高橋洋一は、『国の債務超過490兆円を意外と簡単に減らす方法』 (2015.02.05、ダイヤモンドオンライン
)で、(1)先進国と比較し、日本政府のバランスシートは、政府資産が巨額(世界一)で、換金可能な金
融資産割合がきわめて大きい。(2)日本の場合、政府資産額が大きいので、債務額をグロスで見るか、ネ
ットで見るかは大きな違いがある。(3)資産のうち外貨債権が100兆円以上あり、それが最近の円安で20
兆円程度の含み益が出ていることが大きく関係している(政府短期証券売却、特殊法人など廃止または民営
化すれば換金可能)。(4)日本銀行のバランスシートと連結させると日銀券 200兆円は、形式的に利息負
担ゼロで返済義務がない負債で、債務超過額は490兆円から290兆円逓減すると主張しているが、要するに、
国民が必要なものを生産する気構え(これを景況)があれば、それを政府が助産すれば、年間50兆円の徴
税権の担保で20年でペイできる計算になる。
しかし、このことが成立するには「非デフレ」がつまり、価格下落を伴う生産性向上を「反転」する政府会
計規律の整備が大前提――このブログを指摘掲載してきたが――となることは言うまでもない。
ところで『21世紀の資本』のトマ・ピケティ 来日 し講演で、日本への注文として、消費税増税と法人税
減税を批判したというが、そのほかに、累進税の上限引き上げや相続税の引き上げ、納税番号制導(あるい
はマイナンバー制度)入など考えられるが富裕層を支持基盤とする共和派体質が濃厚な自民党政権では、遅
延(サボタージュ)は避けられないだろう。ただ、法人税の適正な引き下げは、国際的な競合の中では賛成
であり、高度な資本制は推進すべきと考えている。その適正な税利率引き下げを巡って、個人的提案として
地域格差是正法人税率制――つまり、国内企業を対象――例外として海外企業は全国一律の税率を設定――
として3つの税率に逆差別化するというもの。例えば、A地区:首都圏とし、40%(但し、海外企業は、
15%※)、B地区:名古屋・大阪・北九州圏を対象とし、20%、C地区:A・B地区以外を対象として、
5%とする――の提案を行っている(『地域繁栄型法人税制』(「ソフトパワー制御思考」2014.12.19))。
● ロスト・スコアからTPP締結まで
TPP(環太平洋経済連携協定)の日米交渉で輸入牛肉と豚肉の関税を大幅に引き下げる方向で大筋固まっ
たことを受けて、国内調整が本格化するという。日米交渉では、輸入牛肉の関税について、現在の38.5%か
ら約9%に、安い豚肉については1kg482円から50円に、10年ほどかけて引き下げる方針が固まったが、輸
入量が急増した時に緊急的な制限の発動条件については詰め切れていない。日米両政府は近く実務者協議を
再開したうえで、今月中にも閣僚会合を開き、大筋合意を目指す方針。一方、日米合意をにらんだ自民党慎
重派の動きも活発化する見通りだという。
ロスト・スコア(失われし20年)は、敵対的貿易関係に入った80年代後半の経済状況に端を発した日米
経済構造協議(第二の敗戦)によりもたらされたと考えている一人だ。その結果、湾岸戦争への加担、英米
流金融資本主義(新自由主義)の浸潤(格差拡大)、半導体不平等協議、米国社OS導入、裁判員制導入、
さらなる農産物輸入枠の拡大(遺伝子組み換え食物の浸潤によるリスク増大、食糧自給率低下)などの矛盾
を抱えた。なにも米国側による不況だけではなく、日本の財政国家官僚による、デフレ是正のサボタージュ
による格差拡大、デフレ不況が大きく影響したが、このほか知財権、医療制度などの問題があるが、ここで
は、再度、食糧安全保障に関して指摘しておきたい。個人的には基本的な食糧品は輸入する必要はないと考
えている。もっとも大切な課題は、初期投資への資本集中形成――この場合、営農形態が、公営、民営、民
間の3組織形態に共通するプロジェクトファイナンスにおけるノンリコースローン(非遡及型融資)の運用
にあることは、これまでも指摘してきたことであり、「第二の農地解放」が実現すれば、豚肉も、牛肉も輸
入する必要はなくなると考えている。
私は「逆農地解放」を実施すればいいのではないかと考えている。戦後、GHQが行った大地主から土
地を取り上げ、小作農に分け与えるという政策は、非常にまずかった。農地を分割したために非効率な
生産になり、意欲のある農家が大規模農業を経営する余地を著しく狭めた。そして、サラリーマンとし
て安定した収入を得ながら農業を副業とするだけの兼業農家を多数生み出した(中略)少なくとも、生
産性が低いままで土地を 持ち続けるインセンティブがある税制は抜本的に見直したほうが良い。また、
農地をいい加減な運用で他用途に転換することを認める現在の農地法の規制も抜本的に見直すべきだ(
中略)景観規制を強化して、農地は基本的に転換できないということにし、仮に転換する場合は、それ
までに減免されていた税金をすべて過去に遡って転売利益の範囲内で課税するという制度なども導人す
べきだ。これが、平成の「逆農地解放」だ。「土地を解放して小規模農家から大規模農家へ」という標
語になるだろうか。兼業農家にも専業農家にもただの農家というレッテルを貼って、同じように扱い、
結果的に日本の農家と農業をだめにしている農業政策は即刻やめたほうがいい。
「逆農地解放」を断行せよ
古賀茂明『日本中枢の崩壊』
ここで、「GHQの農地解放政策が非常にまずかった」という見解には、米国側の意図は別として、歴史体
験として、まずは自営農業というスタートは革命的な試みであり、資本制への漸近法として妥当であり、問
題は営農の成長過程での是正のありようが問題だったが、ゴールとしての「逆農地解放」についてはおおむ
ね賛同する。そうときまれば即刻実行しすれば、競争力のともなった自給率はあがる。すでに、日本は高度
な農産物産出工学立国である。自信をもってこれは断言できる!^^;。
※ 下図は新しい営農法の1つのモデル
● 中東の地獄絵図
邦人人質事件のテロ非難決議を「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎共同代表が退席した問題で、
同代表は6日、ブログを更新し、退席理由を説明。山本氏は、非難決議に3つの修正を提案したが、反映さ
れなかったことが退席理由だったと説明。その上で、政府対応について「人質の存在を知りながら総選挙ま
で行った」と批判し、安倍晋三首相の中東訪問を「人質の生命が危険な状態に置かれる事を鑑みることなく
行われた」と断定し、検証が必要とし、また、2003年のイラク戦争についても「『(イラクに)大量破
壊兵器がある』と決めつけ、『大量破壊兵器が見つからなかった』国を破壊し、放置した」とし、「生み出
されたイスラム国や地域の混乱に関してイラク戦争から総括する必要があるのではないか」などと持論を展
開したという。
1月28日には、山本氏は「安倍首相がイスラエルで演説したのは、完全に挑発。日本の船長としてふさわ
しいのか」と主張し。また、21日には「2億ドルの支援を中止し、人質を救出してください」と安倍晋三
首相宛にツイートしている。これに対し、自民党の高村正彦副総裁は、記者団に対し「日本政府が(イスラ
ム国対策の)人道支援をやめるのは論外だ。身代金を払うこともできない」と語っている。
5日、ヨルダン空軍による報復攻撃が開始された。イラクからの報道では、軍は、拠点都市であるイラク北
部モスル周辺も空爆し、イスラム国の指揮官を含む少なくとも55人が死亡したとしている。一方、オバマ
米大統領は5日、ワシントンで開かれたキリスト教関係の会合で、過激派「イスラム国」を念頭に「神はテ
ロを許さない」と述べ、宗教をかたった暴力行為を非難した。イスラム国に関し「宗教の名の下に、残忍で
冷酷な死をもたらすカルト集団」と指摘。「言葉にできない残虐な手口で、クルド民族ヤジド派といった少
数派を恐怖に陥れている」と批判したという。
重大な局面にきたというのが実感である。毎日、”中東の地獄絵図” が流されているが、これが静かに人間
の精神を浸食し犯すことを恐れる。そう遠くない "そのとき" には、 倒閣運動に立ち上がらずをえない事態
に迫られるかもしれない。これは大変哀しいことだが、いたしかたないように思っている。、
● 北近江の野鳥観察を楽しむ
人影も見えない午前零時
電話ボックスの外は雨
かけなれたダイアル回しかけて
ふと指を止める
冷たい雨に打たれながら
哀しい物語を想い出した
あなたの帰り道交差点
ふと足を止める
レイニーブルーもう終わったはずなのに
レイニーブルー何故追いかけるの
あなたの幻消すように
私も今日はそっと雨
レイニーブルーもう終わったはずなのに
レイニーブルー何故追いかけるの
行き過ぎる車のヘッドライトが
ひとりぼっちの影をつくる
あなたの白い車捜しかけて
ふと瞳をふせる・・・
『レイニーブルー』
作詞:大木 誠
作曲:徳永 英明
編曲:武部 聡志
徳永英明(1961年2月27日~)は、日本のシンガーソングライター、作曲家、俳優。本名、永英明。福岡
県柳川市生まれ、兵庫県伊丹市育ち。身長 175cm。所属レコード会社はユニバーサルミュージック。公式フ
ァンクラブは「TONY'S CLUB」である。徳永の徳の字および英の字は正しくは、戸籍と同じ旧字体である。
「Rainy Blue」(レイニー ブルー)は、1986年1月21日に発売された徳永英明のデビュー・シングル。発売
元はラジオシティレコード(後にアポロン音楽工業→バンダイ・ミュージックエンタテインメント)。1997
年11月1日に再発売された。Gracenoteへの登録が「レイニー ブルー」であることから、近年は通常「レイ
ニ ブルー」と表記される。徳永がバイト先の軽井沢で知り合った大木誠と共に作り上げた楽曲。秋谷銀四
郎がプロデュース。レコード化の際に歌詞を一部変更。元のバージョンはライブで歌われることがあり、
1990年発売のライブアルバム『徳永英明Live』に収録された。1997年にリアレンジされ「Rainy Blue 〜1997
Track〜」として再リリースされた。
ガソリンの残量が切れないところまで走ろうと、「湖北野鳥センタ」までの湖岸を疾す。丁度、大鷲(Stell-
er's sea eagle)が山本山の雑木に留まっているたので、センタの望遠鏡で観察。嘴の黄色が鮮やかにこちら視
ているようだったが、倍率の関係でとても小さくしか見えない。北近江の風物詩に出会えたことは幸運だっ
たことをふたりで確認し合った。その帰り道の車で流れていたのがこの曲だった。外は上天気だというのに、
"レイニーブルー"のように哀しい心象が続いているのだ。