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玄徳を守って無為を就す

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  Aug. 28, 2018

                                             
第10章 「道」を体する
一面的なものの見方を捨て去って、「道」から離れずにいるだろうか。自然の気を保って柔弱
なること、赤子のようであるだろうか。知識を万能とする迷いを拭い去るに、欠けるところは
ないだろうか。人民を愛し国を洽めるについて、無為を守っているだろうか。自然の変化のな
かにあって、受身の立場に徴しているだろうか。
――「道」は万物を生み、万物を養う。万物を現象させながらもその現象を固定させず、存在
させながらも功を跨らず、完成させながらも支配しない。これが「道」の底知れぬ徳である。

〈注〉本章前半部はとくに難解である。古来、諸説紛々として定まらないが、全休として「道」
を休して離れぬための心得を示したものと見る点については異論がないようである。「道は万
物を生み」以下の後半部は、前半部とのつながりがよくない。ほとんど同形の文が五十一章に
見えているので、錯簡であろうという説がある。ここではひとまず、前半部の問いかけを受け
てしめくくったものと考えておく。

玄徳 「道」を体得し、自然と一体化することは、言いやすくして、行なうことのもっとも困
難なものである。知恵の本の実を食べてし乞った人間が、そのままで自然になりきれるわけが
ない。自然に返るとは、限りない内省を通じて、ふたたび自然を獲得することである。「道」
を守って無為であることは、実はもっとも意志的な行為なのであった。

 Aug. 29, 2018 



【いつでもどこでも1キロワットアワー1円時代 】

 Aug. 20, 2018

●電動車両用リチウムイオン電池からレアメタルを回収
8月20日、三菱マテリアル株式会社らは、今後リサイクル需要の大幅な増加が見込まれる電
動車両用リチウムイオン電池等に含まれるコバルト、ニッケル等のリサイクル技術を共同開発
しことを公表。開発したリチウムイオン電池の活物質からコバルト、ニッケルを回収する精製
装置を日本磁力選鉱ひびき工場(所在地:福岡県北九州市若松区響町)の敷地内に設置する予
定。今後、熱分解からコバルト、ニッケル回収までを実施するリチウムイオン電池リサイクル
設備を本年度内に稼働して実証試験を開始し、事業化に向けた本設備の技術的検証とその結果
に基づく改良技術の共同開発を推進する。

【関連特許】
❏ WO2012169073 廃リチウムイオン二次電池からの有価金属回収方法 日本磁
          力選鉱株式会社
【概要】 
廃リチウムイオン二次電池を350~550℃の過熱蒸気で加熱し、電池中の有機物を熱分解
後、破砕機による一次破砕、分級点0.15~0.60mmでの一次分級、篩上の集電体の振
動ミルでの二次破砕を順次施し、二次破砕物を同一分級点で二次分級し、レアメタルを含む正
極材料の残さを篩下から回収する。その結果、電池中の有機物を金属の酸化およびダイオキシ
ン類の発生を抑制しながら安価に熱分解でき、またアルミニウム製の正極集電体が溶解せず、
正極材料中の有価金属の回収率が高まる。

 

❏ 特開2017-112078 リチウムイオン電池の熱分解処理方法および処理装置三菱マテリアル株式会社          
【概要】 
下図1のごとく、リチウムイオン電池を熱分解する工程と、熱分解物を破砕する工程、破砕物
を細粒物と粗粒物に分別する工程と、分別した細粒物を上記熱分解工程に戻す返送工程とを有
し、該熱分解工程において、返送された細粒物に含まれる炭酸リチウムと、上記電池に含まれ
るフッ素化合物の熱分解によって生じたフッ化水素を反応させてフッ化リチウムを生成させる
ことで、排ガスのフッ化水素濃度を減少させることを特徴とするリチウムイオン電池の熱分解
処理方法、および熱分解処理装置は、リチウムイオン電池の熱分解において、排ガスに含まれ
るフッ化水素濃度を低減して、排ガス処理の負担を軽減する特徴をもつ。


※ その他関連特許

❏ 特開2018-040021  テルルの分離回収方法 三菱マテリアル株式会社
特開2014-124577  自動車用モータの分解方法 三菱マテリアル株式会社
特開2015-216777  ロータからの磁石回収方法および磁石回収設備 三菱マテリアル株式会社

以上、太陽電池(へーリオス)と同様に蓄電池(デクサマニー)のリサイクル(ゼロウエスト
)ノ評価、コスパ以外のライフサイクル、二酸化炭素収支、エネルギー収支、物室収支をクリ
アーする作業が残っている。これが揃えばオールソーラーシステムは完了する。
 Oct. 10, 2018

●化合物半導体系光触媒で世界最高の水素生成エネルギー変換効率12.5%を達成

8月27日、NEDOなどの研究グループは、CIGSをベースとした光触媒で非単結晶光触媒の中
で世界最高の水素生成エネルギー変換効率12.5%を達成したことを公表。触媒の組成比や、
触媒と反応する電解液の成分等を最適化することで得られた成果です。非単結晶なので、大型
化(メートル級)に適した材料系となる。


水素生成光触媒(CIGS)と酸素生成光触媒(BiVO4)とからなる2段型セル(タンデム配置)の模式図

【電動自動車は日産の中核!】

 Aug. 27, 2018
Nissan: ‘EVs are at the core of our company’


【社会政策トレッキング:バラマキは正しい経済政策である Ⅲ】

 Yutaka Hrada, Wikipedea

第1章 所得配分と貧困の現実――生活の安心は企業でなく国家がまもるべし
国家が国民の生活を守る以前の時代

雇用が生活の安心を守っていた
図1‐Iは、労働力調査によって、男女別の正規雇用(役員除く)と非正規雇用の全雇用に
占める比率を示したものである。図ではデータの関係から、1998年以前は2月、99年以
降2001年までは2月と8月、2001年以降は1月、4月、7月、10月時点のデータを
示しているので、最近の期間が横に長く表示されることに注意されたい。この図から次のよう
なことがわかる,

まず、1991年のバブル崩壊後も98年2月まで伸びてきた雇用は、98年以降ほとんど横
ばいでわずかに増えるだけになっている。雇用のうちで、正規雇用は減少し、非正規の雇用が
伸びている。正規雇用数がピークになったのは1997年2月だが、それから2014年7~
9月までで、正規雇用は506万人減少し、非正規雇用は802万人増加した。非正規の全雇
用に占める比率は22万2%から37・1%となった(この統計が初めて作成された1984
年2月では1513%にすぎなかった)。男女別に見ると、男性では10・5%から21・8
%へ、女性では41・7%から56・0%へと上昇した(1984年2月ではそれぞれ7・7
%と29・0%にすぎなかった)。なお、上がり続けてきた非正規比率は、2014年4月以
降では頭打ちの傾向が見られる。
男性の非正規も増えている
これまで非正規雇用は、家計の補助的所得を得るために女性が短時間働くためのものと思われ
ていた。補助的所得を得る女性には、他に一家の稼ぎ手かおり、貧困とは必ずしも結びついて
いなかった。だから、非正規の女性の貧困とは、母子家庭の問題と思われていた。しかし、男
性の非正規比率が上昇し、結婚しない女性が増加してくると、非正規が貧困の問題となってく
る。現在の非正規労働者1952万人の全員が貧困の問題を抱えているわけではないが、この
間に増加した802万人のなかには、その問題を抱えている人々が多い可能性が高い。

非正規の労働者であることは、所得が低いだけでなく、保障がないということである。非正規
社員では、厚生年金にも雇用保険にも入れない。非正規社員の収入で、自分で国民年金や医療
保険に入るのは大変だ(もちろん、非正規であっても、彼扶養者として国民年金や医療保険に
大っていれば、安心の程度は高まる)。めったに解雇がない正規職員の雇用保険は充実し、お
金が余っているので、無駄な事業が少なくなかった。

例えば、若者に職業体験の機会、職業情報、職業相談等を提供するという「私のしごと館」(
京都府。2010年3月に閉館)は「民間でできることを、民間よりコストをかけて、民間以
下のサービスで行っており無駄」(2007年10月25日、テレビ朝日「スーパーモーニン
グ』)と酷評された。他にも、サンプラザやスパウザと呼ばれる大型福祉施設、全国に200
0ある「いこいの村」といった勤労者福祉施設などに雇用保険を財源に無駄遣いしている。う
ち、「スパウザ小田原」は総工費445億円をかけて建てられたにもかかわらず、赤字続きで、
2004年、小田原市に8・5億円で払い下げられた。小田原市は、ヒルトンホテルに運営を
委託し、「ヒルトン小田原リゾート&スパ」として賑わっている(市は最終的にヒルトンホテ
ルに9億円で売却予定〔2015年末〕。一連の経緯は、小田原市ウェブサイト「「ヒルトン小
田原リゾート&スパ」について」〔httP:/Anvw.city.odawara.kanagawa.jP/kanko/Leisure/sta笈hilton
/〕等による)。
こんな無駄遣いをしているのに、非正規社員が解雇されれば、明日からでも路頭に迷うという
ありさまだ。日本経済に、よい雇用を剔出する力が衰えていることが、生活の安心を破壊して
いる。

会社福祉から取り残された人もいる
以上の見方に対して、そもそも会社福祉から取り残された人もいるという反論かおるかもしれ
ない。大企業では、雇用保険、厚生年金、健康保険があったが、中小企業では必ずしもそうで
はなかったというのである。確かに、雇用保険は1人以上雇っている事業所に適用されるが、
厚生年金と健康保険は、法人または従業員が常時5人以上いる個人の事業所のみに適用される
(農林漁業、サービス業などの場合は除外される)。それ以下の小さな事業所では、生活の安
心はなかったという批判がある。しかも、この適用条件は直近のもので、過去には適用条件は
さらに緩かった。この批判は事実である。

高度成長期初期、地方から都会に働きに出てきた若者たちは小さな工場や商店で働き、そこに
雇用保険、厚生年金、健康保険が完備されていたわけではない。しかし、1970年には、社
会保険の加入者(会社を通さない保険も含む)は、医療保険で1億365五万人(2011年
1億1182万人)、年金では5193万人(同六とし5万人)、雇用保険で2140万人(
同3860万人)であったから、すでに制度は多くの人々に適用されていたと言ってよいだろ
う。なお、社会保険のうち、会社を通さない国民健康保険は1970年で4336万人(20
11年3831万人)、国民年金は2434万人(2011年2882万人)である(数値は、
いずれも国立社会保障・人口問題研究所ウェブサイト「社会保障統計年報データベース」〔htt
p://www.ipps.go.jp/ssj-db/top.asp)
第4節「社会保障関係」による)。会社を通じたし、社会保
証を拡大していこうという動きは拡がっていたのある。企業が人手不足が続けば、年金や保険
の適用を拡大していかなければ人が集まらなくなるからだ。

日本の社会保障の機能と仕組み
ここで日本の社会保障の機能と仕組みを厚生労働省『平成24年版厚生労働白書』第1部第3
章「日本の社会保障の仕組み」により整理しておこう。白書は、社会保障の目的は、国民の生
活の安定が損なわれた燭台に、国民に健やかで安心できる生活を保障することであるとしてい
る。具体的には、傷病や失業、労働災害、退職などで生活が不安定になったときに、健康保険
や年金、社会福祉制度などを活用して、健やかで安心な生活を保障することであるという。

社会保障の機能としては、①生活安定・向上機能、②所得再分配機能、③経済安定機能の3つ
を単げている。社会保障の「生活安定・向上機能」は、例えば、病気や負傷の場合には、医療
保険により負担可能な程度の自己負担で必要な医療を受けることができる。現役引退後の高齢
期には、老齢年金や介護保険により安定した生活を送ることができる。雇用・労働政策におい
ては、失業した場合には、雇用保険により失業等給付が受給でき、生活の安定が図られるほか、
業務上の傷病等を負った場合には、労災保険により、自己負担なしで受診できる。また、職業
と家庭の両立支援策等は、子育てや家族の介護が必要な人々が就業を継続することに寄与する
ことで、その生活を保障し安心をもたらしている.

社会保障の機能のニつ目としては、所得を個人や世帯の間で移転させることにより、国民の生
活の安定を図る「所得再分配機能」かおるという。具体的には、高所得層から資金を調達して、
低所得層へその資金を移転したり、椋得能力のある人々から椋得能力のなくなった人々に所得
を移転したりすることが挙げられる。例えば、生活保護制度では、悦を財源にした「所得のよ
り多い人」から「所得の少ない人」への再分配が行われている。また、公的年金制度は、保険
料を主要財源にした、現役世代から高齢世代への世代間の所得再分配とみることができる。

また、所得再分配には、現金給付だけでなく、医療サービスや保育等の現物給付による方法も
ある。このような現物給付による再分配は、報酬に比例した保険料額の設定など支払能力(所
得水準)に応じた負担を求める一方、必要に応じた給付を行うものであり、これにより、所得
の多寡にかかわらず、生活を支える基本的な社会サービスに国民が平等にアクセスできるよう
になっているという。

社会保障の3つ目の機能としては、景気変動を緩和し、経済成長を支えていく「経済安定機能」
かおるという。例えば、雇用保険制度は、失業中の家計収入を下支えする効果に加え、マクロ
経済的には個人消費の減少による景気の落ち込みを抑制する効果(スタピライザー機能)があ
る。また、公的年金制度のように、経済不況期においても継続的に一定の額の現金が支給され
る制度は、高齢者等の生活を安定させるだけでなく、消費活動の下支えを通じて経済社会の安
定に寄与しているという。しかし、これら機能のほとんどは、企業を通じた制度によるものだ。
ところが、その機能が危機にある。



これまでのやり方ではよい雇用を増やせない
このような現状に対して、社会保障を負担できるよりよい雇用を剔出するという考えと、企業
に頼らない生活の安心を再構築するという2つの考えがある。もちろん、2つとも実行すると
いう考えもある。前者の雇用を剔出するという考えはすでに採用されてきた。1990年代、
政府は公共事業を拡大して、無理やりに雇用を作ろうとした。しかし、それは失敗したと言っ
ていいだろう。すでに述べたように、日本全体の雇用は増えなかったのだから。また、公共事
業が剔出する雇用の多くは、安定した正規社員の雇用ではない。

育児や介護の雇用を剔出すればよいという考えもある。確かに、育児、介護、医療への需要が
あって、供給が追い付かないから、そこに予算を役人すれば、社会全体としても需要と仕事が
必ず増えるはずだという人が多い。しかし、需要が過大なのは、そこに税金が役人され、価格
が安いからだ。公立の保育所で子どもを1人預かるのに月額で、ゼロ歳児41万5518円、
2歳児20万6075五円、2歳児18万4468円、3歳児10万9686円、4~5歳児
9万955円かかっているが、保護者が実際に払う保育料は6万円から2万円程度である(東
京都板橋区子ども家庭部保育サービス課「保育園の運営にかかる費用の負担割」平成23年度
決算値、による。多くの自治体がコストをウェブサイトで公表している。板橋区はより手厚い
保育を行っていることでやや高くなっているが、どの自治体でも大きくは異ならない。

月8万から35万円の補助かあるから強い需要がある。したがって、供給を増やすためには、
子ども1人当たり月8万から35万円の税金を投入しなければならない。これを賄うための増
税がなければ保育所の定員は増やせない。補助金のための増税は当然に他の分野で需要を減ら
すだろう。同じことが、介護、医療についても言える。新たに仕事を作ることはできるが、社
会全体として需要が増え、雇用が増えるかどうかはわからない。

同じことは環境問題についても言える。環境への支出は、二酸化炭素削減設備を販売する環境
産業にとっては需要であるが、環境規制によって対策への支出を余儀なくされる産業にとって
はコストである。コストが上がれば、最終価格を上げて需要の減退を我慢するか、利潤や賃金
の減少で最終価格を維持しなければならない。いずれにしろ、需要は減る。環境への支出は、
需要であるとともにコストであって、社会全体の需要を増やすわけではない。

             原田 泰著 『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』

ここまで特に書き加えることはない。70年代わたしの企業内労働者運動の10年ばかしの経
験で、ほぼ完全に世界観を獲得。そこから言えることは、「すべての労働条件は労使慣行で決
定される」に集約できる。満点の星の数ほどあるその事細かな体験はわたしとわたしの身体に
記録されている。
                                                      この項つづく

 ● 今夜の一曲

甲斐バンド 『金鳳花』  作詞:長岡和弘/作曲:松藤英雄



 Angels' Ohtani set for pitching return Sunday night

  Aug. 28, 2018


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