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社会を変える地図力

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● 社会を変える地図力

 

5日の夜、NHKの「クローズアップ現代」の『地図力が社会を変える』で、地形図などから様々
な情報を読み取り、土地活用や防災計画のアイデアを生み出す力、「地図力」が、今、世界中で個
人の「地図力」を高め、防災強化や新たな産業創出を目指す取り組みが進んでいること。この傾向
に拍車をかけたのは、レーザー光を空から照射して作る3D地図で、地面の凹凸をミリ単位で立体
画像に起こすことができ、その情報量はこれまでの地図とは比較にならないという。既に米国は、
地域の3D地図情報をオープンデータとして公開し、教育現場が利用を始めたり、様々なベンチャ
ー企業が新ビジネスを創り出したりと、国を挙げて活用・地図力強化が進んでいる。日本でも企業
や自治体が活断層の発見・水源の保全・森林管理などで活用を進めているが、まだ始まったばかり
で手探り段階だ。3D地図の活用は地図力をどのように向上させ、社会を変えるのかと、ズームア
ップしその最前線に迫る特集を放送していたが、このブログの「スマートキャンティ 森林監視シ
ステム」(『如月に香る蝋梅』2015.02.04)としてボーイング社の新規考案を紹介したばかりで、
ただちに録画し、今夜その内容を確認することに。

 

● 3D地図とは

 

三次元ベクトル場の二次元面上での視覚化は、古来より多くの試みがなされている。典型的には、
2つの成分を座標値に変換し、その交点を二次元面上にプロットし、各交点に残る第3の成分の属
性を付記する仕方(例えば、町内案内図)が知られているが、これだと第3の成分の違いを簡単に把
握できない。この点、第3の成分の属性的特徴を図形表示すること(例えば、市街案内図)もなさ
れているが、それでも情報の局在化を免れることはできず、属性の連続的な変化が分からない。そ
こで、二成分の連続的特徴(例えば、海岸、河川、湖沼等の外形線)と、第3の成分の属性等値線
(例えば、等高線)を記入する仕方が汎用されているが、やはり、属性の変化状態を直感的に視認す
ることが難しい。

ここで、より具体的に,地形図を考えてみる。

解析図化機によるメッシュ測量では、地形を格子状に分割し、それに標高値を付与してDEM(デ
ジタルエレベイションモデル「Digital Elavation Model」)のデータを得る。これを計算機で処理し
て、例えば地形の高度、傾斜角、斜面方位、ラプラシアン、流域区分、水系等に関するパラメータ
を計算し、面上に分布する計算結果を対応する画像に変換できる。航空機レーザー計測では、更に詳
細な情報を含むデータが得られるが、これらのデータは、地形図にすべて盛り込まれる訳ではない。
例えば、高低及び傾斜に関する情報を取り出し、等高線として地図に記入する。だが、そこから立
体的な地形を想像することは容易でない。

斜め上方から光を当てた陰影図として立体感を出す画像もあるが、これだと特定方向の傾斜が強調
される。この点、グレイスケール(明度の段階)あるいはレインボウカラー(色相の段階)で表示
した地形画像は、地形の幾何的特徴とその分布状態を直感的に視認でき、有用であるが、効果的な
立体視感が得られない。地上開度又は地下開度のいずれかをメガフィルタとして用い、これにより
画像を処理することもあり、これだと比較的大域での地形の特徴を補足できるが、立体視感の点で
物足りず、特に局所的な立体視感に不満が残る。




ここで、地形図に立体視感を与える従来方法について述べる。

1.ステレオマッチング画像、三次元画像

基本的に視差を使用した画像で、2枚の写真を用いる。赤/青フィルター、偏光フィルター、回折格子、また
はレンティキュラーレンズによる場合など様々な方法があるが、いずれも特定の方向から見る必要
があり、また眼鏡を必要とする。しかも、拡大、縮小が難しい。三次元画像は、特定方向から見下
ろした画像で、影の部分が見えず、また遠くが小さく、近くは解像度が不足するので、判読に不向
きである。しかも画像作成に時間を要する。

2.等高線による表現

等高線は山地の地形表現に好適だが、急傾斜(例えば、急崖部)或いは緩傾斜もしくは平坦地(平
野部)で、段階的に高さを割り当てられた等高線が極度に集合、離散し、地形の判読に時間がかか
る。傾斜の角度及び向きを等高線の間隔の変化から推測することになり、従って単純な拡大、縮小
に馴染まず、場合により作り直しが必要になる。等高線が混み合うと隙間がなくなり、崖記号で置
換する。この作業は手間を要し、またベクトル化の障害になる。小さな凹凸は、各等高線に高さを
付与しないと判読できない。

3.二次元的な標高値を有する画像データの集合

航空写真測量による図化作業では、特定の高度を連ねた等高線情報を直接取得し、等高線間の高度
は与えない。航空機レーザー計測或いは解析図化機によるメッシュ測量の場合には、DEMデータ
を取得し、それに基づき等高線の二次元的な分布を求め、必要に応じ等高線のスムージングを行う
が、最終的に等高線に含まれない情報、例えば、等高線間の三次元的幾何情報が使用されずに残る。

●課題

従って、3次元座標で表された大量のデジタル画像データに基づく地形の凹凸部の高低及び傾斜を、
等高線に代え、色調で表現することにより視覚的に立体感を付与可能な立体画像作成装置及び立体
画像作成プログラムを提供することをその課題とする。また、地形の高低及び勾配の度合いを一目
で立体的に把握できる傾斜赤色化立体画像を生成するための視覚化処理システム、視覚化処理方法、
及び視覚化処理プログラムの提供を課題とする。

●手段

この課題を解決に関わる立体画像作成装置は 所定範囲の地表の標高値が付与された三次元のデジタ
ルデータ(X、Y、Z)を記憶した第1の記憶手段と、デジタルデータを読み込み、地表面を復元
して各格子の高さと座標とを第1のDEMデータとして生成するDEMデ-タ作成部と、第1のDE
Mデータを連結する地表面の着目点の第1のDEMデ-タから複数方向毎に、一定範囲内までの最大
頂点となる第2のDEMデータと水平線とがなす角度ベクトルをそれぞれ求めて平均化した地上開
度を求め、この地上開度の値の大きさほどに明るい色を割りあてた地上開度画像Dpを得る地上開
度画像作成部と、一定範囲の前記第1のDEMデータ上に空気層を押し当てた立体を裏返した反転
DEMデータの着目点の第1のDEMデータから複数方向毎に、一定範囲内までの最大頂点となる
第3のDEMデータと水平線とがなす第2の角度ベクトルをそれぞれ求めて平均化して地下開度を
求め、この地下開度の値の大きさほどに暗い色を割りあてた地下開度画像(Dq)を得る地下開度
画像作成部と地上開度画像(Dp)と地下開度画像(Dq)とを重み付け合成し、この値に応じて
階調表現した第1の合成画像(Dh)を出力する第1の合成部とを備えている。



この体画像作成プログラムは、コンピュータに、所定範囲の地表の標高値が付与された三次元のデ
ジタルデータ(X、Y、Z)を第1の記憶手段に記憶する第1の手段、デジタルデータを読み込み、
地表面を復元して各格子の高さと座標とを第1のDEMデータとして生成するDEMデータ作成部
と、第1のDEMデータを連結する地表面の着目点の第1のDEMデ-タから複数方向毎に、一定範
囲内までの最大頂点となる第2のDEMデータと水平線とがなす角度ベクトルをそれぞれ求めて平
均化した地上開度を求め、この地上開度の値の大きさほどに明るい色を割りあてた地上開度画像(
Dp)を得る地上開度画像作成手段、前記一定範囲の前記第1のDEMデータ上に空気層を押し当
てた立体を裏返した反転DEMデータの前記着目点の第1のDEMデータから複数方向毎に、一定
範囲内までの最大頂点となる第3のDEMデータと水平線とがなす第2の角度ベクトルをそれぞれ求
めて平均化して地下開度を求め、この地下開度の値の大きさほどに暗い色を割りあてた地下開度画
像(Dq)を得る地下開度画像作成手段、地上開度画像(Dp)と地下開度画像(Dq)とを重み
付け合成し、この値に応じて階調表現した第1の合成画像(Dh)を出力する第1の合成手段とし
ての機能を実行させる。



●効果

この方法では、1枚でも立体感のある画像が生成できる。また、三次元のデジタルデータであるD
EM(Digital Elavation Model)データをもとに、傾斜、地上開度、地下開度の3つのパラメータを
求め、平面分布をグレイスケール画像として保存。地上開度と地下開度の差分画像をグレイに、傾
斜を赤のチャンネルにいれて、擬似カラー画像を作成することによって、尾根や山頂部分が白っぽ
く、谷や窪地が黒っぽく表現し、傾斜が急な部分ほど赤く表現する。このような表現の組み合わせ
により、1枚でも立体感のある画像が生成できる。このため、一目で凹凸の高低の度合い及び傾斜
の度合いを把握させることができる。


このテレビ放送のなかで、情報技術ベンチャー Mapdwell社のエドワルド・バーリン氏が紹介され
ていた。この企業は3D地図を利用し、住宅や工場などの屋根の角度、高さから太陽光発電の発電
予測量とそれに関わる設備投資効果を即座に計算するサービスを展開している――放送録画のボス
トンの住宅に太陽光発電設置した場合10年で元が取れ計算を即座に計算していた。また、ボスト
ン市の住宅全体にソーラーパネルを導入した場合、原子力1基分の2.2ギガワットの発電量を賄
えるというから、日本と比べ米国が先行していることを知ることになる――これはいつものことだ
が。


 

● ポスト・オールバイオマス&オールソーラーシステム完結論

昨夜の掲載で、2つの完結論が終了した。つまり、セカンドライフステージ、大きな課題(仕事)
を果たしたことになる。ファーストライフステージも曲がりなり新規事業(テレビ電子部品製造)
の立ち上げることに成功したから、米国流に言うと、主体的に企業化(成功/失敗の有無を問わず
)に加わることが人生の大きな目標としていることからしても満足すべきものであろう。この2つ
めの再生可能なエネルギー事業開発は、個人的に関わっているのでこの成果も満足すべき水準にあ
ると考えている。今後の第3ステージのベンチャー事業については追々考えていくこととして、今
夜は、体調もいまひとつだが自分自身を祝福したいと思う。

  ● 日本全国の太陽光発電一覧地図

 


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