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ポストエネルギー革命序論154

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12 顔 淵 がんえん 
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「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
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8.「君子にとって大切なのは実質である。形態は二の次だ」と、衛の大夫、
棘子成(きょくしせい)が言ったのに対して、子貢がこう批評した。
「せっかくの君子論だが、残念なことに失言だ。失言は四頭立ての馬車で追
いかけても取消しはできない。実質と形態は表裏一体のものだ。たとえば虎
や豹の毛皮でも、なめしてしまえば大や羊の皮との見分けが、つかなくなる
ようだ。

棘子成曰、君子質而已矣、何以文爲矣、子貢曰、惜乎夫子之説君子也、駟不
及舌、文猶質也、質猶文也、虎豹之鞟、猶犬羊之鞟也。

Ji Zi Cheng said, "A gentleman should value only his nature. An edu-
cation does not always have to be valued." Zi Gong heard this and
said, "It's a pity that he thinks so. He cannot withdraw his words.
An education is related to his nature and his nature is related to
an education. If you pull hairs out from tiger furs, it is like dog
leather."

  


花王 栃木工場と豊橋工場で太陽光発電設備

【ポストエネルギー革命序論154】
昨年9月にグランドオープンしたイオン藤井寺ショッピングセンタ(大阪府
藤井寺市)に、再エネの活用を目的にした太陽光発電設備をPPAモデルとして
屋上に設置した。一般家庭約30世帯の1年分相当の電力を発電し、施設の電力
の一部として活用し、再エネの利用拡大に取り組む。また、イオンタウン湖
南(滋賀県湘南市)では、PPA 事業者と契約を締結しており、同施設の屋根ス
ペースを提供し、1MWを超える発電能力のある太陽光パネルを設置、そこ
で発電された電力をイオンタウン湖南が自家消費分として購入・活用してい
く。

 
 イオンモールで太陽光発電

太陽光発電は日本でも最安電源に
10数年前、次世代型太陽電池の製造事業開発を始め、今日至ったっているこ
ことは、このブログで縷々掲載----折角のチャンスも、原子力発電推進政策
で足を取られ、中国や欧州、北米圏に後塵を拝す----している中、日本でも
太陽光発電は、最安電源となってきているという(➲「太陽光発電は日本で
も最安電源」 環境ビジネス、2020年春季号)。筆者は、公益財団法人自然
エネルギー財団は上級研究員の木村啓二さんは、専門が環境経済学、再生可
能エネルギー政策論。主な著作・業績に、『拡大する世界の再生可能エネルギ
ー』(共同執筆、世界思想社、2011年)、『国民のためのエネルギー原論』(分
担執筆、日本経済新聞出版社、2011年)『地域分散型エネルギーシステム」(分
担執筆、日本評論社、2016年)など。 2007年に立命館大学大学院国際関係研
究科博士後期課程修了、博士(国際関係学)の概歴をもつ。諸外国では1キロ
ワットアワー当たり3円程度までになっており、今後も限りなくゼロ円に漸
近していくだろうとわたし(たち)は考えているが(「サウジの魔法が消え
る時Ⅰ・Ⅱ」など参照)、次のような試算に基づき予測している。

出典:環境ビジネス
2030年の太陽光発電の発電コスト見通し
(2018・19年平均および2030年推計値)

2030年の太陽光発電システム(野立て、高圧)のコストは、5.0~5.7円/kWh
と推計される。太陽光発電は、原子力10.3円/kWhや、石炭火力12.9円/kWhよ
りも圧倒的に低コストとなり、2012年7月、固定価格買取制度がはじまった
当初、太陽光発電(10kW以上)の買取価格は40円/kWh(税抜)と、非常に高い価
格水準であった。それから8年過ぎようとしており、2020年度の買取価格は
12円/kWh(税抜)(50~250kW) にまで下がった。最安電源になりうる見通し。
昼間の卸電力価格の平均値(2018年度)が 10.51円/kWhであるから、卸電力価
格にかなり近づいている。
では、2030年には日本の太陽光発電のコストはどの程度まで下がりうるのか。
実際の太陽光発電のコスト構造を分析することで、2030年の太陽光発電の発
電コストを推計した試算によると、太陽光発電は、最安電源になる。以下、
その推計の考え方と結果は、自然エネルギー財団『日本の太陽光発電の発電
コスト:現状と将来推計』を参照。

2030年には国際価格水準に至る
まずは日本の発電コストが高い要因について解析したところ、①太陽電池モ
ジュールやパワーコンディショナなどハードは年々大幅なコストダウンが実
現しており、海外製品については国際価格と遜色ない水準になっている。他
方で、②システム全体で見ると日本の太陽光発電は高コストのままにある。
その理由としては、古い買取価格を保持し、EPC 事業者への一括発注などを
行っている事業者の発電所については、高コストになっている傾向がみられ
た。また、③キャストイン方式やコンクリート基礎方式といった架台設計を
行っている場合、工事費用が高くなるなどの傾向がみられる。こうした現状
分析を踏まえ、2030年を展望し、前述①から③は、次のように変化するとし、
①足元でも国際価格に近づいていることから、2030年には国際価格水準に至
ると考え、太陽電池モジュール自体の発電効率の向上も見込まれている。発
電効率の向上によって、出力あたりの土地面積、架台数、施工工数が減少
する。② 2030年に向けて古い認定案件が一掃されていくことなどにより、
制度および市場環境が変わっていくことが予見される。また、③にもかかわ
るが、今後、いっそう競争環境が高まることで、熟練した事業者のみが生
き残るであろう。このため、設計や発注手法はよリ洗練されたものになるこ
とが予見する。
以上の見通しを踏まえると、2030年の太陽光発電システム(野立て、高圧)の
コストは、資本費が6万円代半ば/kW、運転維持費が0.19万円/kW程度となる
と推計する。これをもとに発電コストを試算すると、5.0~5.7円/kWhと推計
(上図を参照)。今回の試算と2015年に政府(発電コスト検証ワーキンググル
ープ)が行った2030年の発電コスト推計を比較すると、太陽光発電は、原子
力10.3円/kWhや、石炭火力12.9円/kWhよりも圧倒的に低コストとなり、最安
電源になりうる見通しでいる。
このように、コスト科目を詳細に明確にしつつ積算し、試算した結果だけで
判断はできぬが、時系列的な経験・体験・知識から抵抗なく肯首すべきもの
である。反面、エネルギーや資材の浪費あるいは温暖化ガスの排出の抑制も
重要であることは言うまでもない。
 

ロードマップ:全固体電池用の無機電解質----固体電池で提案されている直
接電池リサイクル法に関連したさまざまなリサイクル方法の図解

高性能全固体電池の実現に向けた道筋
バッテリーに関しては、改善の余地が常にある。より安く、安全で、長持ち
し、エネルギー密度が高く、リサイクルしやすいバッテリーを開発する競争
が続いている。ネイチャーナノテクノロジーの2020年3月号に掲載されたレ
ビュー記事では、カリフォルニア大学サンディエゴ校のナノエンジニアは、
高性能なクラスの全固体電池技術の開発の4つの課題とそのロードマップを
提案している。それによると、過去3年間のこれらの課題に取り組むための
チームの取り組みをまとめている。これらの課題は、さまざまなジャーナル
に掲載されているいくつかの査読付き記事で報告されている。多くの場合可
燃性の液体電解質を含む今日の充電式リチウムイオン電池とは異なり、固体
電解質を使用した電池は、より高いエネルギー密度を含むさまざまな利点に
加え、より高い安全性なものとして提供。

研究者はセラミック酸化物や硫化物ガラスなどの無機固体電解質に焦点を当
てる。無機固体電解質は、全固体電池用の比較的新しいクラスの固体電解質
(より広範囲に研究されている有機固体電解質とは対照的なものである)。
以下は、研究者がレビュー記事で説明しているロードマップの概要。

 1)安定した固体電解質化学界面の作成
 2)オペランド診断および特性評価のための新しいツール
 3)スケーラブルで費用対効果の高い製造可能性
 4)リサイクル可能なバッテリー

カリフォルニア大学サンディエゴ校ジェイコブス校工学部のナノエンジニア
リング教授であるシャーリー・メンは、全固体電池の課題実現には、すての
課題に同時に対処する解決の糸口を見つける必要があると言う。

安定した固体電解質化学界面の作製
固体電解質は、最初に発見された電解質が実際の用途には低すぎる導電率値
を示した初期の頃から長い道のりを歩んできた。今日の高度な固体電解質は、
今日の蓄電池に使用されている従来の液体電解質(10 mS cm-1を超える)を
も超える導電率を示している。イオン伝導率とは、電解質内でリチウムイオ
ンがどれだけ速く移動できるかを示す。
残念ながら、報告されているほとんどの高導電性固体電解質は、電気化学的
に不安定であることが多く、電池に使用される電極材料に適用すると問題に
直面する。この時点で、より高いイオン伝導率の追跡から焦点を移すべきだ。
代わりに、固体電解質と電極間の安定性に焦点を当てる必要があると件の
Meng氏は言う。
イオン伝導率が自動車の運転速度に類似している場合、インターフェイスの
安定性は、ラッシュアワーの交通量をどれだけ通り抜けることができるかと
同じである。通勤中に交通渋滞に巻き込まれた場合、車がどれだけ速く移動
できるかは関係ない。この界面安定性のボトルネックに取り組み、中程度の
イオン伝導度を持ちながら安定した界面を示す固体電解質を使用して、電極
-電解質界面を安定させ、バッテリー性能を改善する方法を実証。

UCサンディエゴに関わる界面安定性の論文:
ACS Applied Materials and Interfaces「インターフェースでの長寿命で
高エネルギーの全固体電池のためのナノスケール固体-固体界面現象の解明」
ACS Energy Letters「Li6PS5Cl固体電解質の可逆的電気化学的酸化還元の解明」

Operandoの診断と特性評価の新しいツール
電池がが故障する理由----なぜ短絡が起こるのか。
バッテリー内部で何が起こっているかを理解するプロセスには、理想的には
リアルタイムでナノスケールまでの特性評価が必要。全固体電池の場合、こ
れは非常に困難である。バッテリーの特性評価は通常、X線や電子顕微鏡や
光学顕微鏡などのプローブの使用に依存する。市販のリチウムイオン電池で
は、使用される液体電解質は透明で、各電極でさまざまな現象を観察できる。
場合によっては、この液体を洗い流して、より高い解像度の特性評価のため
に表面をきれいにできる。今日のリチウムイオン電池を観察するのがはるか
に簡単になったが、全固体電池では、すべてが固体であるかに埋没している。
さらに、固体電池で使用される固体電解質とリチウム金属は、電子ビーム損
傷の影響を受けやすい。これは、電池研究に使用される標準的な電子顕微鏡
検査技術が、観察および特性評価される前に対象の材料を損傷することを意
味する。これらの課題を克服する方法の1つには、極低温法を使用してバッ
テリー材料を冷却状態に保ち、電子顕微鏡プローブ下での分解を緩和するこ
とであり、固体電解質界面の特性評価障害克服に使用するもう1つのツール
は、X線トモグラフィーである。これは、健康診断中に人間が受けること
と似ている。このアプローチは、固体電解質内に埋もれたリチウム樹状突起
の観察(バッテリー自体を開けたり、破壊したりすることなく)に関する最
近の論文で使用されている。

UCサンディエゴの関連する特性評価論文:
ACS Energy Letters「リチウム金属アノードの極低温集束イオンビーム特
性評価
Advanced Energy Materials「室温全固体リチウム金属電池のスタック圧
力に関する考慮事項」

スケーラブルで費用対効果の高い製造可能性
バッテリーの研究における飛躍的進歩は、スケーラブルでなければ大した意
味を持たない。これには、全固体電池の進歩が含まれます。このクラスのバ
ッテリーが今後数年以内に市場に参入する場合、バッテリーコミュニティは、
敏感なコンポーネントの材料をコスト効率よく大規模に製造および処理する
方法を必要としている。過去数十年にわたって、研究者は、研究室で、電池
に理想的な化学的性質を示すさまざまな固体電解質材料を開発してきた。残
念ながら、これらの有望な材料の多くは、大量生産のためにスケールアップ
するには費用がかかりすぎるか、困難すぎるかのいずれかである。たとえば、
ロールツーロールの製造に十分な薄さにすると、多くは非常に脆くなり、30
マイクロメートル未満の厚さが要求される。さらに、固体電解質を大規模で
製造する方法は十分に確立されていない。たとえば、ほとんどの合成前提で
は、複数のミリング、熱アニーリング、溶液処理ステップを含む複数のエネ
ルギープロセスを必要とする。このような制限を克服するため、同研究者ら
は、複数の専門分野を統合する。従来の材料科学で使用されるセラミックと
有機化学で使用されるポリマーを組み合わせて、スケーラブルな製造プロセ
スに適合する柔軟で安定した固体電解質を開発している。材料合成の問題に
対処するために、チームは、追加のアニーリングステップを必要とせずに、
シングルステップ製造を使用して固体電解質材料をスケーラブルに製造する
方法も報告されている。

UCサンディエゴの関連するスケーラブルな製造書類:
ACS Applied Energy Materialsの「スケーラブルなソリューションプロセ
スによる薄くて柔軟な固体複合電解質の有効化」
Journal of Power Sourcesの「ナトリウム全固体電池用の高導電性Na3PS4
固体電解質のシングルステップ合成」

リサイクル可能なバッテリー
使用済みバッテリーには、再利用可能なリチウムやコバルトなどの貴重で制
限された材料が含まれる。ライフサイクルの終わりに達したら、これらのバ
ッテリーは廃棄先などどこかに送られる(そうしないと、廃棄物としてに単
純に蓄積されていくしかない)。しかし、今日のリサイクル方法は、多くの
場合、費用がかかり、エネルギーと時間が集中し、処理用の有毒化学物質が
含まれている。さらに、電解質、リチウム塩、セパレータ、添加剤、包装材
料のリサイクル率が低いため、電池材料のごく一部しか回収できない。これ
は主に、今日のバッテリーは最初から費用対効果の高いリサイクル性を考慮
して設計されていないことによる。

UCサンディエゴの研究者たちは、次世代の全固体電池への再利用性とリサイ
クル性を設計する取り組みの最前線に立っている。費用対効果の高い再利用
性とリサイクル性は、kgあたり500ワット時以上の高エネルギー密度を提供
できる全固体電池の開発に必要な課題を組み込まざるをえない。 リチウム
イオン電池で発生したのと同じリサイクル可能性の間違いをしないことが前
提となる。バッテリーは、ライフサイクル全体を考慮して設計する必要もあ
る。これは、多くの場合バッテリーの耐用年数の終わりを示す元の容量の60
〜80%を下回った後も十分に使用できるバッテリーの設計を意味する。定置
用貯蔵や非常用電源などのバッテリーの二次使用を調査し、最終的にリサイ
クルセンターに到達するまでの寿命を延ばすことで実現できる。有機電解質
を使用した全固体電池は、高エネルギー密度、安全性、長寿命、リサイクル
性を実現する将来の電池技術として大きな期待を寄せられているが、これら
を現実するには、リサイクル可能性を含む残りの課題がどのように相互に関
連しているかを考慮する戦略的な研究を必要とする。
出典:“From Nanoscale Interface Characterization to Sustainable Ene-
rgy Storage Using All Solid-State Batteries
,” in the March 2020 iss-
ue of Nature Nanotechnology
✔ この戦略を俯瞰して、また1つ事業開発テーマ『オール高性能全固体電
池システム』である。



【世界の工芸:#CraftsOfTheWorld#RyuzoAsami】
浅見隆三・叶光夫・森野嘉光

●今夜の寸評:重苦しくてもマスクと検温


毎日、検温することで不安感が少しはぬぐえる

 


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