彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
スイレン
草津市水生植物公園みずの森
父母のしきりに恋し雉子のこゑ 芭蕉
白秋・金秋・素秋の朝、彼女に近親者の命日を尋ねると、小さき備忘録を
取り出し読む声を聴きながら、芭蕉の俳句が過ぎり、輩(ともがら)の命
日をも思い出す一瞬があった。これも残暑疲れがなせる技かと、芭蕉をな
どる。
輩のしきりに恋し風の盆
宇
図 一次元の欠陥が整列した新しい有機−無機ハイ
ブリッド化合物の結晶構造
一次元の欠陥が整列した新しい有機−無機ハイブリッド化合物
ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に期待
6月31日、東京工業大学の研究グループは,ペロブスカイト太陽電池の材料
として有望視されるFAPbI3(FA = CH(NH2)2)にチオシアン酸イオンを導入し
た,新しい有機−無機ハイブリッド化合物の合成とその結晶構造解析。
【要点】
1.チオシアン酸イオンを導入した新しい有機−無機ハイブリッド化合物の
合成と結晶構造の解明に成功。
2.得られた化合物がペロブスカイト構造の安定化に寄与することを発見。
3.ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に期待。
【概要】
ペロブスカイト太陽電池の材料として有望視されるFAPbI3(FA = CH(NH2)2)
にチオシアン酸イオンを導入した、新しい有機−無機ハイブリッド化合物の
合成とその結晶構造解析に成功した。
ペロブスカイト太陽電池は、低コストでフレキシブルな次世代の太陽電池
として期待されており、再生可能エネルギー普及の一端を担う。ペロブス
カイト構造用語を持つFAPbI3はペロブスカイト太陽電池の主要な材料と
して知られているが、構造の安定化に150℃以上の高温が必要であり、室温
では徐々に発電効率の悪い別の構造に変化してしまうため、耐久性の向上
が課題とされていた。 本研究ではペロブスカイトFAPbI3のヨウ化物イオン
(I-)の一部をチオシアン酸イオン(SCN-)で置き換えた、新しい有機−無
機ハイブリッド化合物の合成に初めて成功した。結晶構造解析の結果、本
化合物はペロブスカイト構造に一次元の欠陥が周期的に整列した特異な結
晶構造を持つことが明らかとなった。さらに、今回合成に成功した化合物
はFAPbI3と共存することで、ペロブスカイト構造の低温での安定化を補助
する効果があることが明らかとなった。この知見を活かすことで、ペロブ
スカイト太陽電池の耐久性向上が期待できる。
【成果】
得られた化合物の単結晶構造解析を行ったところ、ペロブスカイト構造の
基本骨格は維持しているものの、チオシアン酸イオンがペロブスカイト構
造に一次元の穴を開け、その穴(欠陥)が周期的に整列していることが明
らかとなった(図1)。また、通常のFAPbI3ではペロブスカイト構造を安定
化するのに150℃以上の高温を要するが、今回発見された化合物と共存する
ことで、50℃以下でも安定化可能であることが分かった。研究グループは、
この結晶構造解析の結果の解釈から、得られた穴開きの結晶構造が足場と
して働き、ペロブスカイトFAPbI3を安定化するという機構を提案した。
図1.結晶構造解析によって得られたヨウ化物イオン(I-)の一部をチオ
シアン酸イオン(SCN-)で置き換えたFAPbI3の結晶構造。
【展望】
今回得られた結果は耐久性向上のメカニズムを解く重要なカギとなる可能
性があり、今後のペロブスカイト太陽電池研究の発展に寄与すると考えら
れる。また、得られた新規物質の結晶構造は基礎研究の視点でも興味深く、
今後の新規有機−無機ハイブリッド化合物開拓にも寄与する結果であるとい
える。
【関係技術情報】
掲載誌 : Journal of American Chemical Society
論文タイトル : Thiocyanate-Stabilized Pseudo-Cubic Perovskite CH(NH2)2PbI3
from Coincident Columnar Defects Lattices
DOI : 10.1021/jacs.3c05390(External site)
風蕭々と碧いの時
John Lennon Imagine
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映画音楽をロールピアノで ②
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