彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称
「ひこにゃん」
14 憲 問 けんもん
--------------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
--------------------------------------------------------------
40 子路が魯の城門の外で一夜を明かしたとき、「どこの家中か」
と門衛にたずねられた。
「孔家の考です」と答えると、門衛は、
「ははあ、時勢には前てないとわかっていながら、ムダ骨折らなきゃ
気のすまぬあの御仁だね」
子路宿於石門、晨門曰、奚自、子路曰、自孔氏、是知其不可而爲之者
與。
Zi Lu spent a night at the Stone Gate. A gatekeeper asked,
"Where are you from?" Zi Lu replied, "I'm Confucius' disciple."
The gatekeeper said, "A disciple of the person who is doing
wasted efforts with knowing his ideal is impossible?"
❐ ポストエネルギー革命序論 222:アフターコロナ時代㉝
♘ 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」
【最新トリチウム除去関連特許技術Ⅱ】
❏ 特開2020-008431 トリチウム汚染水処理システム
【概要】
図1のごとく、トリチウム汚染水処理システム10Aは、トリチウム
汚染水から酸素を分離して水素ガスとトリチウムガスとを発生させる
触媒反応炉12A,12Bを備えている。触媒反応炉12A,12B
では、アルカリ金属の水酸化物(溶融塩触媒)とオーステナイト系ス
テンレス鋼(メタル触媒)とが触媒反応炉12A,12Bのカセット
の内部に収容され、トリチウム汚染水がカセットの内部に注入され、
加熱手段でカセットを所定温度に加熱しつつ、カセットの内部におけ
るNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2
+HTの気層反応によってトリチウム汚染水水素ガス(H2)とトリ
チウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理することでトリチウム
汚染水からトリチウムを確実に分離することができ、トリチウム汚染
水からトリチウムを完全に除去することができるトリチウム汚染水処
理システムを提供する。
図1 トリチウム汚染水処理システムの構成図
【符号の説明】 10A トリチウム汚染水処理システム 10B トリ
チウム汚染水処理システム 11 汚染水貯水タンク 12A 第1触媒
反応炉 12B 第2触媒反応炉 13 コールドトラップ 14 分離塔
15 冷却水循環装置(チラー) 16 真空ポンプ 17 水管路 18
ケーシング 19 加熱手段 20 カセット 21 後端部 22 開閉蓋
23 アルカリ金属の水酸化物 24 オーステナイト系ステンレス鋼
25 後端部 26 開閉蓋 27 頂部 28 排気開口 29 補充管路
30 ガス管路 31 補充バルブ 32 給水ポンプ 33 給水バルブ
34 給気バルブ 35 冷却塔 36 長尺チューブ 37 下端部 38
上端部 39 凸部 40 凹部 41 ガス管路 42 トリチウムガス取
り出し管路 43 トリチウムガス排気バルブ 44 管路 45 水素ガ
ス排気バルブ 46 中央部 47 ガス流量計 48 ガス給気ポンプ
49 混合ガス注入バルブ 50 蒸気発生装置 51 蒸気管路
図3 分離塔の斜視図
図4 長尺チューブの内部を示す断面図
【特許請求の範囲】
【請求項1】トリチウムを含むトリチウム汚染水から前記トリチウム
を除去するトリチウム汚染水処理システムにおいて、前記トリチウム
汚染水処理システムが、前記トリチウム汚染水と該トリチウム汚染水
を蒸気化したトリチウム汚染蒸気とのいずれか一方から酸素を分離し
て水素ガスとトリチウムガスとを発生させる触媒反応炉を備え、前記
触媒反応炉が、ケーシングと、前記ケーシングを所定温度に加熱する
加熱手段とから形成され、前記触媒反応炉では、アルカリ金属の水酸
化物とオーステナイト系ステンレス鋼とが前記ケーシングの内部に収
容され、前記トリチウム汚染水と前記トリチウム汚染蒸気とのいずれ
か一方が前記ケーシングの内部に注入され、前記加熱手段で前記ケー
シングを所定温度に加熱しつつ、前記ケーシングの内部におけるNa
OH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HT
の気層反応によって前記トリチウム汚染水または前記トリチウム汚染
蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガス
にガス化処理されることを特徴とするトリチウム汚染水処理システム。
【請求項2】前記オーステナイト系ステンレス鋼が、微粉砕された粉
状メタル触媒、粒状に成形された粒状メタル触媒、板状に成形された
板状メタル触媒、線状に成形された線状メタル触媒のうちの少なくと
も1つの形態で前記ケーシングの内部に収容されている請求項1に記
載のトリチウム汚染水処理システム。
【請求項3】前記ケーシングの内部に収容されるオーステナイト系ス
テンレス鋼が、SUS304とSUS304LとSUS316Lとの
うちの少なくとも1つである請求項1または請求項2に記載のトリチ
ウム汚染水処理システム。
【請求項4】前記トリチウム処理システムが、前記触媒反応炉の下流
側に設置されて前記ケーシングから流出した水蒸気を液化するコール
ドトラップまたは水トラップを含む請求項1ないしは請求項3いずれ
かに記載のトリチウム汚染水処理システム。
【請求項5】前記加熱手段によって加熱される前記ケーシングの温度
が、450~550℃の範囲にあり、前記ケーシングの内部の気圧が、
-0.1~+0.1MPsの範囲にある請求項1ないし請求項4いず
れかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
【請求項6】前記ケーシングが、オーステナイト系ステンレス鋼から
作られている請求項1ないし請求項5いずれかに記載のトリチウム汚
染水処理システム。
【請求項7】前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムと水
酸化カリウムとのうちの少なくとも一方である請求項1ないし請求項
6いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
【請求項8】前記トリチウム汚染水処理システムが、前記触媒反応炉
でガス化処理された前記水素ガス(H2)と前記トリチウ
ムガス(HT)との混合ガスを該水素ガス(H2)と該
トリチウムガス(HT)とに分離する分離塔を含み、前記分離塔が、
上下方向へ延びる冷却塔と、前記冷却塔の下端部から上端部に向かっ
て該冷却塔の外周面に巻き付けられ、前記触媒反応炉で生成された前
記水素ガス(H2)と前記トリチウムガス(HT)との
混合ガスが流入する長尺チューブとから形成され、前記分離塔におい
て分離されたトリチウムガス(HT)が、前記冷却塔の下端部に巻き
付く長尺チューブに位置し、前記分離塔において分離された水素ガス
(H2)が、前記冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻
き付く長尺チューブに位置する請求項1ないし請求項7いずれかに記
載のトリチウム汚染水処理システム。
【請求項9】前記長尺チューブの内周面には、複数の凸部と複数の凹
部とが形成されている請求項8に記載のトリチウム汚染水処理システ
ム。
【請求項10】前記冷却塔の上下方向の高さ寸法が、4~100mの
範囲にあり、前記冷却塔の温度が、0~5℃の範囲にある請求項8ま
たは請求項9に記載のトリチウム汚染水処理システム。
図2 一例として示す触媒反応炉12A,12Bの側面図
図2
図6 稼働中の触媒反応炉を示す図2と同様の図
図7トリチウム汚染水処理システムにおけるガス化処理を説明する図
【補足説明】
トリチウム水と普通水とが混合しているトリチウム汚染水を送水パイ
プの内部を通過させつつ、トリチウム汚染水に対する電磁作用によっ
て普通水の水素核のみを共鳴させてトリチウム水と普通水とに蒸発温
度差を生じさせる流体活性化装置と、流体活性化装置から送水される
蒸発温度差が生じたトリチウム水と普通水とに対する減圧蒸留処理を
行い普通水のみ蒸発させて分離し、蒸発分を凝縮させて排水用として
排水タンクに送り、トリチウム水を保管用の濃縮トリチウム水として
保管用タンクに送る減圧蒸留分離装置とを有するトリチウム汚染水処
理装置が開示されている(特開2017-207353参照)。
前記特許に開示のトリチウム汚染水処理装置は、原子力施設において
生成されたトリチウム汚染水に含まれるトリチウム水と普通水とを分
離し、濃縮トリチウム水の貯留に必要な保管用タンクを小規模化する
ことが可能となるとともに、その保管費用の低減を実現することがで
きる。しかし、濃縮トリチウム水からトリチウムを除去することはで
きず、依然として濃縮されたトリチウム汚染水が残存し、トリチウム
汚染水からトリチウムを完全に除去することができない。本発明目的
は、トリチウムを含むトリチウム汚染蒸気からリチウムを確実に分離
することができ、トリチウム汚染水や汚染蒸気からトリチウムを完全
に除去することができるトリチウム>汚染水処理システムを提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、トリチウム汚染水やトリチウム汚染
蒸気からトリチウムを除去しつつ、大量の水素ガス燃料を発生させる
ことができるトリチウム汚染水処理システムを提供することにある。
図1放射線グラフト重合法を利用したヨウ化銀担持繊維の作製方法を
示す図。ナイロン繊維にガンマ線を照射後、メタクリル酸グリシジル
(GMA)をグラフト重合し、さらに3級アミノ基を2個有するトリ
エチレンジアミン(TEDA)を反応し、4級アンモニウム基を導入
した強塩基性アニオン交換繊維製造する。その後ヨウ化カリウムを接
触させ、ヨウ化物イオン型さらに硝酸銀を接触させ、繊維上にヨウ化
銀担持を行う。
❏ 特開2018-114488 トリチウム除去材料及びその製造方法、なら
びに該吸着材を用いた含有汚染水の浄化方法 株式会社 環境浄化研
究所
【概要】
図1のごとく、有機高分子の繊維に氷核促進物質であるヨウ化銀を担
持したトリチウム水吸着材料を、軽水は凝固しないが、トリチウム水
が凝固する温度
下に置くことによって、トリチウム水を結氷吸着する除染技術である。
温度制御のみの非常に簡単な設備でトリチウム水を低減でき、繰返し
利用が可能である。表面積が大きく操作性の優れた繊維に氷核促進物
質を担持しているため、トリチウム水の相変化を繊維上で発現させる
ことに特徴がある。薬剤を使用しないため、放射性廃棄物の発生量を
非常に小さく抑えることが可能である。トリチウム汚染水処理システ
ム10Aは、トリチウム福島第1原子力発電所においては、建設費、
操作性、放射性廃棄物の発生量などの観点からトリチウム除去技術が
ないため、トリチウム汚染水保管量が増大している。安全性が高く、
操作性に優れた吸着方式での除去が期待されて
いる。トリチウム吸着材とそれを利用した吸着方式でのトリチウム除
去技術を提案する。
【符号の説明】
1 非晶部 2 結晶 3 ポリマールーツ 4 ポリマーブラシ 5 ヨ
ウ化銀担持繊維 6 芯 7 コア 8 予備冷却槽 9 トリチウム吸着
槽 10 ヨウ化銀担持繊維(組みひもに加工したもの) 11 トリチ
ウム吸着材搬送・懸架用レール 12 温度制御用ジャケット 13 処
理水槽 14 ハウジング 15 恒温室(又は恒温槽) 16 汚染水タ
ンク 17 トリチウム汚染水 18 ポンプ 19 ジャケット付きカラ
ム 20 ヨウ化銀担持繊維充填層 21 洗浄液槽 22 洗浄廃液貯槽
23 散水装置 24 吸着槽底部処理水 25 冷却気体貯槽 26 恒
温室 27 恒温槽 28 管路 29 冷媒入口 30 冷媒出口 31 冷
媒 32 シート状吸着材 33 吸着槽 34 脱着槽 35 洗浄液 36
洗浄廃液
図2 放射線グラフト重合後の高分子材料をグラフト側鎖が存在する
場所によって呼び方を区別し、高分子基材内部にとどまっている部分
をポリマールーツ、高分子基材の外側に飛び出した部分をポリマーブ
ラシと呼ぶ
図3 撚糸を加工した組みひもの外観を示す図である。芯の周りにヨ
ウ化銀担持繊維の輪が放射状に突出した構造
図5 バッチ処理法の1種である浸漬法を示す図である。組みひもに
加工したトリチウム水吸着材料を複数本、トリチウム含有水に浸漬し、
所定時間、所定温度(トリチウム水は凝固するが軽水は凝固しない温
度)浸漬することによってトリチウム水を吸着させる。組みひもの配
置によっては、トリチウム含有水を連続で処理することができる。
連続処理法の1種であるトリチウム水散水法の別法を示す図である。
所定温度に設定された恒温室に組みひもを吊り下げ、トリチウム水を
上部から散水し、同時にジャケットや冷却気体によって温度制御でき
る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】担体に氷核促進物質が担持されたトリチウム水吸着材料
【請求項2】前記氷核促進物質がヨウ化銀、塩化銀、臭化銀より選択
されたものを含む請求項1記載のトリチウム水吸着材料
【請求項3】前記担体は、活性炭、活性炭素繊維、有機高分子繊維、
ゼオライト、イオン交換樹脂、キレート樹脂、イオン交換繊維、キレ
ート繊維、多孔性中空糸、より選択された請求項1又は2記載のトリ
チウム水吸着材料
【請求項4】前記担体がイオン交換樹脂、イオン交換繊維、キレート
樹脂、キレート繊維より選択されたものであって、側鎖にイオン交換
基又はキレート基を有し、氷核促進物質がイオン交換反応又はキレー
ト反応を利用してグラフト側鎖間に担持されたものである請求項1~
3のいずれかに記載のトリチウム水吸着材料
【請求項5】有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1
工程、アニオン交換基を有するモノマーをグラフト重合するか又はア
ニオン交換基に転換可能なモノマーをグラフト重合した後、アニオン
交換基に転換する第2工程、アニオン交換基にヨウ化物イオン、塩化
物イオン、臭化物イオンより選択された陰イオンをイオン交換吸着さ
せる第3工程、銀塩水溶液を接触させ難溶性の銀塩をグラフト側鎖間
に沈殿析出させる第4工程、を含む記載のトリチウム水吸着材料の製
造方法。
【請求項6】有機高分子繊維又は粒子に電離性放射線を照射する第1
工程、カチオン交換基を有するか又はカチオン交換基に転換可能なモ
ノマーをグラフト重合する第2工程、カチオン交換基に転換可能なモ
ノマーにあってはカチオン交換基に転換したのち、カチオン交換基に
銀イオンをイオン交換吸着させる第3工程、ヨウ化物イオンを接触さ
せ、難溶性のヨウ化銀をグラフト側鎖間に沈殿析出させる第4工程、
を含むトリチウム水吸着材料の製造方法。
【請求項7】請求項1乃至4記載のトリチウム除去材料とトリチウム
を含む汚染水とを、トリチウム水は凝固するが、軽水は凝固しない温
度範囲で接触させるトリチウム水の除去方法
【請求項8】トリチウム水を吸着したトリチウム吸着材料をトリチウ
ム水及び軽水ともに凝固しない温度下に置いて、トリチウム吸着材料
からトリチウム水を脱着させ、脱着後のトリチウム吸着材料を再びト
リチウム吸着処理に用いる請求項7記載のトリチウム水の除去方法
【請求項9】 トリチウム水を脱着する工程において、アルコール、
トリチウム除去済みの処理水、トリチウムを含まない水より選択され
た洗浄液を利用する請求項8記載のトリチウム水の除去方法
図11 連続処理法の1種であり、吸着と脱着を同時にできる処理方法
である。トリチウム水除去槽と脱着槽との間をトリチウム水吸着材料
を有するベルトが回転しながら移動し、吸着と脱着を連続的に行うこ
とができる。トリチウム除去槽ではトリチウム水供給のための散水装
置と槽下部からの冷却気体により、トリチウム水吸着のための温度制
御がなされ、脱着槽ではトリチウム水の脱着のための洗浄装置が付設
されている。
【補足説明】
従来、トリチウムの分離技術として、水の平衡蒸気圧が軽水>重水>
トリチウム水であることを利用し、蒸留塔の塔底部からボイラー加熱
により蒸気を発生させ、塔頂部の凝縮器により蒸気を水に戻す操作を
繰り返し、沸点の高いトリチウム水を液相に濃縮する蒸留法を応用し
た方法が提案されている。また、電気分解速度が軽水>重水>トリチウ
ム水であることを利用し、電気分解を行うことによって、液相にリチ
ウム、重水素を濃縮する方法が提案されている。さらに、トリチウム
水の凝固点である4.49℃が軽水の0℃と異なることを利用し凍結
槽の冷却面にトリチウム水の結晶を析出させ、物理的に除去する方法
なども提案されている(特開2015-112589)。
しかしながら、蒸留法では、石油プラントでの実績があるが、分離係
数が小さいため、蒸発・濃縮の繰り返し回数が多くなることや塔高が
高くなり、福島第1原子力発電所のような災害現場に建設することは
非現実的である。また、電気分解を利用した方法では、1段の分離係
数は高いが、電気分解の繰返し回数が多くなり、大掛かりな設備にな
ることやエネルギー消費量が大きいという問題点がある。凍結を利用
した方法では大きな冷却面が必要であるため、莫大な建設費がかかる
という問題点がある。このように、原子力発電プラントの定常運転時
でさえ、確立していなかったトリチウムの分離技術を災害現場に適用
することは、装置費やエネルギーにコストがかかり過ぎ、実施する
ことは非常に難しい。
図1 世界最大熱エネルギーを無電力で輸送できるヒートパイプ
🖇 世界最大6.2kW熱エネルギー輸送できるヒートパイプ
近年、工場排熱や自動車エンジンからの排熱など、これまで未利用で
あった熱エネルギーを有効活用する技術が注目されている。こうした
未利用熱を有効利用するためには、熱源から利用先まで熱を損失なく
運ぶ熱輸送技術が重要になる。
これまでは熱輸送のために機械式のポンプが用いられてきたが、機械
式ポンプは、電力が必要であり効率面などでも課題があった。そのた
め、無電力で高効率に熱を輸送する技術が求められていた。今回、新
エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、未利用熱エネルギー
革新的活用技術研究組合(以下、TherMAT)、名古屋大学と共同で、世
界最大という6.2kW(キロワット)の熱エネルギーを無電力で輸送でき
るループヒートパイプを開発。未利用熱を効率良く活用でき、省エネ
ルギー化に貢献できる。
図2 一般的なループヒートパイプの仕組み
従来のループヒートパイプ蒸発器構造は円筒形が一般的だった。大型
蒸発器構造を円筒形にするためには大型ウィックを高精度に加工する
技術が必要ですが精度の限界により製造できない。また、円筒形であ
るため、熱源との接触には金属ブロックを介す必要がある(図2 A-A)
など、高効率な熱伝達ができませんでした。そこで、蒸発器をボック
ス構造にすることで、熱伝導性の向上を図り、熱源と平面での高効率
な接触が可能となった(下図3)。
図3 今回開発したループヒートパイプの仕組み
そして大型化に伴い、輸送管も大口径化する必要があるが、管径が大
きいと凝縮器内で気体と液体が分離してしまい、媒体の循環が上手く
いかない問題がある。そこで、凝縮器内の気液二相流動モデルを構築
し、圧力損失増大を抑えつつも気液の分離が起きないサイズになるよ
うに管径を最適化する(下図4)。
このように蒸発器構造、凝縮器構造をそれぞれ工夫することにより、
水冷自然放熱条件において6.2kW の熱輸送を達成することに成功し(
下図5)。
今回開発したループヒートパイプは、蒸発器、蒸気管、凝縮器、液管
から構成。蒸発器内に設置されたウィック(多孔質)の毛管現象によ
り、細い管(毛管)の内側を液体が表面張力を駆動力にして移動し、
これがポンプの役割を果たす。また、従来のループヒートパイプ蒸発
器構造は円筒形が一般的だったが、蒸発器をボックス構造にすること
で、熱伝導性の向上を図るとともに、熱源と平面での高効率な接触が
可能となる。この他、システムの大型化により輸送管が大口径化して
も、圧力損失を最小限とする新構造を開発。このように蒸発器構造、
凝縮器構造をそれぞれ工夫することにより、水冷自然放熱条件におい
て6.2kWの熱輸送を達成することに成功する。開発したループヒートパ
イプは今後、自動車のエンジンや工場からの排熱利用、電気自動車や
データセンターの機器類の熱マネジメント、大型発熱機器の冷却など
への適用を図り、抜本的な省エネルギー化を目指す。
【関連特許事例】
❏ 特開2015-108546 熱拡散率測定装置 名古屋大学 長野方星ら
【概要】
図1のごとく、測定対象物1を非接触でスポット周期加熱するレーザ
ダイオード10と、測定対象物を挟んでレーザダイオード10と反対
側に設置され、加熱された測定対象物1から放射される熱エネルギを
温度に換算し、温度分布として画像表示する赤外線サーモグラフィ17
と、レーザダイオード10による加熱周期と赤外線サーモグラフィ17
による熱画像計測周期との位相差を算出し、算出された位相差に基い
て測定対象物1の面内熱拡散率を演算するコンピュータ18を備え、
異方性のある大型の炭素繊維強化複合材を、非接触により簡易かつ迅
速に異方性の測定が可能な熱拡散率測定装置を提供する。
図1
【符号の説明】
1 …測定対象物 10 …レーザダイオード(加熱手段) 13 …周期
信号発生器 17…赤外線サーモグラフィ(熱画像計測手段) 18…
コンピュータ(演算手段)
図2
航空機器、電子機器などの先端機器においては、熱拡散、放熱が重要
になってきており、そのため、高熱伝導、異方性、高比剛性の素材と
して炭素繊維強化複合材が広く採用されている。このような炭素繊維
強化複合材においては炭素繊維の配向により発生する異方性により、
熱拡散率に大きな差異が生じるため、異方性の測定が重要である。
従来、この種の異方性のある素材の熱拡散率測定装置として、素材を
レーザビーム等によりスポット加熱し、このスポット加熱点から所定
の距離の点の温度を熱電対で測定するとともに、この距離を変化させ
て距離に応じた熱伝導率を測定することにより、異方性を演算により
測定するACカロリメトリ法熱拡散率測定装置が一般に用いられてい
る。しかしながら、ACカロリメトリ法熱拡散率測定装置は、試料を
短冊状に加工しなければならず異方性の測定を行うためには試料の切
り出し方を変えて測定をしなければならない、また、熱電対を銀ペー
ストなどで試料に固定したうえで試料セルに保持しなければならない
等種々の欠点があった。
一般に普及している、熱拡散率測定装置としてはフラッシュ法がある。
試料をパルスレーザにより表面から均一加熱し、裏面の温度上昇信号
を放射温度計により計測することで、試料の厚み方向の熱拡散率を測
定する方法である。通常、パルスの照射時刻から裏面の温度上昇が最
大値の二分の一となる時刻と試料の厚みから熱拡散率が求められる。
試料の全面を均一加熱する必要があるためレーザの径に試料形状は制
約される。試料から試料セルへの熱リークを低減するため試料の形状
は装置ごとに決まっている。これは、試料セルは適切な断熱系譲渡す
る必要があるためで、一般的に試料外形を直径10mmあるいは5m
m程度に加工する必要がある。また、計測できる測定方向は表面から
裏面の厚み方向のみであるため異方性を測定するためには各方向への
前記した決まったサイズに試料の切り出しが必要であり、試料調整を
考えると異方性の評価には適さない。
これに対し、特開平2012-145556には、測定対象物の裏面側から交流
熱を加えつつ温度センサによって測定対象物の裏面側の温度を計測し、
赤外線画像撮影手段によって測定対象物の表面側の赤外線放射強度を
計測した赤外線放射強度データとしての測定し、測定対象物の裏面側
の温度の温度データと測定対象物の表面側の赤外線放射強度データを
正規化して得られた温度データとが、それぞれ正弦波形を再現するよ
うにデータ順序を並べ替え、取得された2組の正弦波形の各ピーク時
間から各正弦波形の位相差を取得し、位相差に基づいて熱拡散率およ
び/または熱伝導率を算出するようにした画像記録装置及び熱分析装
置が開示されている。
また、測定する試料の一部に温度変化を与えつつこの温度変化に基く
試料の微小部分の熱伝導率を赤外線を利用して測定する熱分析方法も
開示されている(例えば、特開平2004-3251416)。
世界初、バイオマス発電所で大規模に二酸化炭素分離回収実証開始
10月31日、東芝エネルギーシステムズらは、シグマパワー有明の三川
発電所(福岡県大牟田市)で、発電所から排出されるCO2を分離回収す
る大規模実証設備の運転を開始。これは、バイオマス発電所から排出
されるCO2を分離回収する世界初の大規模BECCS(CO2分離回収貯留技術
付きバイオマス発電)対応----2009年9月、パーム椰子殻を主燃料と
したバイオマス発電を行う三川発電所内に、1日あたりのCO2回収量が
10トン規模のパイロットプラントを建設。以来、CO2 分離回収システ
ムの開発、改良、実証を重ね、実際の発電所にでシステム性能、運用
性、保守性の検証----してきたが、今回稼働する設備は、同発電所か
ら1日に排出されるCO2の50%にあたる500トン以上のCO2 を分離回収す
ることができるという。同社によれば、火力発電所から排出されるCO2
の50%以上を回収することができる設備は日本初。今回の実証運転を
通じ、CO2 分離回収の技術、性能、コスト、環境影響、発電所との統
合運用性等の評価を行う。尚、参加法人は以下の通り。
東芝エネルギーシステムズ(契約当時、東芝)、みずほ情報総研、千
代田化工建設、日揮、三菱マテリアル、大成建設、ダイヤコンサルタ
ント、QJサイエンス、日本エヌ・ユー・エス、産業技術総合研究所、
電力中央研究所、東京大学、九州大学、上野トランステック、三菱商
事天然ガス開発、国際石油開発帝石(INPEX)、 石炭エネルギーセン
タ(JCOAL)、太平洋セメント
【盛岡首長市移転構想Ⅸ:水陸空自在移動乗用車都市】
スロバキアの自動車メーカーである「Klein Vision」が、3分で路上
を走行する車から「空飛ぶ車」に変形する「AirCar」のムービーを公
開している。
それによると、2人乗りモデルのAirCarは最高時速 200キロメートル
で飛行することが可能で、推定航続距離は1000キロメートルに達して
いるとのこと。ただし、離陸には 300メートルの滑走が必要というか
ら、せめて50メートル程度に改良しないと新首長市構想には向かな
いとね。しかし、同社は既に3~4人乗りモデルや水陸両用モデルの開
発に着手している(3分で自動車から飛行機に変形する「AirCar」が
発表される - GIGAZINE)。
・北海道で81人が感染 過去最多
・新型コロナの症状100種類以上 AIで世界の論文を解析した結果 、
新型コロナウイルス、NHKニュース
・世界の感染者5000万人 冬の欧米に「第2、3波」新型コロナ
風蕭々と碧い時代:スローモーション 中森明菜
(作詞)(作曲)来生えつこ・来生たかお
砂の上刻むステップほんのひとり遊び/振り向くと遠く人影渚を駆け
て来る/ふいに背すじを抜けて/恋の予感甘く走った/出逢いはスロ
ーモーション/軽いめまい誘うほどに/出逢いはスローモーション/
瞳の中映るひと/ストライド長い脚先ゆっくりよざってく/そのあと
を駆けるシェパードロ笛吹くあなた・・・
"出会いはスローモーション" ひとの思いがけない劇的な体験は、 時
間の無限大なスローモーションとして現れる。交通事故、階段からの
転落など、それがデジャブしてくる。この歌詞の恋の予感だけでなく、
不愉快なシーンなどとして。卒業祝いにしこたま酔った仲間が定員オ
ーバーで駐車場のユーノス500にバックで突っ込んで衝突。運転主
は逃亡、車の持ち主と示談。百パーセント自責なのに10:1にして
欲しいと保険会社から電話、仕方がないので同意する。そして、今頃
どんな暮らしをしているのかと苦々しく思い出している自分がここに
いる。中森もいいが、シティーポップスな来生たかおの唄もいい。
「スローモーション」は、日本の歌手中森明菜の楽曲。この楽曲は彼
女の1枚目のシングルとして、1982年5月1日にワーナー・パイオニア
(現:ワーナーミュージック・ジャパン)よりリリース。1982年7月1
日発売のスタジオ・アルバム『プロローグ〈序幕〉』からの先行シン
グルとして、1982年5月1日にシングル・レコード (EP: L-1600)で発売
される。シングル・レコードのライナーノーツには「スローモーショ
ン」の楽譜が掲載された。初回盤にはカラーピンナップ付きアンケー
ト用紙が封入されていた。中森にとって、この楽曲はデビュー・シン
グルにあたる。この楽曲は、来生えつこ・来生たかお姉弟作詞・作曲
で、船山基紀が編曲を手掛けた。プロデュースは小田洋雄が務めた。
この年は、1982年組アイドルとして、松本伊代、シブがき隊、小泉今
日子 、中森明菜、堀ちえみ、早見優、石川秀美などが相次いでデビュ
ー。5月- サイモン&ガーファンクル初来日、10月1日 - コンパクトデ
ィスク(CD)が初めて発売され第一号は大瀧詠一『A LONG VACATION』、
12月1日 - マイケル・ジャクソンのアルバム『スリラー』発売。ギネ
ス・ワールド・レコーズに売上枚数世界一のアルバム認定される大ヒ
ット、また、12月31日 第24回日本レコード大賞 「北酒場」/細川た
かし、最優秀歌唱賞 大橋純子/「シルエット・ロマンス」、最優秀
新人賞 シブがき隊/「100%・・・Soかもね」などが流行。
この年の出来としては、1月13日 - アメリカ・ワシントン国際空港を
吹雪の中、現地時間16時過ぎに離陸したエア・フロリダ90便が、直後
に氷結したポトマック川に墜落。2月28日 - 岡本綾子がゴルフのアメ
リカLPGAツアーで初優勝、3月29日 - メキシコのエルチチョン山が大
噴火。火砕流が発生した他、エアロゾルで世界の平均気温が0.3 ℃程
低下。死者2000人以上(1万7000人が犠牲との資料あり)。4月2日 -
ォークランド紛争勃発、 4月2日 - アルゼンチン軍がイギリスと領有
権を争っていたフォークランド諸島を占領(フォークランド紛争勃発
6月6日 - イスラエルがレバノン侵攻開始、6月22日 - IBM産業スパイ
事件、7月23日 - 国際捕鯨委員会で1986年からの商業捕鯨全面禁止案
採択、8月17日 - フィリップスが世界初のCDを製、10月1日 - ソニー
が世界初のCDプレーヤー「CDP-101」発売、11月10日 - ソ連のレオニ
ード・ブレジネフ書記長死去。
●今夜の寸評:世界料理のコア和食
ワードプロセッサのソフトの一太郎は使い勝手よいので今も使ってい
るが、それを使えない状況にある。多様性が唱われるなかにあって、
日本の細やかさ、洗練さが世界基準になると確信するわたし(たち)
がいるように、和食文化は同様にコアになる優位性と自信もつ。そこ
で今夜は、「ゆずレモン餡とゆずレモン胡椒」事業を思いつく。これ
も後は行動だけ。