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何の禊ぎぞ真備が爪痕

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『尉繚子』
紀元前三世紀、秦の始皇帝に仕えた兵法家・尉繚の説を収録したものといわれる。

5.攻  権(こうけん)
「攻横」とは、攻撃に際しての縦横の機略のこと。この機略も、平素の準備がなければ生まれな
い。平素の準備とは、民心の掌握・戦意の高揚・指揮系統の確立・作戦計画の四者である。

指揮系統の確立
全軍を一糸乱れぬ統率下におくためには、兵を分かって隊に帽成し、それぞれに長をおくことで
ある。すなわち、五人を伍として伍長をおき、十人を什として什長を置き、百人を卒として卒長
をおく。さらに千人には率を、万人には将をおき、周到にして水も洩らさぬ指揮系統を作りあげ
るのである。そして、これらの幹部がもし倒れることがあれば、ただちに他の者が代わって指揮
を取り得るよう訓練を徹底させることだ。

攻撃の”権変”
挙兵するについては、あらかじめ敵情を十分に把握し、敵将の能力に仔細な検討を加えてねかな
ければならぬ。このように準備万端怠りない時は、事態が急迫し、勁貝合が下されれば、千里の
遠方にある部隊も旬日を経ずして国境に集結し、百里以内の部隊は一日を出ずして国境に展開を
完了するであろう。迅速に集結した全軍は、司令官の着任を待ってただちに敵地深く侵攻し、交
通路を遮断し、散人を城市に孤立させる。この孤立した城市を攻撃し、重圧を加えれば、城中の
敵は収拾のつかね混乱状態におちいる。こうして敵軍を分断しておいて、ひとつまたひとつと要
害の地を抜き、とりでをおとす。一城を占領すればそれを拠点としてさらに幾多の交通路を遮断
する。攻撃がこのように進行すれば、敵将はだかいに不信の念を抱き、敵兵はだかいに反目し、
軍律も効力を失うに至る。この混乱につけこめば、勝利を博するのは易々たるもの、敵は救援部
隊を派遣する暇もなく、一城また一城とわが手中に陣るであろう。

敵は、渡河点も碩保できず、とりでを修復する余裕もなく、城の防備も整わず、陣地を構築する
暇さえない。つまり、城があってもなきにひとしい。
また、分遣隊は本隊と合流できず、遠征軍は本国へ帰れない。つまり、兵力はあってもなきにひ
としい。さらに、家畜を集める余裕も、穀類を収納する余裕も、軍需物資を蓄積する余裕もない。
つまり、物資はあってもこれまたなきにひとしい。
このように、敵国の武備も、兵力も、物資も皆無に等しい状態にさせるのは、ひとえに敵の虚を
衝いて攻撃すればこそである。
「無人の野を行くがごとく、あえて敵する者もない」という兵法の言は、このことを指している
のだ。

【下の句トレッキング:何の禊ぎぞ真備が爪痕】 

記録なき猛暑を渡る生活は何の禊ぎぞ真備が爪痕 / 高山 宙

「怖いぐらいの」を朝から連発する彼女と罹災地のボランティアの映像のインパクトから珍しく
上首を詠むことになる。「いまは何もできないが、何のこれしき」の反骨がもたげ、「神よ!試
練を与えたまえ」の祈りがこれに続くことになる。

 

 

 

第11章 加エトマト業界トップ企業、驚異の生産力
第3節 アメリカ、カリフォルニア州コルサ郡ウィリアムズ

「科学は自然の法則を発見し、産業はその法則を人間の幸せ、調和、繁栄のために応用する」
これは、モーニング・スターのウィリアムズエ場に貼られているポスターのコピーだ。この工場
での生産は、ある原則にのっとって行なわれている。それは「生産量を増やしながら商品一個当
たりのコストをできるかぎり削減し、スケールメリットを実践する」というものだ。現在、モー
ニング・スターは、小規模にトマトソースやトマトスープを作っている会社には絶対に不可能な
超低価格で、大手食品メーカーに濃縮トマトを供給している。ウィリアムズ工場だけで、年間
100日間、毎日二四時間休みなく、一時間当たり1350トンのトマトを加している。

ウィリアムズエ場は、まるでSFに出てくる未来都市のようだ。巨大な建物内にパイプ、タンク
ケーブルなどが迷路のように入り組み、計器、ハンドル、ピストン、コック、監視カメラ、コン
ピュータのモニターなどありとあらゆる機械が並んでいる。さぞかし多くの従業員が働いている
だろうと思われるが、人の姿はほとんど見当たらない。工場内を歩いていても、従業員にはめっ
たに出会わない。作業員や管理者の仕事は、ほとんどコンピュータに取って代わられている。世
界晨大のトマト加工工場は、たったの70人の従業員によって切り回されているのだ。
 「わたしは無政府主義者だ。だから、モーニング・スターには管理職がない。ここでは自主管
理が行なわれているんだ」と、クリス‘ルーファーは言う。

「自主管理(セルフマネジメント)」とは、従業員が会社の資本を管理することを意味するので
はない.自分で自分の仕事を管理するという意味だ。だからこの工場にはマネジャーがいない。
ルーファーは、工場のすべての作業を最大限に白理化させた。従業員は、機械にはできないと判
断された人間向けの仕事を、自分でどうすべきか考えながらやり遂げなくてはならない。

コントロールルームと呼ばれる、モニターに囲まれた広い部屋で、ふたりの若い女性がモニター
上の数字とにらめっこをしていた。「見たかい? このエ場全体を管理してるのは、あの短期契
約の女性社員だちなんだ。問題が起きたら古参社員のジミーを呼ぶように言ってあるが、彼女た
ちがこの工場のリーダーと言っていいだろう」

この究極のオートメーション化は、クリス・ルーファー自身が推し進めたものだ。彼の世界観、
理想、政治思想がここに表れている。ルーファーはリバタリアン、つまり完全自由主義者だ。地
球上のすべての国家が消滅し、ユートピアが実現するのを願っている。資本主義、生産手段の私
的所有、自由貿易、利学の進歩、集約農場などのおかげで、人間の代わりに機械が働いてくれる
社会を求めているのだ.
モーニング・スターの3つの工場の屋上には、13つの星が描かれた星条旗が掲げられている。
だが、星の数は州の数を表しているので、現行の星条旗には50の星が描かれているはずだ。

「いや、おかしくはない、これはれっきとした合衆国旗だ。これは革命旗なんだ」

ルーファーは熱を帯びた口調で言う。この旗には原点がある、と彼は言う。これはアメリカ合衆
国が独立したときの旗なのだ。当時のこの国のエリートといえば、商人、海運業者、プランテー
ション経営者だった。独立宣言が提出されたわずか一年後、まさに独立戦争のさなかの1777
年に使われはじめた。13個の星は、イギリスによる支配から自由になった13の植民地を表し
ているている。

「工場でこの旗を掲げるのは、この国に当時のよさを取亙戻してほしいからだ。政府の権力や多
数決制度によって、わたしたちの自由が侵害されたり、財産が強奪されたりしていなかった時代
のね。そう、わたしはリバタリアンだ。だから、みんなに自由の素晴らしさを訴えたくてこの旗
を掲げるんだ.、これを見土げることで原点に帰ることができる」

 Sep. 4, 2015

You Know That Newfangled Self-Management Idea At Zappos? A Tomato Processor Has Nailed It For Years

クリス・ルーファーは、アメリカ国内でリバタリアニズムを代表する人物と目されている。
モーニング・スターという社名は、19世紀のアメリカ人作家、ヘンリー・デイヅィッド・ソロ
ーの代表作『ウオールデンー森の生活』の一節に由来する。ソローの個人主義的思想に感銘を受
けたからだ。リバタリアニズム(完全自由主義)とは、リベラリズム(自由主義)から派生した
政治思想だ。その基本理念は、いかなる規制もされない完全な自由市場、土地と生産手段の自己
所有権、そして個人の自由の保護だ。国家をはじめとするどんな組織も、個人が望んで着手する
こと、行動することを制限してはならないとされる。
リバタリアニズムは、経済、社会、軍事など、あらゆる分野における国家の介入を否定する。
税制、労働権、環境基準などすべての規制は、個人の権利と自己所有権を侵害すると考えられて
いる。とくに自己所有権は、リバタリアニズムで晨重要視されており、決して侵害されたり制限
されたりしてはならない。



リーズンーファンデーションは、アメリカでよく知られているリバタリアンのシンクタンクだが
、そのスローガンは「自由な精神、自由市場」だ。「民営化年間報告書」を発行し、自由競争か
ら免れている一部の公共サービスを「早く民営化させるべきだ一と糾弾している。あらゆる経済
単位はすべて民営化されるべきなのだ。たとえば、軍隊、瞥一察、消防隊、森林監世局は、すべ
て民兵に取って代わられなければならない。そうすれば、誰もが必要に応じて自由にこうしたサ
ービスに関わることができるからだ。

リバタリアニズムは、保守派の共和党の主張と多くの点で類似しているが、だからといって保守
主義ではない。リバタリアンは産業主義者であると同時に個人主義者だ。個人の自由は絶対的で
、決して制限されたり束縛されたりしてはならない。銃器を所有・使用したり、麻薬を売買・使
用したりしようが、自分の身体を使って金もうけをしたり、売春をしたりしようが、労働者を解
雇したり、自分が所有する土地で鉱物の採掘をして環境を汚染したりしようが、すべての行為は
決して制限されてはならない。リバタリアンにとって一個人の自由」は侵すべからざる原則であ
り、「自己所有権」も当然そこに含まれる。国家管理主義の真逆にあるこの思想は、資本主義を
無条件に擁護することで成り立っている。リバタリアンが敬愛する小説家・思想家のアイン・ラ
ンドによる教え「エゴイズムは美徳だ」を、忠実に守っているのだ。

 Atlas Shrugged
 
クリス・ルーファーは、リバタリアニズムを奉じる政党、リバタリアン党の有力寄付者のひとり
だ。2016年には、大統領候補に指名された同党所属ゲーリー・ジョンソンの選挙運動 に10
0万ドルを寄付している。ジョンソン候補は、一般投票で450万票(得票率3・29パーセン
ト)と、同党の歴代候補で最多の票数を獲得した。
ウィリアムズエ場を訪問した日、わたしはクリスールーファーと共にグランゼーラズという地元
のレストランで昼食をとった。熊やコブラの剥製が飾られているカウボーイ向けの店内には、読
支特派の宣伝ポスターと、「アメリカを再び偉大にしよう」というドナルド・トランプの選挙ス
ローガンが書かれた帽子が売られていた。ルーファーは、経済学者でシカゴ学派のリーダー、ミ
ルトン・フリードマンを尊敬していると言った。フリードマンは新自由主義を代表する学者で、
規制のない自由主義経済を理想としていた。
「本人にも何度か会ったことがあるよ。妻同士が仲がよくてね。素晴らしい人たった。あれほど
深みのある人間にはなかなかお目にかかれないね」

 Milton Friedman

第4節 カリフォルニア州サンホアキン・バレー、マーセド郡ロスバノス
カリフォ濃緑の葉をつけた低木の林が、地平線の向こうまで広がっている。なんという広大なト
マト畑だろう。トマトはすでに熟して真っ赤に色づいていた。耳をつんざくような轟音がどんど
ん近づいてくる。巨大な収穫機がものすごい音を立てながら、トマトを次々と苗ごと飲みこみな
がらやってきた。収穫機は大型のコンバインくらいの大きさで、先端についている1メートル幅
の切断部によって刈りとりをしている。トマトの苗は地面ぎりぎりのところでカットされ、つる
や葉といっしょに機械に吸いこまれていく。土塊、石、本片、昆虫、カエルなど、苗以外のもの
がくっついてくることもある。世界でもっとも広いトマト畑があるこのカリフォルニア州では、
加工用トマトはこうしてすべて機械で収穫され、近隣に点在するI〇ほどの巨大加工工場へ運ば
れていく。

刈りとられたトマトの苗は、収穫機に付属する金属製コンベアで、機械の後方へ運ばれていく。
その過程で苗が激しく揺さぶられてつるから実が離れ、再び別のコンペアに乗ってさらに後方へ
運ばれる。コンベアの脇に何人かの作業員が立っていて、手作業でトマトの実を選りわけている。
かなり過酷な仕事だ。かんかんに照りつける真夏の太陽の下で、暑さと、振動と、騒音と、土埃
に耐えながら、ずっと収穫機の上に立っていなければならない。だがもしかしたら、この仕事も
そろそろ姿を消してしまうかもしれない。近年、光学式自動トマト選別機の性能が大幅に向上し
ており、人間の手が不要になりつつあるからだ。

選別されたトマトの実はそのまま機械の後方へ運ばれていき、また別のコンペアで高く持ち上げ
られ、後方側面へ吐きだされる。そのまま真横を走っているトラクターのトレーラーのなかに落
ちるしくみだ。トラクターは、収穫機から数メートル離れたところを、同じスピードで並走して
いる。トマトは休む間もなく次々と排出される。そのうしろでは、土塊、茎、つる不良トマトな
どの廃棄物が地面に落とされていく。排気ガスもすごい量だ。この収穫機は燃料を大量に消費す
るのだ。

こうして観察していると、収穫機のしくみはごく単純そうに見える。だがここまでくるには、加
エトマト産業の長い歴史と、遺伝子工学研究の多大な苦労があった。そう、こうして収穫機のな
かでトマトの実がつるから簡単に離れるようになったのは、機械収穫に適した品種を作るために
研究者たちが幾度も試行錯誤を重ねてきたおかげなのだ。



第5節
現在のカリフォルニア州の農業スタイルのルーツは、ゴールドラッシュでこの地方に多くの人が
移住したことにさかのぼる。1848年、一握千金を夢見てアメリカ東部の人々がこの地に押し
よせ、カリフォルニア州の人口は一気に増加した。人口が増えれば、多くの食料が必要になる。
東部からの移住者たちは上地を手に入れ、大規模農場を次々と設立した。そうなると、今度は人
手が必要になる。まずはアメリカ先住民が、次に中国人移民が駆りだされた。

中国人移民は、はじめは大陸横断鉄道の敷設工事と鉱山での発掘に雇われていた。そして1860年代
終わりごろ、鉄道が完成して鉱山の資源が枯渇してきたため、今度は農場で働きはじめた。こう
してアメリカ東部からの移住者が土地を手に入れ、先住民や中国人をただ同然で働かせたことか
ら、カリフォルニアに世界初の大規模農業が生まれたのだ。

  Jean Jacques Rousseau

このときから、大規模農場の労働者の苦しみが始まった。その一世紀前、フランスの思想家ジャ
ン=ジャックールソーはすでにこう警鐘を鳴らしていたのだが。「もしも、”この地主はペテン
師だ! こいつの言うことを信じるな。果実はみんなのもので、土地は誰のものでもない。それ
を忘れたら、きみたちは終わりだぞ!”と、杭を引っこ抜いたり溝を埋めたりしながら、仲間に
叫んだ者がいれば、人類はどれほど多くの犯罪、戦争、殺人、貧困、残虐な事件を免れられたこ
とだろう」(『人間不平等起源論』1755年)

一九世紀終わりごろ、カリフォルニア州に住みついた中国人移民(うち95パーセントは男性)
は、農場で賃金労働者として働いた。雇用主に強いられる過酷な労働に耐え、がむしやらに働い
て生き延びた。彼らはこの「自由の国」の市民権を持つことすら許されなかった。白人女性との
婚姻も禁じられた。いつも祖国の民族服を着て、常髪にして長い三つ編みを垂らしていた。そし
て最下層の人間としてアメリカ人にさげすまれた。いつも一番過酷な仕事をさせられ、ときには
鉱山などでスト破りをするよう命じられた。大量虐殺事件も起きた。やがて、中国人差別がピー
クに達したころ、1882年に中国人労働者の移住を禁止する「中国人排斥法」が制定された。

すると中国人の代わりに、今度は日本人がカリフォルニアの農場で働きはじめた。日本人もアメ
リカ人による差別の対象になった。やがて、初の農業機械であるトラクターが誕生すると、農場
での労働者の位置付けが大きく変わった。カリフォルニアの農場での仕事は、収穫時だけ駆りだ
される季節労働になった。
1924年に移民法が制定されると、日本人の移住も禁止された。そして第一次世界大戦中、と
くに1917年以降、徴兵によって若い成人男子がいなくなると、今度はフィリピン人が、続い
てメキシコ人も農場で働かされた。1929年に経済恐慌が起こると、アメリカ国内で大規模な
人口移動が始まった。失業した

東部の農民たちは、仕事を求めてカリフォルニア州へ移住した。カリフォルニアの農場経営者は、
ありあまるほどの人手が集まったことを喜び、それにつけこんで彼らを日雇いで安く使った。当
時のことは、ノーベル文学賃作家、ジョン・スタインベックの小説『怒りの葡萄』に詳しく書か
れている。著者の生まれ故郷であるカリフォルニアの社会問題をテーマにした長篇で、農場で働
く賃金労働者たちのすさまじい貧困が描かれている。外国人移民労働者に続いて、今度はアメリ
カの白人労働者が社会の最下層に転落し、さげすまれ、差別されるようになったのだ。



1941年、アメリカで戦争が勃発すると、あれほどたくさんいた賃金労働者たちがほとんど誰
もいなくなった。第二次世界大戦中、人手不足に困ったカリフォルニアの農場経営者たちは、ホ
ワイトハウスにその旨を陳情する。1942年、フランクリン・D・ルーズベルト大統領は、メ
キシコのマヌエル・アビラ・カマチョ大統領と会談し、両国の政府間協定によって「ブラセロ計
画」が開始された。「ブラセロ」とは「手を使って働く人」を意味するスペイン語だ。こうして、
メキシコ人が合法的にアメリカで働ける大規模な移民政策がスタートし、ピーク時には年間45
万人が季節労働者としてカリフォルニアの農場で働いた。この政策によってもっとも恩恵を受け
たなかに、トマト生産者がいた。1950年代、トマト収穫期にブラセロ計画を通じて労働者を
集めるのは、ごく当たり前のことになっていた。

1935年に制定された全米労働関係法、通称ワグナー法によって、民間部門において労働者が
労働組合を結成できるようになった。だが、農場労働者は対象外とされた。1950年代になっ
ても、農場労働者には労働紺色を作る権利は与えられなかった。カリフォルニアの農場労働者た
ちが結束を強め、ストライキを起こして自分たちの権利を主張すると、経営者たちはブラセロ計
画で雇ったメキシコ人にスト破りをさせた。

1948年、カリフォルニア州で綿花の収穫をしていた若い農場労働者、セザール・チャベスも、
初めて参加したストライキでメキシコ人労働者たちにスト破りをされた。移民政策のブラセロ計
画は、次第に労働紺色から激しく非難されるようになった。確かに、メキシコ人移民が合法的に
カリフオルニアで働けるようになったのはよいことだ。問題は、労働力が公正に取引されないこ
とにあった。報酬があまりにも安すぎたのだ。利益を受けるのは経営者で、メキシコ人労働者は
搾取されるだけだった。

農場経営者は、政治的信念を持たないたくさんのメキシコ人労働者にスト破りをさせ、ストライ
キを次々と失敗させた。やがて、アメリカの世論、そしてカリフオルニアの農場労働者に共感し
た民主的な政治家たちも、ブラセロ計画で得をしているのは資産家、土地所有者、大手食品メー
カーだけだと気づきはじめた。

 Cesar Chavez

セザール・チャベスは、アリゾナ州生まれのメキシコ系アメリカ人だ。ヒスパニック系アメリカ
人のなかで、もっとも有名な公民権運動家として知られている。1962年、チャベスは、非暴
力・非武装不服従の労働組合、農場労働者協会(UFW)を仲間といっしょに設立した。UFW
は平和主義的な運動を行なっていたが、1960年代から1970年代にかけて厳しく取り締ま
られ、ストライキやデモのときに仲間の活動家が殺害された。

チャベスは、カリフオルニアの農場で起きている労働問題は、仕事を求めてやってくるメキシコ
人には責任がないと考えていた。問題は、ブラセロ計画のせいで労働者の報酬が低く抑えられる
ことにあるのだ。UFWが設立された直後の1963年、ジョン・F・ケネディ大続領のもとで、
激しい議論の末にブラセロ計画は中断され、下院は計画の継続を否決した。土地所有者と大企業
は計画継続のためにあらゆる手を尽くしたが、とうとうわずか一年しか延長されなかった。当時、
ハインツは株主に対する年間報告書で、この決定を激しく非難している。加エトマト産業におい
て、農場労働者に高い賃金を支払うなど論外だった。別の解決策を早急に考えなければならない。
その結論は、「収穫を機械化する」ことだった。



「安くつくり高く、沢山売る」は万国共通の資本主義精神だが、それが、高度消費新本主義社会
段階に突入し行き詰り、資本主義の終焉を向かえたと。有り体に言えばそうなる。つまり、賢い
納税者の賢い消費行動が日常化している社会である。次節「カリフォルニア大学デービス校トマ
ト遺伝子研究センタ」に移る。

                                     この項つづく

 

【量子ドット工学講座 No.55:最高変換効率の液体白色量子ドットLEDを開発】

7月12日、トルコの大学らの研究グループは、ワットあたり105ルーメンの記録発光効率を示す
ナノ材料ベースの白色発光ダイオード(LED)を実証したことを公表。尚、光効率ろは、光源が
光を生成するためにパワーを効率よく利用できるかの尺度。今後、さらにはワットあたり200
ルーメン以上の効率を実現することで、家庭、オフィス、テレビなどのエネルギー効率の高い照
明源に提供できる。担当責任者(トルコ、Koç大学のSedat Nizamoglu)によると、効果的なLEDは、
省エネに貢献でき、従来の照明源をLEDで百%の効率で世界中の照明電力を半分以上逓減(=典
型的な500メガワットの230基の石炭発電所の発電量と同等)でデ、温室効果ガスの排出量
を2億トン削減相当。こまた、のデバイスの量子ドットと新しいLEDを合成方法は、簡単で、安価
で、量産化できる。


Caption: The new LEDs use commercially available blue LEDs combined with flexible lenses, like the one
shown here, filled with a solution of quantum dots.(Image Credit: Sedat Nizamoglu, Koç University)

量子ドットの利点
今日のLEDで白色光を生成するために、青色LEDに黄色の蛍光体ベースのコーティングを加えるこ
で、青色光と黄色光が結合。蛍光体は青色から赤色まで広い発光範囲を有し、生成された白色光
の特性を敏感に調整は困難。蛍光体とは異なり、量子ドットはスペクトルの狭い部分でのみ発光
するので純粋な色を発色でき、この狭い発光は、異なる色を生成する量子ドットと青色LEDとを
組み合わせることで、正確な色温度および光学特性を有する高品質の白色光を発光できる。量子
ドットはまた、半導体粒子のサイズ変更することで、発光色を変えることができる。さらに、量
子ドットは、組み込まれた量子ドットの濃度を変化nさせることによって、白熱電球のような温
白色光源または典型的な蛍光ランプのような冷白色光源生成に有効好である。フィルムに埋め込
まれた量子ドットは、現在、LEDテレビで使用されているが、この照明手法は、一般照明用途で
の普及には適さず、今回。液体中で量子ドットを移動させることで、ナノマテリアルが固体ポリ
マーに埋め込み時の効率低下を克服できまる。
 
また、効率的な白色LEDを作るには、青色光を効率的に赤色または緑色に変換する量子ドットを
必要とし、反応温度/時間などの最適条件を特定するために3百以上の合成反応を行い、最適な
効率な発光量子ドットを作製を実現。白色光の作成には、適切な量の量子ドットを統合する必要
があり、それが達成されたとしても、青、緑、赤の組み合わせが無数にあり、白につながる可能
性がある。最近報告された理論的アプローチに基づいてシミュレーションを開発、効率的な白色
光生できるの量子ドットカラーの適切な量と最良の組み合わせを決定。

新しいLED製造に際し研究者らは、高温でカドミウム、セレン、亜鉛および硫黄を混合すること
で合成した量子ドットの溶液で、ポリマーレンズとLEDチップとの間の空間を充填。その弾力性
により、溶液が漏れることなくレンズへの溶液注入、材料の透明性が必要な光透過を実現する。
内、レンズはシリコーンを使用。この液状の白色LEDは、固体薄膜に量子ドットを組み込んだLED
の2倍の効率を実現。また、7インチのディスプレイ用照明として実装した。



 Quantum dot white LEDs with high luminous efficiency doi.org/10.1364/OPTICA.5.000793

   ● 今日の朝食



【DIY日誌:トイレ用ファン】 

  

余りの暑さでトイレ用のファンを買ってきたので取り付けてと彼女。なるほど暑い。時給2万円
だけれど無料で工事してやるよと軽いじょうだんを言いつつ、家にあるものだけで取り付け完了、
1時間。日給(5時間実働)なら10万円の値打ちはあるのね。さすがねとしおらしい。

                                       
 


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