彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
【再エネ革命渦論 149: アフターコロナ時代 150】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
特異点真っ直中 ㉛
「最新熱触媒及び熱電変換素子工学論 ⑤ 」の「メタン酸化光触媒
反応を分子レベルで解明」で掲載したように分子化学研究の論文か
ら「金属助触媒が光誘起正孔を蓄積して酸化反応も誘起可能である
」➲「金属助触媒は光誘起電子を捕捉・蓄積して専ら還元反応の
みを誘起する」➲「非熱的反応の酸化選択性を制御できる可能性
が示された」➲「非熱的な触媒反応系の高度化・高機能化への貢
献」
時代背景
メタン(CH4)は天然ガスやバイオガスに含まれ,持続可能社会にお
ける炭化水素資源として期待され、また,メタンの温室効果は二酸
化炭素(CO2)の約25倍であるため,温室効果ガスの低減という観点
からもメタンの有効利用は重要であるが,メタンは化学的に安定で
で,従来の触媒反応では700 ℃以上,20気圧以上といったエネルギ
ー多消費な反応プロセスが必要➲光や電気を駆動力とする非熱的
な触媒・化学技術によって持続可能かつ常温常圧でメタンを有効利
用する手法が求められている。
選択的化学反応促進のための酸化物半導体などの光触媒が製造開発
が喫緊課題。
触媒表面において非熱的に生じる光誘起正孔がメタン酸化反応を誘
起する事象は、①触媒表面でのメタン酸化反応のメカニズムは分子
レベルでは未解明な点が多く,②触媒材料に応じた酸化反応の選択
性の違いの起源は不明。③実用的な光触媒を戦略的に設計に,この
反応メカニズムを微視的に解明することが材料設計・反応制御の指
針が求められている。
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研究成果➲論文情報参照
水を酸化剤として用いたメタン酸化光触媒反応において,白金(Pt)
とパラジウム(Pd)の微粒子を助触媒として担持した酸化ガリウム(G
a2O3)光触媒が完全酸化反応(CH4 + 2H2O → CO2 + 4H2)と部分酸化反
応(2CH4 → C2H6 + H2)に対して異なる選択性を示すことに注目(図
1a)。これらの触媒系に対して,反応ガスであるメタンの圧力を系
統的に変化させて二酸化炭素(CO2)とエタン(C2H6)の生成速度を測定
(図1b, 1c)。その結果,特にエタン生成速度のメタン圧力依存性
においてPtとPdで顕著な違いを確認。得られた生成速度のメタン圧
力プロファイルを反応速度論)に基づき解析した結果,
①CO2生成は助触媒元素によらず表面反応で進行する(図1d, 1e)
②一方で,C2H6についてはPtでは表面(図1d),Pdでは気相(図1e)
で反応中間体のメチルラジカル(•CH3)がカップリング(2•CH3 → C2H6
)して生成するされた。
③このことは,担持する金属微粒子(PtとPd)に応じて反応中間体
のダイナミクスが変化することでメタン酸化反応の選択性に顕著な
違いが現れていることを意味する。
図1:(a) メタンと水蒸気の混合ガス雰囲気下で各メタン圧力におい
てPtとPd助触媒を担持したGa2O3光触媒によって生じたC2H6とCO2の比。
水蒸気の圧力は2000 Paで固定し,触媒全体の表面が1層の水分子で
覆われている状況を保持。C2H6/CO2比から,Pt担持系では完全酸化
(CO2生成)が優勢であるのに対し,Pd担持系では部分酸化(C2H6生成)
もCO2生成と同程度に促進されていることが分かる。(b) Pt助触媒と
(c) Pd助触媒を担持したGa2O3光触媒におけるCO2とC2H6の生成速度の
メタン圧力依存性。光触媒の表面が1層の水分子に覆われた環境下に
おける(d) Pt/Ga2O3と(e) Pd/Ga2O3触媒表面でのメタン酸化反応メカ
ニズムの模式図。
➲
続いて,上述の反応メカニズムの妥当性をオペランド赤外吸収分光
による反応中間体の観測によって検討。その結果,①Pt助触媒では
メタン酸化によって生じた炭化水素中間体種に由来する3つのC–H伸
縮振動ピークが観測された一方で,Pd助触媒ではこのようなピーク
は観測されなかった(図2)。②これは,Pt助触媒においてCO2とC2H6
生成が触媒表面で進行する反応モデル(図1d)を支持する結果であ
り、③また,Pd助触媒の場合にC–H伸縮振動のピークが観測されなか
ったことは,吸着している炭化水素種が少ないことを意味しており,
C2H6生成の中間体である•CH3の一部が気相に脱離する描像(図1e)
に対応する。
これらの炭化水素系の中間体種とは異なり,完全酸化反応の中間体
種である一酸化炭素(CO)についてはPt助触媒とPd助触媒のそれぞ
れの表面に存在していることを確認,CO2生成はGa2O3表面ではなく,
金属助触媒の表面で起こる描像(図1d, 1e)として裏付ける。
図2.:(a) Pt助触媒と(b) Pd助触媒を担持したGa2O3光触媒におけ
る炭化水素中間体種のオペランド赤外吸収スペクトル。反応ガスの
メタンと水蒸気の圧力がそれぞれ30 kPaと2 kPaでの測定。
これまで光触媒分野では,光誘起正孔によって引き起こされる酸化
反応は半導体(今回の試料の場合ではGa2O3)の表面で起こるものと
長年考えられてきたが,本研究での系統的な反応活性評価と触媒反
応場のその場分光観測により,「酸化反応サイトは半導体表面では
なくむしろ金属助触媒表面が担っている」という実像を捉えること
に世界に先駆けて成功する。上記の結果に加え,同グループでは反
応実験中に金属助触媒そのものが光誘起正孔によって酸化されてい
る様子を観測することにも成功。
これらの実験事実は,金属助触媒がGa2O3の光励起で生じた正孔を捕
捉・蓄積して酸化反応場として積極的機能を意味する(図1d, 1e)。
従来,PtやPdに代表される金属助触媒は光誘起電子を補足し蓄積し
専ら還元反応(今回では水素発生: 2H+ + 2e− → H2)のサイトとし
て寄与するとされてきたが、今回、酸化反応場としても機能する金属
助触媒の新たな役割を発見した。
以上のような酸化反応の結果に加え、
同グループでは金属助触媒の担持により光誘起電子の還元反応(2H+
+ 2e− → H2)の効率も顕著に増大している。一般に,半導体表面に
担持した金属助触媒が光誘起電子と正孔のそれぞれを同時に捕捉・
蓄積する場合は、電子と正孔の再結合が促進され光触媒としての機
能が失活するものと想定される。これに対し、金属助触媒の担持に
よって再結合の促進が誘起されず酸化反応と還元反応の両方が顕著
に促進されていることを突き止める。これらの実験事実は,同じ金
属種の助触媒であっても、担持されているサイトの違いなどから、
電子を主に捕捉する還元助触媒と、正孔を主に捕捉する酸化助触媒
に役割分担されている可能性を示唆する。
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【関係論文】
掲載誌:(英) Angewandte Chemie International Edition, (独) Angewandte
Chemie
論文タイトル:“Beyond Reduction Cocatalysts: Critical Role of Metal Co-
catalysts in Photocatalytic Oxidation of Methane with Water”(「還元助触
媒を超えて:水による光触媒メタン酸化における金属助触媒の重要
な役割」)
著者:Hikaru Saito, Hiromasa Sato, Taisuke Higashi, and Toshiki Sugimoto
掲載日:2023年6月27日(オンライン公開)
DOI:(英) 10.1002/anie.202306058, (独) 10.1002/ange.202306058
補足説明
PCH4に依存したCO2 CC2H6への酸化の詳細な反応速度解析
rCO2 および rC2H6 の観察された PCH4プロファイルは メ
タン酸化反応の速度論に対する顕微鏡的な洞察を提供。特
に、Pt/Ga2O3 と Pd/Ga2O3 の rC2H6 の PCH4 プロファイ
ルの異なる特徴は、Pt と Pd 助触媒の間の C2H6 形成の機
構の違いを表している。光触媒表面でのメタン酸化の反応
速度を解明するために、PCH4プロファイルの反応速度解析
を実施しました。7b スキーム 1a に示すように、光触媒表
面での メタン酸化プロセスは、大きく次の3つのステップ
に分けることができます。 (i) 吸着と脱着 (ⅱ) 表面中間
体の逐次反応、および (ⅲ) 表面からの最終生成物の脱着。
CO2 への全酸化は 8 時間以上のプロセス 11 を経て進行し
吸着されたメタンからいくつかの中間体を経由して CO2 へ
の詳細な反応経路をスキーム 1b に示します。一方、C2H6
への部分酸化は 2時間以上のプロセスを経て進行し、単にカ
ップリングとしてみなされる。解離的に吸着されたメタン種、
つまりメチルラジカルの量を調べます12 (Scheme 1c)。 ス
キーム 1 はメタン酸化の考えられる反応経路を示している
だけであり、表面反応サイトについては次のセクションで説
明する。
John Lennon Imagine
【 J-POPの系譜を探る:2018年代】
ゴンチチ(GONTITI)は、ゴンザレス三上(本名・三上雅彦、1953年
12月30日 - )とチチ松村(本名・松村正秀、1954年9月6日 - 共に
大阪府出身)の2人から構成されるアコースティック・ギターデュオ。
日本人によるポップなギターデュオの元祖で、自らの音楽性につい
て「地球一番快適音楽」を標榜。
日本人によるポップなギターデュオの元祖。三上と松村の二人がア
コースティック・ギターを演奏するのが基本スタイル、に加えて、
打ち込みによるデジタルサウンドを組み合わせることも大きな特徴。
自身の音楽性について「地球一番快適音楽」を標榜するように、純
粋に非日常的な楽しさのみを追求して作品を制作、イージーリスニ
ング的で、エキゾティックな雰囲気を持つインストゥルメンタル楽
曲が殆ど。 万人受けする作風と捉えられているが、実際の作風は
少しアートで、一般に知られている「放課後の音楽室」に代表され
るアコースティック作品もあれば、電子音楽的な尖った作品もある。
ギターと打ち込みは、予算が少なかった1983年のデビュー・アルバ
ム『ANOTHER MOOD』の制作で借りたスタジオに偶然置いてあったフ
ェアライトCMI(当時日本に2台しかなかったデジタル・オーディオ・
ワークステーション)を、豪華にするために松浦雅也の協力を得て
試験的に導入した頃から続く。jp.Wikipedia