彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から
救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言え
る赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗り
にした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキ
ャラクター。愛称「ひこにゃん」
15 衛霊公 えいれいこう
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「人、遠慮なければ、必ず近憂あり」(12)
「これをいかん、これをいかんといわざる者は、われこれをいか
んともするなきのみ」(16)
「君子はこれをおのれに求む。小人はこれを人に求む」(21)
「過ちて改めざる、これを過ちと謂う」(30)
「仁に当たりては、師にも譲らず」(36)
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18.義が心の内奥にあり、その実践形態として礼があり、その
表現はあくまで謙虚、そして信という完結へ向かうもの、君子と
はこういうものだろう。(孔子)
子曰、君子義以爲質、禮以行之、孫以出之、信以成之、君子哉。
Confucius said, "A gentleman founds on justice, behaves
according as courtesy, expresses modestly and be finished
with faithfulness. He is quite a gentleman."
❐ ポストエネルギー革命序論 240:アフターコロナ時代㊿
♘ 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」
人類世紀の大絶滅と新興感染症の襲来
環境ビジネスの冬季号に掲載されている、国立環境研究所の五箇
公一の地球温暖化と生物の絶滅、新型コロナウイルスと人類の関
係性が解説。
史上最悪の時代
生物進化の歴史40億年の間には地球上の生命の70%以上が死滅す
る大絶滅というイベントが最低でも5回は起きている。これらの
大絶滅は、地殻変動や巨大火山の噴火、限石の落下など、自然現
象による大規模な地球環境変動が原因と推測されていることは、
環境に関しある方は自明だろ。いずれの大絶命においても、その
絶滅速度は化石データからの検証によれば 200万年以上の長い時
間をかけて徐々に進行したと考えられるという。
ところが現在、人開が引き起こしている環境破壊は、熱帯林の奥
地から極地の氷上に至る地球上のいたる所に影響が及び、生物の
絶滅速度は、過去の大絶滅よりも圧倒的に速いとされているが、
「オゾン・ホールの消滅危機」をわたしたちは既に経験している
のだ。まさに現代は史上最悪の絶滅の時代であるのだ。
史上最悪の速度で進行する地球温暖化
過去の大絶滅の中でも、もっとも大規模な絶滅はペルム紀末期(2
億8,000万年前)の大絶滅で、地球上の生物の95%が死滅したとさ
れている。その原因は、シベリアトラップという現在のシベリア
の大地の1/4を占める規模の大火山の噴火とされいる。割れた大
地から200万年間にわたって溶岩と温室効果ガスが放出され続け、
この時に大気中に排出された炭素量は累計14兆5,000億トンにも
上るとされている。この大量の温室効果ガスにより地球温暖化が
進行し、海水温か14℃~18℃も上昇したことで多くの生物が死滅
したと考えられている。
人類の活動拡大による生態の破壊
ところが、現在の温室効果ガスの1年当たり排出速度は、このペ
ルム紀の大絶滅時代よりも速いと考えられているという。このま
ま放置すればペルム紀末期以上の悲惨な気候危機が引き起こされ
る恐れがある。
気候危機以上に短期に急速な絶滅をもたらしている要因が生息地
の破壊・汚染・乱獲・外来生物の移送とされている。すでに地球
上の陸域全体の75%が人間活動によって改変され、生物多様性
の宝庫とされる熱帯雨林破壊の進行が地球全体の生物栗橋既劣化
の大きな要因である。これら熱帯林を保有する地域のほとんど開
発途上国であり、経済発展のために森を切り出し、焼細長耕地や
牧畜エリアを拡大させていることが熱帯雨林減少の背景にあり、
これらの国々から輸出される林産資源や農産物を消費しているの
は先進国である。また、これまで自然界に存在し得なかった合成
科学品は環境中においても分解されにくく、農薬やマイクロプラ
スチックなど様々な化学物質が生物の生息環境を汚染し、生態系
に深刻なダメ-ジを与えている。
さらに人間の人口増加に伴って、野生生物を資源として大量に捕
獲する乱獲が進行し、野生生物集団の減少に拍車をかけている。
象牙(アフリカゾウの牙)やベッコウ(ウミガメの甲羅)など装飾品
目的で多くの野生動物が犠牲となっており、イワシやタコなど様
々な水産資源が消費量の増大と共に、その数が激減しているとさ
れている。最近では、土用の丑の目でもうなぎがなかなか手を出
せないほどの高級食材となっており、これも乱獲が崇って、ニホ
ンウナギが絶滅危惧種に指定されるまで数が減ってしまっている。
このように、世界経済の南北格差や、先進諸国における利便性を
追求したライフスタイルと大量消費によって生態系が破壊され続
けていることが生物多楡既劣化の根本的原因となっている。
グローバル経済の侵略的外来生物リスク
経済のグローバル化か推し進められることで、人とモノの国際的移
動が活発となり、それに伴って外来生物も増加し、深刻な生態系
影響や社会的リスクをもたらしている。
輸入大国である我が国でもペットや食用目的で輸入された外来生
物が野生化してその分布が拡大問題化。例えば1925年に食用目的
で北米から輸入されたオオクチバスという淡水性肉食魚は、ほと
んど食べられることなくその数が増えて、日本固有の在来魚類を
捕食する被害をもたらしている。
アニメーション番組の影響で1970年代に北米からペット用に輸入
されたアライクマは、捨てられた個体が増殖し、今や日本全国に
分布を拡大、生態系に悪影響を及ぼすのみならず、甚大な農作物
肢害をもたらしているという。近年は輸入コンテナに紛れて南米
原産の強毒性ヒアリが日本全国の国際港湾に上陸・侵入している
ことが報告され大きな話題になりました。昨年に東京港と横浜港
で、今年は名古屋港で、大規模な野生の巣が発見されており、今
後、日本国内での分布の拡大とそれに伴う生態系被害・経済被害
が懸念されており、こうした外来生物による被害は全世界で発生
し、日本の生物も海外で有害な外来生物と化すケースが多数報告
されている。例えば日本の雑草クズは、米国に侵入して猛烈な勢
いで分布を広げており、現地ではグリーン・モンスターと恐れら
れている。生物は本来の生息域において固有の生態系の中で天敵
を含む様々な生物と共進化しており、その生息数は生態系のバラ
ンスが維持されるようリミッターが働く。それを人間が本来の生
態系から他の生態系に移動させることで、生態系のバランスが崩
れて、移送した生物の増殖に歯止めが効かなくなり、侵略的外来
生物が生み出されることとなる。
究極の侵略者 新興感染症ウィルス
人間による過度の生態系破壊と経済のグローバル化は、新興感染
症という新たな病原体ウイルスのリスクをも生み出している。も
ともと病原体ウイルスは、人開か地球上に誕生する遥か昔から、
様々な動物たちと地域固有の生態系の中で共進化を繰り返し、自
然宿主とされる動物種の体内で共生もしくは共存関係を構築して
いおり、人間のDNAの8%は太古のウイルスに由来するという。
ところで、特に化石資源を採掘しエネルギー利用をはじめて以降、
人間活動が肥大化し、自然環境の奥深くまでその活動圈が侵食し
たことで、野生動物体内のウイルスと人間あるいは家畜動物との
接触機会が増大して、新興感染症が頻発するようになった。実際
に1970年代以降に人間社会において急速に感染が拡大したSARSウ
イルスや、エボラ出血熱ウイルス、AIDSの原因となるHIVウイル
スは、それぞれキクガシラコウモリ、ウマヅラコウモリ、及びサ
ル類に寄生していた野生のウイルスが起源とされる。
新型コロナウィルスの世界制覇の意味とは
本年2020年、新興感染症の最新ウイルスとして新型コロナウイル
スが全世界にパンデミックして、今なお、世界各国に重大な健康
被害と経済被害をもたらし続けている。このウイルスの起源につ
いては、今も調査が続けられていますが最新のDNAデータに基
づけば、コウモリ由来のコロナウイルスとセンザンコウ由来のコ
ロナウイルスが合体した「キメラ・ウイルス」がヒト型に変異し、
人間社会に感染拡大したと考えられており、特に新型コロナウイ
ルスは、その感染力の強さに加えて、グローバル経済が作り出し
た人の高遠大移動に乗じて、わずか数ケ月で南極大陸を除く、全
人陸に感染が広がったが、これだけ急速に世界制覇を果たした感
染症は人類史上記録がない。
感染症拡大は自然の摂理人間社会においては有難くない存在であ
る病原性ウイルスも、自然界においては生物多諭旨の一員として
重要な生態系機能を果たしていると著者は言う。それは、動物集
団が増え過ぎて密になり、生態系のバランスを崩し始めたときに、そ
の集団に感染症をもたらして数を減らすとともに、さらに抵抗性
をもつ、より強い集団へと進化させる「天敵」としての役割----
言わば、足の遅いシマウマから食べてその個体数を調整し、より
足の速い集団へと進化させ続けているライオンと同じ役割をはた
していると、つまり、病原性ウイルスたちは自然生態系のバラン
スを維持するうえで不可欠の存在と。今、人間は77億人という巨
大バイオマスで生態系のトップに立ち、地球上の資源を過剰消費
し、環境を悪化させることで生態系のバランスを崩す存在となっ
ている。これだけ過剰に密集した動物集団は、まさに病原性ウイ
ルスたちから見れば格好の獲物であると指摘する。生態系のレジ
リエンス(回復力)機能として新興感染症が人間社会を襲ってく
る現象は、起こるべくして起こった自然の摂理とも指摘している。
これは、わたし(たち)のような素人で強烈な説得性を感じる。
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1.人間の全細胞からすべてのDNAを取り出してつなげると
太陽系の直径の2倍程度の長さになる。
2.蜘蛛が糸を生成するのに必要な遺伝子はすでに分離済み
で、米国陸軍上層部は、これが将来、超強力な防護服の開発に
つながるのではないかと期待している。
3.人間のDNAの99%はチンパンジーやボノボと替わらな
い。
4.母親の体には、出産後の赤ん坊のDNAの一部が残ってい
る可能性がある。
5.もしDNAの鎖をほどくことができたら、1本の長さは1
本 の長さはざっと2メートルとなる。
6.今生きているひとの系譜をたどると、17万5千年前に生
きていた1万人に行き着く。私たちがDNAの99.5%を
共有しているのは、それが理由だ。
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わからないことにチャレンジ:遺伝子の謎Ⅰ
鏡をのぞいてみてほしい。映っているのはどういう人間だろう?
目は大きい? 目ぶたぱ二重? 背は高い?
それとも低い? 男性? それとも女性? そばかすはある? 頭は
禿げている?
簡単に答えられる質問ばかりだ。なにしろ、鏡に映っているのぱ
あなた自身なのだから。自分のことなら、自分がいちばんよく知
っている……果たして、そうだろうか? 私たち人間は自分のこと
を唯一無二の存在だと思いたがる。実際、多くの点てそれぱ正し
い。しかし、1人ひとりに違いはあっても、実ぱ私たちはみな似
たり寄ったりだ。
なぜそんなことが言えるのだろうか? 試しに家族のアルバムを引
っ張り出してきて、両親と祖父母の写真を見てほしい。あなたが
お父さんとお母さんに----瓜:二つでないにせよ----少しずつ似
ているのは、なぜだろう? 妹はおヽばあちゃんと同じ鼻をして
いるのに、あなたの鼻はもっとほっそりしている。これは、なぜ
だろう?お兄ちゃんがおじいちゃん同様みごとな禿げ頭をしてい
るのに、あなたがフサフサなのは、どうしてだろう?そういえば
おじさんは耳をピクピク勅かすことができたけれど、あなたはで
きない。そのわけは? おかしなことばかり問くと思うかもしれな
い。でも、どの質問にも、ちゃんとした答えかおる。そして、そ
の1つひとつが、遺伝を扱う科学である遺伝学に関係している。
遺伝子学は、人問から犬、樹木、ブドウのつる、果てはインフル
エンザのウィルスにいたるまで、生きとし生けるものすべての生
物学的プログラミングについて理解する助けになる。遺伝は髪の
毛や目の色や、耳をピクピク勣かす能力をはじめとする種々の特
徴が表れる現象であり、それらが世代から世代へとどのように受
け継がれていくかという問題なのだ。
遺伝とは何か
遺伝学には150年かそこらの歴史しかないが、特徴の継承という
現象自体は、何千年も前から観察されていた。親の特微か子に受
け継がれることは、大昔の人にも分かっていたのだ。親に似るの
は人の子だけではない。羊や牛も親に似るし、もっと言えば、小
麦や大麦も、やはり親に似る。私たちの祖先はそれを知っていて、
特定の作物や家畜を育てるのにその知識を活かした。
ただし、遺伝という現象の背後にある「仕組み」については、誰
も知らなかった。この疑問に答えようとした人々のなかに代数の
授業でおなじみの、古代ギリシャの数学者ピタゴラスがいる。ピ
タゴラスぱ、親子が似るのはもっぱら父親のせいだと考えた。具
体的には、精液が父親の体内を駆けめぐるあいだにどうやってか、
さまざまな情報をかき集めるのだという。そうした情報が、生ま
れてくる子供の髪の色や肌の色を決めるというわけだ。ピタゴラ
スが言うには、男女の交わりの最中に父親は相手の女性にこの情
報を残らず受け渡すらしい。父親が基本的なデータを提供するの
に対して、母親はこの情報が孵化して寄り集まって赤ん坊になる
ための場だけでなく、脇役である母親からも特徴を受け継ぐので
あり、当所を用意するというのが、ピタゴラスの説だった。
時代がくだって、これまたギリシャの理論家で、性差別主義的で
めったこともよく知られているアリストテレスは、父親が主役だ
と考えながらも、父親だけが遺伝のみなもとであるという考えを
否定した。子供は主役である父親から、祖父母の影響も受ける--
-れがアリストテレスの主張だった。
ある種の肉体的特微か世代を飛ばして継承されることにさえ、彼
ぱ気づいていた。さらにアリストテレスは、ピタゴラスの理論は
父親の精液が娘の「生殖器」を形成するための指令をどうやって
「取り込む」かを考慮していない、とも言っている。
遺伝というものの全体像が正しくとらえられたのぱ、1860年代初
頭のことだ。オーストリアの修道士グレゴール・メンデルによっ
て、生き物が固有の命令セット、いわば「精密コード」を両親か
ら受け継ぐことが証明されたのだ。メンデノレの理論は遺伝学と
いう科学の基礎になった。
もっとも、その精密コードの正体は、1953年まで分からなかった。
この年、フランシス・クリックとジェームズ・ワトソンが、遺伝
子を形作っている物質、DNAの構造を明らかにしたのである。
DNAは、デオキシリボ核酸の略だ。これはねじれた2本のリボ
ンに似た形状の分子で、クリックとワトソンが証明したのは、何
対もの塩基が2本のリボンをつなぎ合わせ、らせんを描かせてい
るということだった。2人はこの奇妙な分子に注目し、遺伝情報
がどうやってコピーされるのかという疑問に対する答えがそこに
あると結論づけた。このことがいつか、さまざまな病気の治療法
の発見につながるかもしれないと、2人は述べている。
ヒトゲノム(すべての遺伝子が含まれる、DNAの完全なセット
)のマッピングが完了するには、それからさらに50年の歳月を要
した。これは、途方もない科学的偉業と言える。この暗号解読に
成功したことで、生命を生み出す自然の設計図----細胎内にある
DNAの塩基配列----が、驚くほどはっきり読めるようになった
からだ。私たち1人ひとりが誰であって誰でないかを決めている
のは、まさにそれだ。私たちの体がどのように組み立てられてい
るか、また、1つひとつの細胞がどのように働いているか、ある
いは個人がさまざまな病気やその他の外的件の影響を受けやすい
か否かは、こうした遺伝子が関係しているのである。
すぱらしき新世界
この発見は革命的だった。なぜなら、私たち1人ひとりが何者で
あるか、また、人類がどのような生物種であるかということを解
き明かす、新しくも胸躍る道筋が開かれたからだ。人間ぱ1人ひ
とり、体形も体格も違えば、肌の色も性格も異なる。にもかかわ
らず、遺伝学的には大差ない。実際、人間が2人いれば、その2
人はゲノム