離婁(りろう)篇 / 孟子
※ リズム:仁の真髄は、親に孝行すること、義の真髄は、兄に従順なこ
とである。智の真髄は、この二つをわきまえ、忘れないこと、礼の真
髄は、この二つを折り目正しく行なうこと、楽の真髄は、この二つの
情操を音楽化することである。その音楽を聞けば、仁義の心が湧いて
来る。湧いて来れば、抑えておけない。抑えておけなければついリズ
ムにのって踊り出すように、自然に仁義を行なうものだ。
【量子ドット工学講座 No.51:最新波長変換粒子技術】
今回は急速に普及しつつある太陽電池工学で、結晶シリコン系太陽電池セルの感度スペクトルと太陽
光スペクトルのミスマッチによる損失を改善できる、高効率化材料の太陽電池モジュールの封止シー
トに応用されている波長変換粒子(Wavelength Conversion Partide:WCP) の最新技術をとりあげる。
現在、太陽電池モジュール以外で、高色再現性向けの量子ドットを含む光波長変換部材を画像表示装
置に組み込みが行われている。量子ドットは、光を吸収して異なる波長の光を放出。主として量子ド
ットの粒子径に依存し、さらに、単一波長域光を投射する光源を用いながら、種々の色を再現できる
が光波長変換部材は以下の問題がある。
波長変換層を備える光波長変換シートは、光波長変換層の両面に、水分および酸素の透過を抑
制するためのバリアフィルムを設けている。 このバリアフィルムは光波長変換層を挟むように設けられるので、従来の光波長変換シートは、
バリアフィルム、光波長変換層、バリアフィルムの順で積層された構造形成する。 しかし、光波長変換層の両面にバリアフィルムを設けた構造の光波長変換シートに、80℃の
環境下に500時間放置する耐熱性試験や60℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置
する耐湿熱性試験を行うと、特に、光波長変換シートの周縁部、またはバリアフィルムにおけ
るピンホールやクラック等の点状の欠点部で量子ドットが劣化し輝度が低下―――これは有機
エレクトロルミネサンスと同じような―――する問題がある。 また、光波長変換シート以外の形態の光波長変換部材においては、光源または光源に近い位置
に配置されることもあり、光波長変換部材は、耐熱性向上や耐湿熱性向上が求められている。
そこで、下図「特開2017-201386 光波長変換粒子、光波長変換粒子分散液、光波長変換組成物、光波
長変換部材、光波長変換シート、バックライト装置、画像表示装置、および光波長変換粒子の製造方
法」のように、上記問題を解決するため、優れた耐熱性/耐湿熱性を有する光波長変換粒子――この
ような光波長変換粒子を含む、光波長変換粒子分散液、光波長変換組成物の提供あって、光波長変換
粒子1であって、硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以上の元素およびカルボン酸
の少なくともいずれかを含む光透過性の樹脂粒子2と、樹脂粒子2中に内包された1以上の量子ドッ
ト3とを含む、光波長変換粒子1が提供されている(詳細は下図を参照クリック)。
【符号の説明】
1…光波長変換粒子 2…樹脂粒子 3…量子ドット 4…被覆層 10、20、30、40、50、
60…光波長変換シート 11…光波長変換層 16…バインダ樹脂 17…光散乱性粒子 18…
塗膜 70…画像表示装置 80、130、140、160…バックライト装置 154、171…光
波長変換部 120…表示パネル
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る光波長変換粒子の概略構成図
【図2】実施形態に係る光波長変換シートの概略構成図
【図3】実施形態に係る光波長変換シートの作用を示す図
【図4】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図5】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図6】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図7】図6の光波長変換シートのI-I線に沿った断面図
【図10】実施形態に係る光波長変換シートの製造工程を模式的に示す図
● 光波長変換粒子の製造方法
この事例によれば、以下の方法によって作製している。
まず、量子ドット、特定の化合物およびカルボン酸の少なくともいずれか、および重合性化合物を含
む光波長変換粒子用組成物を硬化させ、光波長変換粒子用組成物の硬化物を得る。そして、この硬化
物を、例えば、ビーズミルによって、粉砕する。これにより、表面が樹脂粒子の表面となった光波長
変換粒子を得ることができる。光波長変換粒子用組成物は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。
なお、被覆層を備える光波長変換粒子は、樹脂粒子の表面に被覆層を形成するこ
とで得る。
また、光波長変換粒子は、以下の方法によっても作製することもできる。
まず、量子ドット、特定の化合物およびカルボン酸の少なくともいずれか、および重合性化合物を含
む光波長変換粒子用組成物を、水等の貧溶媒中で粒状に分散させる。そして、光波長変換粒子用組成
物を粒状に分散させた状態で、光波長変換粒子用組成物中の重合性化合物を、例えば懸濁重合または
乳化重合などによって重合させて、表面が樹脂粒子の表面となった光波長変換粒子を得ることができ
る。ここで、「貧溶媒」とは、光波長変換粒子用組成物がほぼ溶解しない溶媒を意味し、水等の極性
溶媒が挙げられる。光波長変換粒子用組成物は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。
なお、この場合も、被覆層を備える光波長変換粒子は、樹脂粒子の表面に被覆層を形成することで得
ることができる。この樹脂粒子の表面に被覆層としてバリア層を形成する場合、バリア層はゾルゲル
法を用いて作製することができる。
具体的には、まず、樹脂粒子に、適量の例えばテトラエトキシシラン等の金属アルコキシド(1)を
添加して、適度に加水分解させることで、樹脂粒子の表面を金属アルコキシド(1)の加水分解物で
置換する。このような液体を有機溶剤Aとする。一方で、水溶液中に例えば3-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等の金属アルコキシド(2)を分散させ、部分的に加水分解することで水溶液B
を得る。ここで、金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解速度が遅いもの
を選択する。そして、有機溶液Aと水溶液Bを混合することで、金属アルコキシド(1)が覆われた
樹脂粒子の表面にさらに金属アルコキシド(2)の層が形成される。樹脂粒子は、水相に沈殿する。
表面付近にある金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解の速度が遅いので、
水相に沈殿したときに樹脂粒子の表面のアルコキシドが一気に脱水縮合し、大きな塊となることを防
ぐ。水相中の樹脂粒子にさらにシリカガラス層等の無機酸化物層を堆積させる。これは、通常のスト
ーバー法により、アルカリ性領域でわずかな量の金属アルコキシド(3)を、大量の水とアルコール
で加水分解し、核となる樹脂粒子に堆積させることで行える。これにより、バリア層を形成すること
ができる。
● 量子ドットが耐熱性試験や耐湿熱性試験で劣化しやすい原因
まず、上記したように、量子ドットの表面には硫黄系化合物やリン系化合物等からなるリガンドが配
位しているが、このリガンドは光や熱で脱離しやすい。リガンドが量子ドットから脱離すると、量子
ドットに水分や酸素が付着しやすくなるので、量子ドットは、酸化され、劣化してしまう。これによ
り、量子ドットが耐熱性試験や耐湿熱性試験によって劣化してしまうものと考えられる。これに対し、
量子ドット3を包む樹脂粒子2が硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以上の元素お
よびカルボン酸の少なくともいずれかを含んでいるので、量子ドット3の近傍に硫黄成分、リン成分、
窒素成分およびカルボン酸の少なくともいずれかを存在させることができ、これにより優れた耐熱性
および耐湿熱性を有する光波長変換粒子1を得ることができる。
これは、リガンドが量子ドットから脱離した場合であっても、樹脂粒子2中に存在する硫黄成分、リ
ン成分、窒素成分およびカルボン酸の少なくともいずれかがリガンドの役割を補助するような機能(
例えば、リガンドの代わりに量子ドットに結合して、リガンドを代替する機能および酸素を捕捉する
機能の少なくともいずれかの機能)を発揮するので、量子ドットの劣化が抑制されるためであると考
えられる。
この様に、量子ドット3を包む樹脂粒子2が硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以
上の元素およびカルボン酸の少なくともいずれかを含むので、このような元素やカルボン酸を含まな
い樹脂粒子に比べて、量子ドット3の劣化を抑制することができるが、量子ドットの中には、量子ド
ットの表面の一部が樹脂粒子の表面に露出しているものも存在する。被覆層4が、水分や酸素の透過
を抑制するバリア層である場合には、量子ドット3の一部が樹脂粒子2の表面に露出している場合で
あっても、バリア層によって樹脂粒子2から一部が露出している量子ドット3と水分や酸素との接触
を抑制することができるので、量子ドットの劣化をより抑制できる。これにより、より優れた耐熱性
および耐湿熱性を有する光波長変換粒子1を得ることができる。
量子ドットを直接ガラス粒子に内包させた場合には、水分や酸素の浸入を抑制できるものの、脆いの
で、製造時や加工時、または耐熱性試験や耐湿熱性試験の際にクラックによる欠陥が発生しやすく、
安定な品質を有する光波長変換粒子が得られにくい。これに対し、本実施形態においては、量子ドッ
ト3を樹脂粒子2に内包させているので、優れた柔軟性を有し、クラックによる欠陥を抑制すること
ができる。これにより、安定な品質を有する光波長変換粒子1を提供することができる。被覆層4が
バリア層である場合、量子ドットを直接ガラス粒子に内包させた場合よりも、柔軟性を有し、クラッ
クによる欠陥を抑制することができる、と。このように記載されている。
この項つづく
【米国太陽発電の最前線:「単結晶」が「多結晶」を抜く】
「単結晶」が「多結晶」を抜く、2017年の太陽光パネル市場 - 日経テクノロジーオンライン(2018.1.03)
米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチが2017年12月に発行
した太陽光発電市場レポートによると、2000年初頭、シャープ、京セラ、三菱電機といった日本企業
が太陽光発電市場のトップ企業として君臨していた当時、モジュール(パネル)の主流は多結晶シリ
コン型だった。当時、単結晶シリコン型は高効率だが高価なため、安価な「多結晶型」が価格競争で
優位性を示していたが、「単結晶型」が徐々にシェアを上げ、ついに首位を奪回したという。同レポ
ートによると、2017年における太陽電池セルの世界での生産容量は97.7GW、このうち出荷量は93.8G
W、設置容量は95.1GWと予測している。モジュールタイプ別シェア分析では、93.8GWの出荷量のう
ち、単結晶シリコン型のシェアは49%で、多結晶シリコン型は46%、化合物型のカドミウムテルル(
CdTe)タイプは3%である(上図)。
2016年における多結晶シリコン型のシェアは54%で、単結晶よりも13ポイントも多く、首位を保って
いた。しかし、2017年には、単結晶シリコン型のシェアが、多結晶型よりも3ポイント多くなり、初め
て逆転。その背景として同レポートでは、単結晶シリコンがシェアを増加させた要因として、モジュ
ールメーカーがプレミアムモジュールに移行したことを挙げている。その一つが、2016年にモジュール
メーカーが生産を本格化し始めたp型単結晶シリコンを使った「裏面不動態型セル」(PERC: Passiva-
ted Emitter and Rear Cell)である。2017年にはPARCの商業生産が拡大し、高効率化と共に価格が低下し
てシェア増加に貢献。このように、2015年には、米サンバワー社の「バックコンタクト(IBC)」、
パナソニックのヘテロ接合 (HIT)、韓国LG社の太陽電池パネルが市場でプレミアム価格を発揮。ま
た高変換効率のn型の単結晶シリコンを使ったパネルへの期待が高り、2016年に入ると、p型単結晶と
多結晶シリコンを使った「PERC」を使った太陽光パネルへの移行が顕著になり、2013年第3四半期に起
こった価格下落は、n型太陽電池のプレミアムをはぎ取り、太陽電池メーカーの方向性をp型単結晶シ
リコン型を促す。
●世界太陽光発電市場における太陽光パネル・タイプ別シェア推移(2006~2017年)
さて、n型の単結晶シリコン型の生産には高品質の材料と銀ペーストが必要で、そのため生産コスト
が他の技術より割高になる。太陽光発電産業における競争は、一貫して価格ベースであり、積極的な
価格設定が一般的な競争手段とされている。「高変換効率のn型単結晶シリコンのシェアはさらに増
加するものの、トップシェアを占めることはないとの予測がある。因みに、単結晶シリコン型におけ
るn型モジュールの出荷量シェアは38%で、残りの62%は「p型」となっている。現在2017年の「
n型」 対「 p型」のシェアはまだ公開されていないが、「p型」のシェアが大幅に拡大した予測され
ている。
現在、n型の単結晶シリコン型パネルの生産量で、トップ企業は米サンパワー社だが、韓国勢がシェ
アを拡大している。p型の単結晶シリコン型パネルの生産量でトップとなるのは、中国のジンコソー
ラーとみられている。同社は昨年11月8日、PERC構造のp型の単結晶シリコン型太陽電池セルで、世界
最高となる変換効率23.45%を達成したと発表した。同社の広報担当者によると、PERCは成熟した技
術になりつつあり、2018年には量産規模がさらに拡大すると予測している。残念ながらここでも日本
メーカの名前はない。
【冬の味覚:日本の蟹鍋と造里】
冬といえば蟹鍋。蟹の殻向きは慣れないものはやっかいだが鍋も良し、焼きも良し。加えて刺身、に
ぎり寿司といえば豪華絢爛である。