● 抗インフルエンザ薬がエボラ出血熱に効く理由は?
西アフリカでエボラ出血熱が猛威を振るっている。世界保健機関(WHO)の発表によれば、感染者は
疑いのある人も含めて2615人。死者は1427人に達しており(08月20日時点)過去最大の流行となってい
るが(上表参考クリック)、エボラ出血熱は、ウイルス性の感染症で、血液や体液に触れることで感染
し発症すると発熱や頭痛、筋肉痛などを伴い出血するが、くしゃみや咳などの飛沫で感染するSARS(新
型肺炎)や インフルエンザに比べて感染力は弱いとされるが致死率は高い。かつて中央アフリカや西ア
フリカで発生した際には、致死率は最大で90%近くに達したこともあり、常に患者がいる病気ではない
特徴があるという。ところが、実際の患者に投与して薬の有効性や安全性を確認する「臨床試験(治験)
ができないため、エボラ出血熱の予防ワクチンや治療薬の開発に乗り出す製薬会社はほとんどない」(
製薬業界関係者)。ひとたび発症すれば、隔離して熱を下げるなど対症療法しかないという。
ところが、一躍注目を集めたのが、富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富山化学工業が開発
したインフルエンザ薬「ファビピラビル」だというテレビニュースが流れた。これは、米国防総省がエ
ボラ出血熱の治療薬として実用化を急ぐ意向を表明し、現在、薬を審査する「米食品医薬品局(FDA)
と、治験に向けた準備を進めているという(富士フイルムHD)。08月12日には、WHOが有効性や安
全性が完全に確認されていない未承認薬の使用を一部容認する方針を表明しているという。ファビピラ
ビルは「タミフル」や「リレンザ」など、従来のインフルエンザ薬とは、効き方のメカニズムが異なる
薬だが、従来の薬がウイルスを細胞内に閉じ込めるのに対し、ファビピラビルはウイルスの増殖自体を
防ぐというもの。米国では、通常の季節性インフルエンザ薬の治験が進められている一方で、新しいメ
カニズムを持つ抗ウイルス薬として、インフルエンザだけでなく、さまざまな類似のウイルス感染症に
効く可能性もあり、論文ベースでは「マウスでは、エボラ出血熱に効果があることが分かっていた」(
富士フイルムHD)という――個人的には、これが有効であろうという根拠についての情報をいまのと
ころ入手できていない――が、2012年に国防総省は、富士フイルムと提携し米国でファビピラビルの開
発を進める米メディベクターに約1億3800万ドル(当時のレートで約110億円)を助成している。通常の
インフルエンザ薬としてだけでなく、バイオテロなどに備える薬として開発を促す側面もあるかも知れ
ないという情報もある(「エボラ感染拡大で急浮上 富士フイルムのインフル薬」、週刊ダイヤモンド、
2014.08.25)。ところが、ファビピラビルは今年3月に日本でインフルエンザの治療薬として厚生労働
省から製造販売を承認されたものの、動物による安全性試験で胎児に奇形が生じるリスクがあるため対
象疾患が、新型または長らく発生していなかった再興型のインフルエンザに限られた異例の"条件付き"
で、現状では、通常の季節性インフルエンザの治療には使えない”待機薬”だといわれる。
ところで、現在日本で開発中の新規薬剤を含めた抗インフルエンザウイルス薬は、下記に厚生労働省の
作用機序別分類によると5種類になる。
?宿主細胞への吸着・侵入・脱殻の過程を阻害:アマンタジン(シンメトレル)、リマンタジン(日本
では販売していない。)
?RNA複製の過程を阻害:リバビリン:肝炎ウイルスのくすり、ファビピラビル(T-705):開発中
?細胞からの遊離の過程を阻害:ザナミビル(リレンザ)、オセルタミビル(タミフル)、ペラミビル
(ラピアクタ)、ラニナミビル(イナビル)
そこで、「?RNA複製の過程を阻害」とはなんだということになり、この作用がどうしてエボラ出血熱
ウイルスに効くのかが疑問として浮上。なお、上の図のように抗インフルエンザウイルス薬は、宿主細
胞におけるインフルエンザウイルスの感染と増殖の3つの過程(?標的の宿主細胞への吸着・侵入・脱
殻、?RNA複製、?細胞からの遊離)のいずれかに作用して効果を発揮(発現)するというが、"ファビ
ピラビル"は、図左下の「RNAポリメラーゼ阻害薬」に該当する。
つまり、T-705(一般名:ファビピラビル、商品名:アビガン錠200mg)は富山化学工業株式会社の抗ウ
イルス剤研究の中から見出され、富山大学医学部の白木公康教授との共同研究により、感染実験での有
効性が確認され最終的な開発化合物として選定されたとホームページに記載されている(上図クリック)。
それによると、T-705 は、各種インフルエンザウイルスに対して試験管レベルならびに感染動物モデル
で強い活性を示し、パンデミックが懸念されている鳥インフルエンザに関しても強い活性を示すことが
ユタ州立大学、東京大学等から報告されているという。T-705の最大の特徴は、これまでの抗インフルエ
ンザウイルス剤と異なる新規な作用機序で、細胞内でT-705が活性体である三リン酸体に変換され、イン
フルエンザウイルスの複製酵素であるRNAポリメラーゼを選択的に阻害してウイルスの増殖を直接阻止
することができる。また、新規な作用機序であることから、既販薬剤に対する耐性株に対しても効果を
示すメリットがあると記載されているので、「細胞内でT-705が活性体である三リン酸体へ変換する」こ
との重要な機構が、そのほかのウイルスに有効(副作用は未確認)ではないかということらしい。いず
れにしても(インフルにしても、エボラ出血熱にしても、鳥インフル、豚インフルにしてもとの意)大
変重要な技術にあることに論はない。
テレビを観ていたら富士フィルム工業が「テープストレージ」のCM――デジタルは電磁波の影響を受け
やすく記録媒体としてはふさわしくない――という風なキャッチーが流されていたが、太陽風など電磁
波障害に弱く、保持力の大きな磁気テープの記録媒体を使用しておくことことの合理性は了解できるも
ののディスクなどの記録媒体の弱点をデジタル技術の弱点までに拡大させていることに疑問が浮上。そ
こで、現状がどうのようになっているのかネット検索し確認してみたが、その背景に、デジタルデータ
量の急拡大があり、ディスクの価格下落に伴いD2D(ディスク・ツゥ・ディスク)のような読み書きの高
速なディスクサブシステムだでストレージシステムを完結させる動きも見られるようになったが、バッ
クアップに求められる数々の要件で、テープストレージを併用しなければ決して満たせない低コストの
バックアップソリューションが欠かせないこと了解する。と、このように簡単に片づけるのは優しいが
前述した第一の疑問でも紹介した富士フイルム工業も『デジタル技術渦論』の影響甚大で写真フィルム
や磁気テープ市場規模の縮小後退で苦労してきた経緯があるが、「バリウムフェライト」「ナノキュー
ブ」の技術力はトップクラスの実力もち、さらには銀塩フィルムのコラーゲン製造応用技術は化粧品な
どの市場開拓に貢献している。何事も柔軟に考え機動的に行動することの大切さを再認識することとな
った。
●目的はエリオシトリン?ゼブラフィッシュ?
ここ二日で体調が狂ってしまった。虫歯痛で抗生物質を1週間ほど1日3回服用していたが、朝から、元気がない
、吐く、冷や汗、 だるい、食欲不振などの副作用がでたので服用を止めると回復したが、一時は酒の飲み過ぎや
風邪や疲れによるものかと考え、栄養剤など飲んでもみた。そして、テレビ「あさイチ」でレモンポリフェノールの「
エリオシトリン」を特集紹介されていたので、メタボや脂肪肝などに効くのではないかとレモン酒を作り飲んでみよ
うかと思い付き、回復をまって今日下調べに入いる。
エリオシトリンは、レモンやライムの皮に多く含まれる黄色色素。レモン、ライムに多く存在し、同じ
柑橘類でもオレンジ、グレープフルーツにはほとんど含まれていない成分。強力な抗酸化作用をもち、
脂質の酸化を防いでがん予防や高血圧・動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果を発揮するほか、肝臓・
腎臓・血管中での過酸化脂質の生成を抑制、肥満予防、糖尿病の合併症予防、筋肉の老化予防、エコノ
ミークラス症候群予防などに効果が期待できる。「レモンポリフェノール」とも呼ばれる。レモンに含ま
れる成分が脂肪肝になるのを抑える効果があるという研究結果を三重大などのグループがまとめ発表している。
つまり、調べていくうちに、三重大学の田中利男教授(らの研究グループ)は、人間の遺伝子と似てい
るゼブラフィッシュを使い、従来のラットやハムスターなどに代えて、新しいヒト疾患モデル動物とし
て普及拡大させていこうとの意図に気付く。つまり、エリオシトリンで脂肪肝をなくす目的が主ではな
いということに。肝心のレモン酒というと、ホワイトリッカーと氷砂糖、塩、そしてレモン、あと香料
として桂皮、クローブ、フェンネルシードに加えるレシピを考案したが、農薬&ワックスフリーのレモ
ンを手に入れるのは難しいことも、つけ込む時期でもないことに気づいたが、ここは強行突破?するこ
とに。それにしても、回復したからといって、以上3つの疑問を解くには長時間のデスクワークとなり
またまた、頭痛をともなう眼精疲労にみまわれた次第。彼女曰く「自業自得よ。」と、今夜はこの辺で。
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