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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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北風と太陽

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ
ー。愛称「ひこにゃん」




                    

15 衛霊公 えいれいこう
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「人、遠慮なければ、必ず近憂あり」(12)
「これをいかん、これをいかんといわざる者は、われこれをいかん
ともするなきのみ」(16)
「君子はこれをおのれに求む。小人はこれを人に求む」(21)
「過ちて改めざる、これを過ちと謂う」(30)
「仁に当たりては、師にも譲らず」(36)
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33 知見は十分でも、人民を抱擁していくだけの仁徳がなければ、
やがて人民にそむかれる。知見、仁徳ともに十分でも、威厳をもっ
て臨まなければ、人民の尊敬は得られない。知見、仁徳、威厳がす
べて具わっていても、礼に従って人民を使役するのでなければ、ま
だ十全とはいえない。(孔子)

子曰、知及之、仁不能守之、雖得之必失之、知及之、仁能守之、不
莊以蒞之、則民不敬、知及之、仁能守之、莊以蒞之、動之不以禮、
未善也。

Confucius said, "The people will leave if you don't have
benevolence even though wisdom is enough. The people will not
respect you if you don't have dignity even though wisdom and
benevolence are enough. It is still not enough if you don't
use courtesy to govern the people even though wisdom and
benevolence and dignity are enough."



最近、関係する大阪で担当弁護士とコロナ禍の日本経済の今後につ
いて話す機会があり、ほぼ一致した見識を確認しあった。このため
普段経済についての考察から遠ざかっていたので、急遽、高橋洋一
著の『武器になる経済ニュースの読み方』(マガジンハウス社・電
子ブック)に目を通す。
【著書概要・著者略歴】
国が行う経済政策は、どこか自分とは関係のないところで動くもの
だと多くの人は考えがちだが、特定給付金や持続化給付金、休業支
援金など、2020年に顕在化したコロナ禍への対策を通して、近
年ほど経済政策というものを身近に感じる時代もない。安倍前政権
はマクロ経済政策を前面に押し出していたが、菅首相はそれを維持
した上でミクロ経済政策である「成長戦略」を推進しようとしてい
る菅首相は「経済成長なくして、財政再建なし」として、財政再建
よりも経済成長を優先する「経済主義」を表明。これをビジネスチ
ャンスの到来だと解釈しないビジネスパーソンがいたとしたら大問
題。巷にあふれる経済ニュースには無知による誤った解説や作為的
なミスリーディングも多く、少なくとも「何が起こったのか」につ
いてはわかるようにできている。発生した経済的事象、発表された
経済政策、政治家や経済人の発言が何を意味しているのか正しく理
解できれば、ビジネスの攻め時も退け時もわかる。そのためには、
「経済とは何か」ということがわかっていなければならない。難し
いことではない。ここをおさえればすべてがわかるという基礎の基
礎がある。本書にはそのエッセンスを詰め込んだ。経済ニュースを
正しく読めることほど、仕事や資産運用、そして人生においても大
きな武器になるものはない。(「はじめに」より)
として、つぎのように呼びかける----コロナショック、加速するデ
ジタル化、株の乱高下、少子高齢化。2021年以降に必要なのは「経
済ニュース」を読み解く“目”である。経済の基礎と理論を学び、
正しい「未来予測」を身につけよう!と。●新型コロナによる、「
経済への打撃」の正体----●無知からくる、「国債」=「悪」とい
う勘違い●「数字」が理解できない、マスコミ人の罪●「実質GD
P」と「株価」の深い関係●物価と失業率のかかわりを示す「フィ
リップス曲線」●財政出動によって、「金利」が上がるワケ●少子
高齢化による、「年金問題」を考察する等。スガノミクス、Go to
キャンペーン、株価、為替……器になる「経済ニュース」の読み方
を、数量政策学者が伝授する1冊。「スガノミクス」でニッポンは復
活する!?
【目次】
序 章 日本政府による、「コロナショック」の経済対策は是か、
非か?/第1章 「Go to キャンペーン」で日本経済は復活する!?
/第2章 「経済成長」を目指さなければ、国民の生活は豊かにな
らない/第3章 「アベノミクス」は70点。では「スガノミクス」
は……?/第4章 不況下の「消費増税」は、百害あって一利なし
/第5章 少子高齢化社会&人生百年時代をどう生きるべきか/最
終章 内閣官房参与が大予測! 2021年の日本経済
【略歴】1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学ビジネ
ス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学
部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に
大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンス
トン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、
内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣で
はブレーンとして活躍。2008年に退官。2020年10月、菅
義偉内閣の内閣官房参与に就任。『さらば財務省!』(講談社)で
第17回山本七平賞を受賞
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まず、「ひとり一律10万円」の給付金は正解だったかという設問で、
高橋氏は、20年3月時点で、ひとりあたり10万円の給付と消費税
5%への引き下げ減税を、給付は米国ののように政府振り出小切手
配布することを主張している。また、11月25日に第3次補正予
算として40兆円規模の財政支出が必要と述べているが、わたしも
需給ギャップ差額から40兆円は必要としているが偶然にも一致し
ている。さて、10月27日の記者会見後で「給付金の多くは貯蓄
に回る」発言しているが、不時の場合の支出の備えに回ったりする
もの、我が家ではリホーム費用に回っているので、大臣発言は軽率
でもあるがこの節では、メディアの「数学的・数理的発想を理解し
ていない人が多い」とご機嫌斜めな批判論調となっている(序章「
日本政府による『コロナショック』の経済対策は是か非か)。


ところで、アベノミクスの「三本矢」政策(金融緩和・積極財政・
成長戦略)のなかで喧伝された"トリクル・ダウン効果----富める者
が富めば、貧しい者も自然に豊かになる」という経済に関する仮説-
で、大企業や富裕層の支援政策を実施する際の論拠として引用され
てきたが、先進国で実施されたトリクルダウン関連政策を分析した
ところ「富裕層がさらに富む効果しかない」ことがわかったと、
ンドン・スクール・オブ・エコノミクス
の研究チームが発表してい
ることに付け加えておく。
※ via GIGAZINE

さて、財務省が「日本の財政を家計にたとえ借金」として説明する
が、「国家財政」=「家庭財政」と喧伝はフェイクでありファクト
ではない、政府の行政機関(グループ会社)を含めた連結バランス
シート(貸借対照表)でみれば、日本の財政破綻確率は近似無視で
きるほどなどとの指摘がつづいた後、経済とは何か----という基本
が論じられていく。

ニュースでよく耳にする「真水」とは何か?
この章の冒頭「真水」の定義はないと指摘。勿論、経済大作には①
公共事業、②減税・給付金、③融資・保証があり、「真水」は①の
事業費の2割程度である用地取得費を除いた部分と②減税・給付金
のすべてを合算したものさし、回収を前提とした③の融資や保証は
入らないのが通常で、直接GDPを押し上げる効果のあるものさす
なお、実際の政策としては、減税したり給付金を出したりしても消
費に回らなければ短期的にはGDPの創出にはつらがらないし、③
の融資・保証がなければ企業倒産につながって雇用が失われGDP
に悪影響を及ぼすから、すべての政策が相乗的に重要であるという。
3月の時点で、米国はまずGDP5%相当の100兆円規模の経済
対策を打ち出し、同21日にはラリー・クドロー国家委員長が約2
00兆円規模(GDP10%相当)の対策に言及。これに対し日本
政府は、4月3日、生活支援金30万円/世帯(GDP0.6%相
当)とわずかあるが、これは、所得制限つきとしてのは、09年リ
ーマン・ショック対策で「19~64歳1万2千円/人、18歳以
下、65歳以上は2万円」の定額給付金の実績をふまえたものであ
ったがいかにも少額であったため効果がなかったと麻生財務大臣発
言をこう評した。総額2兆円弱では0.2%程度の押し上げ効果で
輪をかけ、日本単独が金融緩和せず➲円高➲外需不足を招き、
当時、バラマキと称されて批判された。ところで、今回「30万円
/世帯の所得制限つき現金給付」➲「所得制限なし、ひとり一律
10万円/人の現金給付」への転換は「真水」25兆円(GDP5
%相当)の効果を生み出した。言うまでもなくこれは安倍首相も支
持している。このように各官庁の各種統計数字が公開されているが
この数字にフェイク(嘘)があれば国の信頼を揺るがす大問題とな
ると言う。

無知からくる、「国際」=「悪」という勘違い
同年5月27日、第2次補正予算(コロナ対策)6月10日衆議院
を通過、12日に参議院を通過し一般会計歳出160兆円(空前絶
後の規模=安部首相表現)が成立。これを否定する財政規律派?の
主張は「景気が悪くても結構、増税されても結構」と主張するのと
同じと批判じであり、消費税増税不況+コロナショックの空前絶後
のリセッションであり、GDPの年率換算での累積低下に相応する
GDP10%以上の需要が必要となってくる。1次補正と2次補正
における有効需要のニーディル(巻き戻し)に要する「真水」はG
DP7%相当である以上まだまだ足らないというのが常識的は判断
であるという主張にわたし(たち)は同意するものである。それに
して、骨が折れますよね。同じ事を書き続けるなんて。わたしも、
この10年間同じ事を無収入でブログで書き続けている。



「血税」で組むわけではない、コロナ禍対応の補正予算
補正予算のフレームは国債である。いずれ税金で返済するのであれ
ば原資は"血税"である。という主張は正しいか?いや、補正予算の
原資血税との論法は、「国債によって現金返済されないものがある
」により論破されていると彼は論破する。例えば、国際発行額25
3兆円で、そのうち新規国債が90兆円、借換債は108兆円であ
るとすると、国債のうち償還期限が到来するものは償還し借換債を
発行しまかなうということだ。同年5月末現在、日銀が保有してい
る国債は500兆円、つまり令和2年特別会計予算総則第5条で、
日銀保有国債すべてについては日銀引受による借り換えが出来る。
つまりは、「日銀保有国債については償還しなくてもよい」という
ことであり、政府の日銀保有の国債の利払い分は政府に納付され、
プラマイゼロとなり、国債を日銀が購入すれば、政府の利払いは及
び償還負担はゼロとなり、後世代へのつけ回しにならないとなる。

また、別の角度からの問題として、新規国債発行額の90兆円につい
ては市中消化が大変になり、「通貨量のバランスを崩して、ひどい
インフレを起こすのではないか」という意見がある。「お金が過剰
に出まわり、モノが不足すれば、マスクやトイレットペーパーなど
の買い占めが起き、物価が上昇しやすくなる。つまり経済力に余力
がある層はモノを買える一方で、余裕のない人たちは物価上昇のあ
おりを受けて生活が厳しくなる恐れがある」というもの。

これについては、2020年5月22日に行われた黒田東彦日銀総裁
の共同談話における「日銀と政府の関係は、きちんと同じ方向に向
いていることがすごく大事なことだ」という麻生財務大臣の発言が
重要になってくる。「政府と日銀の連合軍」ともいうべき体制がで
きあがっている、ということなのだが、経済政策として、財政政策
と金融政策の同時・一体発動が実現化する。コロナショックという
戦後はじめての強烈な経済危機に対する政府の危機感を表している
ものでもあり、政府が大量に国債を発行して財源調達を行う一方、
日銀がその国債の買い入れを行うことで政府が巨額の有効需要を。 
創出して不況脱出の下支えをするという仕組みである。
とはいえ、「イールドカーブコントロール」つまり利回りの変化を
管理する政策を維持しながら日銀が買い取るから、現在のマイナス
金利は維持されるだろう。つまり、国債を発行しても金利が上がる
ことはなく、そして、今回のコロナショックで需要およびそれに伴
う供給も大きく失われたため、当面はインフレを心配する状況では
なく、政府と日銀は、インフレを心配する必要なく協力できる状況
にあり、補正予算の財源は「血税」であるというのは間違いだとい
うことを払拭できると主張する。

第1章 「GO TO キャンペーン」で日本経済は復活する
「経済をまわす」ことが政府の役目
7月、政府は新型コロナウイルス感染症対策の一環として「Go
To キャンペーン」を開始した。 各業界に合わせて、「Go
to トラベル」「Go to イベント」「Go to イート」「
Go to 商店街」などといった具合にいろいろあるのだが、その
目的を経済産業省は《今回の感染症の影響により、売上等に甚大な
打撃を被った観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメ
ント事業等を対象に、感染症流行の収束状況を見極めつつ、一定期
間に限定して、官民一体型の需要喚起キャンペーンを実施する》と
していた。「Go To  キャンペーン」は、行政上の正式名称を}
「需要喚起キャンペーン」という。「需要」を辞書で調べると《1.
もとめること。いりよう。「人々の需要に応じる」2.家計・企業
などの経済主体が市場において購入しようとする欲求。購買力に裏
づけられたものをいう。➲ 供給》(小学館『大辞泉』)などと
と載っている。簡単にいうと、「人々は欲しいモノがあれば買い求
める。そこではお金が行き来する」ということだ。お金が盛んに行
き来している状態を「経済がまわっている」といい、お金が盛んに
行き来するようにすることを「経済をまわす」という。経済がまわ
っている状態を一般的に「景気が良い」といい、景気を良くする
のは政府の使命である。 つまり、経済をまわすのは政府の役目だ。
「Go To キャンペーン」は経済をまわすための政府のアイデア
だった。 キャンペーン開始当時、私は「Go To キャンペーン」
はあまり期待できないと考え、メディアでもそう発言していた。キ
ャンペーンから東京都を抜き、一方で小池百合子都知事が「4連休
は不要不急の外出を控えて」などといっているような時期だった。 
感染の大きな波が来ている最中に、「Go To キャンペーン」は
焼け石に水である。欲しいモノがあっても、「感染の可能性」とい
う理由から買い求めるのを積極的に控える場合が多いからだ。休業
補償をして凌ぐほうが良い、つまり「倒産の数を減らして、雇用を
守る算段を立てるほうが先決」というのが私の意見だった。
                       この項つづく


  

ポストエネルギー革命序論 251:アフターコロナ時代 61
♘ 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」








風蕭々と碧い時代:

●今夜の寸評:


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