6.雍 也 ようや
ことば--------------------------------------------------------------
力足らざる者は、中道にして廃す。いまなんじは画(かぎ)れり」(12)
「質、文に勝てば野。文、質に勝てば史。文質彬彬(びんびん)として然る
後に君子」(18)
「人の生くるや直し。これなくして生くるは、幸いにして免るるなり(19)
「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しrむ 者
にしかず」(20)
「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」(23)
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16 現代は、祝鮀に匹敵する弁舌の才と、宋朝に匹敵する美貌と、両方持
っていないと無事に生きのびられないようだ。(孔子)
〈祝蛇〉衛の大夫。祝は職名で祭官。十四120で、孔子は鮀が衛の政治に
寄与した功績を認めている。
〈宋朝〉宋の公子。美貌で名高い。衛霊公の夫人南子)が結婚前から通じて
いた。
★本章の解釈もさまざまだが、訳は新注によった。
子曰、不有祝鮀之佞、而有宋朝之美、難乎、免於今之世矣。
Confucius said, "If you were charming like Song Chao and didn't have
eloquence like Zhu Tuo, you couldn't escape a disaster."
従来よりも10倍厚い有機EL
電気エネルギーを光に効率良く変換する有機ELに大きな注目が集まり、デ
ィスプレイや照明などとして既に商用段階にある。有機分子は高い発光量子
収率を示す優れた発光体だが、導電率が小さく、有機ELには100ナノメ
ートル程度(髪の毛の太さの約1/800)の薄い有機膜を用いて、電気を
強制的に流す必要があった。このような極めて薄い有機膜は大面積で均一
に形成させることが難しいという問題があった。
7月30日、九州大学の松島敏則准教授らのグループは有機発光層を金属ハ
ライドペロブスカイト層で挟んだ有機ELを開発し、ペロブスカイトの電気
を流しやすい性質と簡単に薄膜化できるという性質を利用して、有機EL中
のペロブスカイトの総膜厚を2,000ナノメートルに増加させ、従来の有
機ELよりも10倍以上厚いにもかかわらず、優れた発光効率、駆動電圧、
耐久性が得られることを見いだしたことを公表。この研究成果の活用で有機
EL製品を安価に再現性良く作製でき、産業分野に大きなインパクトを与え
レーザー、メモリー、センサなどの他の有機デバイスに応用できる。
関連特許
特開2016-051693 有機半導体素子の製造方法および有機半導体素子
地球温暖化を招くメタンガスの排出を人工衛星から監視
天然ガスの主成分であるメタンガスは、二酸化炭素の80倍以上の温室効果
を持つ。メタンガスは化石燃料の生産や消費だけではなく、埋め立て地や大
規模牧場で飼育される牛のげっぷからも発生するが、そんなメタンガスの排
出量を人工衛星からモニタリングするというサービスを提供する民間企業が
誕生していると、科学系メディアのScientific Americanが報じている。
(Private Space Race Target Greenhouse Gas Emitter、Scientific Ameri
can)。企業や規制当局はメタンガス排出量を正確に把握する必要があるが、
地上に設置されたセンサでは監視に限界があり実用的ではない。そこで、人
工衛星からメタンガス排出量を監視するアイデアが提唱された。衛星からの
メタンガス排出量の監視が注目されはじめたのは2016年頃からで、カナダの
モントリオールに拠点を置くスタートアップ GHGSatが2016年に打ち上げた
概念実証用の人工衛星「Claire」は、地球上のメタンガス排出量を高い精度
で監視することに成功。1日に地球をおよそ15周するClaireは、石油・天
然、ガスの精製施設や発電所、炭鉱、埋め立て地、牧場などさまざまな場所
でモニタリングを行い、2019年4月の時点で4000点以上の観察データを取得。
Claire衛星によるメタンガス排出量モニタリングを実現したこで、複数の非
営利環境保護団体が、メタンガス排出量のモニタリング人工衛星 「Methane
SAT」打ち上げ事業への協賛を訴えかている。そこで、2021年 予定の打ち上
げと観測の成功により、世界の主要な石油・天然ガスの生産地の最大80%
までをモニタリングが可能となる。企業と政府の規制当局は、こうした民間
による衛星モニタリングの試みに関心を持つサンフランシスコに拠点を置く
Planet Labsはカリフォルニア州政府と協力、石油・天然ガス施設、 埋め立
て地、牧場の牛から発生するメタンガスを特定するメタンガスモニタリング
プロジェクトに取り組んでいる。
また、同じくサンフランシスコの企業である Bluefieldは、人工衛星はまだ
打ち上げていないにも関わらず、すでにいくつかの石油会社や天然ガス会社
の施設が排出するメタンガスを測定する契約を交わた。なお、Bluefield は
2020年に人工衛星を打ち上げる予定でが、EUのSCARBO(Space Carbon Obse-
rvatory:宇宙炭素観測所)のLaure Brooker Lizon-Tati担当は、GHGSat や
Bluefield のような企業が実際にメタンガス排出量のモニタリングビジネス
を軌道に乗せられるかどうか明確でないと話している。2019年時点では衛星
からの測定値と地上センサでの測定値を比較しメタンガス排出をモニタリン
グしているが、民間企業が開発中のセンサーがメタンガス排出量の測定に必
要な精度レベルを満たしているかは難しいとも話す。
しかし、衛星によるメタンガス排出量のモニタリングが進歩すると、企業が
工場やパイプラインからのメタン漏れを迅速に発見したり、排出量の増加に
対応したりできる。また、超高度からの衛星データによってメタンの排出が
見える化されるメリットがある。
減速:人口増に伴うエネルギー需要により、排出量削減は困難になった。
米中貿易戦争の危険にさらされてる世界のエネルギー転換
米国と中国で経済ナショナリズムが高まっていることがニュースの見出しを支配
し、世界経済全体に波を上げています。それがエネルギー転換にもたらす脅威は
それほど高く評価されていない。
7月22日、Wood Mackenzie Power&Renewables社によると、の暗い見通しだが、
米中の貿易戦争が深まるにつれ、地球温暖化防止気温目標の2℃の達成は遠のき
つつある。コンサルタント会社の最新のエネルギー移行見通し(ETO;Wood Ma-
ckenzie’s 2019 Energy Transition Outlook)は、3℃の地球温暖化をもたら
すとの調査結果をまとめた。今後20年間で、特に電力部門で、急速かつ変革的
変化が世界のエネルギーシステムに生じるという。しかし、20億もの人々が信
頼できる電気利用を欠き、人口増によるエネルギー需要は少なくとも40年まで
増え続け、30年代は、地球規模の排出量が横ばいとなる。ETOは、電気自動車
市場の成長にもかかわらず、2036年に石油需要がピークとなるいう以前の予測を
裏付ける。
Emissions by key segment
課税戦争
エネルギー転換のために、貿易戦争からのリスクはいくつかの面で生じる。第一
に、世界経済の成長への悪影響があり、その結果、政治的指導者が積極的な脱炭
素化の課題推進がより困難となる。急成長する株式市場にもかかわらず、米国連
邦準備制度理事会は今週、大不況以来初めて金利を引き下げた。中国の経済成長
は数十年ぶりの最低水準まで減速、両国は長引く貿易戦争で底を降下つづける。
中国の最大の優先事項は、継続的な経済成長と安定であり、貿易戦争が続き、そ
れが経済成長の足を引っ張るようでは、当事者らの意思決定に影響を与えるであ
ろう。一方、外交政策に対するトランプ政権の「アメリカ第一」のアプローチは
保護主義の台頭は、低炭素政策の選択肢をより困難なものにする。
特に、再生可能エネルギー的側面では、米国はほとんどの種類の輸入ソーラーモ
ジュールに関税を課しており、風力発電市場が歴史的な好況期になると予想され
る時期に差し掛かると同時に、新たな風力発電事業への関税が経済性を損なうで
あろう。2019年末までに、WoodMac社によると、米国の全体的な関税率が4パー
セント近くになると予想、それは1980年代半ば以来見られなかった。一方、中国
は、電力消費量の多い東部地域需要を満たすために、米国の液化天然ガス輸出を
低炭素ベースで購入することに関心を失っている。中国は世界最大の炭化水素生
産国のひとつですであり、世界最大の石炭供給国で、その供給選択肢───石炭
への転換、他の市場との二国間貿易の減少や経済成長の鈍化の代償に───を持
つ。中国の石炭増産はあり得ないだろうが、石炭からガスへの転換を遅らせるこ
とがより現実的なものになるかもしれない。
脱炭素化に対する保護主義の影響は、エネルギー産業をはるかに超えて反響する。
競争が激しく、脱炭素化が本質的に困難な多くの国で「基幹産業」を擁する鉄鋼
生産を例に挙げれば、鉄鋼は世界の排出量の9パーセントを占める。経済的見返
えりが得られない場合、率先して「環境配慮製鉄」を行うだろうか。百ページに
わたるETOは、再生可能エネルギーや化石燃料から自動車や鉱山まで 幅広い産業
や商品に深く掘り下げ調査。WoodMac社予測の中で:~2040年までに、風力と
太陽光が世界の電力供給量の4分の1を占めるようになり、現在の7%から増加
し、多くの先進国でそのシェアは50%近くになるだろう。世界は今後20年間
で3,000ギガワットの風力と太陽光を追加し、これは新しいガス火力発電の5倍
になるだろう。
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①太陽エネルギーは、今後数十年の間に世界で最も急成長する発電技術であり、
市場は急速に新興国に波及する。同社は、実用化規模の太陽光発電は、平準化コ
ストベースで23年までに、ほぼどこでもガス火力発電よりも安くなる予測。
②オフグリッドの家庭用太陽エネルギーシステムの販売は、17年から22年の
間に年平均80%の成長率を記録し、サハラ以南のアフリカのような場所では何
億人もの人々にゼロカーボン電力をもたらす。
③米国の洋上風力発電のような主要市場で補助金が減少する中、10年半ばの減
速にもかかわらず、世界の風力発電市場は18年の44ギガワットから28年には
63ギガワットに成長。
④設置済みのエネルギー貯蔵容量は、現在の4ギガワットから40年までに600
ギガワットまで増加する。
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この報告書は、また、地球温暖化を2℃に抑えること難しい理由を強調する。脱
炭素化は、航空、海運、住宅、農業などの脱炭素化はほとんど進歩していない状
態で、電力部門の外で緩慢に進んれいる。
世界の電力生産量に対する石炭のシェアは14年に41%にピークを迎えました
が、インドのような場所での需要が持続する中、40年にはまだ25%に留まる
と予測。以上、まとめると、2040年には石炭、ガス、石油が世界の一次エネ
ルギー供給の85%を占め、現在の90%からわずかに減少。今年後半には、代
替エネルギーの見通しを「炭素に制約のある」将来に向けて更新し、地球温暖化
を摂氏2.5℃に抑えることの意味を検討する。
エネルギー転換の稼ぎは十分か?
エネルギー転換を加速させるもう1つの要因は、世界で最も洗練された炭化水素
企業の低炭素技術の採用であるが、ヨーロッパの少数の企業を除き、それが有効
である証拠はほとんどない。 ETOは明らかな問題を掘り下げ、再生可能エネルギ
ーで稼ぐためのお金は、現在のところ石油やガスほど多くない状況にあると指摘。
同社が追跡したさまざまな種類のエネルギー事業の投資収益率の差は驚くべきも
ので─-ソーラープロジェクトの場合の約5%<から北米の陸上石油の場合の30
%以上までにわたる。風力発電と大規模太陽光発電の建設と運営は石油事業とは
まったく異なるり、一部の投資家が石油およびガス会社に低炭素の事業戦略につ
いて尋ねているという意味で、市場はそれらを互いに強要するようなもの。しか
し、これらの企業に対する中核的責務は株主に対するもので、これは大きな問題
である。そして、彼らは堅牢で健康的な収益を望んでおり、既存の石油とガス資
本を源泉としていると指摘し結ぶ(出典:Global Energy Transition at Risk
From US-China Trade War、Greentech Media、Aug.2, 2019)。
7月31日、豊橋技術科学大学の研究グループはエアロゾルデポジション法で作
製したリチウムイオン電池用のバインダーレスリン化スズ(Sn4P3)/カーボン
(C)複合膜電極の作製に成功したことを公表。 Sn4P3/C 粒子は、結合剤を塗布
することなく、衝撃圧密により金属基板上に直接固化。これにより充電および放
電サイクル安定性が、複合炭素およびリチウム抽出のための制御された電位窓の
双方改善。これにより、高容量で高度なリチウムイオン電池の実現に役立つ可能
性がある。より高いエネルギー密度を有する高度なLiイオン電池を実現するた
めには、より高い容量を有するアノード材料が必要とされる。理論容量がグラフ
ァイトの理論容量よりはるかに大きい(理論重量容量= 372mAh/g)Li −
SiおよびLi−SnのようないくつかのLi合金が広く研究されてきたが、それら
は一般にサイクル安定性に乏しい。充放電反応中の体積の大きな変動。 Liイオ
ン電池用の高容量合金系アノード材料として一般的に使用される層状構造を有す
るリン化スズ(Sn4P3)(理論重量容量=1255mAh/g)は、Li/Liに対
し平均0.5Vの動作電位を有する。Li+。報告は、ナノ構造のSn4P3粒子と
の炭素材料の複合化がサイクル安定性を著しく高めることを示している。一般に、
電池に使用される電極は、電極活物質、導電性炭素添加剤、およびバインダーを
含むスラリーを金属箔上に コーティングすることにより>製造される。炭素錯体
化 SnP3Sn4P3/C)アノードでは、電極中の活物質の重量分率は、大量の導
電性添加剤およびバインダーの使用により約60〜70%減少する。安定したサ
イクリングを実現する。その結果、電極重量当たりの重量比容量(導電性カーボ
ン添加剤およびバインダーのものを含む)が著しく減少する。
エアロゾルデポジション法(AD)により、リチウムイオン電池アノード用のバイ
ンダーレスSn4P3 / C 複合膜電極の製造に成功した。このプロセスでは、Sn4P3
粒子は単純なボールミル粉砕法を用いてアセチレンブラックと錯体を形成する。
次いで、得られた Sn4P3 /C 粒子を、他の導電性添加剤または結合剤を添加する
ことなく、衝撃圧密により金属基材上に直接固化させる。この方法は、①複合材
料中のSn4P3割合を80%以上に高めることを可能にする。さらに、②複合電極
の構造変化が減少し、サイクル安定性が、複合炭素およびリチウム抽出反応のた
めの制御された電位窓双方について改善される。ADプロセスにより製造された
Sn4P3/C 複合膜は、100、200、および400サイクルでそれぞれ約730
mAh・g、500mAh・g、および400mAh・gの重量容量を維持する。
成膜条件の最適化は難しいが、AD法で作製したSn4P3/C複合膜電極のサイクル安
定性向上に関する有用な情報が得られた。また、錯体炭素は、Sn4P3が大きな体
積変動により引き起こされる電極崩壊を抑制する緩衝剤としてだけでなく、複合
体中の霧化された活物質粒子間の電子伝導経路としても機能する。このプロセス
は、電極重量あたりの容量値の増加手段として。ADプロセスによる複合薄膜の製
造に使用するSn4P3/C 中の炭素サイズと含有量の電気化学的性能改善の余地があ
る。現在、複合炭素含有量を最適化し、複合膜の厚さを増やすこと検討してお
りこの研究の成果はは、高容量の先進的なリチウムイオン電池の実現に貢献でき
るかもしれない。さらに、Liだけでなく、Naも同様の合金化および脱合金化反
応によってSn4P3に吸蔵および抽出することができ、Sn4P3電極は、大幅な低
コストで次世代Naイオン電池に適用できると同グループの稲田良二助教授はこ
う話す(Leap toward robust binder-less metal phosphide electrodes for Li
-ion batteries: Binder-less tin phosphide/carbon composite film electro-
des for lithium-ion batteries, fabricated by aerosol deposition process,
ScienceDaily,July 31, 2019)。
合金の複雑な構造をパラメータ無しで予測
世界初の革新的マルチスケールシミュレーション新技術
8月1日、文部科学省ポスト『京』重点課題の一環で、横浜国立大学らの研究グ
ループは、航空機ジェットエンジンのタービンなどに使用されるNiAl合金の複雑
な微細構造を様々なNiとAlの混合比に対して一切のパラメータを使用せず、物理
の基本法則のみから正確に予測することに成功したことを公表。
● 今夜の一曲
Breakfast at Tiffany's Opening Scene