6.雍 也 ようや
ことば--------------------------------------------------------------
力足らざる者は、中道にして廃す。いまなんじは画(かぎ)れり」(12)
「質、文に勝てば野。文、質に勝てば史。文質彬彬(びんびん)として然る
後に君子」(18)
「人の生くるや直し。これなくして生くるは、幸いにして免るるなり(19)
「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しむ者
にしかず」(20)
「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」(23)
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17 部屋を出るときに戸口を通らない者はいない。それなのに、人間とし
て通るべきこの道を、だれも通らないのはなぜだろう。(孔子)
子曰、誰能出不由戸者、何莫由斯道也。
Confucius said, "People must pass through a door when they go out.
Why don't they go along the Way when they live?"
【ポストエネルギー革命序論33】
超解像顕微鏡を用いて見た生きている脳細胞におけるシグナル伝達蛋白質
Fynの移動および形成クラスタ
超解像顕微鏡法で認知症とタンパク質の機能不全と関係を解明
7月31日、クイーンズランド大学の研究グループは、超解像顕微鏡を使い、
生きている脳細胞の内部で働く重要な分子を観察し、記憶形成のと痴呆の原
因を解明したことを公表。それによると、アルツハイマー病に関与するタン
パク質Tauが記憶形成上で重要な役割を果たすシグナル伝達タンパク質Fyn組
織に影響することを発見。アルツハイマー病の特徴の1つは、脳細胞内に形
成されるタンパク質Tauのもつれ。Fynの群ナノ体形成がTauの影響を受ける
ことを初めて解明。生きた脳細胞の単一分子画像は、小さな群ナノ体の重要
なタンパク質組織の解明を可能にする。Tau細胞間の神宝交換が生じる樹状
突起のFynナノ体形成を制御することを示す。Tauの変移によりFynは異常な
ほどの大きな群体を形成、神経信号を変化させ、神経細胞間のシナプス接合
部の機能不全に寄与。
同研究グループは、Tauとその突然変異体がいかにFyn群ナノ体形成を制御す
するか知るため、超解像単一分子画像技術を利用。次に、前頭側頭型認知症
の発症すスクが非常に高いファミリーで見つけたTauの別の変異体を調べ、
Fynが樹状突起(棘)状の上に密集うることを発見。シグナル伝達分子のFyn
が生涯を通して密集すれば、過剰シグナル伝達の問題が発生するであろうこ
とは想像にか難くない。樹状突起(棘)は、神経細胞がどのようにして互い
に交信しあうのか、また記憶と学習を下支えするのかの説明に欠かせない。
正確にアルツハイマー病や他の形態の認知症を引き起こす原因はまだ謎だが、
Fynは脳細胞の間に形成されるアミロイドタンパク質のプラーク(斑)と脳
細胞の内部に形成されるTauタンパク質のもつれの両方に関連している。超
解像単一分子家蔵は、これらの複雑で衰弱させる疾患の背後にある生物学の
理解に、神経細胞で何が起こっているのかについて前例のない洞察を与えた。
【補項1:要約】
いる。ニューロン樹状突起へのそのターゲティングは、未知のメカニズムを
介してタウによって調節されている。ナノクラスター形成は効率的なシグナ
ル伝達に不可欠であるので、マウス海馬ニューロンにおけるFynのナノスケー
ル分布を特徴付けるために単一分子追跡を使用し、それがFynナノスケール組
織を制御するかどうかを試験するためにTauの発現を操作した。樹状突起Fyn
が少なくとも3つの異なる運動状態を示し、そのうちの2つがナノドメインと
会合していることを見出した。 Fynの可動性は、ニューロンの成熟中に樹状
突起で減少し、動的シナプス再編成を示唆している。タウを除去することは
樹状突起シャフトにおけるFyn移動度を増加させ、これは野生型タウを再発現
することによって救済される効果である。対照的に、前頭側頭型認知症P301L
変異体Tauの発現は樹状突起棘においてFynを固定化し、その運動状態分布お
よびナノクラスター形成に影響を与える。したがって、タウは樹状突起にお
けるFynのナノスケールの組織化を制御し、病理学的なTau P301L変異は脊椎
における異常なFynナノクラスター形成を促進することによってシナプス機能
障害に潜在的に寄与している。
図1 PALM/STORM の原理。(a)1 蛍光分子からの蛍光輝度分布は計算で近似
できるので、分子 の位置を特定できる。(b)光活性化型蛍光分子が集合し、
重なり合っていても、そのうち少数だけ をランダムに活性化させると、個々
の蛍光分子の蛍光を別々に観察できる。(c)b のような画像を 用いて個々
の蛍光分子の位置を決定し、多数のフレームを積算すると、高分解能の画像
が得られる。
【補項2】高感度・高分解能の顕微鏡技術の構築
超解像顕微鏡法の出現は、ナノスケールの組織化および受容体の動的挙動の
研究(Nairら、2013年; Hozeら、2012年)、ならびにそれらのシグナル伝
達に関する研究(Luら、その他)への道を開いた。、2014年)、トラフィッ
キング(joensuuら、2016年)および足場分子(Chmmaら、2016年)。ここで
は、単一粒子追跡光活性化局在顕微鏡(sptPALM)を使用して、Tauが体性樹
状突起区画内のFynの構成を制御するかどうかを判断。樹状突起Fynが複数の
移動状態に支えられたナノクラスター組織を示すこと、そしてFyn移動度が
ニューロンの成熟を伴う樹状突起において有意に減少することを見出す。タ
ウノックアウト(Tau KO)マウスからのニューロンでは、Fynの移動度が樹
状幹で増加したが、これは野生型(WT)Tauの再発現によって救済された。
さらに重要なことに、家族性FTDに見られるが、微小管結合ドメインを欠く
短縮型のTau(ΔTau)には見られない病理学的P301L変異体Tauは、樹状突起
棘におけるFynの捕捉を促進した。したがって、この研究は体性樹状突起コ
ンパートメントにおけるFynとTauの間の複雑な相互作用を明らかにし、疾患
におけるシナプス機能障害を引き起こす際の変化したFynナノクラスター形
成の新たな役割を指摘する。
独自のAIを活用した高精度な太陽光発電量予測技術
7月17日、東芝は、独自のAIを活用した高精度な太陽光発電予測技術を開
したことを公表。この技術では当社独自の気象予測システムから得られる様
々なデータを活用するとともに、太陽光発電設備の性能や設置条件が不明な
場合でも過去の同設備の発電実績をもとにAIで性能や設置条件を推定し、発
電量を高精度に予測。この技術適用前と比較し、予測誤差が約9.8%改善
した。また、この技術を活用し参加した東京電力ホールディングス株式会社
と北海道電力株式会社が共同開催した「太陽光発電量予測技術コンテスト
『PV in HOKKAIDO』」において、応募約70団体の中で、予測精度と実用性
の面で高評価されグランプリを受賞。今後、電力事業者の需給運用を支える
サービスへ適用を目指す。
従来の一般的な太陽光発電量予測技術は、太陽光発電の設置場所の気象予測
値を参照し、太陽光発電設備の工学モデルを組み合わせて発電量を予測する
か、気象条件が近い過去の実績値を用いて予測する手法が用いられているが、
これまで、気象予測とAIを融合した高精度な電力需要量予測技術に取り組ん
でおり、今回開発した太陽光発電量予測技術は、独自に運用する数値気象予
報モデルを用いた予測システムから得られた発電量に関係するデータ(日照
強度、気温、風速、降雪、太陽光の反射率など)を活用することで説明性の
高い予測モデルが構築できることを特徴とする。特に、発電量への寄与が高
い日照強度には、予測値からAIへ実測値をフィードバックすることで、予測
誤差の傾向を学習し、予測精度を高め、太陽光発電設備の性能や設置条件が
不明な場合でも、工学モデルとスパースモデリングやアンサンブル学習など
の機械学習を融合して、過去の実績データから太陽光発電設備の特長や設置
条件を推定するAIを開発し、発電量の予測誤差を改善できた。
【失われし技術:麗しきケーブルレーシング】
8月5日、GIGAZINEの「NASAも採用する結束バンドよりも丈夫で長持ちする
ケーブルの結束技法『ケーブルレーシング』」によると、ケーブルレーシン
グの耐久性以外の利点とは、「邪魔にならない」という特徴をもつ。「ケー
ブルレーシング」とは複数のケーブルを糸で束ねる手法で、使用者は減って
いるが、結束バンドではケーブルをまとめたときに、結束バンド自体が物理
的に邪魔になってしまいます。一方、ケーブルレーシングはケーブルに沿う
ように糸で束ねるので、ほとんど邪魔にならず、1本の糸でどんな太さのケ
ーブルでもまとめることが可能で、結束バンドのように複数のサイズを用意
する必要はないというメリットがある。
そこで、そのやり方の紹介が上のように掲載されている。また、ケーブルレ
ーシングに使用する糸はワックスを塗ったリネン糸が一般的に使用されてい
るが、ナイロン・ポリエステル・テフロン・グラスファイバーなどの糸でも
代用でき、これらのケーブルレーシングはNASAで採用されている。
カプセル状多孔性配位高分子─レアメタルフリー電極触媒の開発
8月1日、産業技術総合研究所の研究グループは、 穴の開いたカプセル状の
多孔性配位高分子(Metal-organic framework, MOF)と、安価な鉄とニッケ
ルを固定しカーボンナノチューブで連結したカプセル状金属高分散炭素触媒
を開発したことを公表。これまで物質移動を容易にする目的で、中空かつ出
入口を有する構造のMOFが求められてきた。 今回、母体となるMOFを合成し、
新たな有機分子とともに再加熱して、穴の開いたカプセル状のMOF(オープン
カプセルMOF)を初めて合成。このオープンカプセルMOFと新たな炭素源を特
殊な条件下で焼成し、その過程で形成されるカーボンナノチューブ(CNT)に
よって連結されたカプセル状金属高分散炭素触媒を合成。このCNTで連結され
たカプセル状金属高分散炭素触媒は電極触媒として貴金属触媒に匹敵する高
性能を示すことが分かった。この触媒は水電解や亜鉛-空気電池の電極に利用
でき、水素エネルギー社会や次世代電池に貢献できる。
※これは面白い技術ですね(「新鎌金術時代論」)。
● 今夜の一枚
軽井沢千住博美術館
思わぬ用事で、徒歩で、自転車で、車で、移動する回数が増えるのは、面倒
なものだが、そこに加え猛暑。帰宅したときは、彼女が差し出す水も飲めず
シャワーも浴びず、火照る顔を水で冷やし、冷房に晒し、眼底の痛みに鎮痛
剤を服用すること1時間余り、シャワーを浴びる。