悪を悪とすれども、去ること能はず。亡びし所以なり。
※ 先秦思想の「割れ窓論」「蟻の一穴論」と解すことも可。気の弛みが命取りに。
【我が家の焚書顛末記 Ⅷ:中国思想 管子】
大 匡 ――管仲の前半生――
だれのために死ぬか
管仲の意見を煎じつめれば「紅が失敗すれぱ次は松柏。いま飽叔が小白の教育係になっておけ
ばきっとそのとき役に立つ」というものである。これを聞いて、召忽はびっくり仰天、はげしい
調子で反論する。かりに紅さまが地位を形われるのを黙って見ているようなことがあれば、それ
は君命に背くことになる。そのときには、わたしは生きていないつもりだ。たとえ斉の国を、い
や天下をおまえにやるといわれても主君は裏切れない。君命を奉じからには、その責任を・身命
を賭して遂行すろ。これが臣下たるものの義だ」
管仲はいった。
「いや、わたしはそうは思わない。臣下というものは、君命を溺じた以上、国の安泰をはかり宗
廟を守ることをまず第一に心がけるべきだ。紅さまおひとりのために死ぬ必要はない。もし死ぬ
とすれば、それは国が敗れるか、宗廟が鍼びるか、先祖の祭りが絶えるかしたときだ。この三つ
の場合でなければ、命をすてようとは思わない。この管仲がいてこそ斉の国は安泰なのだ。わた
しが死ねば国も危うい」
鮑叔は、二人のやりとりを間いていたが、ここで管仲に向かってたずねた。
「それでは、わたしはどうすればよい」
「出仕してむ命を受けることだね」
と、管仲はこたえた。
結局、鮑叔は管仲の意見に従い、君命を受けて小臼の教育係となった。
就任にあたって鮑叔は、どのように仕えたらよいかを管仲にたずねた。管仲は、
「まず主君のために全力をつくすことだ。さもないと信頼されない。信頼されなければ、なにを
建議しても採用されない。そうなれば国を安泰にすることはできない。なによりもまず二心を抱
かないこと、これが臣下の道だと思う」
飽叔は、大きくうなずいた。
忠誠のあり方
自分が直按つかえる主人に殉じようという鮑叙。自分も主人もふくめた全体的組織こそ忠誠の
対象であるとする管仲。ふたりの考え方は、忠・誠のあり方の二つの対照的方向を示している。
召忽曰く、「百歳の後、わが犯して、わが立つところを廃し、わが糾を奪うや、天下を得ると
いれどもわれ生きざるなり。いわんやわれに斉国の政を与うるをや。君命をうけて改めず、立つ
ところを奉じて済さざるは、これわが義なり」。
管仲曰く、「夷吾の君が臣たるや、君命を承け、社稷を泰じ、もって宗廟を持せんとす。あに
一礼に死せんや。夷吾の死するところは、社稷破れ、一糾に死せんや。夷吾の死すところは、社
稷破れ、宗廟滅し、祭起絶ゆれば、夷吾これに死せん。この三者にあらざれば、夷吾生きん。夷
吾生くれば、斉国利なり。夷吾死せば、斉国利あらず」。
鮑叔曰く、「然らばいかん」。管子曰く、「子出でて令を令ぜぱ可なり」。鮑叔許諾す。すな
わち出でて令を奉ず、ついに小白に傅り。
鮑叔、管仲に謂いて曰く、「伺をか行なわん」。管仲曰く、「人臣たる者は、君に力を尽くさ
ずば、親信せられず。親信せられずば、言聴かれず。言聴かれずば、社稷定まらず。それ君に事
(つか)うる者は二心なし」。飽叔許諾す。
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召忽曰:「百歲之後,吾君卜世,犯吾君命,而廢吾所立,奪吾糾也,雖得天下吾不生也。兄與我
齊國之政也。受君令而不改,奉所立而不濟,是吾義也。」管仲曰:「夷吾之為君臣也,將承君命,
奉社稷,以持宗廟,豈死一糾哉?夷吾之所死者,社稷破,宗廟滅,祭祀絕,則夷吾死之,非此三
者,則夷吾生。夷吾生,則齊國利,夷吾死,則齊國不利。」鮑叔曰:「然則奈何?」管子曰:「
子出奉令則可。」鮑叔許諾,乃出奉令,遂傅小白。鮑叔謂管仲曰:「何行?」管仲曰:「為人臣
者,不盡力於君,則不親信,不親信,則言不聽,言不聽,則社稷不定,夫事君者無二心。」鮑叔
許諾。
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「匡」は正す、教化する、との意味。斉の桓公は、春秋の五覇の一に数えられ、名宰相管仲の補佐で
天下に覇を称えることができた。生産力が小さい中国の先住民は、生命体の「類」として、生産力向
上(富国強兵論)として君主制国家を選択・集中させ、諸子百家を生み出す。法治主義に片足を置き、
覇権君主制政策集団の「管子思想」が登場する。さて、次回から本格的に編集諸説の読み解きに入る。
この項つづく
世界の全電源に占める太陽光と風力の割合は、現在の約4%から、60年までに最低でも25%、多
ければ39%まで高まると、このような予測を国際団体の世界エネルギー会議(World Energy Council)
今月10日に公表。 それによると、同報告書では、エネルギー分野における60年までの見通しに、
次の3つのシナリオと7つの予測を提示。
(1)世界の一次エネルギー需要の成長が鈍化し、一人当たりのエネルギー需要が300年より前にピ
ークを迎え、このの変化は、新技術やより規制的なエネルギー政策により省エネの進展による。
(2)エネルギー消費の最終的な段階では、60年までに電力需要が倍増。また、電源構成に占める
太陽光と風力の比率が、現在の約4%から25~39%の幅で増加する。
(3)最も低炭素電源の割合が多くなったケースで、化石燃料の使用が一次エネルギーの60%にま
で減少。
(4)3のシナリオでも、今後30~40年で二酸化炭素の増加を抑えられず、気温の2℃以上の上
昇は避けられない。
それを受けるかのように、11日、「再生可能エネルギーの導入目標を、30年に30%を超えるよ
うな意欲的な水準に引き上げるべき」――。「パリ協定」の年内発効が決まったことを受け、自然エ
ネルギー協議会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)が環境省の関芳弘副大臣に提言書を渡している。パリ
協定は、20年以降の地球温暖化対策の国際枠組みで、「今世紀後半に人為起源の温室効果ガスの排
出をゼロにする」などの目標を掲げ。、欧米では30年に40%を超える高い再エネ導入目標を掲げ
ている国や地域がある。これに対し、日本政府は、温室効果ガスを30年までに13年比で26%削
減する約束草案――ベストミックス(30年の望ましい電源構成)では再エネ比率22~24%と設
定―――を国連に提出。提言書の中、「地球温暖化対策を強力に進めていくためには、その切り札と
なる再エネの導入拡大が不可欠。再エネ導入は、温暖化対策やエネルギー自給率の向上はもとより、
地域経済の活性化や雇用の創出、防災力の強化を実現する」と強調し、パリ協定の早期批准と、再エ
ネ比率30超える目標を設定。
● 孤軍奮闘のソーラーフロンティア
同11日、海外の太陽光パネルメーカが急成長するなか、10年以降、なりを潜めるかのような国内
メーカの惨劇状態の中、太陽光パネルメーカーのソーラーフロンティアは化合物半導体(CIS)系で
奮戦仲、パネル約60カ国に出荷している。 累計出荷量が4ギガワットに達したと発表。直近の約
1年間で、約1ギガワットパネルを出荷―――ノルウェー、ソマリア、モンゴルといった、初めて出
荷した11カ国を含む―――出荷先が広がってきていることを強調。同社によると、累計出荷量の増
加、出荷国の広がりは、(1)CIS 化合物型太陽光パネルの特徴である薄くて軽い、高温や影に強い
(2)実際の設置環境下における発電能力の高さ、(3)日本製の製品・サービス(保守・管理)の
高品質性、(4)長期保証の好評価によるという。同社製パネル製造の国富工場(宮崎県)は11年
に商用生産開始後、現在では当初の設計を上回る生産を実現。公称年産能力は900メガワット。ま
た、パネルの変換効率も徐々に向上、1枚あたりの出力を増し、10月には、出力175ワットの量
産を開始。また、16年6月には、同社として4番目の宮城県大衡村の東北工場で量産開始。同新工
場では、フル生産時の出力で180ワット/枚以上目指す(下写真ダブクリ)。
【折々の読書 齢は歳々にたかく、栖は折々にせばし】
● 朝日新聞「迫る2025ショック取材班」
『日本で老いて死ぬということ』9
[目次]
はじめに
第1部 日本で老いて死ぬということ
第1章 生きがいの喪失と回復
第2章 難しい「平穏な在宅死」
第3章 口から食べたい
第2部 介護の現実~在宅・施設それぞれのリアル
第4章 三人介護
第5章 遠距離介護
第6章 ダブルケア
第7章 虐待を防ぐ
第8章 在宅でみる
第9章 訪問看護師の力
第10章 特養で看取る
第3部 老いは地域社会で見守れるか
第11章 地域で暮らす
第12章 コミュニティ再生
最終章 未来へつなぐ
おわりに
第3章 口から食べたい
回復へ連携ピタリ
2012年3月、吉武歯科医院の歯科衛生士、斉藤理子さんを中心に、サクさんヘの口から食
べるリハビリが始まった。
最初は、プリンやヨーグルト。スムーズに食べられるようになると、約1年間つけていなかっ
た上下の義歯を調整した。違和感が強いので、最初は短い時間からつけ始め、徐々に長くしてい
った,斉藤さんは「特に下の義歯は、口の中を刺激してつばでむせることがあるので、時々外し
てもいいですよ」と助言した。
普通の食事に近づけていく時は、鶴見犬歯学部助教の飯田さんが、長女・喜美子さんが調理し
た試験食を使い、のみ込みの評価をした。飯田さんは「私が専門的な評価をして、それを元に斉
藤さんたちが実践する。大学と現場が一体となることでリハビリの効果が上がる」と強調する。
リハビリを始めて約4ヵ月。在宅主治医の了解も得て、サクさんは毎日昼食は、ロから食べる
ようにした。朝と夕は、無理せず胃ろうからとった。
のみ込みが難しかったのは、おかゆやおでんの大根など、水分と固形物が混じった食事だ。固
形物を咀咽している問に、水分が染み出して先にのどに流れる。「通常は、咀嘔とのみ込みを同
時にできるが、それが難しくなるんです」と飯田さんは説明する。
リハビリでは、食べる訓練だけでなく、全身運動をしたり、童謡を歌ったりする。
きちんと食べるには、良い姿勢を保つなど、全身の力が必要だからだ。
サクさんがお気に入りだったのは、笛のおもちや「吹き戻し」を吹く訓練だ。回数も徐々に増
え、約1年たつと「2個付き」を15回吹けるようになった。
こうした訓練は、訪問看護師や家族も協力してくれた,斉藤さんは随時、訪問看護師にサクさ
んの状態を伝えた。斉藤さんは血圧を測るなど全身状態にも目を向け、訪問看護師は口腔ケアも
するなどして、お互いの職種をカバーし合った。
「90代でここまで回復するケースはあまり経験したことがない。在宅医と歯科医、歯科衛生上
と訪問看護師、そして家族を含め、すべての連携がうまくいったからでしょう。全員が『サクさ
んに食べさせたい』という思いを共有していた]と飯田さんは振り返る。
2013年9月の敬老の口には、家族や親戚が集合し、大好物のおすしを食べた。
「せいぜいみかんゼリーぐらいかなあ、と思っていたので、本当にうれしい」。喜美子さんは、
しみじみ語った。
のみ込み、音で確認
ロから食べる支援に積極的に取り組む神奈川県藤沢市の療養型病院「クローバーホスピタル」
(120床)。中でも重要な役割を果たすのが、口のリハビリの専門家二百語聴覚士(ST)だ。
20114年8月末、入院患者のリハビリをする場面に立ち会わせてもらった。
のみ込みが難しくなり、胃ろうをつけている鳥居実さん(80)の病室を、STの掛田貴大さん
(28)が訪れた,小さなスプーンでりんごゼリーをすくい、鳥居さんの口に運ぶ。その後、聴診
器をのどにあてた。のみ込みきれずゼリーが残っていたため、雑音が聞こえる。このままだと、
食べ物が過って気管に入る「誤嘸」が起きる可能性がある。掛田さんは、すかさず「もう一回ゴ
ックンしましょう]と声をかけた。
胃ろうをしていた患者が、リハビリで目から食べられるようになり、胃ろうを外したケースも
ある,言語聴覚主任の杉山理恵さん(28)が開わった男性(69)=藤沢市=だ。
脳幹梗塞の後遺症でのみ込みが難しくなり、2013年12月、クローバーホスピタルに入院し
た。翌年1月から食べる訓練を始め、2月に胃ろうをつくった。
男性の場合、食道の入り口の開きが悪いのが特徴だった。ものをのみ込むときは、のど仏が上
下するが、上に上げたまま止める訓練を続け、食道が開く時間を延ばすようにした。「普通「ゴ
ックン』とやるのを、『ゴッッックン』とやるイメージですね」と杉山さん。
最初の3ヵ月は、ほぼ毎日訓練をした。食事は、ゼリーから始まり、とろみをつけたおかゆや
おかず………胃ろうも併用しながら、口からとる回数を除々に増やしていった,
杉山さんが繰り返し言ったのが、「のみ込むことに集中して」だ,例えばテレビを見ながら食
べると、むせやすい,「男性は忠実に実行していた」と杉山さんは振り返る。
5月にはほぼ通常の食事がとれるようになり、胃ろうを外し退院。男性は今、妻(64)らと自
宅で元気に暮らす,むせやすいものは避けるなど、まだ注意は必要だが、大好きなまぐろのおす
しも食べられるようになった。
一度はあきらめかけた口からの食事-。今、男性はいう。「食べる幸せを実感しています,病
院の人たちが一生懸命やってくれたおかげです」
垣根なくチームで
「クローバーホスピタル」には、のみ込みが難しくなった患者らを支援する「NST(栄養サポ
ートチーム)」がある。消化器科の望月弘彦医師のほか、看護師や管理栄養士、薬剤師や言語聴
覚士らで構成する。
NSTは、2000年前後から各病院に広まった。この病院では月2回、NSTの定例会議と
回診がある。2014年10月H日の会議に同席させてもらった。メンバー7入が、ナースステー
ションに集まり、3入の入院患者について話し合った,
85歳男性のケースー。介護施設で誤嘸性肺炎を起こし、同月1日に入院した。まず看護師の
五十嵐千恵予さん(34)が「出した食事の3~6割しか召し上がっていません」と現状を説明。
管理栄養士の小林マリさん(45)が「ST(言語聴覚士)が介助すると食べますが、そうしない
と食べません。とろみつきのミキサー食よりも、ゼリーの方が好きみたいですと続けた。
手首の静脈から栄養を入れて、何とか必要栄養量を確保している状態,身長160センチで、
休航が約37キロしかない。
望月医師は「(体重が)37キロは少ないなあ。3食の量を減らし、高カロリーのゼリーをつ
けたら?」と提案。栄養課主任の高橋範子さん(56)は「じやあ、10時と15時にゼリーを食
べてもらいましょう」と引き取り、全員が同意した。
この男性は、退院して、施設に戻ってもらうことが目標,栄養が不足するため、望月医師は「
胃ろうをつけ、1~2食は胃ろうでとってもらうことを考えてもいいのでは、と投げかけた。
NSTのメリットについて、望月医師は、栄養、看護、薬、リハビリなどそれぞれの視点から
意見を出し合えることを挙げる。例えば、薬剤師から「この薬はおなかが張ってしまう」という
助言があれば、食が進むように薬を変える。また、理学療法士から「リハビリの負荷を増やした」
という情報提供があれば、3食以外に捕食(おやつ)をメニューに加えるj――より良い栄養プ
ランを決める際の参考にできる。
望月医師は「管理栄養士が調理室から病昧に出るようになったことが大きい」と話している。
この項つづく
昨日は、食あたり状態で午後から仕事にならなくなり、おかげで慢性?の眼精疲労からくる偏頭痛は
なくなる。目の疲れが出ない範囲で、数式の魔方陣に熱中する。魔方陣(Magic square)とは、正方形
の方陣に数字を配置し、縦・横・斜めのいずれの列についても、その列の数字の合計が同じになるも
ののことである。特に1から方陣のマスの総数までの数字を1つずつ過不足なく使ったものさす。こ
れを数式に表すと次のようになる。
※ 完全魔方陣
ところえが、途中で、こだわれば、こだわれるだけ対象が増え深みにはまると切り上げる。齢は歳々
にたかく、世界は深く遠くなりにけり、か。と、自嘲する。思えば、色素増感形太陽電池の調査研究
を中間総括し、予知したことは現在ことごとく現実のもとなっている。逆に言えば、これは他人には
理解し得ない、わたしだけの「魔方陣」であり、こうして、わたしが構築してきた「魔方陣」(例え
ば、東北部流域下水道計画の改変を迫る運動の戦略に通じる)だったのではと過ぎった。これは、自
惚れかもしれないが、米国仕立ての「RE100倶楽部」もわたしの最後の魔方陣であるのだと思っ
ている。