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ハイエンタスにジーマップ

 

 

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● 異常気象とハイエンタスの関係は?

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NHKの『巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃』の第1・2集(「異常気象」
「スーパー台風」)をテレビ鑑賞。第1集は、異常気象。豪雨や熱波が各地を襲い観測記録の更新が続
く日本、今年250年ぶりの大洪水に見舞われた英国、500年ぶりと言われる大干ばつが続く米国カ
リフォルニア州など、世界で気象災害が激しさを増す。その原因は、赤道から極域へと熱を運ぶ地球の
“大気と海の大循環”の異変。熱循環システムを支える一つである中緯度帯の “偏西風”が大蛇行し、
異常気象を引き起こす。産業革命以降、100年以上続いてきた地球の平均気温の上昇。今年、IPC
C(気候変動に関する政府間パネル)は報告書で、地球温暖化は疑う余地がないと指摘し、この先も温
度上昇は続いていくと予測している。科学者たちは、熱を運ぼうとする海と大気の働きが激しさを増し、
これまでよりも強烈な熱波や激しい豪雨などの気象災害の発生を危惧している。東南アジアでは海面上
昇に豪雨が追い打ちをかけ沿岸部の町を破壊、ロンドンや東京などの大都市もこれまでの水害対策が通
用せず未曽有の被害が予想されている。番組では、地球の“大循環”を可視化し、最新の観測データや
シミュレーションを提示する。

第2集は、米国を襲った「カトリーナ」(2005)、900万人近くが被災したシドル(2007)、
フィリピンで観測史上最速の暴風・風速90m/sを記録した「ハイエン」など、通常の台風を遙かに
上回る破壊力をもつ「スーパー台風」が近年多発。地球上で最も多くの台風が生まれ、日本の南3千キ
ロメートルの太平洋上。暖かい海面水温と東西からぶつかり合う大気の流れが、直径千キロメータを超
える台風を次々と発生させ、「ハイヤン」も生み出した。海上の観測ブイのデータから浮かび上がった
のは、通常より深くまで広がっていた暖かい海水の存在。台風に水蒸気を供給し続け、急激に気圧が降
下する「急速強化」が起きていた。米国では、航空機による長時間観測によって風速が一気に30m/
s強まる「急速強化」の過程がとらえられた。通常の台風の2倍以上の上昇気流「対流爆発」が発生し、
加速度的に風速が強まった。台風は、熱帯の海にたまった熱エネルギーを温帯に循環させ、均衡を保と
うとする地球の巨大なシステムの一部でもあるが、今後も海水温が上がり続ければ「スーパー台風」が
頻発し、日本を襲う可能性が高まる。暴風によって送電網の鉄塔が倒れ大規模停電が発生、高潮で都心
まで浸水・・・、最新のシミュレーションからは大都市の新たなリスクが見えてきた。大気や海水のダイナ
ミズムが生み出す、地球最強の気象災害「スーパー台風」の脅威に迫る。

"環境リスク本位制"(『オールソーラーシステム完結論』2014.08.25)に関して考察していこうと書い
たが完璧といっていいほどの仕上がりになっていることに驚愕する。

 

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● 重水素移動が握る物性変換の鍵

水素結合は、水や氷、DNA(デオキシリボ核酸)やタンパク質中などに存在し、生命や生活にとって、
必要不可欠な役割を果たしている。この水素結合を利用して分子やイオンを物質中で上手に連結させる
と、その物質の誘電性やイオン伝導性を制御したり、ある温度で切り替えたりすることが可能となると
いう。このような水素結合を用いた物性・機能の制御や切り替えは、基礎学術的側面だけではなく、応
用・実用的側面からも興味深いが、水素結合を用いた切り替えの成功例はこれまでのところ誘電性など、
一部の物性に限定されていた。

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東京大学物性研究所の上田顕助教らの研究グループは、水素結合ダイナミクス――酸素や窒素などの電
気的に陰性な元素と電気的に陽性な水素の間の静電的な引力によって形成される化学結合。[OHO] や
 [NHN] などの代表的な元素構成や周囲の環境により多彩な結合様式をとる。温度変化により水素結
合中の水素の位置が変化(水素移動)する動的な振る舞い――を用いて電気伝導性と磁性を同時に切り
替えることができる純有機物質の開発に世界初で成功。さらに、この物性の切り替えが熱による水素結
合部の重水素移動と電子移動の相関に基づく新しいスイッチング現象であることを解明する。

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今回開発した物質は水素移動と電子移動が動的に相関した真に新しい機能性純有機固体であり、今後、
本物質の詳細な物性測定や理論計算が進み、これまで知られていないかった固体中の水素移動と電子移
動の相関現象の基礎的理解、あるいは、本物質の化学修飾・機能化により、水素結合を基にした新しい
タイプの低分子系純有機スイッチング素子・薄膜デバイスの開発につながると観られている。が、制御
方法が温度の切り替えというイメージで浮かぶデバイスの、有機超伝導物質の――つまり、超伝導とは
低温環境下において物質の電気抵抗がゼロとなり、物質内部の磁場の排除(マイスナー効果)と磁束の固
定(ピン止め効果)が同時に見られる現象をもち、実用化には超伝導状態の維持にかかる冷却コストを低
くするために、より高い温度で超伝導を実現する物質探索が進められているが、最近は高温超伝導を示
す強相関電子系の酸化物半導体が相次いで発見されており、酸化物高温超伝導体の結晶構造は全てペロ
ブスカイト型で、3d遷移金属と酸素が作る八面体がシート状に並んだ層を特徴として、転移温度が100K
を越えるような高温超伝導体は、この金属酸化物層にキャリアを一定量ドープすることで作ることがで
きる。酸化物半導体は超伝導のような特異な電気伝導を示すだけでなく、大きな熱電係数や光伝導性を
もつことが知られ、しかも温度や組成の僅かな違いで、絶縁体から金属まで、また常磁性体から強磁性
体あるいは反強磁性体まで物性が大きく変化するため上手く利用できれば、超伝導磁石・熱電素子・光
ホログラム材料等次世代の機能性材料として期待されている――弱点である(1)冷却コスト、(2)
耐久性の克服が問題となるだろう。もっとも材料コストは量産化で逓減可能だ。
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● 新薬にすがるエボラ出血熱の行方は?

リベリア北部ボインジャマ(CNN) 世界保健機関(WHO)によると、エボラ出血熱に感染して実験段階の治療薬
「Zmapp」の投与を受けたリベリア人医師と助手が30日に退院した。2人はリベリアの治療センターに入院してい
た。関係者らは、早期の治療が功を奏したとの見方を示している。WHOによると、退院にはリベリアの大統領が
立ち会ったが、2人はともに職場に復帰したいとのこと。ところで、『今夜の3つの疑問』で記載した抗インフルエン
ザ薬「ファビピラビル」に対し、この「Zmapp」はどのような作用機序(mechanism of action, mode of action, MOA)を
もっものだろう?

米企業がエボラ出血熱の治療薬として開発している未承認のこの薬が、最初に投与された米国人の医師ら2人
は回復した。リベリアでは医療従事者3人が投与を受けたが、このうち医師1人は死亡している。このZMapp(ジ
ーマップ)は、タバコの近縁種であるNicotiana benthamiana の葉の遺伝子へ組み込んで作られ、3種類の
ヒト化モノクローナル抗体を混合した抗エボラウイルス薬で。2014年現在、サルに対する非臨床試験し
か実施されていない未承認薬――この薬は社員わずか9人のマップ・バイオファーマシューティカル社
が開発中のもので、同社は米国政府およびカナダの公衆衛生局から資金援助を受けているというが、量
産設備がない。生産は大手タバコ会社のレイノルズ・アメリカン社の子会社のケンタッキー・バイオプ
ロセッシング社が行っている。

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なお、生産方法は、マウスにエボラウイルスの抗原を注射して抗体を作り、脾臓から抗体の製造元であ
るリンパ球の一種であるB細胞を採取。マウスのB細胞の大部分をヒトのタンパク質に置き換える。マウ
ス抗体をそのままヒトに使うとアレルギー反応などの恐れがあるためヒト抗体に換える。B細胞と骨髄
腫細胞(ミエローマ)を融合させたもの(ハイブリドーマ)を作る。 寿命の短いB細胞だけでは数日で
消費期限切れになるため、無限増殖する能力を持つ骨髄腫細胞を利用して長持ちする物質に変化させ、
ハイブリドーマをファーミングと呼ばれる手法でタバコの葉の遺伝子に組み込み育成し、遺伝子組換え
作物を利用して抗体のクローンを量産するとのとだが、アカゲザルの試験では効果が観られたと報じら
れている(下図クリック参照)。ここしばらくは慎重に見守っていこう。

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※ エボラ未承認薬「ZMapp」、サルで治療効果を確認、2014.09.01 ロイター

 

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  ● 今夜の一曲

「HIATUS」の意味は、中断・隙間・停滞。『巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の
衝撃』の第1集では、温度上昇の"停滞"として使われていたが、ELLEGARDENの細美武士が立ち上げ
たプロジェクトの日本のロックバンド「the HIATUS(ザ ハイエイタス)」の正式なバンド名は「the」
が小文字で「HIATUS」は大文字の「the HIATUS」である。ライヴ活動を中心にフェスティバルなどにも積
極的に参加し、活動中。メディアへの露出が極端に少ないことで知られる。作品ごとに楽曲の世界観が
大きく異なるのが特徴である。2ndアルバムまでは、楽曲のほとんどを細美が手掛けていたが、3rdア
ルバムは主に細美、柏倉が中心となって作曲などの作業を行っているという。この一曲はニューアルバ
ム「Keeper Of The Flame」の1曲目に収録されている『Thirst』の公開映像。

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