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鬱々と気魄底這い空高し

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7.述 而 じゅつじ
ことば--------------------------------------------------------
「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」(6)
「一隅を挙げて三隅をもって反らざれば、復せざるなり」(8)
「不義義にして富みかつ貴きは、われにおいて浮雲のごとし」(15)
「子、怪、力、乱、神を語らず」(20)
「三人行えば、必ずわが師あり」(21)
---------------------------------------------------------------
7 規定の手続さえふんでいれぱ、たとい相手がどんな人間でも、わ
たしは入門を拒まなかった。 (孔子)       

<規定の手続き> 原文は束脩。初めて教えを乞うときの手みやげで、
乾肉を串にしたもの。手みやげは礼に定められているが、そのうち、
最も軽いものである。

子曰、自行束脩以上、吾未嘗無誨焉。

Confucius said, "If someone brought me a bundle of jerky as
an entrance fee, I am sure to teach him."


【歳時記×樹木トレッキング:空高し×セコイア(イチイモドキ)】




鬱々と気魄底這い空高し

高島市のメタセコイア並木もこれから色づく。しかし、今日の体たら
くさは、夏鬱か単に夏の暑さによるものか。気を取り直し一句を詠む。

セコイア(Sequoia [sɨˈkwɔɪ.ə]、学名:Sequoia sempervirens)は、
ヒノキ科(またはスギ科)セコイア属の常緑針葉樹。セコイア属はセ
コイアのみの1属1種。高さ100m近くにもなる世界有数の大高木。米
国西海岸の海岸山脈に自生する。セコイアスギ、センペルセコイア、
レッドウッド、アメリカスギなどとも呼ばれる。セコイアデンドロン
との対比からセコイアメスギとも、葉の形が似ている事からイチイモ
ドキとも呼ばれる
。世界一の樹高を誇り、カリフォルニア州レッドウ
ッド国立公園のセコイアは樹高世界1位から3位までを独占する。平
均的な大きさは樹高80メートル、胸高直径5メートル、樹齢は40
0年~1300年ほどで、2200年のものが現在知られる最高齢で
ある。厚さ30センチに及ぶ樹皮や心材の色からレッドウッドとも呼
ばれる。この樹皮と木質部はタンニンを多く含み、病原菌や白蟻の侵
入を拒む。この厚い樹皮は、他の広葉樹が燃え尽きてしまうような山
火事の際にも木の内部を守る。北アメリカ西海岸に見られるセコイア
の純林は、度重なる山火事によりできあがったものと考えられている。
丈夫なので建材としての利用価値が高い。日本では庭園の木や記念樹
として栽培され、インディアンの作るトーテムポールの原材料でもあ
る。1821年頃にチェロキー文字を発明したチェロキー族インディアン
の賢人、シクウォイア(セコイア)にちなんで命名された。 

 

  

【ポストエネルギー革命序論49】  

リチウム金属電池の故障の主原因

8月21日、カリフォルニア大学の研究グループは、リチウム金属電
池が故障する根本的原因を発見───放電中にリチウム金属の堆積物
のビットがアノードの表面から折れ、バッテリーが「死んだ」状態に
陥る───する。この研究は、バッテリーの性能を向上させる新しい
方法を提案する。

リチウムアノードと電解質の間に固体電解質界面(SEI)と呼ばれる
層が成長が主原因であことを突き止めるため、アノード上の不活性リ
チウム種量の測定技術を開発する。リチウム金属電池の故障の主原因
解明により、新しい戦略を考察し、商業化させる。リチウム金属製ア
ノード電池は、次世代電池技術の要件であり、従来はグラファイト製
アノードの2倍のエネルギー密度をもち、軽量化・長寿命化を実現し、
電気自動車航続距離を倍にする。しかし、リチウム金属電池は、クー
ロン効率が低い──動作停止前に充電回数が制限──再生するにつれ
活性リチウムと電解質の蓄えが使い果たされる。この原因がアノード
と電解質間の固体電解質界面(SEI)層の成長に起因することを突き止
めることにある。リチウム金属の堆積物で、バッテリーが放電時にア
ノードから分離し、SEI層が閉じ込められ、アノードとの電気接続を
失い不活性リチウム形成。閉じ込められたリチウムは、セルのクーロ
ン効率低下の主原因である。

不活性リチウムの成分の測定

従って、未反応のリチウム金属が不活性リチウムとして捕捉される量
を測定することで原因特定──①再充電したハーフセル上に形成され
た不活性リチウムサンプルが入った密閉フラスコに水を加え、未反応
のリチウム金属が、水と化学的に反応し、水素ガスを生成。生成され
るガス量の測定し捕捉されたリチウム金属量を算定する。②また不活
性リチウムは、SEI層の構成要素のリチウムイオンで構成された量は、
不活性リチウムの総量から未反応のリチウム金属量のを差分だけで算
定できる。「リチウム金属ハーフセル試験法」で、未反応のリチウム
金属が不活性リチウム主要成分であること突き止める。クーロン効率
が低下するほど、クーロン効率は低下。その間、SEI層からのリチウ
ムイオンの量は常に低い状態にあり、この結果は、8つの異なる電解
質で観察。リチウム金属電池の主な故障生成物は、SEIではなく未反
応の金属リチウムであり、不活性リチウムの2つの成分を超高精度で
定量化できる方法であり、他の特性評価ツールでは不可能である。多
くの異なるタイプの寄生反応がリチウム金属で同時発生し、これらの
異なるタイプの不活性リチウムとの区別はほとんど不可能であり、リ
チウム金属電池の効率評価の標準化されることを望んでいる。

※この事例のごとく、常に研究開発当事者の前に立ちはだかることを
熟知されており、革新的な発明の前には、革新的な評価方法の発明が
必定であることを実体験するものである。

 

160万km走行できる充電回数対応可能な蓄電池

9月7日、テスラ社の研究グループは、複数条件下で、さまざまな正
極・負極・電解質の組み合わせのリチウムイオン電池を試験評価し、
LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2(NMC532)/AGセルが、100%DODのサイクルでも長寿
命であることを見いだしたことを公表。上図のグラフは横が充電サイ
クル数、縦が使用できる充電容量。今回の試験結果である緑色と紫色
の線を、従来の蓄電池を100%DODサイクルで使用したときの結果を示
した黒色と比較すると、劣化が非常に緩慢であり、40℃の環境下(緑
色)でも4000サイクル、テスラのアクティブクーリングシステムを想
定した20℃(紫色)だと、サイクル数は6000となる。結果このタイプの
セルであれば寿命が160万kmにも及び、大規模送電網(あるいは仮
想発電所)用蓄電装置として少なくとも20年は使用可能だとする。

米国の一般家庭のガソリン車の走行距離は、1日平均で52km。一方、
電気自動車(EV)の航続距離は、初期の頃は100km台であったが、改
良が重ねられて300km~400kmを実現。もっとも、タクシーや長
距離トラック用には十分でない。つまり、蓄電池容量に対しどれぐら
い放電するかを「放電深度(Depth of discharge:DOD)」と呼び、蓄
電池寿命が浅い放電深度で繰り返し使った方が寿命が長くなり、タク
シーやトラックのような「100%DOD」の使い方では、バッテリー寿命
は短くなる傾向にある。 

参考論文:
最新電池技術のベンチマーク用最適リチウムイオン電池化学に関する
広範な試験結果;A Wide Range of Testing Results on an Excellent
Lithium-Ion Cell Chemistry to be used as Benchmarks for New
Battery Technologies, doi: 10.1149/2.0981913jes  J. Electrochem.
Soc.2019  volume 166, issue 13, A3031-A3044 

【要約】                                                             

最長3年間の耐久試験では。20、40および55℃の長期充放電サイクル、
20、40および55℃の長期保存、および40℃での高精度クーロメトリー
(電荷変化量測定)が含まれる。このLiNi0.5Mn0.3Co0.2O2/グラファイ
トは、急速充電促進用の異なる電解質が考慮されおり、このようなセ
ルの性能低下とインピーダンス成長の原因が種々の方法で調査されて
いる。この種のセルは、160万キロメートル(100万マイル)以上にわ
たり電気自動車に電力供給する必要があり、少なくとも20年間は大
規模送電網用蓄電装置(あるいは仮想発電所)用に使用できる。尚、
この研究では、他のセル形式依存する損失を計測できない場合がある
(例;円筒型 vs.ポーチ型 )。

 

図22;  図10aのセルの条件下で正確にテストされたセルから取られ
た単結晶NMC532正極の断面SEM。5300サイクル後、セルの容量保持率は
97%。どの電極粒子にも微小亀裂は事実上ない---- これらのセルがサ
イクリング中に正極活物質の損失を示さない理由--ことに注目。

図10;NMC532 /グラファイトセルの20°Cでの1Cテストの結果、100
サイクルごとのレートマップ。C / 20、C / 2、1C、2C、および3Cマー
カーは、指定されたレートでの対応する放電の放電容量を示す。
a)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5 M LiPF6、2%VC + 1%DTD、3.0〜
4.1 Vでテスト済み。
b)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.2 M LiPF6、2%FEC + 1%LFO、3.0〜
4.1 Vでテスト済み。
c)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5 M LiPF6、2%VC + 1%DTD、3.0〜
4.3 Vでテスト済み。
d)ECでの1.2 M LiPF6:EMC:DMC 25:5:70、3.0%から4.3 Vで2%
FEC + 1%LFOをテスト済み。
e)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5 M LiPF6、2%FEC + 1%LFO、3.0〜
4.3 Vでテスト済み。
f)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.8 M LiPF6 3.0%と4.3 Vの間でテスト
された2%FEC + 1%LFO。2%VC + 1%DTD添加剤ブレンドを使用するセ
ルのデータは黒で表示。2%FEC + 1%LFO添加剤ブレンドを使用するセ
ルのデータは青で表示。

図2;数か月ごとの参照パフォーマンステストにより決定され、NMC/
グラファイトセルの残り容量とストレージ時間。Ecker et al.および
Schmitt et al.のデータは、それぞれ Sanyo UR18650EおよびSony US
18650V3 セルに関するもの。セルが保存された電圧と温度は、凡例に
記載されている。 

  

図3;Naumann et al.のLFP /グラファイトセル(Sony US26650FTC1)
および定期的な基準性能テスト(RPT)で決定されたこの作業のセルの
残りの容量とストレージ時間 セルが保存された電圧と温度は凡例に記
載されている。

図4;a)単結晶NMC532粉末(SC-532)のSEM画像。 b)圧縮後のAML-
400負極表面の上面SEM画像。 c)カナダの2ドル硬貨(「toonie」)の
隣にある402035サイズのポーチセルの1つの画像。



表1; a)ここで使用したNMC532 / graphite 402035(40 mm x 20 mm
x 3.5 mm厚)ポーチセルの測定された特性。 正極は94%の活物質で、
負荷は21.1 mg / cm2(目標は21.3)で、電極密度は3.5 g / cm3。 負極
は95.4%の活物質で、負荷量は12.2 mg / cm2(ターゲットは11.8)で、
電極密度は1.55 g / cm3でした。 b)いくつかの電極の厚さに対する
NMC532 /グラファイトカップルのスタックエネルギー密度。 b)スタッ
クエネルギー密度の計算-電極スタックの値を示します(ネガティブコ
ーティング/銅/ネガティブコーティング/セパレータ/ポジティブコーテ
ィング/アルミニウム/ポジティブコーティング/セパレータ)。前提条
件-銅箔= 8μm、アルミ箔= 15μm、セパレータ= 16μm、N / P容量比
=1.1 at4.3 V、平均セル電圧=3.75V。強調表示された行は、この作業
で使用した設計を表す。



図5;この作業で使用されるパウチセルに組み込まれる電解質で使用
される溶媒と添加剤。 EC =エチレンカーボネート(CAS#= 96-49-1)、
DMC =ジメチルカーボネート(CAS#= 616-38-6)、EMC =エチルメチル
カーボネート(CAS#= 623-53-0)、FEC =フルオロエチレンカーボネ
ート( CAS#= 114435-02-8)、DTD =エチレン硫酸塩(CAS#= 1072-53
-3)、VC =ビニレンカーボネート(CAS#= CAS No.872-36-6)、LiPO2F2
(ここではLFOと呼びます)= ジフルオロリン酸リチウム(CAS#=
24389-25-1)。

図6;a)LiPF6 EC:DMC:MA 30:50:20、EC:DMCおよびEC:EMC電解
質のモル濃度に対する20°Cでの導電率。 b)同じ溶媒ブレンドでの
1.0 m LiPF6の温度に対する伝導率。 実線は、GeeringのAdvanced
Electrolyte Model(AEM)の予測。

 

図7;左パネル)ストレージテスト中のセルを定期的に監視するため
に使用される参照性能テストプロトコルを示す。中央パネル)20°Cで
1Cでサイクルされるセルの100サイクルごとに収集されるレートマップ
で使用されるプロトコル。 右パネル)ΔVの計算方法を模式的に示す。


図8;凡例に示されている条件下で3.0〜4.3 VでテストされたNMC532 /
グラファイトセルのサイクル数に対してプロットされた比容量と正規
化されたΔV。 テストの期間は、最も成熟した細胞について示す。


【結果及び考察】

充放電サイクルの結果

図8および9は、3.0〜4.3 V(0〜100%SOC、図8)および3.0〜4.2 V
(0〜90%)でテストするNMC532 /グラファイトセルのサイクル数デー
タと正規化ΔV対サイクル数データの容量維持率を示す。 SOC、図9)。
C / 3でテストされたセルは、図の凡例に示された選択された添加剤を
含むEC:EMC 30:70電解液で1.0 M LiPF6を使用し、1Cでテストされた
セルは1.2 M(2FEC + 1LFO)または1.5 M(2VC + 1DTD )EC:EMC:
DMC 25:5:70電解質のLiPF6。 テストの期間は凡例に示す。 図8の適
切なデータは、図1のEcker et al.2のデータとの比較に使用さた。パ
ネルごとに異なる図8および9の非常に拡大された垂直スケールに要注意。

    図9;凡例に示す条件で3.0〜4.2 VでテストしたNMC532 /グラファイ
トセルのサイクル数に対してプロットされた比容量と正規化されたΔV。
テストの期間は、最も成熟した細胞について示す。
図8は、2%FEC + 1%LFOの添加剤ブレンドが、2%VC + 1%DTDと比較し
て20°Cで大きな利点を提供することを示しています。ただし、高温で
は、状況は逆転します。そのため、添加剤の選択は用途に応じて異なる。
いずれにせよ、図8のデータは、0〜100%SOCでテストされたNMC /グラ
ファイトセルで見た文献データよりもはるかに優れている。図8と図9
を比較すると、上限カットオフ電位を下げることの主な利点は、20°
Cと40°Cでのインピーダンスの成長をよりよく制御できることがわかる。
上図10は、1Cでレートマップと20°CでテストしたNMC532 /グラファイ
トセルのサイクル数に対する容量を示しています。図10aおよび10bは、
これらのセルのサイクルが3.0〜4.1 Vの間で非常に印象的であり、3C
容量の測定可能な損失がないことを示す。図10cは、添加剤混合物2%VC
+ 1%DTDを使用すると、テスト中に3.0〜4.3Vで3C容量が失われること
を示しています。図10dは、添加剤混合物2%FEC + 1%LFOを使用した場
合、3.0 Vと4.3 Vの間の5400サイクル後でも3C容量の損失が事実上ない
ことを示す。図10eと10fは、3.0〜4.3 Vでテストされた2%FEC+1%LFO
のセルに使用される。

要注意:図10のC / 20容量対サイクル数がサイクル数とともにゆっくり
減衰するのに対し、1C容量はよりゆっくりと減衰する理由を疑問に思う
かもしれない。これは、参考文献16の図6を囲むテキストで説明してい
る。図11は、レートマップ中に測定された、図10で説明したセルの放電
の電圧-容量曲線を示す。各色の8つの曲線は、容量とサイクル数の曲線
に沿って等間隔で取得。図11aおよび11bは、5200(図11a)および3100
(図11b)サイクルの3C放電曲線の仮想オーバーラップから決定できる
ように、4.1 Vにサイクルされたセルには実質的にインピーダンスの成
長しないことを示す。対照的に、図11cおよび11dは、サイクルテスト中
に3C放電曲線が連続的に下にシフトのため、セルを4.3 Vに充電すると
インピーダンスが増加する証拠を示しています。図11eおよび11fは、
2%FEC + 1%LFO添加剤の存在下でLiPF6濃度を増加させると、4100サイ
クルを超えても3Cで4.3Vにサイクリングする際のインピーダンスの増加
が事実上なくる。



図11;図10のセルの放電率マップのC / 20、C / 2、1C、2C、およ
び3Cサイクルの電圧対容量。容量対サイクル数曲線に沿って等間隔で
各色の8つの曲線を取得した。
a)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5M LiPF6、2%VC + 1%DTD、3.0〜4.1
Vでテスト済み。
b)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.2M LiPF6、2%FEC +1%LFO、3.0〜4.1
Vでテスト済み。
c)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5 MLiPF6、2%VC +1%DTD、3.0〜4.3 V
でテスト済み。
d)ECでの1. M LiPF6:EMC:DMC 25:5:70、3.0%から4.3 Vで2%FEC+
1%LFOをテスト済み。
e)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.5M LiPF6、2%FEC +1%LFO、3.0〜4.3
Vでテスト済み。
f)EC:EMC:DMC 25:5:70の1.8 M LiPF6、2%FEC + 1%LFO、3.0から
4.3 Vでテスト済み。

以下、紙面上割愛。この論文は、全個体型リチウムイオン電池を含め
た全固体型(金属-空気)電池の実用(商用)段階に突入しているこ
とを担保する、この分野でもトップクラスの冶金技術/電池技術の日
本が世界を席巻することになる(経営力の停滞が心配?)。

 



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