説 符 せつぷ
ことば---------------------------------------------------------------------
「大道は多岐なるをもって羊を亡う」
「岐路の中に、また岐あり。われ之くところを知らず」
「金を取るの時、人を見ず、ただ金を見たるのみ」
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危険なちょっかい
晋の文公が、諸侯と会盟しての帰途、ことのついでとばかりに衛を討とうとした。この企
てを聞いて、公子の鋤が天を仰いで笑った。
「なにがおかしい」文公はムッとして聞いた。
「いえ、ちょっと思い出し笑いを。わたしの近所にこんな男がおります。妻君が里帰りす
るのを送る途中、桑つみの女を見かけて声をかけました。鼻の下を長くして、二言三言こ
とばをかわしたまではよかったのです。が、ふとふり返って見ると、どこかの男が妻君を
手招きしていたというのです」
文公はハッとして衛の討伐をとりやめ、軍をまとめて帰国を急いだ。だが、時すでにおそ
く、晋は北辺を攻撃されていた。
理論と実践 ぇふ
むかし、不老長寿の法を知っているという男がいた。うわさを間いた燕君は、秘法を伝授
してもらおうと使者をさしむけた。ところが、使者がぐずぐずしているうちに、当の男が
死んでしまったのである。
燕君は烈火のごとく怒り、使者を処刑しようとした。そこに、お気に入りの家臣が進み出
た。
「お待ちください。人間はだれしも死を恐れ、兪を大切にするものです。それなのに、あ
の男、死んでしまったところを見ますと、不老長寿の法はまやかしであったとしか思われ
ません。なにとぞ、使者にはおとがめなきよう」
燕君はなるほどと思い、使者を許した。
同じころ、斉子という、これも不老長寿の法を学ぽうと考えていた男が、その死を知って、
地団駄ふんでくやしがった。富子がそれを間いて笑った。
「学びたいのは不老長寿なのだろう。ところが、その法を心得ているという当の男が死ん
でしまった。それをくやしがるとは、学ぶことがどういうことかまるでわかっていないの
だ」
それを間いて胡子がいった。
「富子はまちがっている。人間には、方法は知っていても実行する能力のない者もおり、
実行する能力はあっても方法を知らぬ者もいる。衛に算術のうまい男がいた。死のまぎわ
に、その秘訣をむすこに教えた。むすこは父親のことばだけはおぼえたが、そのとおり実
行することはできなかった。しかし、むすこから秘訣を聞きだした男は、そのことばどお
りにやって、なすこの父と同じように巧みに算術をこなした。
してみれば、死んだ男が不老長寿の法を伝授できなかったと断定はできまい」
【エネルギー通貨制時代 60】
”Anytime, anywhere ¥1/kWh Era”
【英国石油社エネルギー展望2019:2040年に再エネが最大比率に】
2月14日、英国石油社は、エネルギー市場予測「BP Energy Outlook 2019」 を公表。そ
れによると 2018年版と同様、2040年までの期間にわたり、世界のエネルギー転
換を形成する影響力と、そのカギとなる不確実性について考察、4つのシナリオを前提と
して予測。
「進化する転換(ET)」シナリオ
世界のエネルギー需要は 年平均1.2%の割合で増加すると見込む。中国やインド、アジ
アといった新興国群の成長が後押し、世界経済は2040年までに2倍以上に増加するが
省エネルギーの加速によりエネルギー需要の伸びは約33%の増加に留まる。再エネは年
率で約7%と成長率が最も高いエネルギー源となる。エネルギー供給の伸びのうち85%
は再生可能エネルギーと天然ガスによって賄われ、再エネは40年までに世界の発電設備
で最大の一次エネルギー源になる(下図参照)。
運輸・交通部門におけるエネルギー需要の伸びは過去と比較して大幅に鈍化、その理由に
は、車両のエネルギー効率改善や自動運転、シェアリングエコノミーによるモビリティサ
ービスの成長を挙げる。また、石炭のグローバル消費が横ばい背景に、中国やOECD諸国
における需要減とインドと他のアジア諸国の需要増加が互いに打ち消し合っている状況が
ある。また、温室効果ガスの排出量は、増加が続く。中でも米国では3年間の逓減の後、
2018年に上昇に転じ、排出量の抑制を達成には、包括的なエネルギー政策による対応
が必要となると指摘している。国際石油資本(メジャー)の一角がここまで踏み込こんだ
ことは意義あることであるが、わたし(たち)は、天然ガスを含めまだまだ非再エネソー
スの削減代は残されていると考えている。
【最新蓄電池技術#8:高速最強スパーキャパシタ】
2月18日、独自の専門家審査会をもつ PV magazine 社は、近日開催予定の「Energy
Storage Europe会議 2019」 での注目蓄電池技術選定”Storage Highlights Countdown Best 10
を特集掲載しているが、今回は、スケルトンテクノロジー(Skeleton Technologies)社のスパーキャ
パシタを掲載。スーパーキャパシタは、短時間の大電力供給に適し、最大百万回充電でき
る。同社の出力産業用セル(Skelcap)及びモジュール(Skelmod)は、曲面グラフェンの製
造プロセスを開発し特許取得。この材料はセル内の電圧を2.85V以上に昇圧でき、スー
パーキャパシタのエネルギー密度と電力密度を増強。また、直列抵抗が小さく、発熱が少
ないのが特徴。スコットランドのEigg島では現在、Skelcap / Skelmodエネルギーパッケージ
を使用。人口百人のこの島は英国本土とはつながっておらず、174kWの分散型再生可能
エネルギー電力を供給。鉛蓄電池システムで出力変動バランス制御している。ただ、突然
のピーク負荷が発生した場合は、数秒の電圧低下が発生する可能性があり、蓄電池が通常
動作の再開に数分かかりが、再起動用のフライホイールとスーパーキャパシターを使用す
る。勿論、スパーキャパシタは高速起動できる)。
また、スーパーキャパシタとリチウムイオン電池の組み合わせにも適し、2012年の自
動車の2つの技術を組み合わせたハイブリッドシステムで、蓄電池性能と効率が向上。さ
らに、蓄電池寿命が40%向上している。同社の陪審会は、全体的にには小さな市場セグ
メントを対象に利便性売り出せると考えている。ただし、長寿命化に貢献するかどうか現
状では不明である。
US9111693B2
尚、国内メーカでもこの程度の先端技術は保有されているものと考えるが詳細調査は残件
扱いとする。
【最新蓄電池技術#10:完全自給自足型水素燃料電池-水素電解槽】
アパートのテナント事業への燃料電池定置建物。79kWの屋上太陽電池と46kWのファサ
ード設置太陽電池と合わせて年間1126kW - 9千~10万5千kWhの電力供給システムの
紹介。
●一年中自給自足型燃料電池
Proton Motor社は、2016年夏にスイスのブリュッテンで、世界初の完全自立型多世帯住
宅に水素燃料電池を納入。電解槽は14.5kWを使用して2Nm³/ hの水素製造。システムは
合計で120,000リットルの水素を貯蔵。同社の燃料電池は、6.2kWの電力と5.5kWの火力を生
み出す。燃料電池に内蔵されているパワー半導体を使用し電力供給、熱はヒートポンプとし
回収利用。事業リーダーのUmwelt Arena Schweizによれば、発電による余剰熱を回収し、冬
季に90%以上の効率が可能。夏の間、暖房が減るか必要でないとき、効率は18~19
%。79kWの屋上太陽光発電システムとファサードに取り付けられた46kWの薄膜太陽光発
電システムとともに、年間126kW-90,000~105,000kWhの電力を供給、居住9人家族に電力
を供給する。建物のエネルギー消費量は、1住戸あたり年間2,200 kWhで、スイスの平均の
約半分。同社は、このシステムが30年間この地域で最も寒く、20年間で最も少ない日照
時間かったにもかかわらず、最初の冬から生き残これたと語る。この建物は、蓄電池ー貯蔵、
水素電解槽、水素タンク、さらには長期蓄熱タンクなど、さまざまなエネルギー貯蔵技術が
備えている。長期貯蔵システムと短期貯蔵システムとの組み合わせは、電力網またはガス供
給は不要。
事業は公的資金支援、大規模化でより優位性は増す。生産増で電解槽コストは75%逓減、
コスト目標は2~3ユーロ/kg(約3千)で水素製造できる。各テナントは彼らの家賃でエ
ネルギー予算を受け取るそれを超えると料金負担する(予算を下回ると経済的報酬をもたら
す)。尚、審査会は、この種の試作装置は、60~70%エネルギー自立]率を実現。シス
テム側の学習カーブにより多く貢献可能であると評価している。
この技術も国内メーカもトップランナーにある(この件の詳細も残件扱い)。
WO2018020029A1
● 読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』 No.32
第2部 第7章
四人は立ち止まって息を整えながら、一変した周囲を見回した。これまで土に頭をこする
ようにして歩きつづけてきた身に、これほど高い天井は新鮮だ。しかも、高さだけではな
い。材質も、ただの土よりずっとしっかりしているように口九える。ガウェインがまた蝋
燭をともしたとき、この部屋が.種の霊廟であることにアクセルは気づいた。周囲の壁に
壁画の名残やローマ文字の痕跡がある.前方に立つ一対の太い柱は、隣の部屋への入り口
だろう,隣の部屋も、こちらの部屋と同等の人きさがあるようだ。二つの部屋の境目に、
いま目にまぶしいほどの月の光が射し込んでいる。どこから来る光かよくわからないが、
二本の柱に高いアーチが渡されているから、たぶん、あのアーチの裏のどこかに隙間があ
るに違いない。月から射す光の角度と隙間の傾斜とが、この瞬間、たまたま一致したとい
うことだろう。光は、苔や微の付着した柱の表面の多くを照らし、隣室の床の一部を照ら
していた。その床は瓦喋で覆われているように見えたが、アクセルはすぐに違うと思った。
あれは骨が厚く積み重なってできた床だ。そして、自分の足.瓦も同じなのではないかと
ふと思った。きっと、骨の床は二つの部屋全体に広がっている………
「ここは古い時代の埋葬地なのでしょう」とアクセルは声に出して言った。「それにして
もすごい数の人が埋葬されています]
「埋葬地か一とガウェインがつぶやいた。「うむ、埋葬地だ」それまで片手に剣、片手に
蝋燭を持ち、部屋の中をゆっくり歩きまわっていたガウェインが、今度はアーチに向かっ
た。だが、隣の部屋の手前まで来て、まぶしい月の先に怖じ気づきでもしたか、突然立ち
止まった。剣を地面に突き刺し、それに寄りかかった。疲れ切ったガウェインの影法師が
手の蝋燭を上下に動かしているのを、アクセルはじっと見ていた。
「いさかいの必要はない、アクセル殿。ここには人の頭蓋骨がある。否定はせぬ,腕もあ
り、脚もある。だが、いまはもう骨だ,古い時代の埋葬地・・・・・・そうかもしれぬ。だが、
あえて言わせてもらえば、わが国土のすべてが同じよ。美しい緑の谷。目に快い春の木立。
だが、地面を掘ってみよ。雛菊や金鳳花の咲くすぐ下から体が出てくる。キリスト教によ
る埋葬を受けた者だけではないぞ。この上地のドには昔の殺戮の名残がある。
ホレスとわしは・・・・・・わしらけもうくたびれた。くたびれて、若くはない」
「ガウェイン卿一とアクセルが言った。「人は二人でも、剣は一本だけです。ふさぎ込ん
で、近くの獣をお忘れになりませんように」
「獣を忘れてはおらぬさ。目の前にあるこの入り口を観察しておるだけよ。上を見よ。見
えるか」ガウェインが蝋燭を差し上げると、アーチの下の縁に沿って槍の穂先のようなも
のが一列、地面を向いて並んでいるのが見えた。
「落とし格子ですか」とアクセルが言った。
「そのとおり。この門はさほど古くない。わしら二人より若かろう。何者かがわしらのた
めに引きヒげてくれてある。ここを通れ、ということであろう,ここを見よ,格子門を操
作するためのロープと、こちらは滑車だ。何者かはよくここへ来て、格子を上げ下げして
おると見える。獣への餌やりのためであろうか」
ガウェインが一方の柱に近寄った。一歩ごとに足元で骨が砕けた。「このロープを切れば
門はドに落ちて、われらの行く手をさえぎる。だが、獣が向こう側におるのなら、われら
はこの門で守られる。待て、あれはサクソンの少年か、それともここに忍び込んだ妖精か」
後方の影の中でエドウィンが歌いはじめていた。最初、歌声はかすかで、少年が神経の昂
ぶりを鎮めようとしているのか、とアクセルは思った。だが、声は徐々に大きくなってい
った。ゆっくりした子守唄のように聞こえた。エドウィンは顔を壁に向け、体をそっと揺
らしながら歌っていた。
「何かに魅人られでもしたか」とガウェインが言った。
「まあ、よい。かまういまは決めねばならぬ、アクセル殿。このまま歩きつづけるのか。
それともロープを切って、向こうに潜む何かから瞬時の安息を得るのか」
「切りましょう、ガウェイン卿。また上げたいときは、上げる方法があるはずです。まず
落として、その間にどんな獣か確かめたらどうでしょう]
「いい考えだ。そのようにしよう」ガウェインはアクセルに蝋燭を渡し、一歩前に出て剣
を振りかぶると、住を目かけて振り下ろした。金属が石を打つ音がした。下部が揺れたが、
門全体は依然浮いたままで、落ちてはこなかった。ガウェインは少し決まり悪そうにして
溜息をついた。あらためて体勢を整えると、また剣を振りかぶって、再度打った。
今度はロープがぷつりと切れる音がした。大音響とともに門が落下し、もうもうと埃が舞
い上がるのが月明かりで見えた。落下音に驚いてか、エドウィンの歌がやんだ。さあ、こ
れで何か出てくるか……。アクセルは、眼前に立ちふさがる鉄格子の向こうをじっとにら
んだ。だが、獣らしきものが現れる気配はなく、しばらくすると全員がほっと息を吐いた。
格子門が下りたことで、じつは進退を封じられたようなものだが、四人はなんとなくほっ
とした気分になっていた。それぞれに霊廟の中を歩きまわりはじめた。ガウェインは剣を
鞘に収め、鉄格子の前に立って、そっと手を伸ばした。
「頑丈な鉄だ。壊れはすまい」と言った。
ここしばらく無旨だったベアトジスがアクセルの前に来て、頭を夫の胸に押しつけた。ア
クセルは妻の背中に腕を回し、その頬が涙で濡れているのを見た。
「どうした、お姫様」と言った。「大丈夫。すぐに外に出て、胸いっぱい夜の空気を吸え
るよ」
「この頭蓋骨よ、アクセル。なんてたくさんの頭蓋骨。ほんとうに獣がみんな投したの?」
ベアトリスの声は低かったが、ガウェインが耳ざとく聞きつけて、二人に振り向いた。「
何を言いたいのかな、ご婦人。わしが虐殺の張本人だとでも?」その口調はいかにも疲れ
ていて、トンネル内で見せたあの怒りはかけらもなかった。だが、声に不思議な熱があっ
た。
「なんてたくさんの頭蓋骨 ご婦人はそう言われる。だが、ここは地下ではないのか。何
をほのめかしておられる。アーサー王の騎士たった一人でこれほど多くを殺せるものか」
ガウェインはまた門に向き直り、鉄棒に指を滑らせた。「一度、何年も前、夢で敵を殺し
ている自分を見たことがある。はるか昔、夢の中だ。敵は何百人といた。そう、これと同
じくらいだったかもしれぬ。わしは戦って戦って戦った。ただのばかげた夢だが、まだ思
い出せる」溜息をついて、またベアトリスを見た。
「どう答えたらいいかわからぬよ、ご婦人。わしは、神のお気に入るようにと行動した。
あの不埓な僧どもの心があれほど黒くなれるなど、どう知ればよかったのだ。ホレスとわ
しは、太陽がまだ空にあるうちに修道院に来た。そなたらよりさほど遅れてはおらぬ。院
長に緊急に話す必要があると思っておったのでな。だが、そこであやつがそなたらに何を
企んでおるかを知り、同意をよそおって、暇乞いをした,立ち去ったと思わせ、ホレスを
森に置いて、夜の闇に紛れて歩いて戻った。幸い、修道僧全員が同じ考えでいるわけでは
ない。良きジョナスなら迎えてくれるとわかっておった。そして、ジョナスから院長のも
くろみを聞き、二二アンの手引きでこっそりこのトンネルに入って、そなたらを待ってお
った。くそっ、小僧がまた始めたか」
エドウィンがまた歌っていた。さっきほど大声ではなかったが、歌うときの体勢が奇妙だ
った。体を前に曲げ、左右のこめかみに拳を当てて、まるで舞踏の中で動物の役を与えら
れた役者のように、暗い影の中をゆっくりと動きまわっていた。
この項つづく
● 今夜の一曲
I Was Born To Love You Singer;Freddie Mercury
Music Writer;Freddie Mercury、Reinhold Mack
「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」(原題:I Was Born To Love You)は、クイーンのリードヴ
ォーカルのフレディ・マーキュリーが1995年に発表した楽曲で、同年発売したソロア
ルバム『Mr.バッド・ガイ』に収録。1991年にフレディが他界した後、クイーンのメン
バーが1995年に発表したアルバム『メイド・イン・ヘヴン』にて、アレンジを大幅に変更
したバージョンを制作・収録している。
I was born to love you
With every single beat of my heart
Yes, I was born to take care of you
Every single day
I was born to love you
With every single beat of my heart
Yes, I was born to take care of you
Every single day of my life
You are the one for me
I am the man for you
You were made for me
You're my ecstasy
If I was given every opportunity
I'd kill for your love
So take a chance with me
Let me romance with you
I'm caught in a dream
And my dream's come true
It's so hard to believe
This is happening to me
An amazing feeling
Coming through .......
● 今夜の寸評:人生いろいろ、一期一会
今朝は朝から雨、午前10時で公益社に向かう。金森光男氏の奥様の告別式列席、正午帰
宅、塩ラーメンのランチを頂き、調査・コンサルのホームページ更新、ブログ2つを更新
をはじめる。途中、移動販売のパン屋さんからいつものサツマイモパン購入。4時過ぎ彼
女が帰宅。夕食を頂く。日曜の役員会懇親会の日本酒で胃腸のダメージで、今夜の晩酌は
取りやめ。入浴、ブログ更新継続。「ラストワンマイル19」アップ(最近は、英文意訳
に大半時間を割く)、「再エネ100%」は最終段階。この後の行動設計段階にシフト・・・etc.etc.