本では、インターネット利用
者が急増。
②今後の生活の力点を、レジャー・余暇生活に置く人の割合が最も
高い。
③個人や家庭、地域共同体を犠牲にしない範囲で、多様性の共生が
可能な地域社会を求めている。
1 価値観の多様化を取りまく社会潮流
現在から将来にわたって社会や生活者へ影響を及ぼしそうな様々な
事象が生じています。①高度成長期の経済社会システムの崩壊によ
る不安定雇用の増大や失業リスク。②グローバル化の進展による外
国人労働者の流人。③格差社会の進展による豊かな中間居の減少と
下流刑の増大。④少子化、高齢化による世代回格差の増大。⑤情報
化社会の進展による、個人が同時につながる社会が実現するなど、
今後、価値観・ライフスタイルの多様化が更に、進むと考えられる。
2 価値観の多様化により複雑化する社会問題
価値観・ライフスタイルの変化の可能性には、「健康」、「経済力」、
「コミュニティ・人間関係」、「セキュリティ」という、リスク要
因と本人の価値観の影響が大きくかかわる。
「本人の価値観」として、経済条件や人間関係の問題、多様なライ
フスタイルが可能になることから、本人の価値観・願望に合った生
活ができるか否かの岐路が見えてきます。また、自己実現に積極的
な人も現れる一方、人生の目標に自信がもてなくなり、理想と現実
のギャップに悩み、自己実現に不安を持つ人が増えていく。
「リスク意識・リスク対応」として、自分や家族の経済的リスク、
健康リスク、人間関係やコミュニティ、ソーシャルセキュリティに
関するリスクなど、様々なリスクの出現を考慮せざるを得なくなり、
そうした事態への対応力が問われる社会になっていく。
3 多様な価値観が共有される社会
生活者の価値観は多様化し、細分化の方向に向かっています。一方
で、多様な価値観・意見に対して人々が必ずしも寛容になっている
わけでない。それは、価値観が細分化し、対面によるコミュニケー
ション能力が低下したことで、お互いへの気遣い、人付き合いを望
む気持ち、自分とは違う相手の理解が薄れてきていることが要因。
多様化する価値観の共有について家庭やコミュニティ、組織などで
問われている。①家族機能の変化により、世代分離、晩婚化、非婚
化、離婚率の上昇等、家族のあり方は、伝統的な家族規範から抜け
出し個人の価値観や士体的選択にゆだねられつつある。②「国民生
活に関する調査」によれば、今後、レジャー・余暇生活に重点を置
いた暮らし方の割合が最も高く、生活の多様化傾向が生じている。
③コミュニティにおいて、ライフスタイルの違い、就業意識や価値
観の違いを認めつつ、個人や家庭、地域共同体を犠牲にしない範囲
で、多様性の共生が可能な地域社会が求められている。④企業組織
において、価値観は企業風土や従業員の具体的行動に影響を与え、
結果として企業の存続にも影響する。
多様な価値観を認め合う社会をつくるには、年齢や性別、立場や肩
書、国籍や歴史・文化を越えて一人一人に個性があり、価値観があ
り、一人一人が違うことを心から理解し、排除するのではなく、必
ず持っている能力を活かせる社会を築くことにある。
キーワード 自分の道の追求/孤独感/アイデンティティー
第90節 日本本の文化政策は諸外国と比べてどうか
【要点】
①アメリカは民間主導で税制優遇措置を中心に政策を推進。
②フランスは政府が国家予算の1%を文化政策に充当。
③日本は国力やGDPに比較して文化政策予算が少ない。
1 わが国の文化政策の経緯
第二次大戦後、日本は平和で文化的な国家の建設をスローガンに掲
げたが、実際は経済的な発展に邁進してきた。
文化事業だけでなく、日常の事務事業の中に文化的な要素を組み込
むことを目的に、「文化のための1%システム」というハード面に
おいて推進が図られきした。
89年2月に、企業メセナ協議会が発足。経団連による文化の「1
%クラブ」が創設されました。同年3月には、国が出資金5百億円、
民間からの寄付金百億円を併せて「芸術文化振興基金」が創設され
た。91年のバブル経済の崩壊により、文化行政の見直し気運が広
がり、当時、企業協賛による多くに文化事業が中止や延期の事態に
陥りました。財政逼迫により、新たしい公共の観点から、公共施設
を民間のノウハウと技術を活用して運営し、住民サービスの向上や
経費縮減を目指す「指定管理者制度」などの導入を契機に、効率的
な運営の試みが進めた。それ以降、自治体の文化予算の縮小傾向が
続いている。
2 文化行政の問題
01年に成立した「文化芸術振興基本法」に基づき、必要性が叫ば
れた。76年に兵庫県、神奈川県の両知事から「文化アセスメント
」いう造語が提案され、文化行政は個別の11年に決定された「文
化芸術振興に関する基本的な方針」に沿って、我が国の文化芸術振
興が進められています。その中で、文化芸術を「成熟化社会におけ
る成長の源泉」として位置づけられ、国家戦略として「文化芸術立
国」の実現にむけた方向性が示された。
文化新興を目的とする文化庁予算は、例年、約1000億円、程度
(国の一般会計予算の約0・1%程度)で推移している。文化予算
と寄付額を諸外国と比較してみると、国によって文化政策に関する
仕組みや政策が異なる。アメリカのように民間主導で、多額のNP
O法人の活動や寄付(20兆4000億円)に対する税制優遇措置
を中心に政策を推進していく国もあれば、フランスでは政府が国家
予算の1%(4474億円)を文化政策に充当する国もある。日本
は国力やGDPに比較して文化政策予算が少ない状況だと表されて
いる。
3 今後の文化行政のあリ方
今後の文化行政の方向として、①国の文化政策に係わる省庁間の様
々な政策分野での連携と効果的な施策の推進。②自治体の1700
を超えるホールや劇場の活用策や地域活性化につなげていく政策の
推進。③劇場やホールの在り方、運営に係わる人材育成や地域連携。
④文化芸術振興に関する寄付へのインセンティブや文化支援を行い
やすくする制度づくりなどが求められている。
一方、メセナ活動も多様化し、資金援助以外に、企画・運営支援、
マンパワーの提供、場所の提供、製品・サービスに提供など、文化
施策の担い手として重要な役割を担っている。近年、文化政策の担
い手としての存在感が増している。
キーワード 芸術文化活動助成/メセナ活動/芸術文化立国
今回で諸課題に沿った考察と指針模索がおわり、それらを総合した
模索と指針を考える。この本の「前書き」によれば、91年のバブ
ル経済崩壊(=安定成長時代終焉)➲「失われた20年」と呼ばれ
る長い不況の時代➲リーマンショック/東日本大震災により日本社
会・経済への大きなダメージを負い➲経済のグローバル化の進展と
経済低迷(製造業を中心に、日本各地で産業空洞化)➲正社員の割
合を減らし非正規を採用➲所得格差/セーフティネット問題が惹起
する。
05年、厚生労働省が統計上初めて「人口の自然減」を体験➲「人
口減少時代」に突人すると同時に高齢者の絶対数が増加する「少子
高齢化」が急激進展し、それまでの「高経済成長」=「社会問題解
決」との思想(成長➲豊かさ)の破綻➲制度破=格差拡大(これは
世界的規模)。-方、①多様化する家族形態の変化、②婚姻に関す
る変化(=伝統的な家族規範➲個人の主体的な選択に依存(=恣意
的自由の拡大)。①出産・養育の機能、②親の扶養・介護の機能の
低下を招く。見方をかえれば、日本は『最先端社会問題立国』に位
置についており、これらの諸問題を丁寧に対処し問題解消するこで
人々が安心して幸せに暮すことができる社会を築くことに繋がり、
とりをなおさず、後進諸国の良き模範社会形成に資する名誉が獲得
できると----本書は、これから起こりうる事象を、共通認識として
捉え、論点を導く「22の指標」を設定=①人口変動、②人口移動、
③子ども、④結婚、⑤高齢者、⑥貧困、⑦孤立化、⑧介護、⑨教育、
⑩共同体、⑪社会インフラ、⑫財政破綻、⑬空き家問題、⑭マンシ
ョン問題、⑮土地問題、⑯限界集落、⑰制度・政策、⑱人手不足、
⑲ビジネス、⑳ボランティア、㉑メディア、㉒文化を掲げ、具体的
な事象の設定、オープンデータで分析、「現状・将来」「問題・課
題」「対策・方向性」を検討し、人口減少時代の「90論点」と、
論点を読み解く「ポイント」「キーワード」を明らかにする----と
提案し、わたしたちに「行動」を促している。ここは、一丁頑張る
しかないか!
この項了
【世界の工芸:#CraftsOfTheWorld# 】
①ワラシナ,パツティ(アメリカ)WARASHINA,Patti;アメリカン・ビ
ューティー・ローズ American Beauty Rose
②コトラー,八ワード(ァメリカ)KOTTLER,Howard:身振り手振りで
Messages Gestures
③アーンツ,マイケル(アメリカ);ARNTZ,Michael
春のオブジェクト Spring Time Objed
④バセラ,ラルフ(アメリカ)BACERRA,Ralph;オレンジ色のドーム
Orange Dome
【ポストエネルギー革命序論117】
❏ 最新二次電池特許技術:電極製造技術
①特開2019-212637 全固体二次電池用電極活物質、及びその製造方
法、並びに全固体二次電池 太平洋セメント株式会社
【概要】
現在市販されているリチウムイオン二次電池等の二次電池は、電解
液に可燃性の有機溶媒が使用されているため、短絡防止のための構
造や、短絡が生じた場合の温度上昇を抑える安全装置が必要となる。
これに対し、Li7La3Zr2O12などの酸化物系の固体電解質や、
75Li2S・25P2S5などの硫化物系の固体電解質を備えた全
固体リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度の高さと共に、可
燃物を用いないことから安全装置の簡素化を図ることができ、製造
コストや生産性にも優れるリチウムイオン二次電池として期待され
る。全固体リチウムイオン二次電池は、アルミ箔等の正極集電体、
正極活物質、固体電解質、負極活物質、及び銅箔等の負極集電体と
いった、構成材料のすべてが固体物質で構成されている。上記全固
体リチウムイオン二次電池の製造では、一般的に、これらの構成材
料を積層してプレスする工程が含まれるが、これは、固体材料間の
固-固界面の接触を改良して界面抵抗を低減し、得られるリチウム
イオン二次電池の性能を向上させる。また、非特許文献----稲田亮
史外;第58回電池討論会講演要旨集、1C07、20171----
には、175℃で5時間の加熱処理を行うことによって、固体電解
質Li7-xLa3Zr2-xTaxO12(LLZT)と金属リチウム
からなる負極材料とが良好な接合界面を形成し、界面抵抗が効果的
に低減できることが開示されているが、プレスして製造された全固
体リチウムイオン二次電池等では、充放電によって繰り返される電
極活物質の膨張、収縮や、使用中の振動等によって、二次電池内の
材料の積層構造の破壊が生じ、正極活物質と負極活物質とが接触し
て電池が内部短絡する恐れがある。また、非特許文献1の方法では、
金属リチウム以外の電極活物質への適用が困難という問題がある。
上記課題を解決方法検討し、下図1のごとく、平均繊維径が50n
m以下のセルロースナノファイバー由来の炭素鎖に複数の固体電解
質ナノ粒子(a)が線状に担持してなる固体電解質ナノ粒子集合体
(b)が、電極活物質粒子(A)の表面に担持されてなる、全固体
二次電池用電極活物質から構成される継続的な二次電池の使用にお
いても固体電解質との界面抵抗が有効に低減される、全固体二次電
池用電極活物質、及びその製造方法、並びに全固体二次電池を提供
する。
図1
【特許請求範囲】
①平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー由来の炭
素鎖に複数の固体電解質ナノ粒子(a)が線状に担持してなる固体
電解質ナノ粒子集合体(b)が、電極活物質粒子(A)の表面に担
持されてなる、全固体二次電池用電極活物質。
②平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバーに誘導さ
れて固体電解質ナノ粒子(a)が線状に連続して配列した固体電解
質ナノ粒子列(c)が、電極活物質粒子(A)の表面に担持されて
なる、全固体二次電池用電極活物質。
③前記電極活物質粒子(A)の平均二次粒子径が、50nm~50
μmである、請求項1又は2に記載の全固体二次電池用電極活物質。
④ 前記固体電解質ナノ粒子(a)の平均粒子径が、0.5nm~1
00nmである請求項1~3のいずれかに記載の全固体二次電池用
電極活物質。
⑤ 前記電極活物質粒子(A)と、前記固体電解質ナノ粒子集合体
b)前記固体電解質ナノ粒子列(c)又はその両方を含む場合には
その合計量、との質量割合が、99.9:0.1~70:30であ
る請求項1~4のいずれかに記載の全固体二次電池用電極活物質。
⑥前記電極活物質粒子(A)が、LiNi1-x-yCoxMnyO2、
LiNi1-x-yCoxAlyO2、LiMPO4(M=Ni、Co、
Fe、Mn)、Li2MSiO4(M=Ni、Co、Fe、Mn)、
SiOx、及びLi4Ti5O12からなる群のうち少なくとも1種
以上を含む、請求項1~5のいずれかに記載の全固体二次電池用電
極活物質。
⑦前記固体電解質ナノ粒子(a)が、Li3PO4‐Li4SiO4、
Li7-xLa3Zr2-xTaxO12、La0.51Li0.34TiO
2.94、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li7La3Zr2
O12、及び50Li4SiO4・50Li3BO3からなる群のうち
少なくとも1種以上を含む、請求項1~6のいずれかに記載の全固
体二次電池用電極活物質。
⑧前記線状が、直線状、又は略直線状である、請求項1~7のいず
れかに記載の全固体二次電池用電極活物質。
⑨全固体リチウムイオン二次電池用である、請求項1~8のいずれ
かに記載の全固体二次電池用電極活物質。
⑩請求項1~9のいずれかに記載の全固体二次電池用電極活物質を
備える、全固体二次電池。
⑪ 前記二次電池が、全固体リチウムイオン二次電池である、請求項
10に記載の全固体二次電池。
尚、表1から明らかなように、実施例1の、粒子表面に固体電解質
ナノ粒子が担持された正極活物質を使用した全固体リチウムイオン
二次電池用正極活物質粒子による全固体リチウムイオン二次電池は、
比較例1の、固体電解質ナノ粒子を担持していない一般的な正極活
物質を使用した全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子に
よる全固体リチウムイオン二次電池と比べ、放電容量が非常に大き
くなっていることがわかるデータを添付している。
❏ 二硫化タングステンで有機太陽電池の効率17%
サウジアラビアのキングアブドラ科学技術大学研究グループは、数
原子の厚さの二硫化タングステンフレークを使用した高性能の有機
太陽電池セルを開発したことを公表。 ただし、デバイスの安定性
は未評価。
(HTL)としての液体剥離2次元遷移金属二硫化物(TMD)の適用が
報告されている。数層の二硫化タングステンまたはニ硫化モリブデ
ン懸濁液を透明なインジウムスズ酸化物(ITO)電極に直接溶体化
処理すると、さらなる処理する必要なく仕事関数が変化することを
示唆。二硫化タングステンを含むHTLは、モリブデンよりもITOで高
い均一性を示し、優れた電力変換効率(PCE)、改善された曲線因
子(FF)、強化された短絡電流(JSC)、およびより低い直列抵抗
を持つ太陽電池を一貫して作製するポリ(3,4‐エチレンジオキシ
チオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)および二硫化モリブ
デンベース基づくデバイスHTLとして二硫化タングステンを使用し
た3成分バルクヘテロ接合PBDB-T-2F:Y6:PC71BMベースセルは、
17%の最高PCE、78%のFF、0.84Vの開回路電圧、26mAcm-2
短絡電流の光学特性とキャリア再結合特性を確認、フォトニック構
造と二分子組換え損失の減少の組み合わせに起因する可能性が高い
ことが示された。達成されたPCEは、2次元電荷輸送中間層で構成
した有機太陽電池での報告中で最も高効率の廉価な有機太陽光発電
用なHTLとしてのTMDの可能性を示す。
世界初!ヒトiPS細胞を用いた下垂体疾患モデル作製
12月17日、神戸大学らの研究グループは、胞を使い、脳の一部
「下垂体」ができない患者の病気の状態を試験管内で再現すること
に成功したことを公表。病気の原因遺伝子のひとつがわかったほか、
ほかの下垂体の病気の原因解明や治療法の開発に役立つ可能性があ
る。
【要点】
①世界で初めてヒトiPS細胞を用いた下垂体疾患モデル作製に成功。
②先天性下垂体形成不全※2の患者から疾患iPS細胞を作成し、下垂
体に分化させたところ、患者の病気を試験管内で再現。
③本疾患の原因遺伝子を同定し、この疾患モデルを用いて解析し、
隣接する視床下部からの増殖因子FGF10の欠損がその原因であるこ
とを解明する。
④他の下垂体疾患への応用と創薬、新たな治療法の開発が期待される。
下垂体機能低下症の原因として先天性に下垂体形成不全を持つ患者
はまれではなく、生涯のホルモン補充療法が必要です。また、その
ような疾患の原因や発症メカニズムの多くは現在も不明です。近年
iPS 細胞から様々な組織への分化誘導法が開発され、再生医療、疾
患モデル作製、創薬に応用されている。試験管内における下垂体/
視床下部への分化誘導法が開発されたが、下垂体疾患への応用はな
かった。これまでノックアウトマウスなどの動物モデルはあったが、
ヒトとは表現型が異なることがあり、ヒトの良いモデルがないこと
がヒトにおける発症メカニズムの解明を妨げてきた。今回、数年前
よりiPS細胞を用いた下垂体疾患モデル作製とそれを用いた病因・
病態解明に挑んできた (上図1)。
図2
先天性下垂体形成不全により出生後まもなくから下垂体ホルモン補
充治療を行ってきた患者の血液からiPS細胞を作製し、試験管内で
下垂体組織に分化する能力を解析したところ、正常のiPS細胞では
ホルモン産生細胞まで分化できるのに対して、先天性下垂体形成不
全を持つ患者由来のiPS細胞はホルモン産生細胞に分化できなかっ
た。その分化過程を詳細に調べた結果、下垂体分化に必要な転写因
子LHX3が発現していませんでした (図2)。またこの患者の遺伝子
をエクソーム解析で調べたところ、OTX2遺伝子に変異が同定され、
これが原因の可能性が高いと考えられた。実際にこの患者由来の
iPS細胞におけるOTX2遺伝子変異を修復したところ、正常な分化が
回復したことから、本変異が原因であることを証明ができた。
下垂体は隣接した脳の一部である視床下部との相互作用によって分
化、維持。本実験モデルには試験管内で下垂体と視床下部を同時に
作ることができるという長所がある。それを利用し、原因が視床下
部にあるのか、下垂体にあるのかを、正常なiPS細胞と本研究にお
ける患者由来のiPS細胞のキメラ作製によって解析し、視床下部が
原因であることを突き止めた。さらに視床下部の増殖因子を詳細に
調べ、視床下部から分泌されるFGF10が下垂体におけるLHX3の発現
に重要であることを見出しました。また、試験管内にFGF10を添加
することによって表現型が正常なものへと回復したことからもFGF
10の欠乏が原因であることが示された。
図3
これらのことから、OTX2遺伝子変異によって視床下部におけるFGF
10が低下し、その結果、下垂体の前駆体である口腔外胚葉における
LHX3発現が低下しアポトーシスによる細胞死が起こることで、下垂
体形成不全が発症するメカニズムが新たに明らかにした (図3)。
これらの詳細な発症メカニズムの解明は動物モデルでは困難であり、
今回、ヒトiPS細胞の下垂体疾患モデルを用いることによって初め
て明らかになる。
●今夜の寸評:紅あずまに参った。
毎週火曜日に移動販売の「鳴門金時のパン」は欠かさず買っていた
だいているが、飽きがこないのはサツマイモのすばらしいからだ(
徳島の大和社長から10年前旅行で経営する会社に立ち寄り頂いた
のが始まりで彼女も大のファンである。数年前に紅あずまを食べて
みたと思っていたが、この間、彼女が御菓子としてこれを紹介、な
ので口にしてその美味さに驚き、よくぞここまで改良できるのかと
落涙せんばかりの感激を味わう(これって大袈裟過ぎる?)。