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ソーシャルキャピタル論②

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9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25)
------------------------------------------------------------  
7 わたしがもの知りだという評判は、じつはまちがっている。わ
たしは、質問者があまりに無知で、何をききたいのか要領を得ない
とき、いろいろとききかえして疑問点をはっきりさせてやるだけだ。
(孔子)

子曰、吾有知乎哉、無知也、有鄙夫、來問於我、空空如也、我叩其
兩端而竭焉。

Confucius said, "Do I have wisdom? No, I do not. When someone
visits me to ask a question, I always reply understanding what
he is saying, even if he is a poor talker."

    

【ポストエネルギー革命序論97】





最新麺食品加工事業篇:世界初!きくらげヌードル

食品加工技術の進化が止まらない。麺・餡・パン・食肉・ラクト・
酒・飲料水・スープ・調味料とありとあらゆる分野にその進化が及
んでいる。現在、国産きくらげを「ヌードル」----キクラゲの栽培
を手掛ける富山福舞本舗(富山市)が「きくらげスープヌードル」
を発売。細く切ったキクラゲを麺に見立て、スープに入れて食べる
ことで、食物繊維を多く含み、ダイエット志向が強い男女向けに販
売----話題となっている。材料は農薬や化学肥料を使わずに育て、
キクラゲを沸騰したお湯で15~30秒ゆで、スープに入れると食
べられる状態になる。5食入りで価格は贈答用が3千円、自宅用が
2千5百円。スープはしょうゆ、塩の2種類。尚、同社は建設業を
手掛けるエイチエフェクトの子会社で17年の設立。今年に入り、
キクラゲの生産が軌道に乗ったため、商品の販売を始めた。今回は
①栽培方法、②製麺方法から関連特許を下記に参考掲載。
【最新関連特許技術】
特開2018-042542 キクラゲの菌床とその栽培方法 株式会社ハルカ
インターナショナル
【概説】
下図2のごとく、菌床の植菌穴位置と数、発芽誘導口の作り方と位
置と数をバランスのある範囲内に規定することにより菌床体内容物
のキクラゲへの転換割合を高くし、栽培環境については外気を大量
に流入させながらの自然環境と噴霧の人工環境を変化を一日あたり
2~5回繰り返すことで、キクラゲを菌床から数回の収穫で菌床内
部の栄養源を効率よく使い切るかは発芽させる位置、空気にさらす
表面積、菌床体の形状、容積、栽培の作業性から理想の菌床体の仕
様が課題であった。キクラゲの栽培環境は湿度を自動制御する為の
手短なセンサー、装置が世の中に無く湿度がばらつき雑菌が繁殖し
たり水っぽいキクラゲになったり生育スピードが遅かったり生育も
ばらついて栽培環境の理想の形もクリア。

図2 JP2018042542A

特開2016-116487 キクラゲの栽培方法 国立大学法人長岡技術科学
大学 也
特開2013-48616 キクラゲ類に属するきのこの瓶容器栽培方法 株
式会社キノックス
特開2009-050192 ハナビラタケの菌核を含有する食品
【概要】
ハナビラタケ、キクラゲ、シロキクラゲ、アラゲキクラゲの菌核を
含むことを特徴とする食品類とする。食品類とは、食品組成物又は
飲料又は健康食品またはペット用健康食品を含む。なお、菌核とは
菌糸体から分化した菌糸の塊であり、胞子が存在しない点で子実体
と区別される真菌類や細菌類の汚染が極めて少なく生食又はこれに
近い調理による食品利用が可能なハナビラタケ、キクラゲ、シロキ
クラゲ、アラゲキクラゲを含む食品を提供する。上記特徴を有する
ハナビラタケ等の菌核を組成物として含有するものであり、好まし
くは、ハナビラタケ等の菌核を適当な大きさの角形や球形、スライ
ス形に成形し、その成形品を用いて各種調理・加工食品を提供する。
また、ハナビラタケ等の菌核を粉砕し、健康食品や調味料、食品組
成物、飲料、ペットフードの素材として利用する。具体的な用途と
する。下記に実施例データを記載。
JP 2009-50192 A 2009.3.12

❏商品価格として少し高いようだが、普及とともにコストダウンす
るだろう。魅力的なのは環境制御が整備できれば、世界のどこでも
栽培・製麵可能なのが魅力的だ。

 図1

ホンダ 世界最大のNAS電池、瞬低対策用を系統安定化
東電・ホンダ、太陽光活用で連携 蓄電池で需給最適化

今春の大型連休中、4月28日と29日に本田技術研究所の研究開
発拠点で、大規模なナトリウム硫黄(NAS)電池システムを 使って
需給調整を実施。場所は、栃木県芳賀町にあるオートモービルセン
タ。蓄電池の規模は、出力12MW、容量100MWhに達する(上図1)。
このシステムは、蓄電池は世界最大規模。本田技術研究所はホンダ
の研究開発子会社で、同センタにさまざまな発電設備や蓄電池を導
入、東京電力グループとも以前から連携し、これらのシステムを活
用、電力系統の安定化に寄与する需給調整の実証実験などに取り組
んできた。(ホンダが需要家で世界最大のNAS電池、瞬低対策用を系
統安定化に活用,日経 xTECH,2019.11.21)

九州電力が、18年秋~19年春にかけて太陽光発電の出力を制御
(抑制)したように、今後、ほかの地域でも太陽光発電の大量導入
に伴って、春と秋の昼間軽負荷期には、供給力が需要を上回る可能
性が高まっている。今回の需給調整が実施された大型連休中の好天
日は、まさにそのような日で、東電管内でも、将来的にこうした段
階に進む可能性がある。電力会社の系統運用では、火力発電の調整
や、地域間での融通に加えて、大口需要家である企業の協力を得て、
事業所の操業調整対応の選択肢も可能になる。今回は、需要家の持
つ大型蓄電池を使い、需給調整するもので、国内では先進的。現時
点で大型蓄電池を持つ需要家は限られているが、今後、電気自動車
(EV)を含め、一定以上の規模の蓄電池を持つ事業所が増える。

 図2

そこで、より多くの企業の協力を得て同様の需給調整を実現できれ
ば、太陽光発電への出力抑制を極力少なくし、より多く系統で受け
入れつつ、安定的に系統運用できる可能性がある。今後も太陽光発
電を継続的に伸ばしつつ、その電力をできるだけ多く活用するには、
需要家側の蓄電池の活用は、有望な技術の一つ。今回の需給調整に
東電から本田技術研究所に対して、報奨金などの支払いはないとい。
本田技術研究所は、再生可能エネルギーの電力を最大限に活用でき
る系統運用の確立に協力する。春の大型連休中には、事業用の需要
が少なく、電力が余り気味になる。電力会社は通常、火力発電を抑
えつつ、揚水発電の汲み上げ運転などで対応する。本田技術研究所
の NAS電池を使うことで需要を増やし、より多くの再エネを受け入
れられる効果を確かめた。具体的には、昼の3時間、系統の電力を
NAS電池に 充電し、夕方以降の6時間、放電して所内で消費した。
太陽光の電力が余りやすい昼に需要を増やし、太陽光の電力が減る
一方、需要が増える夕方以降、貯めた電力を所内で使って系統から
の受電を減らした。同センターでは、休日でも電力消費が多いため
に、この需給調整を可能としている。所内では、耐久運転テストな
どで電力を常時消費している(図3)。設備を稼働し続けて、24
時間体制でこのテストを実施している。

 図3

 図4

尚、夏季の電力需要のピーク時間にNAS電池をフル放電すると、電
池自体の発熱で直後に出力を抑制しなければならない時間が数時間、
必要となる。また、NAS電池は300℃の高温で動作する特性から、電
熱ヒーターによるロスが生じることへの配慮が要る。環境価値関連
ではそのロス分が電力コストと二酸化炭素の増加要因になる。

“タピオカパワー”で絶好調のCMOSセンサ
ソニーの半導体が絶好調です。19年、「リーマンショック以上」
ともいわれる不況のさなかにいる半導体市場ですが同年上半期の半
導体企業上位15位の中でソニーは唯一のプラス成長、それも13
%と2桁成長を遂げていた。さらに、19年10月30日に行われ
た同年度第2四半期(7~9月)決算説明会でも、半導体部門は前
年比22%増の3107億円を売上げている。ソニーの半導体分野
売上の大半を占める、スマートフォン向けの「CMOSイメージセンサ」。
フランスの市場調査会社のYole Développementによると、CMOSイメ
ージセンサ売上高の約70%をモバイル分野が占めている状況。ス
マホ向けはCMOSイメージセンサ市場の主戦場となっているが、ここ
で、大きな追い風となっているのが、暗所でもきれいに撮影できる
センサの「大判化」と、複数のカメラを搭載する「多眼化」という
トレンド。

スマホの販売台数が低迷するなかにあっても、モバイル分野のCMOS
イメージセンサーは19年通期、前年同期比10%の成長が見込ま
れるうえ、23年ごろまで同様に成長。24年には240億米ドル
の市場規模になると予測されている。ハイエンドCMOSイメージセン
サは、ソニーにしかできないといわれる技術力により、金額シェア
が約50%と2位以下を大きく引き離した圧勝状態となっている。
さらに現状を踏まえ、新工場の立ち上げ決定など、生産能力の拡大
も決定。「現在の中期計画(18年~20年度)の3年間でイメー
ジセンサへの設備投資額は7000億円程度に、さらに、数百億円
増加する可能性があり、21年度からの中期計画で計画していた投
資を一部前倒しする可能性はあると強気姿勢を見せている。



しかし、ネガティブの予想もある。①Samsung Electronics 中国ス
マホ大手メーカーへの追随・競争が激化、②モバイル分野の成長自
体の翳り、24年ごろには低調になる、と。市場拡大が期待される
車載用途でも首位を目指すしているが、車載向けは「On Semicond-
uctor」が圧倒的な分野。800万画素クラスの車載用CMOSイメージセ
ンサの20年量産開始を決めている。

↑ 21年めどにパナソニック、液晶パネルの生産終了


人口減少時代のまちづくり㉕ 

42 道路や橋などのインフラの再生整備が必要な理由は
【要点】
①高度成長期に整備されたインフラは整備後30~40年が経過し
ており、今後急速に老朽化が進む。
②耐用年数を経過した施設は、必要な機能を確保するよう施設全体
を作り替え、更新を行う必要がある。
③教育・文化施設等は、老朽化や耐震化等の安全性も含めて計画的
に整備が必要である。  

1 高度経済成長期のインフラは今後急速に老朽化が進む  
一般に、私たちの生活や産業経済活動を支える基盤としての構造物
(道路や鉄道、上下水道、発電所・電力網、通信網、港湾、 空港、
濯漑・治水施設などの公共的・公益的な設備や施設等)をインフラ
ストラクチャーと言い、簡略化してインフラと呼ぶ。そしてこれら
のインフラは、終戦後の国土荒廃の時期を経て、高度経済成長期以
降に集中的に整備され、我が国の目覚ましい発展を下支えしてきた。
1964年の東京オリンピックを契機とした東海道新幹線や首都高
速道路の整備とその後の全国への展開は記憶に新しいところです。
一方、私たちの身の回りでも道路や橋梁、上下道、さらに公副寺が
順次整備され、生活環境は大きく変化してきました。今、こうした
インフラはおしなべて整備後30~40年が経過しており、今後急
速に老朽化が進むことが懸念されている。  



2 求められるインフラの計画的な整備  
国の試算では、高度成長期以降に整備されたインフラが、今後20
年間で建設後50年以上経過する割合が一気に高まる。そのため、
老朽化するインフラを計画的に整備することが求められる。しかし、
こうしたインフラは、日常的な点検や、劣化した部分の修繕等を行
うことが大切で、結果として施設の状態を良好に保つとともに、耐
用年数を延ばすことにもつながる。一方で、耐用年数を経過した施
設は、必要な機能を確保するよう施設全休を作り替え、更新を行う
必要があります。また、インフラと言ってもその内容は多様です。
都市の主要な構造物以外のもので、今、人口の減少や少子化傾向に
伴って大きな話題になっているのが、教育施設や文化施設等の公共
建築物等の維持、更新、そして市街地の空洞化等に伴う低利用、再
配置に関わる問題。これらの建築物は、老朽化に加えて耐震化等安
全性の問題も含めて計画的に整備を進めていく必要がある。

3 国・都道府県等のこれまでの取り組み
国は、長期的な視点に立ち国土開発の方向を明らかにするために、
1962年以降数次わたり全国総合開発計画等を策定し、それらに
基づいて地域振興政策、社会資本整備等を実施してきた。また、分
野別にも道路整備、港湾整備、下水道整備、空港整備、都市公副寺
整備、治水事業等の長期計画が策定され、整備が進められてきた。
都道府県や市町村においても、それぞれの役割分担に基づき計画的
に整備が進められている。今後の人口減少社会や成熟化社会におけ
るインフラの整備に向けて、一層の対応が求められている。

4 今後、どうして行くべきでしょうか  
こうしたインフラの整備は、単体の分野での取り組みでは効率的で
はありません。また、長期的な視点を持ち、情報化や技術革新の流
れを踏まえつつ、都市・地域の将来ビジョンや上地利用のあり方を
考慮しつつ検討されるべきです。その上で、限られた財源の中で、
求められる事業に対応するためには、都市・地域の実情を踏まえつ
つ、緊急性、効率性、時間軸、さらに民間活力の活用等の戦略的な
視点を持って取り組んでいく必要があります。       
キーワード インフラストラクチャー/老朽化/財源

43 墓地や火葬場の不足の現況は
【要点】
①管理できずに無縁墓地化し、荒れたお墓が増えている。
②火葬場は人□増加が急激であった首都圏を中心に不足が現実のも
のとなっている。
③不足が予想される大都市部での墓地、火葬場の計画的な対応が求
められる。  

1 人口が急増した地域での墓地・火葬場の不足  
墓地は、「墓地、埋葬等に関する法律」で規制されており、墓地以
外に遺骨を埋めることを禁じています。但し、撒くことは規制の対
象とされていません。いずれにしても、現代では死体を埋葬するこ
とはほとんどないので、お墓は遺骨の収蔵場所として現在、全国で
約90万ケ所あると言われていますが、何基のお墓があるのかは把
握できていません。お墓は「○○家先祖代々」として代々継承する
ことが多かったですが、近年の世帯分離や核家能化によりお墓の分
散・核家能化も進んでいます。さらに、継承者が途絶えたり、管理
できずに無縁墓地化し荒れたお墓が増加する頬向にもあます。加え
て、犬都市部の人口が急増した地域を中心に、墓地不足が指摘され
るとともに、地価の問題もあり、遠くて、高価・狭小化の傾向が進
み、不足の上に得難い存在となっています。そして最近は、樹本葬
等もあり、お墓のあり方等も多様化しています。一万、火葬場につ
いても人口増加が急激であった首都圏を中心に不足が現実のものと
なっています。時間帯によっては遺族が長期間火葬を待たされたり、
友を引くので縁起が悪いとして敬遠してきた「友引」に火葬時間の
枠を広げて対応している施設もあります。  



2 これまでの取り組み~簡単でない新設、拡張と合意形成  
このような中で墓地は、公的、民間により墓地霊園等として供給さ
れてきましたが、高齢社会、核家族化の進展などを踏まえると需要
がさらに高まることが予想されます。しかし、都市部での需要は今
始まったことではありません。実際、1987年に始まった東京都
の八王子霊園では20倍近い競争率になったといわれ、墓の不足が
広く社会問題として認識されました。実際、墓地価格等から「遠・
高・狭」による対応や墓地の継承者問題などについて、供給側が個
別具体的に対応してきたというのが実情です。また、火葬場は公的
施設として整備されていますが、拡張等については周辺地域との合
意形成が難しい状況の中で、人的増員や施設の稼働率を上げるなど
によって不足に対応するなどの努力が行われています。高齢化を背
景に墓地、火葬場の需要は高まると予想されますが、多様な需要と
長期の見通し、さらに地域等との合意形成など、難しい取り組みが
求められています。

3 不足が予想される大都市部での墓地、火葬場の計画的な対応と
合意形成  
お墓は代々受け継がれていくのが当然と考えられてきましたが、ラ
イフスタイルや価値観の変化により大きく変わりつつある。そのた
め、多様な形態、例えば、墓地の核家液化に対応した立体化や場所
性を踏まえた樹本葬化等、さらには地域との合意を前提とした公共、
民間による再整備・新設などを計画的に検討、進めていく必要があ
ります。いずれにしても、お墓は遺された人が亡くなった方と対峙
する空間としての機能もあり、それにふさわしい場としての配慮が
必要です。また、火葬場については、稼働率向上など既存施設での
努力に加えて、住民との合意形成を基本とした拡充、新設の検討、
さらに葬送のあり方が多様化する中での施設内容の検討など、総合
的に進めていく必要がある。死者を葬送する場として取り組まれる
べきことは言うまでもありません。いずれにしても、不足が予想さ
れる大都市部での墓地、火葬場の計画的な対応が求められる。
キーワード 無縁墓地/遠・高・狭/多様化

44 身近な公共交通手段の現況は
【要点】
①地域鉄道は約8割の事業者が赤字を抱えている。
②乗合バス交通は民間事業者の約7割、公営事業者の約9割が赤字。
③コミュニティバスは、導入が増える一方で収支率が低く、財政負
担が大きくなるなどの問題がある。  

1 身近な公共交通手段の状況~厳しい経営環境と移動難民  
地域公共交通は、特に、大都市圈の道郊外部をけじめ地方圈におい
て、人口の減少や少子化、高齢化により利用者が減少し、経営状況
が圧迫され、赤字路線を廃止せざるを得ないなど困難な状況にあり
ます。さらに、自家用車の利用の増加も椙よって公共交通機関のシ
ェアは低下をしています。こうした中で、国上交通告によれば地域
鉄道は約8割の事業者が赤字を抱え、乗合バス交通は民間事業者の
約7割、公営事業者の約9割が赤字と言われ、厳しい経営状況に陥
っています。特に地方圈では、生活上の必要性から高齢者自ら自動
車を運転する割合が多く、高齢者の交通事故が増加しています。そ
して車を運転することができない高齢者では、例えば、買い物が困
難な状況の「買い物難民」や各種サービス施設への移動が困難な「
移動難民」の発生と増加が問題視されています。こうした問題は、
今、人都市圈における初期の遠郊外の住宅地においても顕在化しつ
つあります。このように、地域公共交通の衰退によって、必要な公
共交通サービスを受けることのできない地域、住民が今後とも増加
することが予想される厳しい状況にあります。  



2 地域のさまざまな取り組み~身近な移動手段の確保  
バス交通が危機的な状況になる一万で、コミュニティバスや乗合タ
クシーの導入が進んでいる。しかし、コミュニティバスについては、
導入が増える一方で既存路線バスとの競合問題や収支率(運送支出
に対する運送収入の割合)が低いため、財政負担が犬きくなるなど
の問題もあり収支率を向上させる工夫も必要になっている。その他、
乗り合いタクシーや福祉タクシー、自家用有償旅客運送(バス・タ
クシー事業者による移動が困難で、市町村、事業者、地域住民など
地域の関係者が必要と同意した場合、市町村、NPO等により運送
サービスを提供)、デマンド交通(電話予約など利用者の二ーズに
応じて柔軟な運行をう公共交通の一形態)なども各地で試みられて
いるが、特に、福祉タクシーでは市町村区域を越える移送区域の問
題も指摘されている。一方、国でも地域でのさまざまな試みを可能
とする制度改正等を進めるとともに、日常生活等の交通手段の確保
等に向けた基本理念である交通政策基本法の制定や地域交通を担う
多様な主体(国・市町村・都道府県・交通事業者・利用者・住民等
々)が、持続可能な公共交通のあり方について合意しつつ責任を持
って推進するための地域公共交通網形成計画の策定、それに基づく
各種事業の実施に向けた支援などを行っている。

3 今後、どうしたらよいのでしょうか~地域住民のため   
の移動手段の確保、そして地球環境への貢献ヘモータリゼーション
の進展や地域の人目減少、少子化、高齢化に伴い公共交通ネットワ
ークの縮小やサービス水準の低下が進みつつある中で、今後とも地
域住民のための移動手段の確保をきめ細かく、対応に努める必要が
あります。併せて、都市計画上の視点からも市街地や集落他の無秩
序な拡散を防ぎつつ、利便性の高い生活サービス拠点地区の誘導や
それらを結石交通ネットワークの形成などを進める必要がある。そ
して、こうした多様で総合的な収り組みにより、移動難民の解消に
とどまらず、容易に外出できる歩いて暮らせるまち、ひいては健康
増進のまちづくりへ、さらには来訪者への利便性・回遊性向上によ
る観光産業の振興等の地域活性化への可能性をも高めることにも繋
がるだろう。一方、公共交通による利便性の向上は、C02 の排出
抑制による持続可能な地球環境の排出という大きな課題にも応えう
る重要な収り組みと言える。
キーワード 移動難民/身近な移動手段

45 書店激減の実態は
【要点】
①全国420の自治体が「無書店自治体」に。
②国内の書籍流通市場の8割以上はリアルな書店で買われている。
③「取次業者」の経営破たんが書店の経営に波及。  

1 書店の減少が続いている  
書店の数が減少している。ここ10年間(07年から16年)で4
500店の書店が減少(出版状況クロニカル)。少子高齢化か進み、
出版物を購入する入自体が減少したことが根底にあると思われよす
が、その他にもいくつかの原因が挙げられています。書店の総数は
6年で1万2526店で、書店の総面積は、08年頃のピーク約1
30万坪前後から変わっていない。中小規模の書店が減少し、大規
模書店が増加している。最近では、地方の100坪前後の書店の廃
業が増えているが、大都市でも中小書店の減少は進んでいる(この
10年間で東京都で136店、大阪府で76店)。全国420の自
治体が既に書店が1店舗も無い「無書店自治体」となったという調
査もある。一方で、本を買うのにネット通販が大きな比率を占めて
きたことを、書広敷の減少の主たる原因に挙げることもあるが、ア
マゾンでも、国内の書籍流通市場の約1割を占めているに過ぎず、
8割以上はリアルな書店で買われている。

 

2 書店の減少は出版業界の苦境に連動  
書籍・雑誌の販売金額は、96年に2兆6564億円 のピークを向
えましたが、15年には、1兆5220億円に落ち込む。中でも雑
誌の売り上げは、97年に1兆5600億円のピークを向えたが、
20年間で半減した。それに対応して雑誌が売上シェアの3~4割
を占める中小書店が廃業に追い込まれるということが起きた更に、
書店に書籍が並ぶまでに大きな役割を担っている「取次業者」の経
営も苫しくなり、その経営破たんや自主廃業が書店の経営に影響を
及ぼず。取次店とは、出版業者と書店を仲介する業者で、出版社に
書籍の注文、書籍の代金の精算、どの本屋に何冊配本するか、など
を決めており、書店に対して、流通やファイナンス機能を内包した
特異な卸売業です。取次業者が廃業すると、書籍の入荷が止まり、
店舗、ホームページなどでの注文も受けられなくなる。また、書籍
の返品率は11年に大幅に低下した以降、ほぼ35%前後で椎移し
ていますが、雑誌の返品率は、10年以降連続して上昇して、15
年には40%を越えています。このような数字から、中小書店の消
滅は雑誌の売り上げの継続的な低下から大きな影響を受けていると
言えそうだ。ぷらっと出かけて、実物の本に目移りして、立ち読み
し、買ってしまう、と言う状況は今も変わっていないと言える。通
販も電子書籍もこのあやふやな行動を代替することはできません。
このような利点を活かしながら、書店側からも、生き残りのための
活動が始まっている。大手書店では、これまでの実績を活かして、
図書館の運営委託も含めたサポートや、大学や研究機関向けの学術
雑誌を充実させる、などに力を入れている。また、中小書店でも、
ホビー商品やアニメゲッズの販売コーナーを設けたり、文具・雑貨
のセレクトショップコーナーを設けて玩具・古本も含めたブックバ
ラエティストアーの展開、シニアむけPC教室や児童向け英会話教
室などのカルチャーセンターの併設などを進めているところが出て
きた。書店の雰囲気を人事にしながら、多様な利活用の工夫が生き
残りにとって不可欠だと言える。
キーワード 無書店自治体/取次業者の経営難/実物・立ち読み活用

ソーシャルキャピタル論②
ソーシャル・キャピタル(Social capital、社会関係資本)は、社
会学、政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念。人々
の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることがで
きるという考え方のもとで、社会の信頼関係、規範、ネットワーク
といった社会組織の重要性を説く概念である。人間関係資本、社交
資本、市民社会資本とも訳される。また、直訳すると社会資本とな
るが、概念としては区別される)。基本的な定義としては、人々が
持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のこと、と言って
良い。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水
平的人間関係を意味することが多い。しかし、この語には実に多様
な定義があり、以下のPortes (1998) の文献によれば、共同体や社
会に関する全ての問題への、万能薬のように使われている言葉だが、
1990年代終わりからは学会外でも社会的に有名な語となった。

次章は「第11章 財政破綻」何がおこっているのか

                        この項つづく




      ● 今夜の一曲

石田 泰尚(いしだ やすなお、1973年2月19日 - )は日本のヴァイ
オリニスト。神奈川県川崎市出身。明星高等学校、国立音楽大学卒。
神奈川フィルハーモニー管弦楽団やソロ活動だけでなく、石田自身
がプロデュースする男性奏者のみの弦楽アンサンブル「石田組」、
ピアソラを追及した「トリオリベルタ」、ピアニスト及川浩治の呼
びかけで結成されたピアノトリオ「Bee」等、様々なユニットで活躍
する。 使用楽器は、1690年製G.Tononi。



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