彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称
「ひこにゃん」
14 憲 問 けんもん
--------------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
--------------------------------------------------------------
37 「ああ、わたしを理解してくれる人はいない」と孔子が嘆息す
るのを子貢がききとがめた。
「そんなことをおっしゃるとは心外です」
「いや、なにも天を怨むのでも、人をとがめるのでもない。わたしは、
日常的なものから高遠なものまで、ありとあらゆるものの探究を志し
てきた。このわたしを理解してくれるのは、天だけだろうかと考えた
までだ」
子曰、莫我知也夫、子貢曰、何爲其莫知子也、子曰、不怨天、不尤人、
下學而上達、知我者其天乎。
Confucius said, "Nobody understands me." Zi Gong asked, "Why
does nobody understand you, master?" Confucius replied, "I don't
have grudge to the heaven. I don't blame anyone. I have been
learning from trivial to lofty things. Only the heaven underst-
ands me."
クチナシ サツキ
❐ ポストエネルギー革命序論 220:アフターコロナ時代㉜
♘ 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」
【最新トリチウム除去関連特許技術】
❏ 特許6713158 トリチウム放射能汚染水の除染方法 株式会社ガ
ブリエル
図1のごとく、加熱したトリチウム汚染水に対し、二酸化ケイ素鉱石
等の鉱物粉状体及びナノレベルカーボン液状体を所定量添加処理槽で
添加処理する工程と、添加処理水を水圧ポンプにより添加処理槽から
鉱物固形体充填槽に圧送する工程と、添加処理水を鉱物固形体と衝突
させて鉱物固形体充填槽を通過処理する工程と、通過処理水を水圧ポ
ンプにより添加処理槽に戻す工程と、これら諸工程を所定時間繰り返
す循環処理工程とを実行することで、放射能汚染水からトリチウム放
射能を減衰ないし消去する除染方法を提供する。
【図の簡単な説明】
S1 添加処理工程 S2 鉱物固形体充填槽への圧送処理工程 S3
鉱物固形体充填槽の通過処理工程 S4 添加処理槽への還流処理工
程 S5 S2〜S4の繰り返し循環処理 S6 電解処理工程 1
添加処理槽 2 鉱物固形体充填槽 3 電解槽 11 バルブ 31
電極 32 センサ RCW トリチウム放射能汚染水 PM 鉱物粉
状体 PMT 鉱物粉状体収容タンク LC ナノレベルカーボン液状
体 LCT ナノレベルカーボン液状体収容タンク P 水圧ポンプ
SM 鉱物固形体
【特許請求範囲】
1.30〜80℃に加熱したトリチウム放射能汚染水100重量部に
対し、二酸化ケイ素鉱石、古代貝化石又はラジウム鉱石から選択され
た1つ又は2つ以上の組み合せからなる鉱物を粉砕した鉱物粉状体
0.5〜6重量部およびナノレベルカーボン液状体0.5〜6重量部
を、添加処理槽において添加処理する第1工程と、添加処理された添
加処理水を、1〜7気圧の水圧ポンプにより添加処理槽から前記鉱物
を、所定サイズに砕いた鉱物固形体を充填した鉱物固形体充填槽に圧
送する第2工程と、圧送された添加処理水を前記鉱物固形体と衝突さ
せて鉱物固形体充填槽を通過処理する第3工程と、通過処理された通
過処理水を前記水圧ポンプにより添加処理槽に戻す第4工程と、前記
第2工程から第4工程を20〜80分間繰り返す循環処理を実施する
第5工程と、の諸工程により、放射能汚染水からトリチウム放射能を
減衰ないし消去することを特徴とするトリチウム放射能汚染水の除染
方法。
2.前記第1工程における鉱物粉状体およびナノレベルカーボン液状
体の添加処理が、第1工程から第5工程の一連の処理工程を10〜6
0分間実行した後に、鉱物粉状体およびナノレベルカーボン液状体を、
トリチウム放射能汚染水100重量部に対してそれぞれ0.5〜6重
量部追加添加して、第2工程以降の一連の処理工程を10〜60分間
実行することを特徴とする請求項1に記載のトリチウム放射能汚染水
の除染方法。
3.前記第1工程から第5工程の一連の処理工程を、所望のトリチウ
ム放射能濃度に至るまで、繰り返し実行することを特徴とする請求項
1又は2のいずれかに記載のトリチウム放射能汚染水の除染方法。
4.請求項1に記載の第1工程から第5工程の一連の処理が実行され
た所定量の除染処理水を、棒状又は板状の電極が2〜30本配置され
た電解槽に導入して、10〜30時間電解処理を実施する第6工程に
より、放射能汚染水からトリチウム放射能を、減衰ないし消去するこ
とを特徴とするトリチウム放射能汚染水の除染方法。
5.前記電解槽の電解処理水中が、不伝導体状態に至るまで電解処理
を実施することを特徴とする請求項4に記載のトリチウム放射能汚染
水の除染方法。
6.前記電極が、鉄製電極、ステンレス製電極又は白金製電極であり、
これらの電極のうち2種類又は3種類を組み合わせて電解槽に配置す
ることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載のトリチウム放
射能汚染水の除染方法。
7.前記電解処理が、100〜500Vの交流電流を電極に通電して
実施されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のトリチ
ウム放射能汚染水の除染方法。
8.前記電解処理を、所望のトリチウム放射能濃度に至るまで繰り返
し実行することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のトリチ
ウム放射能汚染水の除染方法。
9.前記鉱物粉状体は撹拌装置で撹拌されて添加処理槽に押し出され
ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のトリチウム放
射能汚染水の除染方法。
【概説】
トリチウムはベータ線を放出する放射性物質であり、セシウムやスト
ロンチウムと同様に周辺に対して電磁波や粒子線の一種である放射線
を放出する能力、すなわち放射能を有している。放射能の量を示す単
位にはベクレル〔Bq〕が用いられ、1秒間に1つの原子核が崩壊す
る能力を1ベクレル〔Bq〕と表している。また、放射線量の単位に
はグレイ、レントゲン等が用いられるが、生体への被曝線量を表す単
位としてシーベルト〔Sv〕が用いられる。放射線は、人畜の皮膚、
各種臓器、細胞等に対して回復困難なダメージをもたらす。多核種除
去設備等によって、原子力発電所の事故により、発生した放射能汚染
水の中のセシウムやストロンチウムの放射能濃度は、低減されている。
また、放射能汚染水からトリチウム以外の放射性物質の大半は除去さ
れている。しかしながら、汚染水からトリチウムを除去する有効な手
段がなく、トリチウムは汚染水に残留している。トリチウム汚染水を
希釈して海洋に放出する等の対応策が議論されているが、海洋汚染か
ら海洋環境を守る必要があり海洋投棄はできない。そのため、トリチ
ウム汚染水がタンクに貯蔵され、貯蔵タンクが増加し続けている。ト
リチウム汚染水のタンク貯蔵量が100万トンを超えているのが現状
であり、汚染水からトリチウム放射能を除去する有効な手段が強く求
められている。
特許文献1は、トリチウムを含む大量の汚染水を実用的なレベルでの
減容量化を可能としたトリチウム含有汚染水の処理方法を開示する。
この処理方法は、トリチウム含有汚染水を、必要に応じて糖質の存在
の下、吸水性ポリマーに吸水させ、含水吸水性ポリマーの水分を80
℃以下の低温で吸水量の50%以上を蒸発又は留出させて水分中のト
リチウム水を吸水性ポリマー中に濃縮し、トリチウム水が濃縮された
濃縮含水吸水性ポリマーを容器に一定期間保管して無害化するもので
ある。特許文献2は、放射能汚染水からトリチウムを除去するトリチ
ウム分解無害化装置及びシステムを開示する。トリチウム分解無害化
装置は、本体部材と本体部材に形成された放射能汚染水の通路部を有
し、通路部の内側にアルファ線放射体が配置された構成によって、ト
リチウムを含む放射能汚染水中のトリチウムを分解処理するものであ
る。これら特許文献1、2で提案された処理方法、装置では、トリチ
ウム汚染水の有効な除染機能を発揮し得ない。
特開2019-35735号公報/特開2019-28001号公報
本発明の課題は、特にトリチウムによって汚染された放射能汚染水か
ら、トリチウム放射能を減衰ないし消去する除染方法を提供すること
である。本発明のトリチウム放射能汚染水の除染方法は、30〜80
℃に加熱したトリチウム放射能汚染水RCW:100重量部に対し、
二酸化ケイ素鉱石、古代貝化石又はラジウム鉱石から選択された1つ
又は2つ以上の組み合せからなる鉱物を粉砕した鉱物粉状体PM:
0.5〜6重量部およびナノレベルカーボン液状体LC:0.5〜6
重量部を、添加処理槽1において添加処理する第1工程(S1)と、
添加処理された添加処理水を1〜7気圧の水圧ポンプPにより添加処
理槽から前記鉱物を所定サイズに砕いた鉱物固形体SMを充填した鉱
物固形体充填槽2に圧送する第2工程(S2)と、圧送された添加処
理水を鉱物固形体と衝突させて鉱物固形体充填槽を通過処理する第3
工程(S3)と、通過処理された通過処理水を水圧ポンプにより添加
処理槽に戻す第4工程(S4)と、前記第2工程(S2)から第4工
程(S4)を20〜80分間繰り返す循環処理を実施する第5工程(
S5)と、の諸工程により、放射能汚染水からトリチウム放射能を減
衰ないし消去するトリチウム放射能汚染水の除染方法である。本発明
においては、第1工程(S1)における鉱物粉状体PMおよびナノレ
ベルカーボン液状体LCの添加処理が、第1工程(S1)から第5工
程(S5)の一連の処理工程を10〜60分間実行した後に、鉱物粉
状体およびナノレベルカーボン液状体を、トリチウム放射能汚染水
100重量部に対して、それぞれ0.5〜6重量部追加添加して第2
工程(S2)以降の一連の処理工程を10〜60分間実行する。また、
第1工程(S1)から第5工程(S5)の一連の処理工程を、所望の
トリチウム放射能濃度に至るまで繰り返し実行する。また、本発明の
トリチウム放射能汚染水の除染方法は、上記した第1工程(S1)か
ら第5工程(S5)の一連の処理が実行された所定量の除染処理水を
、棒状又は板状の電極(31)が2〜30本配置された電解槽(3)
に導入して、10〜30時間電解処理を実施する第6工程(S6)に
より、放射能汚染水からトリチウム放射能を減衰ないし消去するトリ
チウム放射能汚染水の除染方法である。 本発明においては、電解処理
を電解槽の処理水中が、不伝導体状態に至るまで実施する。電極31
は、鉄製電極、ステンレス製電極又は白金製電極であり、これらの電
極のうち2種類又は3種類の電極が組み合わされて電解槽に配置され
る。電解処理は100〜500Vの交流電流を電極に通電して実施さ
れる。電解処理は、所望のトリチウム放射能濃度に至るまで繰り返し
実行される。また、鉱物粉状体PMは、撹拌装置で撹拌されて添加処
理槽1に押し出される。本発明に係る除染方法は、入手が容易な二酸
化ケイ素鉱石等の鉱物、ナノレベルカーボン液を用いるため、大掛か
りな設備を必要とせず、比較的低コストにより実現可能である。本発
明に係る除染方法により、除染処理が行われた後の処理水は、トリチ
ウム放射能が減衰されているので、海洋汚染を招来することなく海洋
排水処理が実施可能である。本発明に係るトリチウム汚染水の除染方
法の構成例を示す概念図である。以下、本発明に係るトリチウム放射
能汚染水の除染方法(以下、「本除染方法」という)について、図1
を参照して説明する。本除染方法に係る第1の除染方法は、トリチウ
ム放射能汚染水RCW(以下、「汚染水」ともいう)に対して、鉱物
粉状体PMおよびナノレベルカーボン液状体LC(以下、「カーボン
液」という)を添加処理する第1工程(以下、「S1」という)、添
加処理水を鉱物固形体充填槽2に圧送する第2工程(以下、「S2」
という)、添加処理水を鉱物固形体充填槽を通過処理する第3工程
(以下、「S3」という)、通過処理水を添加処理槽に戻す第4工程
(以下、「S4」という)及びS2からS4を繰り返す循環処理を実
施する第5工程(以下、「S5」という)の諸工程を実行するもので
ある。 本除染方法を実施する除染処理に当たっては、汚染水RCWを
添加処理槽1に投入し、鉱物粉状体PMを鉱物粉状体収容タンクPM
Tに収容し、カーボン液LCをカーボン液収容タンクLCTに収容す
る。また、鉱物固形体SMを鉱物固形体充填槽2に充填する。汚染水
は、外気温にもよるが、30〜80℃、好ましくは40〜80℃に加
熱する。なお、常温、即ち、冷却及び加熱しない15℃〜25℃程度
の汚染水であってもよい。鉱物粉状体及びカーボン液の汚染水に対す
る添加量は、汚染水100重量部に対して、それぞれ0.5〜6重量
部、好ましくは1〜5重量部とする。添加処理槽1において、汚染水
に鉱物粉状体及びカーボン液を添加する。なお、汚染水に添加された
鉱物粉状体及びカーボン液は、水圧ポンプによる水流によって、添加
処理槽において汚染水と撹拌混合されるが、添加した後に添加処理槽
内で混合撹拌してもよい。本発明においては、当該鉱物を粉砕機によ
り粉砕してパウダー状にした鉱物粉状体を用いる。鉱物粉状体収容タ
ンクPMT内で、撹拌して、添加処理槽1に押し出して汚染水に添加
する。カーボン液収容タンクLCTに収容されたカーボン液LCは、
添加処理槽1に落下して汚染水に添加される。なお、鉱石粉状体及び
カーボン液の添加処理は、噴射装置によりシャワー状にして汚染水に
添加することもできる。 二酸化ケイ素鉱石は、一般にブラックシリカ
と呼ばれている。本発明においては、二酸化ケイ素鉱石としては陰イ
オン(マイナスイオン)を帯有する天然のブラックシリカを用いる。
本発明で用いる古代貝化石は、一般にソマチットと呼ばれている。古
代貝化石は、古代の海生貝類等が隆起・陸地化に伴って化石化して地
中に堆積したものであり、陰イオン(マイナスイオン)を帯有する。
ラジウム鉱石は、質量226ラジウムが通常であるが、本発明では質
量223、224、228ラジウムを含む鉱石を使用することができ
る。本発明では、ラジウム鉱石として陰イオン(マイナスイオン)を
帯有する天然のラジウム鉱石を用いる。 鉱物としては、二酸化ケイ素
鉱石、古代貝化石又はラジウム鉱石の中から選ばれる1つの鉱物を単
独で用いることができ、また、これらの鉱物から選択された2つ以上
を組み合せた鉱物を用いることもできる。ナノレベルカーボンは、籾
殻、草、花、木を実質的な無酸素状態において400℃〜1200℃
で焼成して、0.1mm〜0.1−9mmに粉砕して製造する。粉砕し
たナノカーボンを塩素等の不純物を除去した精製水に混入して、液体
化したナノレベルカーボンを使用する。本発明においては、液状ナノ
レベルカーボンとして、植物を原料としてナノレベル炭素液に製造加
工され市販されている、株式会社環境衛生研究所製造の「KMKカー
ボン液(登録商標)」を用いる。このKMKカーボン液は、放射性物
質を封じ込めて、放射性物質の電磁波を吸収し、熱エネルギーとして
放射することにより放射能濃度の減衰に効力を発揮する。 第1の除染
方法で用いるポンプPの水圧は、一般の水道水に使用される1気圧程
度とするが、装置の規模によって水圧を2〜7気圧とすることができ
る。当該水圧ポンプを用いて、添加処理槽1から、S1で添加処理さ
れた添加処理水を鉱物固形体充填槽2に圧送する(S2)。鉱物固形
体充填槽に充填される鉱物固形体SMは、1〜4cm程度の大きさに
破砕した砕石とする。 続いて、鉱物固形体充填槽2に圧送された添
加処理水を、鉱物固形体SMと衝突させながら、鉱物固形体充填槽を
通過処理する(S3)。添加処理水が鉱物固形体充填槽を通過する際
に、水圧ポンプの水流によって、鉱物固形体充填槽に充填された鉱物
固形体同士が衝突して高圧電流を発生させる。その後、鉱物固形体充
填槽を通過処理した処理水を、水圧ポンプを用いて添加処理槽に戻す
(S4)。
そして、汚染処理水の量や装置の規模にもよるが、上述したS2から
S4を20〜80分間、好ましくは30〜70分間程度繰り返し循環
処理を実行する(S5)。S1からS5の諸工程を実行することによ
って、放射能汚染水からトリチウム放射能を減衰ないし消去すること
ができる。なお、S5における繰り返し循環処理では、鉱物粉状体及
びカーボン液の追加添加は行わずに、鉱物粉状体及びカーボン液は、
S1からS5の一連の処理が終了して次の汚染水処理を行う際に添加
する。本発明においては、S1からS5を20〜80分間程度実行す
る中間において、鉱物粉状体及びカーボン液を追加添加して、再度一
連の処理工程を実行するように構成することができる。S1からS5
の一連の処理工程を10〜60分間実行した後に、汚染水100重量
部に対して、鉱物粉状体及びカーボン液をそれぞれ0.5〜6重量部
追加添加して、S2からS5を10〜60分間続行する。 本発明に
おいては、S1からS5の一連の処理工程を、所望のトリチウム放射
能濃度(以下、「トリチウム濃度」という)に至るまで繰り返し実行
するように構成することができる。S1からS5の一連の処理工程は、
人や生物等への被曝の可能性がないことが科学的に立証されて、海洋
や河川への放流の安全性が確保されるトリチウム濃度に至るレベル、
或いは、放射能汚染の風評被害等がなくなり、地域住民の同意が得ら
れるトリチウム濃度に至るレベルに達するまで繰り返し実行される。
次に、本除染方法に係る第2の除染方法について、図1を参照して説
明する。第2の除染方法は、第1の除染方法のS1からS5を実行し
た除染処理水に対してさらに電解処理(以下、「S6」という)を実
施する構成としている。なお、S1からS5の除染処理は、第1の除
染方法の除染処理であるので、ここでは、第2の除染方法に係る電解
処理について説明する。第2の除染方法においては、S1〜S5の処
理を実施してもなおトリチウムが残留する場合に、残留トリチウムを
除去ないし消去するために、S1からS5の一連の処理を実施した除
染処理水を電解槽に導入して電解処理を行う。 なお、本発明ではS
1〜S5の処理に加えてS6を実施しても、残留放射能が人や生物に
支障のないレベルまで低減していない場合は、S6を実施した処理水
を再度、添加処理槽に戻して、S1〜S6の一連の除染処理を実施す
ることができる。また、第1の除染方法にS6を一連の処理として組
み入れた一つのシステム(装置)を構成することができる。装置を複
数台接続して各装置に一連の除染処理を継続して実行させることによ
って、放射能汚染水からトリチウム放射能を減衰ないし消去する効果
を、さらに向上させることが可能となる。なお、処理時間を長くし、
高圧のポンプを用いることにより、また電解処理では高電圧を多数の
電極に通電する等によって、規模を大きくした装置1台による除染処
理が可能となる.
第2の除染方法においては、添加処理槽のバルブ11を開放して、S
1からS5の一連の処理が実行され、電解装置の電解処理能力の許容
量の処理水を電解槽3に導入する。電解槽には、棒状又は板状の電極
31が2〜30本程度配置されている。また、電解槽には、電解処理
水中に電気が流れていないこと(電気不通)を検知するセンサが設置
されている。添加処理槽から導入した処理水を電解槽に貯留して、電
極に電流を通電し処理水中に電流を流して、電解処理を10〜30時
間程度継続して実施する。棒状又は板状の電極の数は、電解装置の規
模や電解処理水の量によるが、4〜100本とすることができる。板
状の電極を10〜100枚設置することによって、電解処理時間を大
幅に短縮できる。S6は、電解槽の電解処理水中が、不伝導体状態に
至るまで継続して実施する。電解槽内に、電解処理水中が不伝導体状
態、すなわち電解処理水中に電気が流れていない状態(電気不通)を
検知するセンサ32を設置する。当該センサによって、電解槽の処理
水中が不伝導体状態に至ったか否かが判断され、当該センサから、電
気不通検知の通知を受けるまで電解処理を実施する。電気不通検知の
通知を受けた後、電解処理を停止する。センサからの通知は、ブザー
音やランプの点燈によって確認できる。 本発明においては、電解槽に
配置する電極31として、鉄製、ステンレス製又は白金製の電極を用
いる。また、これらの電極を電解槽に混在させることができ、鉄製電
極とステンレス製電極、鉄製電極と白金製電極、ステンレス製電極と
白金製電極、或いは鉄製電極、ステンレス製電極及び白金製電極とを
組み合わせて電解槽に配置することができる。電極を合計で30本設
置するとして、例えば、鉄製電極10本、ステンレス製電極10本、
白金製電極10本を、電解槽に交互に配置することによって、電解槽
の処理水中を電流が流れない状態、すなわち電解槽が不伝導体状態に
至る時間を短縮することが可能となる。電解処理は、100〜500
Vの交流電流を電極に通電して実施する。装置の規模や電解処理水の
量にもよるが、200V以上の交流電流を電極に通電することによっ
て、電解処理時間を大幅に短縮できる。また、電解処理を所望のトリ
チウム放射能濃度に至るまで、繰り返し実行するように構成すること
ができる。第1の除染方法と同様に、電解処理は、海洋や河川への放
流の安全性が確保されるトリチウム濃度レベル、或いは地域住民の同
意が得られるトリチウム濃度レベルに達するまで繰り返し実行される。
また、鉱物粉状体PMの添加処理槽1への添加は、撹拌装置で撹拌さ
れながら添加処理槽に押し出される。鉱物粉状体は、例えばスクリュ
ー式撹拌装置によって、鉱物粉状体が撹拌されながら添加処理槽内に
押し出されて、汚染水に添加される。なお、本発明に係る除染方法は、
セシウム、ストロンチウムその他の放射性物質の除染にも用いること
ができる。公益社団法人日本アイソトープ協会から提供されたトリチ
ウム試料液(H−3)について、蒸留操作による前処理を行い、トリチ
ウム濃度の分析が株式会社化研によって実施された。 測定容器:20
mL(リットル)低カリカラスバイアル 前処理:文部科学省放射能測
定法シリーズ9「トリチウム分析法」の常圧蒸留法を参考として、測定
用試料(蒸留水)を調製し、そのうち測定用試料1.0mLを測定容器
に分取し、さらに精製水9mL(ミリリットル)を添加し、さらにシン
チレータとして、ウルチマゴールドLLTを10mL添加し、撹拌・混
合した。 そして、精製水50L(リットル)に、トリチウム1.34
mLを混合撹拌して、実証試験用試験水(以下、「試験水」という)と
した。トリチウム放射能濃度1031±2Bq/mLの試験水を、本発
明に用いるトリチウム放射能汚染水として、第1の除染方法によるトリ
チウム放射能濃度分析が、株式会社化研によって実施された。実証試験
日:2019年9月3日 測定日:2019年9月11日分析装置:液
体シンチレーションカウンタ(パーキンエルマ製・Tri-Carb 3110TR)
分析方法:前処理した測定用試料、精製水、ウルチマゴールドLLTを
撹拌・混合した。混合後、1日以上冷暗所に放置し安定させた後、液体
シンチレーションカウンタにより30分間測定した。バックグラウンド
補正を行い、放射能濃度を算出した。添加処理槽に投入された約45.
8℃の試験水(トリチウム放射能汚染水)約50Lに対し、ブラックシ
リカの粉状体100g及びKMKカーボン液(登録商標)100mLを
添加(S1)して、添加処理槽において、約30分間混合撹拌した。そ
の後、試験水に対して、同量の粉状体及びカーボン液を追加して添加し
約30分間混合撹拌した。粉状体及びカーボン液の添加処理水を、添加
処理槽から約3cmの大きさに破砕したブラックシリカ鉱石を充填した
鉱物固形体充填槽に、1気圧程度の水圧ポンプで圧送(S2)して通過
(S3)させ、通過処理水を水圧ポンプで添加処理槽に還流させた(S
4)。鉱物固形体充填槽への圧送(S2)、鉱物固形体充填槽の通過(
S3)及び添加処理水槽への還流(S4)処理を実施し、その後、S2
〜S4の一連の処理工程を60分間程度繰り返した(S5)。 これら
一連の処理を実施した処理水のトリチウム放射能濃度を測定した結果、
927±2Bq/mLであった。試験水のトリチウム放射能濃度103
1±2Bq/mLが、第1の除染方法を用いて除染処理したトリチウム
放射能濃度は927±2Bq/mLとなり、除染処理後の放射能濃度が
約10.1%減少している。トリチウム放射能濃度が大幅に減衰したこ
とが分かる。実施例1におけるS1〜S5の一連の処理が実施された除
染処理水から取り出した3Lの処理水を電解処理し、電解処理した処理
水を本発明の第2の除染方法によるトリチウム放射能濃度分析が、株式
会社化研によって実施された。なお、上記した前処理、試験水の作製、
分析装置、分析方法、トリチウム放射能濃度分析等は、実施例1と同様
の要領で行われた。 実証試験日:2019年8月18日 測定日:20
19年8月26日 実施例1の諸工程が実施された処理水3Lを、100
Vの交流電流を電解槽の2本の棒状の電極に通電させ、電解槽内に設置
したセンサから、電解処理水中が不伝導体状態、すなわち電解処理水中
に電気が流れていない状態であることを検知したことをランプの点燈に
よって確認するまで、約24時間電解処理を実施した。電解処理を実施
した電解処理水のトリチウム放射能濃度を測定した結果、864±2B
q/mLであった。試験水のトリチウム放射能濃度と比較して、処理後
の放射能濃度が約16.5%減少している。トリチウム放射能濃度が大
幅に減衰したことが分かる。 本発明による除染効果について考察してみ
ると、KMKカーボン液(登録商標)の放射性物質の封じ込め作用、並
びにKMKカーボン液が放射性物質の電磁波を吸収し熱エネルギーとし
て放射することにより、トリチウムが無機物の固定鉱石(岩石)として、
自然界のカルシウム又は二酸化炭素(CO2)、或いはヘリウム3に変
換され放射能が減衰すると考えられる。また、一連の処理工程における
電解処理、イオン交換、遠赤外線、高圧電流の発生等の複合作用によっ
て、放射性物質の原子核にβ崩壊を促進させ、トリチウムが無機物の固
定鉱石(岩石)として、自然界のカルシウム又は二酸化炭素(CO2)、
或いはヘリウム3その他の物質に変化するものと考えられる。 本発明に
係る除染方法は、入手が容易な鉱物、カーボン液を使用することによっ
て、従来困難とされた特にトリチウム汚染水の除染を実現することがで
きる。本発明に係る除染方法は、放射性物質の加工・処理等を行う施設
や保管施設の事故、自然災害等により発生する放射能汚染水の処理、汚
染された土壌、焼却灰等から発生する放射能汚染水の処理が可能である。
したがって、放射能汚染処理において広く使用することが期待できる。
レモンレインな清秋だよ!
シャクナゲ ジンチョウゲ
アジサイ ヒラドツツジ
風蕭々と碧い時代:
(作詞)(作曲)
● 今夜の寸評:国難に公務員の給与を下げる愚図