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美男におはす夏木立ちかな

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『呉子』

春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。『孫子』と併称される兵法書。前四
世紀楚の宰相であった呉子の言を集録したものという。

序  章

魯の上将軍であった呉子は、中傷によって失脚し、やがて新興旧説を訪れた。『呉子』の言はこ
こから始まる。

1.図  国(とこく)

政治と戦争。戦争手段にうったえるまえに、まず政治を正さなければならない、として、呉子は
戦争を分析、戦争の種類に応じた戦い方、用兵の原則を述べる。

「まず、和して、しかる後に大事をなす」

古来、国家を治めようとする者は、かならず第一に臣下を教育し人民との結びつきを強化した。
団結がなければ戦うことはできない。その団結を乱す不和に、四つの場合があることを心すべき
である。それは、国の不和、軍の不和、部隊の不和、戦闘における不和の四つである。国に団結
がなければ、軍を進めるべきではない。軍に団結がなければ、部隊を進めるべきではない。部隊
に団結がなければ、戦いをいどむべきではない。戦闘にあたって団結がなければ、決戦に出るべ
きではない。したがって、道理をわきまえた君主は、人民を動員するまえに、まずその団結をは
かり、それからはじめて戦争を決行する。

また、開戦の決断は、自分だけの思いつきによってはならない。かならず祖先の霊に報告し、亀
甲を焼いて吉凶を占い、天の時を得ているかどうかを考え、すべてが。吉″と決してから、はじ
めて出兵する。こうすれば、人民は、君主がこんなにも自分化石の生命を大事にしてくれるのだ
と身にしみて感じるに石がいない。そのうえで、ともに困難に臨めば、かれらは進んで死ぬこと
を栄光とし、退却して生き残ることを恥辱とするであろう。

和 団結のための協調が和であり、これは無原則的な妥協とは異る。『論語』は両者の区別を示
  してこういっている。「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(すぐれた人物は協調
  はするが、主体性を失わず、むやみに同調したりしない。つまらない人物はたやすく同調す
  るが、心から親しくなることはない)。

 

 【下の句トレッキング:美男におはす夏木立かな】

鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな   与謝野晶子『恋衣』

尊い大仏を美男よばわりしたと、発表当時謹厳な伊藤左千夫らに痛罵された歌。しかし古来にほ
んの詩文には仏の目鼻だちの麗わしさをたたえたものは数多い。晶子の歌もそういう感覚で作ら
れているものだろう。近代特有の厳粛主義では律しきれない庶民的な生活感覚がそこに生きてい
る。ただし、鎌倉の大仏は晶子の実感した釈迦ではなく阿弥陀仏で、彼女も後年自分の誤りに気
づいた。しかし歌を作りかえようとは思わなかった。と、大岡信はこう評している(「大岡信こ
とば館」)。また、「恋と季節の女王」(特集「生誕140年、表現者与謝野晶子に迫る、「歌
壇」2018年05月号)で、逸見久美の『評傳興与謝野鉄幹晶子明治篇』から「地名の持つイメージ
が巧みに生かされ、それが素材の広がりとなって晶子短歌の世界を豊かにしている」を引用しつ
つ、それまでとは異なり「夏」という季節に目覚めたかのような歌となったと強調し、この歌を
含む一連については、の地名や固有名詞が具体的になったことで、「夏」が引き立っているので
あるとし、

ふるさとの潮の遠音のわが胸にひびくをおぼゆ初夏の雲  『舞姫』

梅雨さりぬまづはなだ草初夏の瞳をあげてよろこびを云ふ 『常夏』

初夏の雨をながむるここちよさ浅草寺のきざはしに居て  『春泥集』

どれも季節が変わる喜びが、「初夏」という言葉に集約され、それまでの春の歌の多さと充実ぶ
りに圧倒されていた『みだれ髪』の夏の歌がやがて、より季節感に溢れた「初夏」の歌として洗
練されていくと解説してみせる。なるほど。

※高徳院(こうとくいん):神奈川県鎌倉市長谷にある浄土宗の寺院。本尊は「鎌倉大仏」「長
谷の大仏」として知られる阿弥陀如来像(国宝)。山号は大異山。詳しくは大異山高徳院清浄泉
寺(しょうじょうせんじ)という。開基(創立者)と開山(初代住職)はともに不詳である。※
釈迦牟尼:《〈梵〉Śākya-muniの音写。釈迦族の聖者の意》仏教の開祖。世界三大聖者の一人。
紀元前5世紀ごろ、インドの釈迦族の王子として誕生。29歳で宗教生活に入り、35歳で成道した。
45年間の布教ののち、80歳の2月15日入滅。釈尊。釈迦如来。釈迦。

※大岡 信(おおおか まこと:1931-2017)、三島市生まれ。詩人。歌人大岡博の長男。父と窪
田空穂の影響で、沼津中学時代に作歌・詩作を行う。一高文科から東大国文科卒業。在学中に「
現代文学」、卒業後「櫂」に参加し、「シュルレアリスム研究会」「鰐」を結成。読売新聞外報
部勤務を経て、明治大学・東京芸術大学の教授をつとめた。詩と批評を中心とした多様な精神活
動を行い、また連歌から発展させた連詩を外国人とも試みている。

※阿弥陀仏:阿弥陀如来ともいう。無量光,無量寿と漢訳。極楽浄土に存在する仏でおもに浄土
教で信仰される。その起源については異説が多い。 100年頃の『無量寿経』によれば,阿弥陀仏
は世自在王仏のとき法蔵比丘という菩薩であったが、48の誓願を立てて修行し仏となり,極楽浄
土を設立し現在もそこで説法している、とある。極楽浄土は修行者の罪業や修行の程度に従い9
種に分けられ、9等の浄土に住する九品阿弥陀は9種の印を結ぶことがある。日本には7世紀初
め頃に阿弥陀仏信仰が伝えられ,平安時代中期以降隆盛し,多くの画像や彫像が造られた。脇侍
に観音と勢至菩薩をもつ三尊形式のものも多い。遺品には,法隆寺金堂壁画中の像などがある。

【超少子化社会の見方Ⅰ:45年には彦根市はマイナス5.7%】

5月7日、滋賀彦根新聞は国立社会保障・人口問題研究所(社人研)がさきごろ公表したデータ
などを参考に、今年4月1日時点の滋賀県内の市町別と15歳未満の人口、2045年の推計値を
集計。彦根市は人口11万3468人から5・7%減の10万7057人に、犬上3町はいずれも二
桁台の減少率だった。15歳未満の子どもの人数も軒並み減少していくことがわかったことを公表

同研究所によると、滋賀県全体の人口は141万0014人から2045年には10・4%減の
126万2924人になると推計。草津、守山、栗東、愛荘の3市1町のみで増加するものの、
彦根や犬上など10市5町で減少する。そのうち甲良町は6686人から39・8%減の4028人
に、多賀町は7230人から36・0%減の4625人と、県下でワースト1、2の減少率となる
という。甲良町では不妊治療にかかる費用や小中学校の給食費の助成などで人口の維持を図る考
え。 

今年4月1日時点と2045年の15歳未満の子どもの数は、滋賀県内が19万7715人から20・
0%減の15万8223人になると予想。そのうち彦根市は1万5638人から17・4%減の1
万2923人になると推計しており、また社人研によると、市の出生率は2015年の1・53
から5年後に1・50となり、35年以降は1・48で推移するとしている。また、この出生数の減
少に対し、市は平成28年3月に策定した「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、結婚・出産・
子育ての方面で経済的・身体的・精神的負担などを緩和して出生率の向上を図ると明記。目標の
出生率として、2020年に1・69、35年に1・91、55年に2・13にすると掲げてい
る。このままいくと21世紀末には日本列島から日本人はいなくなるという試算を過去のデータ
を外延して求めたことをこのブログで掲載している。

その原因について、昨年11月18日の「産まない理由の第1位、欧米「今の生活に満足してい
るから」、日本は…」(ウートピ:woyopi)で、「産みたくない女性」が増えているのは世界的
な現象だが、日本女性の「産みたくない理由」は少し様子が異なり、米国医療機器メーカー「ク
ック・メディカル」の日本法人(2017年)が、日本、アメリカ、フランス、スウェーデンの4カ
国で、都市部に住む子どもがいない18~39歳の女性を対象にインターネットで国際調査を実
施し、「子どもが欲しい」と答えた人は、日本が最も少なくて63%にとどまっている。
フランス、アメリカでは約8割、スウェーデンでは約7割の女性が「産みたい」と答えたのに対し
て、日本は産みたい人が明らかに少ない。産みたい人が大きく減り始める年齢もほかの国が30
0代後半であるのに対し、日本は30代前半から2割も減ってしまっている(下グラフ2)。


さらに、「産みたくない理由」の違いは、日本以外の3カ国では「現状のライフスタイル(子ど
もがいない生活)に満足しているから」がトップ。子どものいない女性たちが「子どものいない
人生」を楽しむ傾向にあるが、日本では「満足しているから」と答えた人は一番少なく、日本の
産みたくない理由のトップは「子育てをする自信がない」というもの。第2位は「大変そう」と
いう理由で、いずれも消極的な傾向がある(グラフ3)。

この結果(クック・ジャパン社調査)を踏まえ次のようにまとめている。、

✪日本女性は、子どもについてとても真面目に考えていて、母親業や仕事との両立の「合格点」
をかなり高く設定している(日本女性は、もう少し気楽に考えられないだろうか)。仕事でも真
面目な日本女性は強い責任感を持つゆえ、ハードルを高くしているのではないか。

✪日本は、ほかの3カ国よりも子育ての負担も大きい。フランスとスウェーデンは大学卒業まで
親が負担する費用はわずか。「お金がかかるから産まない」という人はとても少ない。両立支援
についても歴史は長く、退職して収入がなくなってしまう不安も小さい。

✪欧米の女性は体力が違うことに由来する野か?日本人は筋肉の量が少ないので、子どもを抱くため
の筋力も欧米女性より弱いし、夫がなかなか帰宅しない「長時間労働」の問題がのしかかっている。人ひ
とり育てる子育てはどうやっても楽にできず、社会の支援や理解が足りない。フランス、スウェーデンなど
出産・育児への支援が手厚く、子どもがいない人生に満足している人が日本よりはるかに多い。逆に言え
ば、日本では、産んでも、産まなくても苦しいため、どこにも逃げ場のない閉塞感が覆っている。

さらに、下記にこれを保管する調査分析結果を参考記載しておこう。


【調査事例研究】『出生意欲の規定要因』分析結果と考察 
  June 2014

出生意欲が高ければ2年以内に子どもを持つ傾向が高く、出生意欲は出生行動を予測する
有力な指標である。 比較的短期間の分析のためより長期的にみる必要があるが、出生意欲は次第に低下する傾
向がある。 ❶年齢や子ども数といった人口学的要因のほか、❷収入・雇用の安定性という経済的要因
が影響する。 年齢を重ねると出生意欲が低下し、少子化対策をするのならば出産の先送りを食い止める
必要がある。「 「緩少子化国」のように、第2子を産むまでのタイミングを短くするための子ども一人あ
たりの育休を長くしようとする政策はかえって逆効果になると危惧される。 経済的要因からは、男性側の収入や失業不安、妻の働き方を注目すべきである。 男性の収入で一家を支え、かつそれが望ましいとされる日本では、収入の安定性や雇用の
安定性は家族形成においてきわめて重要である。 くわえて、妻の働き方が不安定であることも夫の出生意欲を低める方向に作用する。 非正規雇用は「柔軟な働き方」といわれるが、一般に給与も低く、出産やその後の生活に
備え貯蓄をすることも難しい。女性非正社員は職場での権利が守られにくく、安定した雇
用契約を結ぶ女性が出産する傾向は、有期雇用契約の女性の2倍という調査事例をふまえ
と、非雇用よりも時間の制約が厳しく、収入が多い正規職の出生意欲が必ずしも低くない。 ここから、夫の収入が重要という意味においてはベッカー理論があてはまるが、女性の時
間の価値という点ではあてはまらない。 共働きの男性は、職場でのワークライフバランスの充実(ここでは調整しやすさ)が出生
意欲を高めることがうかがえ、働き方がより柔軟なものにする工夫をすることで少子化が
改善されることが期待されるが、その効果がどれだけ大きいかは疑問であるし、世界的に
みても長い労働時間はこのままでいいというわけではない。 この分析により、出生行動に対し依然として家族と企業は重要な役割を果たすことがうか
がえたが、両者に依存することはリスクが大きい。 今後の課題は、自治体による支援の効果など政策も考慮し分析し、家族の状況や職場の状
況に左右されない普遍的な政策の意義を明らかにできる。 より長期間のデータを使い、実際の出生行動について、たとえば希望する数の子どもを持
てた人と持てなかった人の違いについて明らかにすることが必要である。

※合計特殊出生率(total fertility rate、TFR)とは、人口統計上の指標で、一人の女性が出産可能と
される15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示す。
※ベッカー理論:ゲーリー・S・ベッカー(Gary S. Becker)シカゴ大学教授(ノーベル賞経済学
者)が、人間を設備などと同じ資本としてとらえ、そこに教育や医療などの投資をすることによって生産
能力を高めることができると主張した人的資本理論。

こんな体たらくなわたしでも、子供は3人育てることを基本ポリシーとして持っていたが、3人
にこだわったの理由は2っある。1つは人口を緩やかにふやすこと、2つめいは、家庭内に社会
構成の基本数である「3」に教育的側面でこだわるが、3人目は母体疾病で断念している。さて、
恣意的で多様な選択肢がもつ豊かで安定した高度消費資本主義社会の先進国が少子化に向かうの
不可抗のように思えるが、新自由主義的政策(=市場万能・自由放任主義政策)がもたらした、
格差拡大(富の偏在)や市場の失敗による経済的圧迫が超少子化のバイアス(ドリブン)と作用
しているように思える。さて、考察をさらに深めるためにこの問題を深掘りしてみたい。

  

 ● 今夜の一曲

『the flag』 作詞/作曲 小田和正 唄:宮崎奈穗子

ただ若かったからそれだけのことかな
あの頃僕らは傷つけ合っていた 

汚れなき想いと譲れない誇りと
迷いのない心はとこへ行ったんだろう 

あの時掲げた僕らの旗だけが
今も揺れている時の風の中で 

それからの僕らに何があったんだろう
変わってしまったのは僕らの方なんだ 

自由な扉を僕らはたたんで
二度とそこから飛び立つことはなかった 

やがていつの日かこの国のすべてを
僕らがこの手で変えてゆくんだったよね 

僕らがこの手ですべてを 

こゝから行くべきその道はとこかと
できるならもう一度捜さないか
戦える僕らの武器は今何かと
それを見つけてここへ並ばないか 

僕は諦めない誰か聞いているか
僕はここにいる誰かそばにいるか 

やがていつの日カヽこの国のすべてを
僕らがこの手で変えてゆくんだったよね 

あの時掲げた僕らの旗だけが
一人揺れている時の風の中で


車のオーディオから小田和正のこの曲が流れていたのでユーチューブで探したが著作権の問題か
アップされていないので宮崎奈穂美の歌を聴く。「汚れなき想いと譲れない誇りと」のところで、
ばっの悪さを感じ、引っかかり、ストレートで言い切れないなよと自分を重ね、吉本隆明の「青
春は例外なく不潔である。人は自らの悲しみを純化するに時間をかけねば・・・・・・」のフレーズを
思い浮かべてみたが、青春期の「無数の蹉跌」を恥じながらも、時間が濃縮された”その重い”
の鮮やかさだけは真実だったと思い起こさせる力がこの楽曲にはあると書き留める。



● 今夜の寸評:イラン核合意破棄にみるトランプリスク

ここにきて、強欲に加え白人至上、キリスト教原理主義を加えトランプの混迷は深まる。揺るぎない、「人
命は地球より重し」(共生)を基本柱とした平和・国際主義外交を促進するしかない。そのために、イラン
と国交を強める、中・露・ロ・印・欧・韓のユウラシア6国同盟外交を模索すべきであると考える
がいかに。


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