6.雍 也 ようや
ことば--------------------------------------------------------------
力足らざる者は、中道にして廃す。いまなんじは画(かぎ)れり」(12)
「質、文に勝てば野。文、質に勝てば史。文質彬彬(びんびん)として然る
後に君子」(18)
「人の生くるや直し。これなくして生くるは、幸いにして免るるなり(19)
「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しrむ者
にしかず」(20)
「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」(23)
-------------------------------------------------------------------
11 顔回はえらい男だ。三度の食事は盛りきり飯に汁一杯、住居は路地裏
のあばら家。なみの人間なら音をあげそうな貧乏暮らしのくせに信条が微動
だもしない。まったくえらい男だ。
子曰、賢哉囘也、一箪食、一瓢飮、在陋巷、人不堪其憂、囘也不改其樂、賢
哉囘也。
Confucius said,"Yan Hui is virtuous.He eats only a bowl of rice and
soup and lives in a miserable shack.Ordinary people cannot stand it.
On the contrary, he enjoys his life. How virtuous Yan Hui is!"
【ポストエネルギー革命序論28】
【続・個人史としてのデジタル革命】
VRの可能性と背中合わせの危険性
もちろん、真実はいつも両極端な見解の“間”にある。いずれにしても、VRは人
間がデジタルの世界とかかわる方法に大きな変化をもたらしている。これまでは
ディスプレイとキーボードを介して情報をやりとりしてきたように、常に何かを
媒介してコンピューターを利用していた。しかしVRは、この面倒な橋渡しを排除
したやりとりを可能にしてくれる。VRの“いとこ”である拡張現実(AR:Augme-
nted Reality)が、ときに複合現実(MR:Mixed Reality)と呼ばれるように、
VRとAR、MRをひとまとめにして「XR(Extended reality)」と総称することがあ
る。VRはヘッドセットを使用するが、ARは一般的に(少なくともいまのところは)
スマートフォンを使って体験できる。
ここまでの内容は問題ないだろうか? ついてこられていなくても心配ご無用。
WIRED GUIDEのヴァーチャル・リアリティ編では、最初から最後までVRに関する
情報を紹介する。VRは、あなたを人工的な世界で包み込んだり、現実世界の環境
にヴァーチャルなモノを持ち込んだりする。こうして「空間コンピューティング」
技術は、それらのモノや情報とのやりとりを、より瞬間的なものにしている。VR
はいま、ハイプ・サイクルとして知られる「流行期(過剰期待の頂)」と、それ
に続く「幻滅期」という困難なステージを生き抜き、ようやく成熟のプロセスに
入った。一方で、人々はこれまで以上にテクノロジーを警戒している。プライヴ
ァシーの侵害やネット依存、オンラインでの迷惑行動。文化的コミュニケーショ
ンの最前線にあるこうした問題のすべては、VRやARによって何倍にも増幅する恐
れがあるのだ。もちろん、テクノロジー自体には多くの潜在的可能性があり、害
悪はそのひとつにすぎない。だがVRやARは、これからの2年で大きく飛躍するの
で、そのテクノロジーの可能性や危険性についてとりかかるのに、いまはまたと
ないタイミングとなる。
VRの起点は、12年の世界最大のゲーム見本市「E3」でヘッドセット「Oculus
Rift」の初期プロトタイプが発表されたことにあったのかもしれない。だが、実
は1世紀以上前からわたしたちの意識の隅にあった。3D環境に人を没入させると
いうアイデアは、19世紀に人々を魅了したステレオスコープ(立体鏡)の時代に
は、すでに存在していたのだ。人間が左右の目で微妙に違う像を見たとする。そ
のとき脳はそれらを結合させて、誤差の度合いを判定しようとする。子ども向け
玩具として人気を博した立体鏡玩具の「View-Master」と同じメカニズム。
VRそのものが利用者を取り囲む像であると、世間にはぼんやりと認識されていた。
テクノロジーにおける最大のブレイクスルーとして多いのが、SF小説を通して最
初にそのヴィジョンが組み立てられることだ。VRも同じで、特にスタンリイ・G・
ワインボウムが1935年に著した『Pygmalion's Spectacles(ピグマリオン劇場)』
という短編小説がその具体例となる。
ステレオスコープから、この魔法の眼鏡に到達するには少し時間がかかった。60
年代後半に、ユタ大学でコンピューター科学を教えるアイヴァン・サザランドが、
「The Sword of Damocles」というヘッドマウントディスプレイを開発している。
サザランドはマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生時代に、最初のGUI(グラ
フィカル・ユーザー・インターフェース)の前身となるSketchpadを発明してい
た。The Sword of Damocles(ダモクレスの剣:天井から剣を吊るした王座に座ら
せた故事に由来)というその名に相応しく、かなり大きく重かったため、天井か
らつり下げた状態で装着。確かに“最初のヘッドマウントディスプレイ”で、ユ
ーザーは2面のスクリーンで部屋を見回し、空中に浮かぶヴァーチャルな3D立方
体を見ることができた。サザランドと同僚のデイヴィッド・エヴァンスは、のち
に民間企業に協力し、フライトシミュレーターの開発に携わった。米国空軍と米
航空宇宙局(NASA)もヘッドマウントディスプレイの研究に積極的で、パイロッ
トと宇宙飛行士が周囲360度の空間の映像を見ることができる大きくて重いヘルメ
ットを開発する。
VRの勃興と衰退
少なくとも80年代まで、このテクノロジーには決まった名前がなかったが、大学
を中退した当時20代のジャロン・ラニアーが「ヴァーチャル・リアリティ」とい
う名前をつけた。ラニアーが共同創業したVPL Researchは、VRを公に提供できる
最初の正式プロダクトを開発。それはEyePhoneとDataGlove、DataSuitの3点か
らなるセット。グラフィックはともかく、われわれの心をつかむようなVR体験を
もたらす。しかし、動作は遅く使い心地も悪く、何より、セット一式を2人分揃
えようとすれば、それを動かすコンピューターを含め35万ドル(約3,850万円以
上する高価な代物である。それでもVPLとSF作家たちの力で、VRは90年代前半に
多くの人の興味をかき立てた。92年に発表されたニール・スティーヴンスンの小
説『スノウ・クラッシュ』を読まなくても、同年公開映画『Lawnmower Man(邦
題・バーチャルウォーズ)』を鑑賞できる。
現実世界において、VRは世界中のゲーマーにその将来生を約束していた。アーケ
ードやショッピングセンタに置かれたVirtualityのVR筐体で、VRのショートゲー
ムをプレイすることができた。家庭のリヴィングルームでは、任天堂の「バーチ
ャルボーイ」という3Dゲーム機で遊べるようになる。ただ、それは実際にVRを楽
しむというよりは、ヘッドセットが頭痛をもたらす事実を無視したときの話(バ
ーチャルボーイは半年で販売打ち切り)。VRはその期待を果たせないことが明白
になり、カルチャー分野における存在感を失う。学術機関や民間のラボでVRの研
究が続けられたが、実用的なコンシューマー・テクノロジになりきれなかった。
小型の高解像度ディスプレイを有するスマートフォンは、小さなジャイロスコー
プと加速度センサーを内蔵しており、モバイルプロセッサーで3Dグラフィックス
を処理できるのが強みだった。スマートフォンが登場したことで、VRの前に立ち
はだかっていたハードウェアの限界が、突如として取り払われる。ゲーム開発会
社であるid Softwareの共同創業者でVRマニアのジョン・カーマックが、12年
のE3にゲストとして登場し、あるサプライズを披露した。カーマックは、19歳の
パーマー・ラッキーがつくったヘッドセットのプロトタイプを借りて、「Doom」
というゲームのVR版を会場でプレーする。そのヘッドセットは、あちこちをダク
トテープどめした、ストラップはOakleyのスキーゴーグル用もの。とにかく頭に
装着できるようにしただけだが、ちゃんと機能した。そのヘッドセットをつける
と、プレーヤーは普段はテレビやディスプレイで見る3Dグラフィックに囲まれる。
ただDoomをプレイするだけではなく、その世界に入り込めた。
そこからの展開は早い。ラッキーのオキュラスはKickstarterで200万ドル(約2
億2,000万円)以上の資金を集め、彼が「Oculus Rift」と名づけたヘッドセット
を開発。14年にフェイスブックはオキュラスを30億ドル(約3,300億円)弱で買
収した。そのときマーク・ザッカーバーグは、「オキュラスには最も社交的なプ
ラットフォームをつくるチャンスがある。それはわたしたちの仕事や遊び、コミ
ュニケーションを変えるだろう」と。16年に、コンシューマー向けVRヘッドセッ
トが発売される第一波が続く。そのときに発売された3つの製品は、実質的には
周辺機器で、Oculus Riftと「HTC Vive」は高性能PCに接続、「PlayStation VR」
はPlayStation 4で使えるものであった。最初の独立型ヘッドセットが市場に登
場したのは18年のこと。これはコンピューターに接続する必要がなく、ディス
プレイと処理をスマートフォンに頼る必要もない、VRの使用を簡易化した初めて
のオールインワン・デバイス。
いまだかつてない影響力
VRの未来はどうなるのか、という問いに対して、答えをひとつに絞ることはでき
ない。最も単純で面白みのない答え方をすれば、「VRはあらゆる分野に利用でき
る」ということで、ゲームやほかのインタラクティヴなエンターテインメントに
とどまらない可能性が広がる。VRはすでに、出産時などの痛みの軽減や心的外傷
後ストレス障害(PTSD)の治療、教育やデザイン、在宅勤務、オフィス勤務など
に利用できる可能性が明らかになっている。ヴァーチャル空間にアヴァターを置
いて実体のある存在になれるおかげで、ソーシャルでのVRの利用は、これまでわ
たしたちが経験してきたデジタルを媒介とするいずれのコミュニケーションより
も没入感があり、そこから与えられる影響も大きい。わたしたちがヴァーチャル
空間で経験する、周囲の状況に対する自分の反応やインタラクションは、現実で
経験した記憶と同じようにわたしたちの脳に蓄えられ、思い出されることになる。
これまで、この分野には何十億ドルもの大金が注ぎ込まれた、いまだVRのiPhone
の登場はない。魅力的なテクノロジーと直感的で好ましい形状を兼ね備えた製品
が期待されているが、ARとMRの研究開発はVRよりも数年は遅れだが、これらの関
連テクノロジーがいつまでも分離のままではない。外の世界をシャットアウトす
ることで、没入型のVR体験をもたらすデバイスのかわりに、利用者が現実世界と
再びインタラクトできるトランスペアレントなものになるかもしれないが、この
ようなデバイスが、アップルから提供される可能性もある。このカリフォルニア
州クパチーノのるテック社は、早ければ20年にヘッドセットの発売を目指して
いる。あるいはマジックリープ(Magic Leap)社は18年8月、研究開発用のARヘ
ッドセット「Magic Leap One」を公表。同社によると、そのヘッドセットは従来
のようなVRの利用だけでなく、ホログラムを使ったMRにも使える。しかし、これ
らのデバイスの出現に、わたしたちは長く不確かな道を歩き始めたにすぎず、テ
クノロジー上の問題があるだけでなく、それらが悪用の不安から逃れない。イン
ターネットは素晴らしい技術ではあるが、それを利用する人間のネット上での振
る舞いはしばしば期待を裏切る。
明るい未来への鍵は、よい流れを維持すること
同じことがVRでも言えるはず。アヴァターとして没入すれば、個人的な侵害を受
ける恐れがある。そして、聴覚と触覚に特化したフィードバックがあれば、相手
が話しかけてくるその声が聞こえて、まるで触れられているかのように感じるこ
とになり、ハラスメントや有害行為が、従来のSNSよりもさらに本能的なものに
なり、心に深い傷を与えるものになりかねない。さらに信頼性の問題もある。イ
ンターネットはフィッシング、なりすまし、ディープフェイク(AIに基づく人物
画像合成技術)、フェイクニュースをもたらした。これらのどれかひとつでも包
括的な体験型メディアになると、悪人(あるいは国家やそれに近い組織)が人権
侵害や抑圧(奴隷化)の暴力に苦しめられる───英国のドラマ『ブラック・ミ
ラー』のクリエイターたちが考えそうな未来───方向に進まない保証はない。
そしてテクノロジーの立法対応を踏まえれば、立法者が十分な措置やタイムリー
な対応も期待できない。だからこそ、事前に議論する必要がある。これは確かに
“最初のヘッドマウントディスプレイ”で、ユーザーは2面のスクリーンで部屋
を見回し、空中に浮かぶヴァーチャルな3D立方体を見ることができた、VR(仮想)
というよりAR(拡張)に近かったが、両方のテクノロジーにインスピレーション
を与えた。
サザランドと同僚のデイヴィッド・エヴァンスは、のちに民間企業に協力しフラ
イトシミュレーター開発に携わり、米国空軍と米航空宇宙局(NASA)もヘッドマ
ウントディスプレイの研究に積極的で、パイロットと宇宙飛行士が周囲360度の
空間の映像を見ることができる大きくて重いヘルメットを開発したのだった。ヘ
ルメットをかぶると、パイロットはデジタル化された機体周囲の世界を見ること
ができ、ディスプレイ上に3D化された機器が表示される。首を振る動きに合わせ
ディスプレイ上で彼らが「見ている」世界も動いたのだった。
以上は、「VRは生活を変えるのか。それとも“期待外れ”なのか?:WIRED GUIDE
ヴァーチャル・リアリティ編」(WIRED.jp, 2019.06.13)から引用したが、久し
ぶりに(10年ぶりになるだろうか)、故浜野保樹著からなる『マルチメディア・
マインド』から啓発され「デジタル革命」の考察に入りまとめあげた自著「個人
史としてのデジタル革命」の続編とし考えてた。そして、唯物論/唯識論はさて
おき、カール・マルクスの『経哲草稿』の考えを外延し、「自然の模倣」→人類
を「人類の模倣」→「脳」(→唯脳論・・・・・・・?)つまり、ここで。オープンシス
テムが閉ざされた世界が誕生する、つまり、それは人類にとって"未体験リスク"
を抱えるだろう。と考えた。
※e-スポーツが流行っているが、のめり込めば離れなくなることは容易にわか
るが、依存症に陥ることもわかるが、一旦脳に蓄積された強烈な刺激が支配され
脳が人格を、認識形成をも崩壊するダークサイドへの予防の困難さも何となくわ
かる。これが老婆心であることを祈るのみである。
7月25日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と株式会社IHIで開
発を進めている水中浮遊式海流発電システムの100kW級実証機「かいりゅう」が、
1年以上の長期実証試験の実施に向け、8月初旬にIHI横浜事業所(神奈川県横
浜市)から鹿児島県十島村口之島沖の実証海域に向け出港したことが公表された。
今回の実証試験に備えて両者は、2017年度の短期実証試験の結果を踏まえ、海流
の乱れ防止のための整流板の増設など「かいりゅう」の改良を施したほか、2018
年度から実証海域での海流の計測、系統接続のための調査・検討や地元との調整
などを実施してきました。今後の実証試験では、8月中旬に口之島沖での設置工
事を開始し、試運転などを行った上で、今秋からの運転開始を目指す。
開発しているのは一方向に流れ続ける水流を利用する海流発電装置。定格出力10
0kW(キロワット)、直径11メートルのタービンを2基備えており、海底に設置
するシンカー(おもり)と特殊なロープで接続し、水中に浮遊させるように設置
する。海面から30~50メートルの深度に設置し、海流を利用して発電した電力は
発電した電力は海底送電ケーブルを通して、陸上の受電設備に送電する仕組み。
発電装置全体の幅・全長はそれぞれ20メートル。海流速度が一定以上になった場
合、タービンの角度を調整して回転数を落として発電機を守る仕組みになってい
る。左右2基の水中タービン水車はたがいに逆方向に回転する。これにより回転
トルクを相殺し、海中で安定した姿勢を保持することで発電効率を高めるという。
浮力を調整する機能も備えており、メンテナンスを行う際には海面に浮上する。
AIを用いた超音波検査における影の自動検出
ラベルなしデータ学習で胎児心臓スクリーニング技術に進展
7月26日、理化学研究所(理研)の研究グループは、超音波検査に人工知能
(AI)技術を適用する上で、大きな課題の一つである「影」の検出に関して、効
率的な新技術を開発したと公表。この研究成果により、超音波画像に映り込んだ
影が異常検知に与える影響を自動的に評価できるようになり、胎児心臓超音波ス
クリーニング技術の臨床応用に向けた研究がさらに前進する。超音波検査では、
超音波ビームが骨などの構造物に反射し、それより遠い場所の画像情報を取得で
きないために、その箇所が影として映ることがよくあります。これは「音響陰影」
と呼ばれ、画像の質を劣化させるだけでなく、検査そのものの精度を著しく低下
させる最大の原因となっていた。今回、共同研究グループは、機械学習]の一つ
である深層学習(ディープラーニング)によるラベルなしデータ]での学習によ
り、影を自動検出する新手法を開発し、従来手法に比べて高精度に影を検出でき
ることを確認。また、この手法は、ラベルなしデータで学習することから、技術
を実装する労力が大幅に削減されるというメリットがある。
本研究は、医用画像へのディープラーニング技術適用に関する国際学会であるMIDL
2019(the 2nd International Conference on Medical Imaging with Deep Lear-
ning)で発表(7月10日付け:日本時間7月10日)。
先天性心疾患とは、生まれつき心房、心室、弁や、血管のつながり方などに何ら
かの異常が認められる病気です。先天性心疾患の発症頻度は全出生児の約1%と、
全ての先天性疾患のうち最も高く、新生児死亡の約20%は重症先天性心疾患によ
る。近年、小児循環器内科や小児心臓血管外科の治療技術の進歩により、先天性
心疾患の新生児に治療を施した際の予後が著しく改善。さらに、胎児期に診断さ
れ出生直後から1週間以内に治療を行った場合は、出生後に診断され手術などの
治療を行った場合に比べて、治療成績(治療の結果、症状が改善・回復したかど
うかを表すもの)は良好。このため、早期診断によって、産婦人科・小児循環器
内科・小児心臓血管外科の協力のもと、出生前より綿密な治療計画を立てること
が必要となる。
胎児の心臓は小さく、構造が複雑で動きも速いため、超音波検査での観察には高
度な技術が必要です。検査の技術は経験などに依存するため、検査者間で大きく
差があるのが現状。また、昨今の日本における産婦人科医の減少・都市部への偏
在による人材不足も相まって、地域間で受けられる医療レベルにも格差が生じて
いる。近年、急速に進歩しているディープラーニング(深層学習)に代表される
機械学習技術が注目されている。機械学習に必要な正常データと異常データを十
分に(それぞれ10万以上)集めることができれば、人工知能(AI)技術により人
間の能力を大幅に超える認識精度が実現可能で、一部の疾患ではすでに実用化さ
れる。しかし、胎児の先天性心疾患は発症頻度が低く、異常データを十分に集め
ることが困難なため、正常データのみに基づいて正常からの逸脱を検知する「
異常検知技術]」を適用する方法が考えられる。ところが、胎児超音波画像には
ノイズ(陰影)が入りやすく不完全なデータとなり、異常と判定されがちとなる。
高い精度を出には、多様なパターンの陰影が入った正常データがさらに大量に必
要。そこで、共同研究グループは、少量のデータや不完全なデータからでも的確
な予測が可能な「ロバストな機械学習技術]」を検討する。
研究手法と成果
正常胎児の心臓の構造には個体差が少なく、心臓の同じ位置に同じ弁や血管など
の部位が存在する。超音波専門医など胎児心臓超音波診断エキスパートは、重篤
な症例ごとに、どの部位がどの位置に映るか、あるいは映らないかを熟知し、超
音波動画像からその兆候を発見。同研究グループはこの点に着目し、超音波画像
中に映る複数の物体の位置・分類を高い性能で判別できるAI技術「物体検知技術」
を胎児の心臓の異常検知に活用できると考えた。まず、「物体検知技術」の学習
には、正常データに対してアノテーション(意義づけ)を行った教師データを利
用します。このアノテーションでは、正常データの画像中に映る部位に対して、
名前や位置を注釈として付与する。次にアノテーション済み正常データで学習し
た物体検知技術を用いて、検査対象の超音波画像から心臓の部位を検知する。物
体検知技術は検査画像中からも人に近い精度で特定の部位を検知できる。したが
って、物体検知によって得られた部位の検知状況と正常な心臓の部位の位置と
を比較することで、多少の陰影が入り込んだ不完全な検査画像であってもロバス
トな異常検知が実現される。具体的には、以下の手順で異常を検知する(図1、
特許出願中)。
1.検査中、超音波プローブが当てられている位置を推定し、検査画像に“映っ
ているべき”心房、心室などの心臓の部位を提示する。
2.心臓の各部位について、アノテーション済み教師データを用いて学習を行っ
た物体検知技術で、検査画像に“実際に映っていた”心臓の部位を検知する。
3.1で提示された検査画像に“映っているべき”部位と、2.で検知された
“実際に映っていた”部位を比較し、相違がある場合には異常と判定する。
図2 今回開発した、胎児心臓超音波スクリーニング異常検知システム
この手順を利用した「胎児心臓超音波スクリーニングシステム」の開発に取り組
んだ。まず、教師データとして、これまで昭和大学病院産婦人科での通常の妊婦
健診において超音波専門医らエキスパートによって取得された、診断精度の高い
正常胎児心臓の超音波検査画像2,000枚を収集。次に、「胎児心臓超音波スクリー
ニングで用いられる代表的な心臓水平断面[6]」を含むこれらの教師データ画像に
映っている胎児の心臓および周辺臓器の各部位を分類し、各部位に対してアノテ
ーションを行いました。そして、これらの教師データを用いて、物体検知技術の
学習を行いました。
さらに、その技術を用いて、超音波検査の動画上に映るべき胎児心臓と周辺臓器
の各部位が実際に映っているかを「確信度(AI自身が予測に対して、どの程度確
信を持っているかを示す値)」として高速で算出し、検査画面上にリアルタイム
で表示する胎児心臓超音波スクリーニングシステムを構築しました(上図2、特
許出願中)また、各部位について確信度の累積・時間経過をレポートし、各部位
の確信度を一覧表示する検査結果表示システムも開発しました(図3、特許出願中)。
超音波検査において走査断面動画の確認には、静止画とは異なり再生時間を要す
るため、一覧性が悪いことが問題となっていた。しかし、本手法を用いることで
一度に動画全体における各部位の検知具合を確認することが可能になり、確認に
必要な時間を大幅に削減できました。また、物体検知技術を用いて各部位を検知
しており、検査者間の技術格差によらず検査結果が一定となる。さらに、どの部
位が異常判定に影響したのかを一覧表示で把握・説明でき、考えうる先天性心疾
患を推定でき、検査者が超音波専門医や小児循環器内科医、小児心臓血管外科医
に相談する際にも有用となる。
ミサイル防衛(Missile Defense, MD)または弾道ミサイル防衛(Ballistic
Missile Defense, BMD)は、主に弾道ミサイルからある特定の区域を防衛す
ること及びその構想である。敵のミサイルを迎撃するミサイル防衛は時代と
共にその名称が変遷して国家の安全保障にとって重要になってきているとい
う。「ロシアが誇る「無敵」核兵器をアメリカは撃ち落とせない」(ニュー
ズウィーク日本版 オフィシャルサイト 2018年3月7日)によると、ロシアが
開発中の大陸間弾道ミサイルRS-28(サルマト(サーマットもしくは、北大西
洋条約機構(NATO)ではSatan2(サタン2)というコードネームを用いている)。
2016年、イタルタス通信が開発中のミサイルの存在を明らかにし、射程距離
は11,000km超、弾頭重量は100tに達する報じられた。注目されるようになっ
たのは2018年3月1日、ウラジーミル・プーチン大統領の年次教書演説で取り
上げたことによる。2018年3月30日、ロシア国防省は、プレセツク宇宙基地
で行われたRS-28の2回目となる発射実験の映像を公開している。
2019年1月28日、ロシア国防省系の軍事メディア「週刊ズベズダ」に、ロシ
アの新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS-28サルマト」について「10発で
米国の全国民を殺害する威力がある」との試算結果を掲載。10~16の核弾頭
を搭載可能で射程距離は1万1000キロ以上、ミサイル防衛(MD)の迎撃を受
けないようにマッハ20という極超音速で飛行し途中で分裂、弾道を降らせる。
米国を攻撃する場合、北極経由ルートのほか、南極を経由しMDの手薄な南方
からも攻撃が可能とされる。しかし、こうした兵器は実験を行うことさえ非
常に危険で計画は放棄されたとも報じられている。米国のミサイル防衛シス
テムは、高高度からのICBMによる攻撃を想定し設計されており、ロシアの新
しい巡航ミサイルは、防衛網をかいくぐる可能性があり脅威となる。高速爆
撃機に搭載されるこのミサイルは、音速の10倍のスピードで飛行し、飛行中
の爆撃機からも発射が可能で、既存のものだけなく将来的に登場するあらゆ
るミサイル防衛システムを回避し、核兵器あるいは通常兵器によって約2000
キロ圏内にある標的を破壊することが可能。また、巨大核魚雷カニヨンは、
18年2月に米国防総省が概要を明らかにした核戦略見直し(NPR)では「世
界を破滅させる兵器」と名指し。2015年のBBCニュースの報道によると、こ
の兵器は100メガトン級の核爆弾を搭載可能で、水中では最深1000mの軌道を
経由し、射程距離は1万kmに達するという。カニヨンの100メガトンという
威力は、これまで実際に製造された中で最も強力な核兵器である「ツァーリ・
ボンバ」(「爆弾の皇帝」の意)の2倍に相当。旧ソ連が開発し、1961年に
大気圏内実験を行った水爆「ツァーリ・ボンバ」は、約50メガトンの威力と
いう。核兵器と同様で使えず、その核兵器禍は人類の滅亡を意味することは、
ブログ掲載してきたことだが、またぞろ「日本列島核武装論」がら発言され
る昨今に刺激され、日本の「墨子」よろしく、それじゃ、ここは一丁、コン
パクトでスマートな「最新専守型万能迎撃ミサイルシステム」を構想(妄想)
してみるかと、概案の概案を思いつく。今夜は"さわり"だけを掲載し、適時・
適宜掲載していくことに。