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遠出して鶏帰る鳳仙花

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7.述 而 じゅつじ
ことば-------------------------------------------------------------
「道に志し、徳に拠り、ににより、芸に遊ぶ」(6)
「一隅を挙げて三隅をもって反らざれば、復せざるなり」(8)
「不義義にして富みかつ貴きは、われにおいて浮雲のごとし」(15)
「子、怪、力、乱、神を語らず」(20)
「三人行えば、必ずわが師あり」(21)  
--------------------------------------------------------------------  
4 私生活での孔子は屈託がなかった。
5 ああ、わたしもひどく年をとったものだ。周公が夢にあらわれなくなって、
もうどれほどになる ことか。(孔子)


 ● 今夜の一句

遠出して鶏帰る鳳仙花  有山八洲彦

同じ鳥でも鶏とは誠に滑稽、軽妙洒脱な句である。鳳仙花、赤いものは昔から女
の子が爪を染めるのに使ったため、ツマクレナイ、ツマベニ(爪紅)とも。沖縄
では「てぃんさぐ」と呼ばれ、民謡てぃんさぐぬ花」は広く知られた童謡。そ
の歌詞にもこの花で爪を染める話が扱われている。韓国では、爪にホウセンカの
汁を塗り、初雪まで色が残っていたら恋が実ると言う。触れるとはじける果実は
非常に目を引く特徴である。花言葉の「私に触れないで」もそれに由来する。歌
謡曲にもあるが、いずれも種を飛ばすことに絡めてある。果実蒴果(さくか)
で、熟すと果皮の内外の細胞の膨圧の差によって弾性の力を蓄積し、弾けて種を
遠くに飛ばす。自然に弾ける寸前となった果実は指で触るなどの些細な刺激でも
容易に弾ける。属名Impatiens(ラテン語で「我慢できない」、via Wikipedia ) 

  

 

【ポストエネルギー革命序論47】  

糖尿病網膜症をAIで発見 眼底写真から初期症状検出

県立大(彦根市)工学部電子システム工学科の畑中裕司准教授の研究グループが
、眼底検査で撮影した画像から、糖尿病合併症の一つ、糖尿病網膜症の初期症状
として現れる毛細血管瘤を人工知能(AI)が自動で検出する研究を一歩前進さ
せたことを公表(via 中日新聞 2019.09.06)。 これにより、毛細血管瘤が早く
見つかれば、糖尿病の早期治療や視野欠損の悪化を防げる。日本人の失明原因で
糖尿病網膜症は緑内障に次いで二番目に多い。糖尿病網膜症は病状が進むと網膜
剥離や失明につながるが、人間ドックでは糖尿病網膜症の所見を調べるため、眼
底検査を実施。初期症状として現れる、網膜に張り巡らされた毛細血管にこぶが
できる毛細血管瘤がないか確認し、毛細血管瘤は検査時に撮影する眼底写真に、
ごく細かな点として現れ、眼科医が目視で探す。同研究グループは、確認作業を
AIに任せ、自動検出できるようにするもの。当初は、まったく検出しなかった
り、血管瘤以外の部分を誤認識したりと失敗が相次いだが、そこで、あらかじめ
血管部分の色を強調、周囲との対比をはっきりさせてから写真を読み込むことで、
血管瘤の判定がより正確にできることを突き止め、これまでの研究では、判定ミ
スを一カ所まで許容した場合、精度は20~30%ほどだったが、今回の研究で
60%程度まで向上。日本医用画像工学会大会で「田中栄一記念賞」を受賞。今
後は、70%以上識別ができないければ実用化は難しい。このため、日本人の眼
底写真などより多くの検証データを積み上げさらに精度を高める。



文献:畳み込みニューラルネットワークを用いた眼底画像における毛細血管瘤の
自動検出,https://doi.org/10.11409/mit.36.189



有機分子のスピン変換遷移状態を解明
分子デザインによる自由自在なスピン変換特性の制御に道

9月3日、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センタらの研究グループ
は、TADF分子におけるスピン変換過程の詳細なダイナミクス、特にその遷移状態
を実験および理論計算の両面で解明することに成功したことを公表。熱活性化遅
延蛍光(TADF)を示す有機分子は、ほぼ100%の効率で電気エネルギーを光エネ
ルギーへ変換できることから、次世代有機EL用の材料として大きな注目を集めて
おり、世界中で多くの研究がなされ、TADF現象が生じる鍵は、最低一重項励起状
態(S1)と最低三重項励起状態(T1)と呼ばれる、電子の向き(スピン)が異な
る分子の状態間で「いかにスピンを変換させるか」という点に集約される。当然
この相互のスピン変換における最初の状態と終わりの状態はS1またはT1であり自
明だが、そのスピン変換の過程において媒体となる遷移状態やその動的過程はこ
れまでブラックボックスの中にあり未解明。この遷移状態を解明できれば、その
知見を分子デザインにフィードバックし、発光寿命などを “自由自在” に制御
した有機分子を創出することが可能となり、有機ELのみならず、バイオイメージ
ングや特殊インク等、様々なアプリケーションへと広く展開できる。

この研究では、分子デザイン・合成、励起ダイナミクス評価、高速過渡吸収分光
計測
、理論・量子化学計算などの研究グループが有機的に連携し研究を進め、複
数個の電子ドナー基および電子アクセプター基から構成されるTADF分子では、そ
のスピン変換が特定の遷移状態を経由して進行することを世界で初めて実証。さ
らに、その遷移状態の起源は、TADF分子を構成する「部分分子構造*2)」に由来す
る電子状態であり、分子振動がきっかけとなってその電子構造変化が生じること
を、実験および理論計算の両面で解明することに成功。これらの結果より、一連
のTADF分子群におけるスピン変換特性を、統一的に説明可能とした。この研究で
解明したメカニズムは、自由自在なスピン変換特性の制御を可能とする分子デザ
インに向けた基盤知識となる。

論文名:Critical role of intermediate electronic states for spin-flip
processes in charge-transfer-type organic molecules with multiple donor-
s and acceptors Nature Materials DOI: 10.1038/s41563-019-0465-6



一回の外傷性脳損傷が認知に対して長期にわたる影響を及ぼし得る

9月4日 一回の外傷性脳損傷(TBI)は長期にわたる神経変性につながり得るこ
とを、32人を対象に研究し多結果 ほとんど解明されていないTBIの長期影響を明
らかにすることに加えて、損傷を受けた患者における脳障害の診断およびモニタ
リングに改善をもたらし得ることを公表。このロンドン大学らの研究研究グルー
プで、TBIがタウ蛋白質の進行性の蓄積を引き起こす可能性があることを示した。
タウ蛋白質は神経変性と関連し、アルツハイマー病で中心的な役割を担っている。
TBIの影響検討に、PETイメージングを、タウ蛋白質に結合するイメージング製剤
であるflortaucipirと組み合わせて用い。これまでのイメージング研究のほとん
どは、複数回の損傷を受けた運動選手を対象として行われているが 一回のTBIを
受けた生存者の脳においてどのような変化が生じているかはあまり明らかにされ
ていなかった。Nikos Gorgoraptisらは、flortaucipir PETスキャンを用いて 少
なくとも18年前に交通事故か暴行により一回のTBIを受けた参加者21例を対象に、
タウ蛋白質の分布状態を検討した。この実験から全体として、TBI群では健康な
対照者11例と比較して、タウ蛋白質の蓄積が多く(flortaucipir結合が多いこと
が指標とされた)、記憶および認知の検査における成績が不良であることが示さ
れ、TBI群で タウ蛋白質の蓄積が多かった参加者はより重度の神経変性が認めら
れ、タウ蛋白質の蓄積は脳の白質(神経細胞を覆って保護し、栄養する)への障
害とも関連。TBI後の 患者においてタウ蛋白質の検出を行えることは、タウ蛋白
質を標的とした治療に関する将来の試験をデザインする助けとなり得る、



図4 金属性を示すプラスチックの概要。従来の導電性高分子は非結晶性構造の
ため、電子は局在化した準位に孤立状態にあり、熱エネルギーを借りホッピング
伝導をする一方で、高分子半導体の隙間にイオンを配列することで、電子は周期
的な結晶ポテンシャル下で波のように振る舞い、一般的な金属で見られる電子状
態となる。

イオンで電子を制御して金属性プラスチックを実現
世界初、半導体プラスチック材料でイオン交換現象を発見

8月29日、東京大学らの研究グループは、世界で初めてイオン交換が半導体プ
ラスチック(高分子半導体)でも可能であることを公表。イオン交換は、古くか
ら水の精製、タンパク質の分離精製、工業用排水処理などに広く応用されており、
生活に欠かすことのできない化学現象(下図図1a)。今回、イオン交換を用いて
革新的な半導体プラスチックの電子状態の制御原理を明らかにし(図1b)、半導
体プラスチックの電子状態を精密制御し、金属的特性有すプラスチックの実現に
成功。

①水の浄化やタンパク質の抽出・精製に使用される「イオン交換」が半導体プラ
スチックでもナノメートルサイズの隙間を用いて可能であることを発見。
②イオン交換効率を制御することで半導体中の電子の数や流れやすさが変化する
ことを活かし、金属性を示すプラスチックの実現に成功。
③固体中のイオンと電子を協奏的に制御することで、イオンと電子の両方の特長
を活かした「固体イオントロニクスデバイス」の実現が期待される。



図1(a)一般的なイオン交換の原理。ここでは不純物陰イオン(塩化物イオン:
Cl-)を含む水から純水を精製する例を示した。塩化物イオンを含む水を陰イオン
交換樹脂に浸透させることで、塩化物イオンは陰イオン交換樹脂自身に含まれる
水酸化物イオン(OH-)に陰イオン交換される。 (b)本研究で発見された高分子
半導体におけるイオン交換ドーピングの原理。高分子半導体中にあらかじめ導入
されたドーパント陰イオン(図中では青の F4TCNQ•-を例として示した)は、イオ
ン液体などから別の陰イオン(図中では赤のTFSI-を例として示した)が供給され
ると瞬時に陰イオン交換が生じる。実際には高分子半導体のナノメートルサイズ
のわずかな隙間で陰イオン交換が生じる。適切な陰イオンを選定することで、陰
イオン変換効率はほぼ100%に到達することが分かった。

今回、研究グループが発見した手法は、①大面積化が容易な室温付近の溶液プロ
セスであり、②半導体プラスチックのドーピング量・結晶性・熱耐久性・伝導特
性を著しく向上させる。③多彩なイオン性化合物の選択により、今後さらに伝導
特性や物理化学的特性の制御できる。このようにエレクトロニクスの基盤となる
電子の機能性は、電子の持つ高い集積性・早い応答性や優れた物量変換(光電変
換など)に支えられている一方で、イオンは低い電圧で大量の電荷を駆動・蓄積
でき、他の化学種との高い反応性を有する特徴を持つ。電子もイオンも電荷を運
ぶ媒体であるため、両方の特徴を活かしたイオントロニクスの研究が盛んに行わ
れている。電子とイオンの協奏的な振る舞いとして、例えば生体内では、様々な
電子移動によって生化学反応が生じ、その結果イオンの移動や蓄積が高度に制御
されている。イオントロニクス分野ではこのような生体反応を模倣するような超
高効率のバイオデバイスや、その生化学反応を超高感度で検出可能なセンサへの
応用研究が進んでいる。今回実現した金属性プラスチック内のイオン交換反応は、
このようなイオントロニクスデバイス実現を大きく前進させた。

論文:Efficient molecular doping of polymeric semiconductors driven by
anion exchange;Nature, DOI No.10.1038/s41586-019-1504-9



世界初!有機半導体フィルム型光センサで放射線のパルス検出 
薄型、軽量、広範囲測定等の特長を活かし工業用、医療用などにも応用

9月2日、東芝は、人の検知、体温の測定、物体までの距離の測定、放射線の計
測などさまざまな用途に使用される光センサにおいて、柔軟・軽量といった特徴
をもち大面積化が可能な有機半導体を用いた、高感度のフィルム型光センサを開
発したことを公表。従来、有機半導体では実現が難しかった微弱な光の検出を可
能とし、放射線によって微弱に発光するシンチレータと組み合わせることで、有
機半導体を用いたフィルム型光センサとして世界で初めて、放射線のパルス検出(注1)
に成功)。薄型・軽量を実現する本センサーはIoT・ウェアラブルセンサ などへ
の応用を可能にするとともに、大面積化により一度に広い範囲の計測を実現し、
今後、工業用、医療用など多方面への活用が期待される。




PCPの合成

化石燃料から発生する二酸化炭素の回収なども可能に

従来、気体の吸着剤として広く用いられてきたのがゼオライト(沸石)で、無数の
「孔」が空いた「多孔性」構造を持つ。表面積が大きく、気体分子を大量に吸着
できる。消臭剤として古くから使われている活性炭も「多孔性」構造を持ち、臭
いの元となる気体分子を吸着する。こうした物質は「多孔性材料」と呼ばれ、孔
のサイズを変えて目的の分子を吸着させる研究などが進められてきたが、ゼオラ
イトはケイ素とアルミニウムと酸素を主成分とする固い構造をもち、分子を吸着
する際に多孔性構造を変化させ、サイズや形状の異なる様々な分子を識別し、吸
着するのは困難とされてきた。

金属錯体とは、金属イオンの周囲に有機物(配位子)が結合した構造を持つ。金属
イオンや配位子の種類を変え、さまざまな機能を持たせられることから、新たな
多孔性材料として大きな可能性を有し、この「錯体化学」を専門とする北川進京
都大学教授がブレークする。有機物を含む金属錯体は構造が不安定で、極めて壊
れやすい。北川教授は、従来の常識を覆す、構造が安定して保持されつつ、気体
を吸着する金属錯体の作製を成功させ、周囲の環境や外的刺激に応じて構造や性
質が変化し、選択性の高い吸着や脱着を可能とする金属錯体を実現する。多孔性
配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)と名付けた新材料系統は、従
来の材料の限界を越える画期的な吸着剤として、世界中で実用研究に向けた研究
開発が進められてきた。



「ネオコンバーテック事業論」を展開してきた手前というわけでがないが、ノー
ベル化学賞候補として北川進京大教授の名前が取り出されているようだが、これ
はウエルカム。ナノテクの産業化(実用/商用)にともない、これは「3次元→
2次元」化による「混沌」と"その「制御科学技術工学」"ではないかと思い至る、
これは大変面白いことだと。

 ● 今夜の一枚

8月30日、気温の上昇に伴い極地の氷床が不安定化する中、山地氷河の後退が
人類に及ぼす今後数十年の影響について、国連が報告書をまとめた。9月に開催
される気候変動に関する政府間パネルの「海洋・雪氷圏特別報告書」の要約が公
表された。それによると、グリーンランドと南極の氷床は2015年までの10年間で
毎年約4000億トン失われ、それにより毎年 約1.2ミリ海面が上昇。一方の山地
氷河は同時期、毎年2800億トン融解し、海面をさらに毎年0.77ミリ押し
上げた。

 


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