● 引き寄せられる混沌 : 富格差の肥大
世界の人口の1%の富裕層がもつ資産の総額は来年までに、残る99%の人口の資産を合わせた額と同程度
になるという推計を、国際支援団体のオックスファムが19日に発表した。また、世界の富裕層上位80人
の資産総額は、貧困層35億人の資産総額に匹敵――回の推計によると、1%の富裕層が握る資産が世界の
富に占める割合は、2009年の44%から、14年は48%に増加した。このままのペースが続けば来年
までには50%を超す見通し。残る52%の富についても、人口の5分の1の比較的豊かな層が46%を握
っていて、その他の層が握る割合は世界全体の資産のわずか5.5%にとどまる。昨年の大人1人当たりの
資産額は平均で3851ドル(約45万円)。これに対して富裕層の資産額は平均270万ドル(約3億円)
だった。スイス・ダボスで始まる世界経済フォーラムの年次総会で共同議長を務めるオックスファム幹部の
ウィニー・ビヤニマ氏は、各国の首脳に対して広がる格差問題への対応を呼びかける方針。「富裕層とそれ
以外の層との格差は急速に拡大しつつある」「より公正で、より豊かな世界の妨げとなっている既得権者に
立ち向かうべき時だ」と指摘している――という("Wealthiest 1% will soon own more than rest of us combined,
Oxfam says",CNN Global NewsView, Mon January 19,2015 )。それによると、このことが、他者の抑圧や貧困、
環境破壊の助長、拡大なとの人類の負の諸問題の連鎖にどのように繋がるのか? 繋がるとすればどのよう
に是正すればよいのか? そのための国際的な連帯をどのように構築するのか・・・頭の痛い懸念が増える。
● 引き寄せられる混沌 軍事的紛争加担の愚
過激組織「イスラム国」と称するグループが日本人2人(「湯川遥奈」「後藤健二」)を人質に取り、身代
金2億ドルを72時間以内に支払わなければ殺害すると警告するビデオメッセージを出した。外務省当局者が
20日明らかにした。外務省は信ぴょう性を確認しているという(時事通信)。ところで、この2人は、映像通
信会社「インデペンデント・プレス」のジャーナリストである後藤健二と昨年4月、シリア取材中に湯川遥
奈と知り合い通訳をしていたという(詳細不明)。北部の街で、反体制組織「自由シリア軍(FSA)」拠
点の屋内にとどめ置かれ、入国目的などの事情を聴かれていた。当の過激派組織ISISがシリアで湯川遥菜と
いう人物をCIAのスパイとして拘束した事件で、イスラーム国(ISIS)側が素性を調べれば調べるほど不可解な
情報ばかりで困惑していたという(NAVER まとめ「【困惑】湯川遥菜が謎すぎて過激派組織ISISを困らせ
ているその理由」2014.10.08)。どのような目的で「罪深き者達の手で貶められた地獄のごと地」に自ら赴
いたのか理由はわからぬが無事邦人が救出されることを祈るばかりだ。
老婆心ながら言っておこう。『武器よさらば Ⅰ』で掲載した"シャルリー・エブド社銃乱射事件"を受けカ
ウウンタ・テロを掲げフランスは空母を派遣し空爆を続けているが、ヴェストファーレン条約を踏まえ中世
宗教国家から近代国家へ移行し、さらに「宗教の最終形態としての国家」(故吉本隆明)を解体する移行プ
ランの有無なくして単にカウンター(テロ封じ込め)だけでは解決に向かわぬ。つまり、"武器輸出禁止"が
大前提なのだ。これは欧米だけでなく後期ロシアマルクス主義と新自由主義を接木した中国、大ロシア回帰
のプーチン主義のロシアも同様である。
● 世界第1位の低燃費の新型ハイブリッド車 プリウスこの夏に投入!
トヨタ自動車が2015年秋にも発売するハイブリッドカー(HV)の新型「プリウス」の燃費がガソリン1リッ
トルあたり40キロメートルに達した。モーターなどのハイブリッドシステムの性能を高めたとされる。激
しい燃費競争が繰り広げられるなか、「リッター40キロメートル」が実現すれば、他のガソリン車やHV
と比べて、世界一の燃費性能になる。これはトヨタのアクア、スズキのアルトとも、現在リッター37.0キロ
メートル「世界一」の低燃費だ。 そうした中で、トヨタはHVの新型「プリウス」を2015年秋にも発売する。
2015年1月20日付の読売新聞によると、(1)新型プリウスはモーターなどのハイブリッドシステムの性能
を高めるとともに(2)排気量1.8リットルのエンジンの燃焼効率を向上させ(3)樹脂素材を多く使うほ
か、電池の小型軽量化を図ることで、車体重量は現行の約1600キロから百キロ程度軽くする。以上の条件を
クリアすることで、燃費性能はガソリン1リットルあたり40キロメートルに達する。現在の32.6キロ
メートルからは大幅な向上だ。自家用車をコアとして人的地球温暖化を省エネ・二酸化炭酸排出量逓減技術
と高性能化LED技術でコスト逓減と省エネを実現し、太陽光発電と蓄電装置技術はじめとした再エネ技術
で、世界に先駆けていち早く『環境リスク本位制時代』を克服する世界のフロントに轡を並べているといわ
けだ。幾多の困難も立ちはだかるであろうが、これは実に頼もしい。
● ハデスの国は何処
ギリシア神話の冥界。ハデスはギリシア神話の冥界の王の名だが、この名前が直接ハデスの国である冥界を
指すこともある。ハデスの国の位置は古くは世界の西の呆て、オケアノスの流れの呆てにあると考えられ、
オデュッセウスが冥界を訪れたときも、オケアノスの流れに沿って進んでいる。『オデュッセイアー』の中
で、魂の案内者へルメス神がオデュッセウスに殺されたぺネロぺの婚約者の魂を冥界に案内する場面では、
へルメスはオケアノスの流れに沿って下り、レウカスの岩のそばを通り、太陽の没する門を入り、夢の国を
過ぎて、一般の亡霊たちが棲むアスポデロスの野に着いたとされている。しかし、時代とともにハデスの国
は地下にあると考えられるようになりギリシアの各地にハデスの国に通じる洞窟があると考えられるように
なった。中でも有名なのはペロポネソス半島南端のタイナロンの洞穴で、へラクレス、テセウス、オルぺウ
スらはここからハデスの国へと進入している。このほか、アルゴリス半島のへルミオネの井戸、ポントスの
へラクレイア、イタリアのクマエなどにハデスの国に通じる通路があったという。
ハデスの国は何本かの冥府の川(三途の川)に取り巻かれており、冥府に入りこむにはこれらの川を渡らなけ
ればならなかった。冥府の川にはアケロン(悲嘆)、ステュクス(憎悪)、ピュリプレゲトン(火の川)、レテ(忘
却)などがあった。冥府の川の中では、歴史的に古いのはステュクス川だが、三途の川として一般的なのはア
ケロン川で、この川に三途の川の渡し守カロンがおり、小遣い銭くらいの値段で亡者の渡し守を務めていた。
冥府の川を越えたところに3つの頭を持つ冥府の番犬ケルべロスがいて、ハデスの館の門を見張っていたと
いう。ギリシア神話にはハデスの国の他にもいくつか死者の棲む場所があるが、これらの位置関係はそれほ
どはっきりしていない。たとえば、一般的な亡霊の棲むアスポデロスの野はハデスの国にあったが、選ばれ
た者たちのいくエリュシオンの野や至福者の島は、オケアノスの彼方にある。
現代の冥府は、湾岸戦争に至るまでの中東の石油をめぐる歴史は、まさに中東の石油利権をめぐる列強の抗
争の歴史であり、それはまた石油資本を守る列強に対する産油国の主権回復の戦いの歴史を繰り広げた北ア
フリカから中東にまたがる地上で蠢いたのである。そのことを抜きに、イスラム国建国史を語れないし、現
代の「ハデス」(=冥界)での米国の軍事的支配力の低下による液状化現象でり、パンチントンの皮相的な
『文明の衝突』とは異なる<衝突>とわたし(たち)はこれを理解している。