Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

COVID-19は高速進化する新たな状況

$
0
0



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
愛称「ひこにゃん」   



                    
16 季 氏  き し
-------------------------------------------------------------
他の篇と趣を異にし、孔子のことばがすべて「孔子曰く」として記
され、また、三、九といった数字でまとめられる章が多い。この点
から、この篇は「斉論」系統であろうともいわれている。
寡なきを患えずして均しからざるを患え、貧しきを患えずして安か
らざるを思う」(1)
「少き時は血気いまだ定まらず、これを戒むること色に在り」(7)
「生まれながらにしてこれを知る者は上なり。学んでこれを知る者
は次なり」(9)
-------------------------------------------------------------
13.陳亢が伯魚(孔子の長男)にたずねた。
「あなたなら、先生から特別に教えを受けたことがおありでしょう」
「いいえ。ただ、いつか父がひとりきりで堂上にたたずんでいると
き、わたしが庭を通りかかりますと、『詩を研究したかね』と声を
かけられました。『まだです』と答えますと、『詩を読まないと、
表現力が養われないよ』とさとされました。わたしはそれ以後、詩
を勉強しました。そのつぎ、またも父がひとりで堂上にたたずんで
いるときわた
しが庭を通りかかりますと、こんどは『礼を研究したかね』ときか
れました。『まだです』と答えますと、『礼を学ばないと、社会人
として困るよ』と言われ、それ以後わたしは礼を学びました。特別
な教えといえば、このふたつでしょうか」
 膝元は感激した。かれは伯魚と別れてから言った。
「ひとつの質問で三つの収穫があったぞ。なぜ詩が大切か、なぜ礼
が必要か、そして君子はわが子だからといって特別扱いしないとい
うことだ」
〈陣亢〉 孔子の弟子のひとり干鳥のことといわれるが、異説もあ
ってはっきりしない。
★親が子にさずける教育、家庭教育のことを庭訓というのは、孔子
が庭で息子の鯉に訓えたという本章の話にもとづいている。

陳亢問於伯魚曰、子亦有異聞乎、對曰、未也、嘗獨立、鯉趨而過庭、
曰、學詩乎、對曰、未也、曰、不學詩無以言也、鯉退而學詩、他日
又獨立、鯉趨而過庭、曰、學禮乎、對曰、未也、不學禮無以立也、
鯉退而學禮、聞斯二者、陳亢退而喜曰、問一得三、聞詩、聞禮、又
聞君子之遠其子也。





【ウイルス解体新書②】


さて、アプローチといっても徒手空手状態。具体的なウイルス症例
から入り、その治療・予防・流行とワクチン・抗体二酸化炭素関す
る特許技術など個別に情報収集し、最終的には新型コロナウイルス
の情報をまとめ、その合間にウイルス生態概歴と最新科学情報を織
り込みながら『ウイルスとは何か』としてまとめ上げたい。


コロナウイルスは、1本鎖のRNAウイルスであり、多形性(直径 80~
220nm)を示す。ウイルス粒子表面に存在するエンベロープが花弁状
の長い突起(S蛋白、約 20 nm)となり、コロナ( 太陽の光冠)のよう
な外観を呈するのでその名が付けられた。血清学的に大きく3群に
分けられ、一般の消毒薬に感受性を示す。コロナウイルスは哺乳動
物や鳥類にさまざまな疾病を引き起こすが、これまでに知られてい
る家畜家禽のコロナウイルス病には、重症急性呼吸器症候群(SARS)
のように重篤な急性呼吸器病を起こす疾病はないという。

 コロナウイルス科は、そのビリオン形態と細胞内出芽部位が他
 のRNAウイルスと区別されたため、1968年に新しいウイルスファ
 ミリーとして認識された。それらのゲノム、複製戦略、構造タ
 ンパク質およびポリメラーゼの特徴的な特徴は、後にこの分類
 を支持した。トロウイルスとコロナウイルスは、1993年にコロ
 ナウイルス科内の別々の属として認識された。コロナウイルス
 科とアルテリウイルス科は現在、ニドウイルス目、重複するサ
 ブゲノムmRNAのネストされたセットを生成するように転写され
 る単一部分プラス鎖RNAゲノムを持つウイルスのメンバーとし
 て分類される。そして 共通の3 '末端を持つ。

           『COVID-19は高速進化する新たな状況』
                   Kathryn V. Holmes

図1

 ビリオンの構造とタンパク質コロナウイルスビリオン(感染
 性ウイルス粒子:virion)のモデルを上に図示。包まれたビ
 リオンは直径約100nmで 大きな花びらの形をしたスパイクが
 特徴。スパイクは180~200kDaのS糖タンパク質のオリゴマ(
 小規模な重合体)受容体糖タンパク質と結合、ウイルスエン
 ベロープと細胞膜の融合、場合によれば細胞間融合を誘導す
 る。いくつかのコロナウイルスのSタンパク質も 9-O-アセチ
 ル化シアル酸に結合する。
 小さなエンベロープ糖タンパク質Mは、脂質二重層を3回通過
 し、ビリオンのヌクレオカプシドと相互作用する。
 M糖タンパク質の細胞内輸送はゴ ルジ体で停止し、コロナウ
 イルスの細胞内出芽部位を決定する可能性がありもともと非
 構造タンパク質の小さな E糖タンパク質は、ビリオンに少量
 存在、ウイルスの出芽に不可欠である。一部のコロナウイル
 スのエンベロープには、ヘマグルチニン- エステラーゼ糖タ
 ンパク質であるHEも含まれる。これは、 N-アセチル-9-O-ア
 セチルノイラミン酸または N-グリコリルノイラミン酸に結
 合し、エステラーゼ活性を持つ短いスパイクを形成する。ヌ
 クレオカブシドタンパク質である Nは、単分割の線状の一本
 鎖ゲノムRNAをカプシド(capsid)化しする。
 コロナウイルスの内部構造は、図1に示すように、もともと
 らせん状のヌクレオカプシドであると考えられていた。しか
 し、最近、界面活性剤で処理したウイルス調製物で、立方対
 称に見えるコアが観察された。故にコロナウイルスの内部構
 造はまだ理解されていない。

⛨ 豚繁殖・呼吸障害症候群
豚繁殖・呼吸障害症候群(porcine reproductive and respiratory
syndrome; PRRS)とは豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス感染による
ブタの感染症であり、豚生殖器・呼吸器症候群とも呼ばれる。日本
では家畜伝染病予防法における届出伝染病であり対象動物は豚、い
のしし。1987年にアメリカで初めて確認され、その後カナダやヨー
ロッパにも拡大した。豚の耳・鼻などがチアノーゼで青くなる症状
もある事から「青耳病」(日本向けの中国系新聞記事ではブルーイ
ヤ病)という。 
【原因】
豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)は アルテリウイルス科
アルテリウイルス属に属する。接触感染および空気感染により伝播
し、伝播力は強い。ブタ、イノシシが自然宿主であり、他の動物へ
の感染は認められていない。PRRSVは 高頻度に遺伝子変異が起こり、
抗原性及び病原性の多様性があるため、ワクチンによる疾病対策が
困難である。また、強毒変異株もしばしば報告されている。PRRSV
は 豚呼吸器複合感染症の主要な要因である。
【症状】
子豚と成豚では症状が異なり、子豚では慢性に経過する間質性肺炎
と発育不良によりひね豚となる。また、他の病原体との混合感染に
より症状は悪化する。成豚では発咳呼吸困難などの肺炎症状を示し、
妊娠後期での感染では胎子に経胎盤感染を起こし、早死産を引き起
こす。産子はミイラ変性胎子、黒子、白子などの死産子と虚弱な生
存子が混在する。  

鳥・ブタインフルエンザウイルスのヒト感染事例の状況について
鳥インフルエンザウイルス
A/H5亜型ウイルス:高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの
ヒト感染事例は2003年以降, 中東, 西アフリカ, ヨーロッパ, アジ
アの世界の16カ国で860例が確認されており, そのうち455例が死亡
例である(2017年9月27日現在)。2016年1月~2017年9月の間のヒ
ト感染事例は14例(2016年は10例, 2017年は4例)あり,うち5例(
2016年は3例, 2017年は2例)は死亡例である。これらヒト感染事例
はエジプトおよびインドネシアでのみ確認され, その他の国での報
告はない。2016年10月以降, 家禽ではエジプト, トーゴ, ベトナム,
ラオス, インドネシア, カンボジア, ミャンマー, バングラデシュ,
マレーシア, インド, ネパール, イラン, ブータンにおいて流行が
確認されている。
近年は, NAがN1以外のA/H5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイル
スが世界各地の家禽や野鳥の間で蔓延している。2016年10月以降、
アメリカではA(H5N2)ウイルスが 野鳥の間で流行しており, 多くの
ヨーロッパの国々ではA(H5N8)ウイルスが, 一部の国ではA(H5N5)
ウイルスが野鳥もしくは家禽の間で流行している。また, 日本, 韓
国, 中国, 台湾, 香港, ベトナムでは A(H5N6)ウイルスが, 多くの
アフリカの国々と韓国, 中国, インド, イラン, ネパール, イスラ
エル, クウェート, カザフスタンでは A(H5N8)ウイルスが野鳥もし
くは家禽の間で流行している。これらNAがN1以外のA/H5亜型の高病
原性鳥インフルエンザウイルスのうち, ヒトへの感染事例が確認さ
れているのは A(H5N6)ウイルスのみで, 2014年以降は14例のヒト感
染例が確認されており, そのうち10例が死亡例で, 全例が中国から
の報告である。これら14例のヒト感染例のうち, 2016年10月以降の
報告例は2016年11月に発症した 2例である(2017年9月27日現在)。
HA遺伝子の分子系統解析によりA(H5N6)ウイルスはclade2.3.4.4に分
類されるが, NA遺伝子はA(H6N6)ウイルス, その他の内部遺伝子は
A(H5N1)ウイルスのclade2.3.2.1に由来する。しかし,2015年以降に
ヒト感染事例を引き起こしたウイルスの中には内部遺伝子がA(H9N2)
ウイルスに由来するものも見つかっており, A(H5N6)ウイルスは土
着の複数の亜型の鳥インフルエンザウイルスとの間で遺伝子再集合
が頻繁に起きていたと考えられている。現時点でヒトに感染しやす
くなるような遺伝子変異は確認されていない。
A/H7亜型ウイルス:A/H7亜型の高病原性鳥インフルエンザは2016年
10月以降, A(H7N1)ウイルスがアルジェリアの野鳥の間で, A(H7N9)
ウイルス〔後述する中国で流行しているA(H7N9)とは別の系統〕 が
アメリカの家禽の間で,A(H7N3)ウイルスがメキシコの家禽の間で流
行している。A/H7亜型の低病原性鳥インフルエンザは, リビア、フ
ランス, カンボジア, アメリカ, チリなど世界各地で散発的に発生
している。これらA/H7亜型の鳥インフルエンザウイルスによるヒト
感染事例は, これまでのところ報告はない。
また, 2013年3月に世界で初めて低病原性鳥インフルエンザA(H7N9)
ウイルスのヒト感染事例が中国で報告され, 2013年8月まで(第1
波)の感染者は135人, 死亡者は 45人であった。続く2013年10月か
らの第2波では感染者が 318人, 死亡者が130人と急増したが, 以降
は年間の感染者数と死亡者数は年々減少し, 2014年10月からの第3
波では, 感染者が226人, 死亡者が100人, 2015年10月からの第4波
では, 感染者が119人, 死亡者が45人となり, 2016年9月までの感染
者総数は798人死亡者総数は320人となった。このまま患者数が減少
するものと思われたが、2016年10月以降の第5波では、感染者数、
死亡者数がともに急増し, 第4波までの感染者総数と死亡者総数に
近い感染者764人, 死亡者288人となり, 2013年以降2017年9月13日
現在までの感染者総数は1,562人, 死亡者総数は608人となっている。
現在, 低病原性鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスは 抗原性の異な
る2つの系統〔Yangtze River Delta Lineage(長江デルタ系統),
Pearl River Delta Lineage(珠江デルタ系統)〕に分類されてい
る。 近年は, NAがN1以外のA/H5亜型の高病原性鳥インフルエンザ
ウイルスが世界各地の家禽や野鳥の間で蔓延している。2016年10月
以降, アメリカではA(H5N2)ウイルスが野鳥の間で流行しており、
多くのヨーロッパの国々では A(H5N8)ウイルスが,一部の国では、
A(H5N5)ウイルスが野鳥もしくは家禽の間で流行している。また,
日本, 韓国, 中国, 台湾, 香港, ベトナムではA(H5N6)ウイルスが,
多くのアフリカの国々と韓国、中国、 インド、イラン、ネパール,
イスラエル, クウェート, カザフスタンではA(H5N8)ウイルスが野
鳥もしくは家禽の間で流行している。これらNAがN1以外のA/H5亜型
の高病原性鳥インフルエンザウイルスのうち, ヒトへの感染事例が
確認されているのはA(H5N6)ウイルスのみで, 2014年以降は14例の
ヒト感染例が確認されており, そのうち10例が死亡例で, 全例が中
国からの報告である。これら14例のヒト感染例のうち, 2016年10月
以降の報告例は2016年11月に発症した2例である(2017年9月27日現
在)。HA遺伝子の分子系統解析によりA(H5N6)ウイルスはclade2.3.
4.4に分類されるが, NA遺伝子はA(H6N6)ウイルス, その他の内部遺
伝子はA(H5N1)ウイルスのclade2.3.2.1に由来する。しかし, 2015
年以降にヒト感染事例を引き起こしたウイルスの中には, 内部遺伝
子がA(H9N2)ウイルスに由来するものも見つかっており, A(H5N6)ウ
イルスは土着の複数の亜型の鳥インフルエンザウイルスとの間で遺
伝子再集合が頻繁に起きていたと考えられている。現時点でヒトに
感染しやすくなるような遺伝子変異は確認されていない。
A/H7亜型ウイルス:A/H7亜型の高病原性鳥インフルエンザは2016年
10月以降, A(H7N1)ウイルスがアルジェリアの野鳥の間で, A(H7N9)
ウイルス〔後述する中国で流行しているA(H7N9)とは別の系統〕 が
アメリカの家禽の間で, A(H7N3)ウイルスがメキシコの家禽の間で、
流行している。A/H7亜型の低病原性鳥インフルエンザは、リビア、,
フランス, カンボジア, アメリカ, チリなど世界各地で散発的に発
生している。これらA/H7亜型の鳥インフルエンザウイルスによるヒ
ト感染事例は, これまでのところ報告はない。
また, 2013年3月に世界で初めて低病原性鳥インフルエンザA(H7N9)
ウイルスのヒト感染事例が中国で報告され, 2013年8月まで(第1波
)の感染者は135人, 死亡者は45人であった。続く2013年10月から
の第2波では感染者が318人, 死亡者が130人と急増したが, 以降は
年間の感染者数と死亡者数は年々減少し, 2014年10月からの第3波
では, 感染者が226人, 死亡者が100人, 2015年10月からの第4波で
は, 感染者が119人, 死亡者が45人となり, 2016年9月までの感染者
総数は798人, 死亡者総数は320人となった。このまま患者数が減少
するものと思われたが, 2016年10月以降の第5波では, 感染者数,
死亡者数がともに急増し, 第4波までの感染者総数と死亡者総数に
近い感染者764人, 死亡者288人となり, 2013年以降2017年9月13日
現在までの感染者総数は1,562人, 死亡者総数は608人となっている。
現在、低病原性鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスは 抗原性の異な
る。

2つの系統〔Yangtze River Delta Lineage(長江デルタ系統),
Pearl River Delta Lineage(珠江デルタ系統)〕に分類されてい
る。さらに第5波では, 家禽に対して高い病原性を示すウイルスに
変異した高病原性鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染例
が, 2017年2月4日に世界で初めて台湾において報告された。この事
例では, 1月23日にインフルエンザ様症状を発症した中国広東省在
住の患者が台湾に移動した後に重症化し,2月4日に高病原性鳥イン
フルエンザA(H7N9)ウイルスに感染していたことが判明した。中国
国内でも2016年12月29日に発症した患者より高病原性鳥インフルエ
ンザA(H7N9)ウイルスを検出した例が2017年2月18日に報告されてい
る3)。2016年11月~2017年6月までの高病原性鳥インフルエンザA
(H7N9)ウイルスによる28例のヒト感染例および21例の環境から採取
したサンプルから分離したウイルスのシークエンス解析により, こ
れらは長江デルタ系統を起源とし, 広東省内で拡がった後にHA開列
部位への塩基性アミノ酸配列の挿入および, 珠江デルタ系統のA(H
7N9)ウイルスと中国国内で土着しているA(H9N2)ウイルスとの間の
リアソータントが起こり, その後挿入された塩基性アミノ酸配列の
一部が変異して出現した高病原性ウイルスであることが判明してい
る。この28例の高病原性鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの ヒト
感染例と従来のA(H7N9)低病原性ウイルスのヒト感染例を比べても,
明らかな臨床像の違いは見出されておらず, 高病原性ウイルスであ
ってもヒトに対する病原性は変化していないと考えられている。ま
た, ヒトからヒトへの持続的感染を起こしやすい性質は獲得されて
おらず, 家族間あるいは病院での感染患者と接触した医療従事者等
の濃厚接触者に限られたヒトからヒトへの感染を除けば, 生鳥市場
などでウイルスに感染した生鳥やウイルスに汚染された環境で曝露
したこととの関連性が強く, このウイルスのヒトへの伝播性は変化
していないと考えられる。第5波でヒト感染例数が急増した原因の
一つに, 生鳥市場や生鳥に関連する環境からのサンプル中のA(H7N9)
ウイルス陽性率が, 2016年の12月から急激に増加したことがあげら
れており, 環境中のウイルス検出数が相対的に多い地域では, 感染
患者数も多いことが判明している。依然, 中国国内では環境中にA
(H7N9)ウイルスが蔓延している状況が続いており, 特に低病原性ウ
イルスは家禽に対してほとんど病原性を示さないため, 感染した家
禽をモニターすることが難しく, 感染拡大のコントロールは極めて
困難な状況である。また先述したように, 2016年には高病原性ウイ
ルスが出現し流行地域も拡がりつつあり, これらウイルスのヒト感
染の危険性は今後もなくならないと考えられる。

A/H9亜型ウイルス:2013年以降, 鳥インフルエンザA(H9N2)ウイル
スのヒト感染例は中国およびエジプトで散発的に報告されており,
2016年12月以降には新たに4例が確認されているが, いずれも症状
は軽症であり死亡例の報告はない(2017年9月18日現在)。中国国
内ではA(H9N2)ウイルスが家禽の中で土着しており, このウイルス
に感染した家禽との接触により感染したと考えられている。
日本国内では鳥インフルエンザウイルスのヒト感染例はまだ報告さ
れていないが, 世界各地の家禽や野鳥に鳥インフルエンザが蔓延し,
ヒトへの感染例も多数報告されている状況であり, ヒトからヒトへ
効率良く感染する性質を変異により獲得して世界各国で大流行する
可能性や, 今後日本でも野鳥を介して家禽に鳥インフルエンザが拡
がる可能性もあるため, 鳥インフルエンザの流行状況については引
き続き注視していく必要がある。

ブタインフルエンザウイルス
ブタは鳥・ヒトインフルエンザウイルスの両方に感染するため, ブ
タが交雑宿主となって遺伝子再集合により新たなウイルスを排出す
る可能性がある。現在世界的には, ブタの間で様々な遺伝的背景を
持つA(H1N1), A(H1N2), A(H3N2)ウイルスが循環しており, これま
でにも散発的にブタからヒトへの感染例が確認されてきた。ブタイ
ンフルエンザウイルスはヒトの季節性インフルエンザウイルスと区
別するために “variant(v)viruses” と総称される。

アメリカの状況:1990年代後半から, それまでブタの間で循環して
いたclassical-swine系統のA(H1N1)ウイルスと, 鳥とヒト由来のイ
ンフルエンザウイルスとの間で遺伝子再集合が起こり, triple
reassortantウイルスと総称されるA(H1N1), A(H1N2), A(H3N2)ウイ
ルスが循環するようになった。2009年にパンデミックを引き起こし
たA(H1N1)pdm09ウイルスは, このtriple reassortantウイルスと
Eurasian avian-like swine系統のA(H1N1)ウイルスとの遺伝子再集
合により出現したウイルスで, 2009年以降はA(H1N1)pdm09ウイルス
がブタの間でも循環して, さらなる遺伝子再集合が起こっている。
また2010/11シーズンのヒトの季節性A(H3N2)ウイルスと, ブタイン
フルエンザウイルスとの間で遺伝子再集合が起こっており, 北米大
陸のブタの間で循環するインフルエンザウイルスの遺伝的背景は複
雑化している。近年は主に農業フェアなどにおけるブタとの接触を
きっかけとした, ブタインフルエンザウイルスのヒト感染例が多数
報告されている。2016年の農業フェアにおいて, ブタとの接触によ
り感染したヒトから分離された18株のA(H3N2)vウイルスのうち, 16
株が2010/11シーズンのヒトの季節性A(H3N2)ウイルス由来のHA遺伝
子を持っていることが明らかとなっている。2005年12月以降2017年
9月現在までに422例のA(H3N2)vウイルス, 20例のA(H1N1)vウイルス,
11例のA(H1N2)vウイルスのヒト感染例が報告されているが, ヒトか
らヒトへの感染はまだ報告されていない。

中国の状況:近年Eurasian avian-like系統のA(H1N1)ブタインフル
エンザウイルスのヒト感染例が死亡例1例を含めて数例報告されて
おり, ウイルスの受容体結合部位にヒトへ感染しやすい変異を持ち,
フェレットを用いた動物実験で飛沫感染することが確認されたウイ
ルスも見つかっている。これらブタインフルエンザウイルスのヒト
感染例は地域的に離れた場所で散発的に起きており, ヒトからヒト
への感染は確認されておらず, 2015年7月を最後に新たなヒト感染
例の報告はない。

日本では1970年代後半からclassical-swine系統のA(H1N1)ウイルス
がブタの間で循環しはじめ, その後ヒトのA(H3N2)ウイルスとの遺
伝子再集合により出現したA(H1N2)ウイルスが循環していたが,
2009年以降は, A(H1N1)pdm09ウイルスとの間で遺伝子再集合が起き
ていることが明らかとなっている。日本ではこれまでブタインフル
エンザウイルスのヒト感染例は報告されていないが, ブタインフル
エンザウイルスの発生状況を引き続き注視していく必要がある。
(出典:鳥・ブタインフルエンザウイルスのヒト感染事例の状況に
ついて、IASR Vol. 38 p.218-220: 2017年11月号)

【参考特許事例】
特開2018-30869 ブタ生殖および呼吸症候群(PRRS)ウイル
スに対する離乳前の効果的なワクチン
本発明は動物の健康の分野に関し、陽性極性RNAウイルスの感染
性cDNAクローン、新型RNAウイルスおよびその修飾生形態、
およびワクチンの構築、特にそのようなcDNAクローンを用いた
ブタワクチンを対象とする。より具体的には、本発明は、生後間も
なく(すなわち1日齢以下)から2週齢を含む、離乳前の子ブタへ
の安全で早期なワクチン接種もまた供給し、常に選択的に、多価混
合ブタワクチン、例えば2価PRRSV/マイコプラズマヒオニュ
ーモニエ(M.hyo)、2価PRRSV/ブタサーコウイルス2型(P
CV2)、および3価PRRSV/M.hyo/PCV2ワクチンとの組
み合わせ、または単に1価PRRSVワクチンとして接種される。
そのような状況下でのPRRSに対する早期ワクチン接種は、防御
免疫の早期発現を供給し、防御免疫はワクチン接種後約14日以内、
すなわち1日齢でのワクチン接種後15日目、7日齢でのワクチン
接種後21日目、14日目でのワクチン接種後約28日以内に生じ
る。
本明細書は北米PRRSウイルスの「P129株」の多数の構築物
を供給し(第 PCT/IB2011/055003号および米国第6,500,662号参照)、
ワクチンとして非常に効果的で上記の早期で安全な使用を含むが、
そのような防御免疫の早期発現(すなわち生後1日齢で早くも与え
られた免疫ワクチン接種後約2週間)は他の北米および欧州PRR
S株、例えば米国第 5,476,778号、米国第5,846,805号、米国第6,3
80,376号、米国第号および米国第6,982,160号にも適用可能であると
される。

ブタ生殖および呼吸症候群(PRRS)は、流産、死産、および他
の雌ブタと未経産ブタにおける生殖に関する問題、ならびに若いブ
タにおける呼吸器疾患を特徴とする。病原体はPRRSウイルス(
PRRSV)であり、アルテリウイルス科およびニドウイルス目の
仲間である。ニドウイルス目はエンベロープウイルスであり、陽性
極性RNAの単一ストランドから成るゲノムを有する。陽性ストラ
ンドRNAウイルスのゲノムRNAは保存および遺伝情報の発現の
両方における二元的役割を果たす。ニドウイルスにおける複製また
は転写にはDNAは含まれない。非構造タンパク質はニドウイルス
のゲノムRNAから大型ポリタンパク質として直接変換され、次に
ウイルスプロテアーゼによって切断され謙虚で機能的なタンパク質
となる。サブゲノムRNA(sgRNA)の3’共末端入れ子化セ
ット集合はゲノムから合成され、メッセンジャーRNAとして構造
タンパク質の変換に用いられる。ニドウイルスゲノムRNAの再生
はこのようにゲノム複製およびsgRNA合成の複合過程である。

1980年代後半、ウイルスの異なる2種類の遺伝子型が1つは北米で
もう1つは欧州でほぼ同時に表れた。PRRSウイルスは現在ほぼ
全てのブタ生産国における風土病であり、世界規模のブタ産業に影
響を与える経済的に重大な疾患の1つであるとされる。さらに、毒
性の高い遺伝子型が中国および隣接国で取り出され、そのような遺
伝子型は概して北米遺伝子型に関連するものである。PRRSVの
生物学の理解における大きな進歩にかかわらず、ウイルスの制御は
困難なままである。野外の動物へのワクチン接種は概して効果的で
はないと証明されている。PRRSは一般的にワクチン接種を受け
た群れにおいて再発現し、ほとんどの農場でのPRRSVワクチン
接種キャンペーンは疾患を最終的には抑制できない。

理論に限られず、野生型PRRSVを有するブタの感染、またはそ
れらのこの病原体の生減弱形態を用いたワクチン接種は不運にも非
中和抗体の豊富な生成を誘導するのみである。この時間間隔の間、
例えば、限られた量のインターフェロン(IFN)-γ(分泌細胞
のみが生成される。したがって、PRRSVは本質的に、常に豊富
な体液性(抗体に基づく)免疫、および、多様で限定的だが潜在的
に防御的なTヘルパー(Th)1様のIFN-γ反応によって区別
される、不均衡免疫反応を刺激すると考えられる。適応免疫の不均
衡進行に最も関与していると思われるPRRSV感染の1つの特徴
は、十分な自然免疫反応の欠如である。大抵、ウイルス感染細胞は
I型インターフェロン「IFN」(IFN-αおよびIFN-βを
含む)を分泌し、隣接する細胞を感染から保護する。さらに、放出
されたI型IFNは未感作T細胞のサブセットと相互作用し、ウイ
ルス特有II型IFN(IFN-γ)分泌細胞への転換を促進する。
対照的に、PRRSV露出に対するブタのIFN-α反応はほぼ実
在しない。そのようなIFN-α生成の病原体による非効果的な刺
激は、IFN-αがIFN-γ遺伝子発現を増加させるため、宿主
の適応免疫反応の本質において大きな影響を有すると期待されるだ
ろう。したがって、元のサイトカインは優性経路を制御し,適応免
疫の発達、すなわちT細胞媒介IFN-γ反応および最大抗ウイル
ス免疫防御を促進する。この点に関して、ウイルス感染における自
然免疫と適応免疫との間にあり得るつながりは、大量のI型インタ
ーフェロンを生成することができるT-細胞機能の極性形成におい
て重要な役割を果たす樹状細胞の特別型によって生じるということ
が明らかになっている。具体的には、希少だが優れた樹状細胞の型
であり自然IFN-α/β生成細胞としても知られる形質細胞様樹
状細胞(PDC)は、未感作T細胞をIFN-γ分泌細胞に分化さ
せる能力により、抗ウイルス免疫において重要な役割を果たす。希
少ではあるが、PDCは非常に強力なIFN-α生成細胞であり、
それぞれの細胞がウイルスへの反応において3~10pgのIFN-α
を生成することが可能である。対照的に、単球は細胞単位で5から
10倍少ないIFN-αを生成する。ブタPDCの表現型およびいく
つかの生物学的特性が記載されている。(Summerfield et al.,2003,
Immunology110:440)。近年の研究は、PRRSVはブタPDCのIFN-
α分泌を刺激しないとする( Calzada  et  al.,2010,Veterinary  
Immunology  and  Immunopathology135:20)ことが明らかにされて
いる。
【発明概要】
この事実は、ワクチン接種時に外から加えられたIFN-αが、P
RRSV特有のIFN-γ反応の強度を改善するという観察( W.A.
Meier et al.,Vet.Immunol.Immunopath.102,pp299-314,2004)と組
み合わせることで、IFN-αがブタのこのウイルスの感染間に果
たす重要な役割を強調する。防御免疫の発達におけるIFN-αの
明らかに重要な役割を考えると、異なるPRRSウイルスストック
がIFN-α生成を刺激および/または抑制する能力を決定づける
ことが重要である。したがって、PRRSから保護するための新し
い、改良された修飾生ワクチンが緊急に必要である。下記の通り新
型感染性cDNAクローン、pCMV-S-P129-PK、および他から生成さ
れたウイルスは、野生型P129ウイルスまたは2種類の商用の修
飾生PRRSワクチンとは異なる表現型を有するということは明ら
かである。理論に限られず、本発明は、図5のごとく、細胞に基づ
く遺伝子操作した北米PRRSウイルスをコードする感染性RNA
配列をコードするDNA配列を含む分離ポリヌクレオチド分子、そ
れを作製する方法、並びに関連するポリペプチド、ポリヌクレオチ
ド、及び多様な成分。この遺伝子組換えウイルス及びポリヌクレオ
チドを含むワクチン、及び自然感染した動物とワクチン接種を受け
た動物とを区別するための診断キットで、ウイルスへの免疫反応を
促進するワクチンおよびPRRSワクチンの新しく効果的な生成を
供給する。

図5 抗原投与後の観察された病変の重症度のための肺評価スコ                        ア(LAS)
                                           この項つづく


>

📚 忙中閑あり読書録 Ⅺ
習近平が隠蔽したコロナの正体 河添恵子
第6章 情報戦と FOXテレビの『リベンジ』
第16節 欧州連合外務・安全保障政策上級代表が
               中国の「誇大宣伝」を戒め

「台湾のオブザーバー参加を支援するように」とのポンペオ国務長
官の世界への呼びかけに対し、中国国務院(政府)台湾事務弁公室
の馬暁光報道官は翌日の五月七日、「最近、民進党と台湾独立を企
てる分離主義勢力は、新型コロナウイルスの流行に便乗して、WH
Oの問題への台湾の関与を誇大宣伝し、『一つの中国』の原則に挑
戦している」と反発した。 
もちろん、アメリカが一歩も引くわけはなかった。上下両院外交委
員会の幹部らは五月八日、日本を含む五十五カ国の政府に書簡を送
った。書簡には、「我々は貴国政府に対し、アメリカとその他の国
のように、台湾を排除する中国の『国際組織外での行為』を終わら
せるよう要請する」という一文が含まれていた。
そして、私は「国際組織外での行為」が暗に何を示すのかを考えた。
一月下旬以降、中欧チェコの有力政治家の身に起きた悲劇が世界中
に駆け巡っていた。台湾訪問を二月に予定していたヤロスラフ・ク
ベラ上院議長が一月二十日、心臓発作で急逝した事件である。クベ
ラ氏急死と中国の関係につした事件である。クベラ氏急死と中国の
関係については、ロイター(日本語版)も二月十九日、「中国がチ
ェコ企業への報復示唆、高官の台湾訪問巡り」とのタイトルで報じ
ている。在チェコ中国大使館が一月十日付で、チェコ大統領府に送
った書簡には、「中国に経済的利益を持つチェコ企業は、クベラ上
院議員の未亡人と娘が国営テレビの番組に出演し、「夫は中国政府
に脅迫されていて、そのストレスが急死の引き金になった」と衝撃
的な告白もしている。

WHO年次総会の直前の五月十六日には、元欧州議会議長・欧州大
学院の元総長で、欧州連合外務・安全保障政策上級代表のジョセッ
プ・ボレル氏が、ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイ
ネ・ツァイトゥング』に、「中国との関係における信頼と相互利益」
という、以下の寄稿を発表した。「中国の病院が大変な負担を負っ
ている最中、EUは大規模な支援を提供してきたが、この事実をあ
まり宣伝しようとはしなかった。中国はその後、欧州に医療機器を
送ったが、それを世界に知らしめようとした。お互いを助け合い、
団結しなくてはならない時、援助から政治的何かを獲得することを
避けるべきだ」 中国の「誇大宣伝」への戒めであり、欧州人らし
いシニカルな非難ともいえる。欧州で発行部数が最多のドイツの週
刊誌『デア・シュピーゲル』もWHO年次総会を前に、こんな記事
を出していた。「習近平国家主席が一月二十一日、WHOテドロス
事務局長と行った電話会談で、武漢のウイルスのヒト感染に関する
情報と、パンデミックへの警告の公表を延期するよう組織に要請し
た」「ドイツ連邦情報局は、『中国の情報が不透明なため、世界中
が四週間から六週間、ウイルス対策の時間を失ったと推定している
』との見解を発表した」脱メルケルを目前に「新生ドイツ」へと助
走を始めたのだろうか?親中派でWHOをかばう発言も目立つアン
ゲラ・メルケル首相は、二〇二一年の首相の任期満了を前に、引退
を表明している。首相は二〇二〇年一月、ベルリンのアメリカン・
アカデミーから、「欧米関係の改善に貢献した」としてヘンリー・
A・キッシンジャー賞を授与された。彼女の引退への花道にはぴっ
たりの賞だ!とこの節をむすぶ。ここは感情的な表現めだつ。ヘン
リー・A・キッシンジャーの戦略への非難も「1989年6月4日
天安門事件」を分水嶺として変化している中国内の矛盾の分岐点で、
以後、日米欧が欺されてきたことは『中国「百年マラソン」の全貌
』を読めば分かることだ。つまり「開かれれば、膨張する」の歴史
的戒めの教材がここにある。


                       この項つづく

  

ポストエネルギー革命序論 270:アフターコロナ時代 80
♘ 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」




カーボンリサクル事業/航空機燃料事業部
封筒サイズの設置面積で年間最大1.0tのCO2電解スタック
二酸化炭素を化学品の原料などに変換する新しい装置が開発された。
これまでより処理速度が大幅に向上したのが特徴で、今後、装置を
大型化すれば工場などでの排出削減に活用できると期待されている。
東芝が新たに開発した装置は、二酸化炭素を電気を使って一酸化炭
素などに変換。多層セルと呼ばれる部分を重ね、二酸化炭素を化学
反応させる表面積を大幅に増やすことなどによって、従来のものと
比べ処理速度が60倍に向上させる。会社では処理速度は世界で最
も速いとしていて、開発した装置で年間1トンの二酸化炭素を処理
できる。変換された一酸化炭素は航空機の燃料や化学品の原料とし
て利用することができ、今後、装置の大型化を進めれば工場などで
の排出削減につながると期待している。
東芝の北川良太上席研究員は「カーボンニュートラルの実現へ今後、
欠かせない技術だ。再生可能エネルギーによる電気も組み合わせて
使えば、二酸化炭素の削減効果も大幅に上がる」と話している。
世界各国が脱炭素の目標を相次いで掲げる中、二酸化炭素を回収・
変換し利用する技術は、アメリカやドイツのメーカーなども力を入
れていて、国際的な開発競争が激しくなっている。(出典:二酸化
炭素を高速処理する装置 東芝が開発 年間1トン変換可能、環境、
NHKニュース、2021.3.22)


【関連特許】
❐ 特開2020-132965 酸化炭素電解セル用電極触媒層、ならびにそ
れを具備する、電解セルおよび二酸化炭素電解用電解装置
【概要】
太陽光などの再生可能エネルギーを用いて化学物質を生成する装置
として、例えば発電所やごみ処理所から発生した二酸化炭素(CO2)
を還元するカソードと、水(H2O)を酸化するアノードとを具備
する電気化学反応装置が知られている。カソードでは、例えば二酸
化炭素を還元して一酸化炭素(CO)等の炭素化合物を生成する。
このような電気化学反応装置を、セル形態(電解セルともいう)に
より実現する場合、例えば Polymer Electric Fuel Cell(PEF
C)等の燃料電池に類似する形態により実現することが有効である
と考えられる。二酸化炭素をカソードの触媒層に直接供給すること
により、速やかに二酸化炭素還元反応を進行させることが可能とな
る。しかしながら、このようなセル形態においては、PEFCが有
する課題に類似する課題が生じる。すなわち、目的となる炭素化合
物に対する部分電流密度を向上させるためには、カソード触媒層を
多孔質にして、層全体に均等に二酸化炭素を供給する必要がある。
これまでにPEFCの開発においては、ガスの輸送パスとなる触媒
層の細孔について、様々な検討が行われている。
【特許文献1】 特開2003-151564号公報
【特許文献2】 国際公開第2016/063922号 明細書
しかしながら、PEFC用のカソード触媒層と、二酸化炭素を還元
する電解セル用のカソード触媒層では、触媒層内を拡散する物質が
異なるため、最適な細孔構造もまた異なる。しかしながら、CO2
電解に適したカソード触媒層の細孔構造については未だ具体的な提
案がなされていない。
実施形態は上記の事情に鑑みてなされたものである。本実施形態が
解決しようとする課題は、細孔の構造を制御することで高い部分電
流密度を示す。二酸化炭素電解セル用電極触媒層、ならびにそれを
具備する、電解セルおよび二酸化炭素電解装置を提供することであ
る。
図1のごとく、触媒層は、炭素からなる触媒担体と前記担体に担持
される金属触媒とイオン伝導性物質とを含む。前記触媒層は直径5
~200μmの細孔を有し、触媒層単位重量あたりの、その細孔の
容積の合計が3.細孔構造が制御された、高い部分電流密度を達成
できる、電解セル用電極触媒層、ならびにそれを具備する、電解セ
ルおよび二酸化炭素電解用電解装置を提供する。0~10mL/g
であることを特徴とすることで、細孔構造が制御された、高い部分
電流密度を達成できる、電解セル用電極触媒層、ならびにそれを具
備する、電解セルおよび二酸化炭素電解用電解装置を提供する。


図1

【符号の説明】
100二酸化炭素還元電極 101…二酸化炭素電解セル用触媒層 
102…電極基材 103…二次粒子 104…空隙 200…二酸
化炭素電解装置  201…電源  202…セル 203…アノード
部 203a…アノード 203b…アノード溶液流路 203c…
第1の流路板 203d…アノード集電板 204…カソード部 2
04a…二酸化炭素還元電極 204b…二酸化炭素ガス流路 20
4c…第2の流路板 204d…二酸化炭素ガス流路 205…セパ
レータ 300…二酸化炭素電解装置 301…電源 302…セル
303…アノード部 303a…アノード 303b…アノード溶液
流路 303c…第1の流路板 303d…アノード集電板 304…
カソード部 304a…カソード溶液流路 304b…第3の流路板
304c…二酸化炭素還元電極 04d…二酸化炭素ガス流路 04
e…第2の流路板 04f…カソード集電板 05…セパレータ  

   

❐ 特開2020-073735 電気化学反応装置
【要点】
図1のごとく、電気化学反応装置は、水を酸化して酸素を生成する
ためのアノードと、アノードに面し、水を含む電解液を流すために
設けられた電解液流路と、第1の表面と第2の表面とを有する多孔
質導電層と、第1の表面に接する第3の表面を有し且つ二酸化炭素
を還元して炭素化合物を生成するための還元触媒を含有する還元触
媒層と、を備えるカソードと、アノードとカソードとを分離するセ
パレータと、アノードおよびカソードに電気的に接続された電源と、
流路板と、を具備する。流路板は、第1の流路層と、第2の表面に
接する第4の表面を有する第1の領域と、第2の領域と、第2の領
域と第2の表面との間に設けられた流路と、を有する第2の流路層
と、を備える。第2の表面の面積に対する、第2の表面と流路との
重畳部の面積の比は、0.5以上0.85以下で、電気化学反応装
置の反応効率を向上させる。


【符号の説明】10…アノード部、11…アノード、12…流路板、1
3…集電体、14…流路、20…カソード部、21…流路板、22
…流路、23…カソード、23a…多孔質導電層、23a1…表面、
23a2…表面、23b…還元触媒層、23b1…表面、23b2
…表面、24…流路板、24a…流路層、24b…流路層、24b1
…領域、24b2…領域、24c…流路層、25…集電体、26…
シール材、30…セパレータ、40…電源、71…頂点、72…多
角形、81…分割線、82…分割線、83…交点、241…表面、
242…表面、243…流路、243a…流入口、243b…流出
口、243c…領域、243d…領域、244…流路、245a…
開口、245b…開口、246a…開口、246b…開口。



風蕭々と碧い時代:井上陽水 夕立
(作詞/作曲) 井上陽水



夕立 そこまで来ている 
雷ゴロゴロ ピカピカ
情容赦ないみたいだ
誰もが一目散へとどこかへ走る
カエルはうれしなきをしてる

洗濯物がぬれるから
女はひきつった顔で
わめきまわる ころびまわる
男はどうした事かと 立ちつくすだけ
空の水が全部落ちてる Wah… 夕立だ

1971年、ポリドール・レコードのディレクター多賀英典に誘われて
移籍し、初のアルバム『断絶』のレコーディングを始める。このア
ルバムの製作開始に合わせて名前を変えることになり、マネジメン
トの指揮を執った奥田義行が本名を聞くと「井上アキミ」というの
で、どんな字かと思ったら「陽水」と書くという。奥田は吉田拓郎
を意識し、「拓郎がその二文字で若者にインパクトを与えている。
だったら下の名前の「陽水」の2文字で対抗、強調していこう」と
戦略を立てた。翌1972年、芸名を井上陽水(ようすい)と改め、シ
ングル「人生が二度あれば」で再デビューを果たす。「人生が二度
あれば」を編曲した星勝は、以後しばらく、陽水の作品の大部分を
編曲することになる。5月に「傘がない」が収録されたアルバム
『断絶』がリリースされる。陽水が売れ始めたのは、このアルバム
『断絶』から。陽水自身は売れた理由について『陽水ライヴ もど
り道』ジャケット内自筆年表で、「おりからのフォークブームでな
んとなく浮上」と書いている。
 via Wikipedia


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles