Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

幻想即興曲 Sep. 11, 2018

$
0
0

  Sep. 11, 2018



                                            
第18章 「大道廃れて仁義あり」無理のない政治
仁義仁義と人が騒ぎたてるのは、無為自然の大道が無視され、作為が世を支配するようになってか
らだ。大きな虚偽が生まれたのは、知の限界が忘れられ、人間のさかしらがのさばりだしてからだ。
孝や慈という徳目が説かれだしたのは、自然の情愛が失われてからだ。忠臣なるものが現われたの
は、無為の政治がうち捨てられて、国家が乱れはじめてからだ。

第19章 作為を捨てよ
才能などというものを重視しさえしなければ、競争はなくなり、人民は安らかに生きられる。道徳
などというものを強制しさえしなければ、心を偽る必要がなくなり、人民は自然の情愛に立ち返る。
商工業などというものを廃しさえすれば、欲望をそそるものがなくなり、人民は盗みをしなくなる。
才能、道徳、商工業の三者は、いずれも作為であって自然に反する。すべて取るに足らない。治世
の根本は、人民の本性を回復するにある。すなわち、無心にさせ、私欲をなくさせることである。

〈才能などというものを・・・〉 原文「絶聖棄智」。ここでの「聖」とは、傑出した智のことで、
聖人の意味ではない。
絶聖楽智 いっさいの作為をすてる、それは、「絶つ」(原文)ということばで表現されるきわめ
て意志的な行為であった。この意志的な行為の主体となるのは、有道者、エリートに限られる。一
般人民は、その結果「私が少なく欲が寡く」(原文)なり、自然に本性を回復するというのである。

【社会政策トレッキング:バラマキは正しい経済政策である Ⅶ】

 Yutaka Hrada, Wikipedea 

第1章 所得配分と貧困の現実――生活の安心は企業でなく国家がまもるべし
国家が国民の生活を守る以前の時代 

ベーシック・インカムの提案
単純に考えてみよう。貧ハしいことはお金のないことである。であるなら、政府が貧しい人に直接
補助をすればよいのではないだろうか。政府が、ある一定の額の基本所得、ベーシック・インカム
(以下、BIと記す)をすべての人々に渡せばよいのではないだろうか。これがもっとも確実に貧
困を解消する方策である。

そんなことをすれば誰も働かなくなってしまうという反論があるだろう。また、ただでさえ財政赤
字が大度なのに、そんなことをすれば日本の財政は本当に破綻してしまう。あるいは、働くことが
自尊心と規律を生むのであって、そんなことをすれば社会を成り立たせている仕組みを破壊してし
まうことになるという反論もあるだろう,あるいは、貧しいことは社会から疎外されているという
問題なのだ。人々を社会に組み込み、助けることが必要なのだという反論があるだろう。これらは、
当然、予想できる反論である。実際に、貧困で苦しんでいる人を牧うためには、生活保護という制
度かおる。生活保護を受けているのに貧困で苦しんでいるという人はほとんどいない。貧しい人に
とって問題なのは、生活保護にアクセスできないことである。

 NDC分類 369.2

2005年ごろから、福岡県北九州市において、生活保護申請を拒否された人々が死亡するという
事件が立て続けに起きた。もっとも衝撃的に取り土げられたのが、2007年、日記に「おにぎり
食べたい」と書き残して死後一か月後に発見された男性(当時五十二歳)の事例だ。一方、生活保
護を受ければ生活は安定する。「生活保護を受けたら、離婚前、夫の給料でやりくりしていたとき
よりも、ぜんぜんリッチなんです。ぜいたくな暮らしができる水準ではありませんが」という母子
家庭の母親の証言もある(本田良一『ルポ生活保護』91~93頁、49頁、中公新書、2010
年)。

 NDC分類 311.1

大事なのは、保護の水準を維持することよりも、すべての人がそこにアクセスできることではない
だろうか。それは、BIということになる。

コミュニタリアンのピル・ジョーダンは、「力が乏しく、受動的で、経済的排除等の経験を持つ人
びとにとってB・Iは保障を得る方法であり、生活を制御することを可能にするものであり、短期
的に経済活動への参加のアクセスを得るものであり、また多くの人びとが抱く、長期的な善き生活
にチャレンジすることを可能にするものである」と述べている(妻鹿ふみ子「第8章福祉」161
頁、小林正弥・菊池理夫編著『コミュニタリアニズムのフロンティア』勁草書房、2012年、よ
り引用)。すなわち、彼は、BIを社会的排除に立ち向かう重要な第一歩と捉えているのである。

本書のBIの提案は、生活保護に支出されているレベルを下げて、それをすべての人にアクセスで
きるようにしようということである。もちろん、そのレベルを下げないで、あるいは上げたうえで
アクセスできるようにしようという提案もある。その哲学的背景については第2章で、それが財政
的に可能であるかどうかについては第3章で論じることにする。



ここでは、高いレベルのBIを求める人々は、三つのことを正当化しなければならないということ
だけを指摘しておく。❶第一は、高い保護水準を正当化することである。❷第二は、そのための高
い課税水準を正当化することである。❸第三は、高い課税水準が、長期的にはそうでない場合より
も所得水準を引き下げ、BIの水準自体を引き下げる可能性がないことを示さなければならない。
または、将来BIの水準が低下するとしても、現在、高い水準のBIを維持することを正当化しな
ければならない。

 川原湯温泉 王湯

あるいは、政府の仕事は所得を単に給付することではなくて、社会にとって有益な支出をすること
だという反論があるかもしれない。しかし、抽象的に議論するよりも、現在、政府が実際に行って
いることを考えてみよう。これまで公共事業で無理やり地域の雇用を護ってきた。だが、さまざま
な公共事業、例えば、利根川の支流である群馬県の吾妻川で建設されているハッ場ダムを見れば誰
しもが思うだろうが、総額1000億円にもなるだろう工事で、どれだけの雇用を作ったのだろう
か。ほとんどが鉄とコンクリートに消えてしまったのではないだろうか。あのような大規模な工事
では、地元の建設業者にできることは知れている。それよりもむしろ直接、人々に配ってしまった
ほうがマシではないだろうか。再び、それでは誰も働かなくなってしまうという反論かおるだろう。
しかし、必要のないダムを必要だとして予算を要求し、設計し、難しい工事をしていた人々は働い
ていたことになるのだろうか。その上うな仕事は、能力のある人にしかできないことだ。その能力
を、もっと必要なことに使えなかったのだろうか。能力のある人が無駄に働くことのコストは、働
かないことのコストよりも大きいのではないだろうか.

 NDC分類 517.7

あるいは、1960~70年代の文化大革命中の中国について考えてみよう。いつ反革命分子と言
われて粛清されるかわからない。また、革命側について出世しようという大もいる。粛清されない
でいることも、粛清する側に立って出世することも、大変な能力が必要だ。しかし、そんなことは
まったく社会全体の富を増大させることにはならない。それは、文化天華命中の中国が貧しく、文
化大革命が終わってから中国が豊かになったことで、明らかだ。無駄に働くことは、何もしないよ
りも罪が大きい.

私の議論に対して、極端な例を持ち出して、一般的な説得を試みているのだと反論する方もおられ
るかもしれない。しかし、日本全国の公共事業を見れば、私の主張が極端な例を挙げているのでは
ないと信じてくれる方も多いと私は思う(この問題は、第3章の後半で再度、具体的に説明する)。
BIの提案に対しての、労働意欲を阻害する、財政的に不可能などとする、当然予想できる実際的
な反論については第3章で回答し、次の第2章では、BIを支える思想とその対立軸を説明するこ
とにする.
              原田 泰著 『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』
                                     
ここでは、コメントを避け、次章『ベーシックインカムの思想と対立軸』に移る。
                                          この項つづく 
                                        

 【ワンポイント英熟語:#OnePoint #Eng'idiomatic】 
〼 figure ou(=make out, understand) ~がわかる,理解する
It’s not easy to figure out the cost.
費用がいくらかを算出するのは容易でない。

 Aug. 21, 2018
【「こころの個性」に関わる遺伝子の特定】

8月21日、東北大学の研究グループは、精神疾患の関連遺伝子に着目し、哺乳類15種のゲノム配
列を用い、人類の進化過程で加速的に進化した遺伝子を検出に成功したことを公表。また、約2500
人分の現代人の遺伝的多型データを用い、集団中で積極的に維持されている遺伝的変異の特定を試
みている。

それによると、多様な「こころの個性」(=精神的個性)は時として精神疾患にもつながり、一方で、
こうしたヒトの精神的多様性がどのように進化し、維持されているのかについて、その進化機構は
不明であった。そこで、精神疾患関連遺伝子の中で、人類の進化過程で自然選択によって有利に進
化してきた、こころの個性に関わる遺伝子(不安傾向や神経質傾向の違いに影響するSLC18A1遺伝
子)を検出。ヒトの集団内で、この遺伝子は遺伝的多様性をもち、自然選択によって異なる遺伝子
型が集団中に積極的に維持されていることを示していることを突き止める。

この研究成果は、ヒトのこころの多様性が進化的に積極的に保たれている可能性を進化遺伝学的手
法により初めて示したことにあり、個性や精神・神経疾患の生物学的意義や治療の方向性の存在を
示唆する。これは、現代人の5人に1人は、一生の間に何らかの精神疾患を発症するとされ、その
原因解明および治療は、精神医学や神経科学における中心的課題の一つ。また、精神疾患は遺伝率
が高く、しばしば生物学的な適応度(生存や繁殖)に大きな影響を与える可能性があるにも関わら
ず、ヒトの集団中に頻繁に見られることから「進化的なパラドクス」と捉えられることもあり、そ
の進化機構の解明は進化学的にも重要な研究課題となり、統合失調症や自閉症などの精神疾患は、
社会行動や認知機能など、ヒトを特徴づけるような高次脳機能の障害を示すことから、人類の高次
脳機能の進化の副産物として精神・神経疾患が生まれたのではないかという仮説があり、精神疾患
関連遺伝子は人類の脳の進化において重要な役割を果たしたと考えられる。

尚、本研究では、精神疾患の関連遺伝子に着目し、哺乳類15種のゲノム配列を用いて、人類の進化
過程で加速的に進化した遺伝子を検出。また、約2500人分の現代人の遺伝的多型データを用い
て、集団中で積極的に維持されている遺伝的変異の特定を試みている。「唯遺伝子論」ではないが
ここまでもわかるのか?と驚嘆する。面白い。


【いつでもどこでも1キロワットアワー1円時代 】


● ペロブスカイト太陽電池、スズ系で変換効率7%以上に

9月6日、京都大学らの研究グループは、均一性が高く高品質なスズ系ペロブスカイト半導体膜を
得ることができる独自の成膜法を開発したことを公表。それによると、まず、環境負荷の少ないス
ズ系ペロブスカイト太陽電池――材料中のスズイオン(Sn2+)が酸化しやすい、光電変換効率は最
大でも9%以下で再現性にも乏しかった――を、溶液を塗って乾燥させて半導体膜が生成する過程
で均一な膜を作製するために重要なメカニズムは、次の2つに着目。

❶貧溶媒(溶解度の小さい溶媒)の滴下の際に、基板上で2つの溶媒がより激しく混ざりあうこと
 で、より多くのペロブスカイト材料の結晶核が一気に析出するのではないか

❷加熱 (アニール)して残った溶媒を飛ばす際に、結晶をできるだけゆっくりと成長させてより
 大きい結晶を作製するためには、一定時間ペトリ皿などで蓋をしながらガラス基板を加熱し、溶
 媒の蒸気圧を制御すべきではないか



そこで、滴下する貧溶媒として温めたクロロベンゼンを用い (ホット ・アンチソルベント ・ト
リートメント法/HAT法)。そしてこの貧溶媒の温度を従来の室温から上げていくと、膜の均一性
が顕著に向上し、65℃が最適であることを見出し、また、最初の10秒~30秒間だけ蓋をし加
熱することで(ソルベント・ベイパー・アニーリング法/SVA法)、より大きな結晶性の塊(グレ
イン)をもつ均一な半導体膜が作製できることを見出す。つまり、「温かい貧溶媒を用いるだけ」
のHAT法と、「蓋をして加熱するだけ」で溶媒蒸気を制御するSVA法という、2つの簡便な独自の
手法を開発し、これらを組み合わせることにより、均一性が高く高品質なスズ系ペロブスカイト半
導体膜の作成法の確立――再現性よく7%を超える光電変換効率を示す太陽電池デバイスを作製に
成功。今後、この技術をもとに、スズ系ペロブスカイト材料開発、デバイス構造の改良・開発研究
が大きく進み、環境負荷の少ないペロブスカイト太陽電池の実用化促進すると期待している。

 ● 今夜の一曲

Frédéric Chopin's Fantaisie-Impromptu in C♯ minor Op. posth. 66 
ショパンの作品のなかでもっともよく知られる作品のひとつ。即興曲第4番 嬰ハ短調 遺作 作品6
6は、ポーランドの作曲家フレデリック・ショパンが作曲したピアノ曲。ショパンの4曲の即興曲
のうち最初に作曲され、ショパンの死後1855年、友人のユリアン・フォンタナの手により『幻想即
興曲』(Fantasie-Impromptu)と題して出版された。

  ● 今夜の一品 

  Sep. 11, 2018 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles