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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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本日好日なり。

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   『グレート・ギャツビイ』を三回読む男なら俺と友だちになれそうだな。 

                                                                              村上 春樹

 

 

【超高齢社会論 18: 下流老人とはなにか】    

  はじめに
  第1章 下流老人とは何か
  第2章 下流老人の現実
  第3章 誰もがなり得る下流老人―「普通」から「下流」への典型パターン
  第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
  第5章  制度疲労と無策が生む下流老人―個人に依存する政府
  第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな老後を迎えられるのか
  第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
  おわりに   

秋葉原通り魔事件が "ワーキングプアー" に 象徴される、過剰競争と自己責任の原理が
もたらす格差拡大社会の歪みとして発生したように、まもなく、日本の高齢者の9割が下
流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐
れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存
在が、日本に与えるインパクトは計り知れないと指摘したように、神奈川県小田原市を走
行中の東海道新幹線で焼身自殺した事件――71歳の林崎春生容疑者による「下流老人の
反デフレテロ」ではないかとブログ掲載(極東極楽2015.07.02 )。『下流老人』の著者
である藤田孝典は、「東京都杉並区の生活保護基準は、144,430円(生活扶助費7
4,630円+住宅扶助費69,800円 【特別基準における家賃上限】)である。資産の
状況やその他の要素も検討しなければならないが、報道が事実だとすれば、年金支給額だ
けでは暮らしが成り立たないことが明白だといえる。要するに、生活保護を福祉課で申請
すれば、支給決定がされて、足りない生活保護費と各種減免が受けられた可能性がある。
月額2万円程度、生活費が足りない(家賃や医療費などの支出の内訳にもよる)。生活に
不安を抱えどうしたらいいか途方に暮れる男性の姿が思い浮かぶ」と語っている(YAHO
O!ニュース「新幹線火災事件と高齢者の貧困問題ー再発防止策は 「貧困対策」ではないか
!?」2015.07.02)を受け、藤田 孝典著『下流老人』の感想を掲載してきたが、今回で
最後となる。読み終えた結論はきわめてシンプルで、スケールの大きいものになった。そ
れでは・・・・・・
   

   第7章 一億総老後崩壊を防ぐために 

             未来の下流老人をなくす-若者の貧困に介入せよ

   高齢者は若者の延長線上の姿だ。したがってこの本でも、両者が抱える問題をリン
 クさせながら述べてきた。
  すでにご承知のとおり、若者の雇用や生活環境は急速に劣化した,ワーキングブア、
 非正規雇用が蔓延し、一向に減る気配がない。厚生年金に加入できず、国民年金の未
 納率も約4割と高い。もはや年金すらかけていない若者も珍しくなくなった。

  国民皆年金制度は、雇用の不安定化によって、緩やかに終焉を告げている。これに
 代わる社会保障を構築しなければ、若者の老後が「時限爆弾」のように、社会ヘコス
 ト増を求めてくることだろう。これが1人や2人であれば、特異な事例として本人に
 責任を問えばいいかもしれないが、その数たるや全国で凄まじいものがある。ブラッ
 ク企業がはびこり、普通に商ける職場が減っているのだから、老後の不安定化は必然
 と言ええる。

  だから、現役時代の報酬に関係なく、最低限の老後の生活資金を保障するシステム
 が必要だ。今ここで手を打っておかなければ、若者が老後を迎えるときに大きな代償
 を払わされることになる。最低保障年金の議論は今も続いているが、税を投入して老
 後を保障する議論がより広がっていくことを願う。

   これまでにも説明してきたが、国民年金の場合40年間保険料を支払っても、ひと
 月あたりの支給額は現在の水準で6万6000円弱である。生活保護の生活扶助費よ
 り低いか同水準であることは、明らかな事実だ。さらにこの水準は、今後下げられる
 可能性が大きい。もはや現状の制度設計では、超高齢化社会に対応できないだろう,
  それならばいっそ国民年金制度を廃止し、生活保護制度の生活扶助に一元化するこ
 とも今後の議論としてあり得るのではないか。

  今も国民年金が最低生活費に満たない高齢者は、「年金+生活保護」で暮らしてい
 る,それを考えると、国民年金保険料を真面目に支払ったとしても、それに見合うイ
 ンセンティブは何ら感じられない。
  だから、現在の低年金の高齢者と同じように、生活保護制度で補完するというので
 あれば、給与が低くて苦しい生活をしている若者から、国民年金保険料を奪わないで
 ほしい。

  このままいけば、明らかに将来生活保護で救済することになるであろう若者から、
 "掛金"を取る意味は薄い。とくに非正規雇用やワーキングプア状態にある若者には、
 早い段階で「もう年金保険料など払わなくてよい」と伝えることが重要だろう。
  もちろん、払えるなら払ったほうがいいのは当たり前だが、その年金保険料を自身
 の奨学金の返済や現在の生活費結婚資金や子育て支援に費やし普通の生活を実現して
 ほしい。

  国民年金には減免措置がある。保険料を支払えない場合は減免申請しておくことで、
 障害を受けた際に、障害年金(1級は月額8万円程度、2級は月額6万円程度)の受
 給権を得られる,さらに減免期間は、その期間すべてが年金加入期間に算入されるメ
 リットもある,そのため現段階では、単に支払いをやめるのではなく、この減免申請
 を活用してほしい。
  しかし、この情報も十分に告知されていないため、無理しはないか。
  今も国民年金が最低生活費に満たない高齢者は、「年金+生活保護」で暮らしてい
 る。それを考えると、国民年金保険料を真面目に支払ったとしても、それに見合うイ
 ンセンティブは何ら感じられない。

  だから、現在の低年金の高齢者と同じように、生活保護制度で補完するというので
 あれば、給与が低くて苦しい生活をしている若者から、国民年金保険料を奪わないで
 ほしい。
  このままいけば、明らかに将来生活保護で救済することになるであろう若者から"
 掛け金" を取る意味は薄い。とくに非正規雇用やワーキングプア状態にある若者には、
 早い段階で「もう年金保険料など払わなくてよい」と伝えることが直要だろう。
  もちろん、払えるなら払ったほうがいいのは当たり前だが、その年金保険料を自身
 の奨学金の返済や現在の生活費結婚資金や子育て支援に費やし普通の生活を実現して
 ほしい。

  国民年金には減免措置がある。保険料を支払えない場合は、減免申請しておくこと
 で、障害を受けた際に、障害年金(1級は月額8万円程度、2級は月額6万円程度)
 の受給権を得られる,さらに減免期問は、その期間すべてが年金加人期間に算入され
 るメリットもある。そのため現段階では、単に支払いをやめるのではなく、この減免
 申請を活用してほしい。

  しかし、この情報も十分に告知されていないため、無理して国民年金保険料を支払
 う若者は多い。生活を切り詰めてまで保険料を支払うのは、(なかば妄信的な)年金
 制度に対する信頼と、老後に対する大きな不安感が背景にあることは疑いようがない。
 そのためこのような若者からも国民年金保険料を搾り取るのであれば、せめて老後の
 生活は最低限の保障を約束できる年金制度を構築すべきであろう。
 

      下流老人の問題に希望はある――貧困・格差と不平等の是正
 
  ここまで読んでいただいた多くの読者は気づいていると思うが、現在の若者の多く
 は下流老人と化す,非常に残念ではあるが、これは現状避けようがない。非正規雇用
 がこんなに増えると誰も思わなかったし、婚姻率も下がり、老後を助けてくれる子ど
 もも生まない、生めない人々が増えてきた。家族の支えあいがこんなになくなるなん
 て、誰も予測していなかった,まさに国家単位での「想定外」だ。
 
  若者は老後に対する不安から、貯蓄を優先し、消費を控える傾向が顕著に表れてい
 る。収入に頼りすぎず、支出を減らしていく方法で、生活を見直している。
  若者のこれらの行動が、すでに実体経済に大きな影響を与え始めているのは周知の
 事実だ。もう大量生産・大量消費の時代は終わりを迎えたのだと思う。まさに成熟社
 会の到来であり、これまで獲得してきた資産や資源をどのように分配利用するか、ま
 た少ない雇用や収入源をどのように分けあい、再分配していくかが問われるようにな
 った。これは昨年(2014年)からの格差論争における、いわゆる「ピケティブー
 ム」が物語っていることでもある。

  持つ者と持たざる者が常にいるのは仕方がない。しかし、それがあまりにも不均衡
 で、容認しがたい格差なのであれば、不平等として是正すべきだろう。税をどこから
 とり、どこに再分配するかを決めるのは政治であり、政治の意思決定を促しているの
 は主権者たるわれわれ国民である。わたしたちがどのような社会をこれから築いてい
 くのかは自由だが、はたして今の社会が大多数の人が望んだ結果になっていると言え
 るだろうか。

  下流老人とその膨大な数の予備軍を放置するのか、それともここで政府に対して対
 策を求めていくのか、今まさに岐路にをたされている。現在の社会保障や社会福祉は、
 先人たちが「それは無理だろう」と言われながらも粘り強く合意形成し、議論を積み
 上げながら、少しずつ獲得してきた権利なのだ,そしてこの権利を再構築して求めて
 いく時代が、今だ。

  生存権が保障する、健康で文化的な最低限度の暮らしができない人々が増えている
 現在の社会状況は、予断を許さない。
  わたしは、この問題に多くの人が気づき、行動してくれることを願っている。


        人間が暮らす社会システムをつくるのはわたしたちである

  わたしたちがあきらめず に声をあげることで、「暮らしにくさ」を変えられる可
 能性があることは、過去の例が証明してくれる。
  たとえばこれまでも、障害者が自分たちに対する支援や法律が専門家だけで決めら
 れようとしたことに対し、「わたしたち抜きにわたしたちのことを決めないで」とい
 う強いメッセージを出しながら、一歩一歩、普通の暮らしを嫂得してきた歴史がある。
 近年の社会保障費削減の流れにも、批判を恐れずに声を上げている。

  また女性は、1960年代以降、「個人的なことは政治的なこと」というスローガ
 ンを掲げ、家事労働や育児全般、家父長制、男性からの支配に対して、社会参加や多
 様な生き方を着実に勝ち取ってきた。戦前は女性に選挙権すら与えられていなかった
 ことからすれば、現在の女性の躍進は、まさに抑ぼの歴史を少しずつ克服してきた結
 果と言えよう。

  生活保護受給者であった朝日茂氏が起こした朝日訴訟については前述したとおりだ。
 彼は「権利は闘う者の手のなかにある」と語り、人間裁判と呼ばれる大きなインパク
 トを社会に残した。これはいまだに多くの生活保護受給者らを励まし続けている。
  非正規雇用者についても黙ってはいない。近年では、リーマンショック後の200
 8年末から、日比谷公園でいわゆる「年越し派遣村」が開設された。「派遣切り」と
 称するリストラにより不安定労働者が大量にホームレス化するなかで、彼らはその改
 善策を政府に要請してきた。これにより世論は大きく動き、若年層や稼働年齢層の貧
 困問題が可視化されることになった。

  また、ブラック企業、ブラックバイトなども、現在進行形で闘っている問題だろう。
 人種差別撤廃に尽力したマルティン・ルーサー・キング牧師は、「I Have a Dream(わ
  たしには夢がある)という有名な言葉を残した。最後には凶弾に倒れたが、彼が命が
 けで追い求めた人種差別のない、すべての国民が手を取りあって暮らすという社会構
 想は、実現に向けて今もその歩みを止めていない。当初、同人種の人々や仲間からも
 「そんなことは不可能である一と反対意見があったが、力強いリーダーシッブをもと
 に、多くの人々の理解を得ていった。

  それぞれの領域、それぞれの社会における「住みにくさ」に対する改善要求は、歴
 史的にどの地域でも繰り返されてきている。これらの社会運動は、「ソーシャルアク
 ション」と呼ばれ、政府に社会変革を求める活動だ。昔から理論的にもその必要性が
 指摘され、実践されてきた。すべてに共通することは、ただひとつ。「住みにくい社
 会をつくるのは、彼らを抑圧する社会システムである]ということだ。

  どのような社会的弱者であっても、個人的な問題のみに終始しない。そこには偏っ
 た社会構造の生み出す歪みが必ずあり、先人たちはこれを理解したうえで改善活動に
 取り組んできている,「住みにくいな」と思ったら、自分と同じような境遇の人もそ
 う思っているはずだ。その共通意識でつながりながら、すべての人にとって住みやす
 い社会を目指して活動を続けてきた。

  下流老人の問題も同様に、声を上げるか否かは、当事者や市民次第である。相当数
 の高齢者が声なき声で助けを求めているし、これからも下流老人は増えていくだろう。
  これらの歴史を踏まえて、真に住みやすい社会を構築するために、わたしたちは何
 を選択し、何を訴えていくべきか共に考え、想像し、行動していくことを、わたしは
 願いたい。



  おわりに

  日本では高齢者に限らず、貧困が広がり続けている。下流老人の問題は、その一部
 分を表しているに過ぎない。予どもの貧困や若者の貧困、女性やシングルマザーの貧
 困も看過できるようなレベルにもはやない。
  それにもかかわらず、貧困は必ず、本人の問題として理解されたり、処理されてし
 まい、社会問題として議題に上がりにくい。「努力が足りなかったから」「計画性が
 なかったから」など、貧困に至った人々を一面的に見て理解した気になってしまう人
 々があまりに多い。そして、そうなった以上は本人の責任だから、自業自得だと言わ
 んばかりだし、実際に救済が十分にされるような制度上のシステムも整備されていな
 い。

  わたしが本書で執拗に強調したのは、「下流老人を生んでいるのは社会である]と
 いうことだ。下流老人になるのは、その高齢者本人や家族だけが悪いわけではない。
 そろそろ貧困に苦しむ当頃者やわたしたちは、この自虐的な貧困咬から脱却し、社会
 的解決策を模索するべき時代に入っているのではないか。その道筋は困難ではあるが、
 多くの人々が議論してな案していくことで、改善は決して不可能ではないと信じてい
 る,

  わたしたちは、必ず年老いていく。そのときに年老いた人々を社会がどのような眼
 差しで見ていくのか、これからも問われていくだろう。また、年老いた人々がどのよ
 うな考えや意識で余生を過ごしていくのかは、若い世代にとっても将来の人生のモデ
 ルとして、検証されていくことになる。残念ながら、今の下流老人をめぐる状況と問
 題意識の低さを見る限り、老後に明るい希望は少ないように思う。

  このような老人になり、こんな余生を過ごしたいと、老後に希望をもてるような人
 々を増やしていかなければならないと思っている。
  そのためにわたしができることは、問題提起を行い、高齢者の貧困を解消するため
 の議論を巻き起こしていくことだ。
  本書は下流老人や高齢者の貧困を示す一部分でしかない。これに続き、さまざまな
 視点から貧困改善に向けた多様な動きが派生していくことを期待している。
  最後に、朝日新聞出版書籍編集部の高橋和記氏、フリー編集者の深田憲氏には企画
 立案から網かい修正に至るまで、手とり足とり大変お世話になった。お二方を含めた
 3人の協働による「三位一体」の取り組みがなければ、本書は発刊に至らなかっただ
 ろう。改めてお二方との出会いと献身的な態度に感謝中し上げたい,

  そして、早稲田大学大学院生の小坂陽くんには、資料集めや統計データの読み込み
 を協力いただいた,彼のサポートには大いに助けられた。またわたしが所属するNP
 O法人ほっとプラスの仲間や家族による献身的なサポート、事務作業の協力抜きにも
 仕上がらなかったことだろう。また、ここには載せきれない多くの人々の協力によっ
 て本書が完成したことを、忘れずに記しておきたいと思う。
  本書が深刻な日本の貧困問題を少しでも好転させるきっかけとなり、政策や制度が
 変わっていくことを願っている。そして、何よりも生活困窮の真っ只中で苦しまれて
 いる方々の希望に、本書が少しでもなれれば幸いである。

                         藤田 孝典 著『下流老人』


「貧困・格差と不平等の是正」という集約につきるので、この章は読み飛ばしても好いだ
ろう。結論から言えば、現政権の経済政策も霞ヶ関の抵抗や株式偏重(=欧米流金融資本
主義追随)に毒され、前政権よりましなものの期待を裏切る。ここで、敢えて屋上屋を架
すが、(1)インフレーターゲット設定、(2)目標雇用率ターゲット設定、(3)税制
の抜本的是正=①消費税に地方自治体に完全移譲+②所得・法人・不労所得の社会福祉税
化の3点である。蛇足だが、(3)-①は「大阪都構想」実現の基礎的制度であり、地方
のキャッシュ・フローが改善すれば、地方独自の起債の自由度も増す。これが真の構造改
革で、その他は”地方創生の空騒ぎ"。宜しくご再考を! ^^;。


                                   この項了

 

【世界最強の耐熱性磁石】

現在、最高の性能をもつ磁石材料であるNd-Fe-B 系磁石は、ジスプロシウム:Dy を添加す
ることとで、保磁力を高めている。このDyは重希土類元素であり、地殻埋蔵量が少ない上
に、採掘できる地域が限られているため、輸入価格が高騰。国内で生産されるNd-Fe-B 系
磁石に含まれるDy はすべて輸入されているため、価格高騰による影響が少なくない。そこ
で Dyを使用しない高性能磁石の開発が求められていた。2009年から 新エネルギー・産業
技術総合開発機構 (NEDO) が代替する新規永久磁石を開発していたが、サマリウム-鉄-
窒素(Sm-Fe-N)系磁石粉末の磁石性能の低下を防ぐため、4百 ℃程度の低温焼結で、高
い相対密度の焼結磁石を作製するパルス電流による焼結するパルス通電焼結法(下図左/
下)――粉末の入った金型に電流パルスを流して焼結を行い短時間昇温で結晶の構造変化
を防ぎ、粉体の温度を上げず粉末の界面結合が促進し、粉末特性の低下を防ぎ焼結できる
ようになった(2011年7月6日産総研プレス発表)。

 

しかし、異方性磁石粉末の焼結に対し、保磁力が低下してしまうため、保磁力を低下させ
ない焼結磁石作製技術の開発に取り組んでいたが、このほど、通常、サマリウム-鉄-窒素
(Sm-Fe-N)系磁石粉末を焼結すると保磁力が激減するが、今回その原因が粉末表面の酸
素にあることを実証し、粉末作製から焼結までの一連のプロセスを低酸素化した焼結磁石
のプロセスを新たに開発(下図クリック)。これにより、保磁力を保ったまま、異方性焼
結磁石を作製。この焼結磁石は耐熱性に優れることから、これまでのハイブリッド自動車
用駆動モータなどの高温環境下ではネオジム-鉄-ホウ素(Nd-Fe-B) 焼結磁石を超える磁
石性能を発揮できると期待されている。 

  

しかし課題もある。現在、(1)焼結磁石の配向度が低いことや(2)焼結密度が十分で
ないといった原因により、磁石特性の指標の一つである最大エネルギー積(BH(max))が
190 J/m3(16 MGOe)程度にとどまり、今後(3)粉末の粒度分布制御や(4)焼結プロセ
スの最適化により焼結密度や配向度を高め、最大エネルギー積の向上。(5)さらには、
焼結界面の制御などによりSm-Fe-N  磁石本来の潜在的な高保磁力を発揮させ、Nd-Fe-B 焼
結磁石を超える高性能・高耐熱性焼結磁石の開発を目指す。

 



尚、今回もこの開発成果に食いついた理由は『小型水力発電』の事業構想のため。

 



昨日に引きつづき、朝から、長浜市の神照寺の萩は見頃を終えハズレだったが、天気良し、
景色も好し、運転手も同乗者もすべて佳しの好日なり。 

 


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