第17章 無理のない政治
もっともすぐれた君主のもとでは、人民は君主(※リーダ)が存在することさえ、忘れている。次
の段階のよき君主のもとでは、人民は君主を慕い、君主を宗える。さらに下の段階の、悪しき君主
のもとでは、人民は君主を恐れもっとも悪しき君主のもとでは、人民は君主を軽蔑する。人民を生
きるがままに放置する。それが君主たるの要諦である。すぐれた君主というものは、万事を人民に
まかせっきりで、政令などもめったに出さない。しかも政治は成功するが、人民の眼には、それが
君主のはたらきによるものだとは映らない。人民はただ、なるようになっただけだと考えるのであ
る。
〈人民を生きるがままに……〉 原文は「信足らざれば、不信あり」。直訳すれば「君主が人民を
信ずる気持が足りないと、人民の側でも君主を信ずる気持が起きない」となる。
われ自ら然り 帝売の世に、ある老人が泰平を楽しんで歌ったという「撃壌の歌」が伝えられてい
る(帝王世紀)。いわく、「日出でて作し、日入りて息う。井を堅ちて飲み、田を耕して食らう。
帝力なんぞわれにあらんや(朝が来りゃ超きて働く、夜になりゃ帰って寝る。水が欲しけりゃ井戸
を糾る、食いたいものは田畑で作る。天子のおかげが要るものか)」
※ 無理のない政治と言うは易し、リーダの見識、教養、知力、胆力などの人格が問われる。
● 大坂なおみ US Open 2018 優勝おめでとう!
https://www.youtube.com/watch?v=KZiLGUy2zAU
どのようなスポーツ競技も「礼にはじまり、礼に終わる」が私たちのマナーですね。
人間の耳には聞こえない超音波(周波数20kHz以上)を使ってロータを移動させる超音波モータ。
通常のモータは永久磁石やコイルを用いてロータを回転させるが、超音波モータでは超音波の発生
に圧電素子を使用。圧電素子は2つの端子に電位差を与えると、電位の向きにより膨張、または収
縮する。この膨張・収縮により超音波が発生する。超音波モータはモータ自体の形に自由度があり
従来よりもはるかに薄いモータや、まっすぐなモータなどを作ることができる。例えば、一眼レフ
やミラーレス・カメラの交換レンズが挙げられる。焦点合わせに、レンズが回転しながら前後に動
かせ、レンズの回転運動させるためにリング状の超音波モータなどに使われている。
この技術を使いハーバード大学の研究グループは、超絶粘性の高い液体をも極小サイズで出力する
「音響印刷」技術を開発。現在、液滴を作り出す技術は、インクジェットプリンターからドラッグ
デリバリー用のマイクロカプセルの製造に至るまで、幅広い分野で応用されているが、バイオポリ
マーの中には水の2万5千倍の粘度を持つ液体があり、粘性の高い液体をごく少量だけ出力するこ
とが困難だった。また、粘性の高い液体は温度によって粘度が変化することも、一定量を出力する
ことを難しくしていた。同グループは、音波を使って液体の粘性や外気温に依存せずに滴下量をコ
ントロールする技術「Acoustophoretic Printing」を開発。高周波の音響(振動)で、無重力状態に存
在しているかのように液滴を浮かせ、音波で物理的な力を加えることができる。
Acoustophoretic Printingでは、ノズル内で音波の振幅を変化させることで、粘性の極めて高い液体で
あっても、ノズル先端から切り離して出力することを実現。音波の振幅が大きいほど、液滴のサイ
ズを小さくすることが可能。振幅を制御することで、液滴のサイズを高精度にコントロールできる。
例えば、細胞を含んだ液体を出力でき、これは音波が液体内部を通過しないために実現、Acousto-
phoretic Printing は生体細胞やたんぱく質などの繊細な物質でも安全に利用できる。さらに、この音
響印刷技術は温度に依存せずに液体の出力を調整できるため、金属材料を精細に3D印刷すること
ができる(特許取得済み)。今後は、インクジェットプリンターだけでなく、医薬品を中心とする
バイオテクノロジー分野や光学分野、食品など幅広い分野の応用が考えられる。
● 風力・太陽光発電所がサハラ砂漠に降雨をもたらす?!
9月6日、イリノイ大学の研究グループは、再生可能エネルギーとして将来の応用がされているて
る「風力発電」や「太陽光発電」は、発電施設がある地域の気候に局所的な影響を及ぼすと考えら
れているが、フリカ北部に広がる世界最大の砂漠・サハラ砂漠で大規模な風力発電と太陽光発電
を展開した場合をシミュレートすると、降水量が増加して緑化が進むという研究結果を公表。
世界最大の砂漠であるサハラ砂漠に注目。風力発電と太陽光発電の両方について、それぞれ900
万平方キロメートル以上をカバーして合計で平均80テラワット以上を発電できるような施設をサハ
ラ砂漠で稼働させた場合に、どのような影響が引き起こされるのかをシミュレートしました。この
シミュレーションによって、風力発電が地表面の気温の上昇を引き起こし、サハラ砂漠での最低気
温が最高気温よりも大きく変化するようになることが判明。同グループによると、風力タービンが
暖かい空気を上から吹き飛ばすことができるため、夜間の温暖化がより顕著になるとのこと。その
結果、風力発電所を設置した地域では降水量が平均して1日あたり0.25mm増加。さらに、太陽
光発電のパネルを置くことで日影を作り、地表面の温度が下がるため、気温の上昇も抑えられるこ
とも判明。以下の図は風力発電(AとB)と太陽光発電所(CとD)、さらにその両者(EとF)による平均気
温と降水量の変化を表した下図。地図上の灰色の点が発電所の設置を想定したポイントで、色が濃
い部分は平均気温(赤)と降水量(青)の変化が大きく現れた場所。この降水量の増加は、植生の増加
に繋がり、緑化を促してくれる。太陽光発電と風力発電がクリーンな電気を生む副産物として、降
水量と植生の増加が促されることがわかる。この事実はサハラ砂漠や中東などの農業・経済発展・
社会福祉に役立つ可能性があと話す。
Sep 7, 2018:
【ワンポイント英熟語:#OnePoint #Eng'idiomatic】
〼 get over(=recover from, overcom) を克服する
I took me three weeks to get over the flu.
風邪を治すのに3週間かかった。
● 今夜の一曲
『グノシエンヌ』(Gnossiennes)は、エリック・サティ――フランスの作曲家。音楽界の異端児、音楽界の変
わり者などと称される。西洋音楽に大きな影響を与えた――が1889年から1891年と1897年に作曲したピアノ曲。
サティが24歳の時に作曲した第1番から第2番の2曲は「2つのグノシエンヌ」として有名。『グノシエン
ヌ』とは「知る」というギリシア語の動詞(Γνωρίστε:発音は "Gnoríste" グノリステ)の語幹をもとにし
て作ったサティの造語。語源はまた、古代クレタ島にあった古都「グノーソス宮」とも神秘教会グノーシ
ス派とも言われている。古代ギリシャの詩の脚韻を踏んだリズムが伴奏部に使われている。
Sep. 9, 2018