9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」
(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25)
------------------------------------------------------------
16 川のほとりに立って、孔子は言った。
「歳月はちょうどこの水のようなものだ。昼も夜も休むことなく流
れつづける」
★過ぎゆく時に対する詠嘆ととるのが普通だが、もっと積極的な解
釈もある。「万物は川の流れのようにたえず発展をつづける」と解
し、孔子は人間のたゆまぬ努力を求めているのだとみる朱子の説、
「君子の徳は川の流れのようにつねに新しい」と解する伊藤仁斎の
説がそれである。
子曰、君子喩於義、小人喩於利。
Confucius said,"Gentlemen seek righteousness. Worthless men
seek benefits."
坂上是則
【佐竹本三十六歌仙下句トレッキング;⑮】
#TheThirtySixImmortalPoets#SakanoueKorenori
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
『古今和歌集』冬332
明け方、空がほのかに明るくなってきた頃、有明の月かと思うほど
明るく、吉野の里に白々と雪が降っていることだよ。
大和権少掾に任ぜられて大和に赴いた延喜六年(908年)の冬のこ
と吉野の山の近くにある宿に泊まった夜明けにふと目を覚ますと、
表がとても明るい。夜明け方(有明)の月だろうか 底冷えのする
寒さの中、外を見てみると、雪が降っている。吉野の名所に降る雪
明かり。月の白い光を雪や霜に見立てるのは中国の漢詩でよく行わ
れる喩。中国の李白の作った「静夜思」にも「牀前看月光、疑是地
上霜」の一節にあり。
『後撰和歌集』撰者で「梨壺なしつぼの五人」のひとりとなった望
城もちきの父。田村麻呂の子孫と伝えられる。宇多朝末期から醍醐
朝の歌壇で活躍した。蹴鞠けまりの名手----延喜5年(905年)3月2
日に宮中の仁寿殿において醍醐天皇の御前で蹴鞠が行われ、そのと
き206回まで続けて蹴って一度も落とさなかったので、天皇はこ
とのほか称賛して絹を与えた----としても知られる。
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。
❦ 紙フィルターのいらないコーヒードリッパー
大分県はマダケの生産量が日本一。良質な竹をいかした別府竹細工。
日本で唯一の公立竹細工の学校があり、後継者の育成に熱心な街だ。
竹はナノテクノロジー的側面からみると大変魅力的なバイオマス素
材。今回はバイオマス的側面とゼロ・ウエスト(ウェイスト)的側
面から「紙フィルターのいらないコーヒードリッパー」をピックア
ップ。価格は高いが、一生使える、一世帯に1個として世界普及で
きれば事業として成り立つ(2.45億円/年以上の売り上げ)。
【ポストエネルギー革命序論104】
【集光型ソーラースタッグで超高温1500℃達成④】
11月22日、ビル・ゲイツが支援するステルス・エネルギー会社
のヘリオジェン社が集光型太陽電池の大きく前進したことを公表し
ている。同社の特許技術は、クリーンで再生可能な太陽光で従来の
ダーティプロセを駆逐し、太陽光を水素や合成ガスなどの燃料に変
換が可能である。前回までは、まず、注目される背景経緯(卓袱台
返しのトランプ政策)に触れ、最新の①集光型太陽熱発電技術事例
→②蓄熱技術→③水素製造・炭化水素合成技術を俯瞰・紹介のスト
リームの①に関し記載。太陽熱発電システム・方法の最新国内特許
事例を俯瞰。つぎに、前記ストリーム②の最新蓄熱技術事例を俯瞰
し、合わせて、11月28日付グリーンテックメディア(Greente-
chmedia) の「グリーン水素の誇大広告の背後にある現実」を記載
し現状を俯瞰した。今夜は、高温タイプの蓄熱材の最新技術の現況
を俯瞰する。
出典:NEDO 再生可能エネルギー技術白書
発電量の増大に係る技術開発 ─蓄熱システム─
発電量を増大には,曇天日や夜間など,日射が得られない時間帯で
も発電を可能とする,蓄熱システムの採用が有効.また,電力量の
増大と併せて, 出力の平滑化や需要に合わせた発電が可能になるな
ど,多くのメリットがある。現在,各種蓄熱方式や蓄熱媒体につい
て,下記に示す開発中の蓄熱システムがある。
①顕熱蓄熱の改良(システムの改良による低コスト化,溶融塩の改
良,コンクリートやガラス 化産業廃棄物などの利用)
②潜熱蓄熱(蓄熱エネルギー量が大きい相変化材料の使用)
③化学蓄熱(エネルギー密度が高い化学反応を利用)
①顕熱蓄熱の改良
❶溶融塩
太陽熱発電で使用されている溶融塩は硝酸塩系であり,安定性や安
全性,低コストなどの点が評価され,幅広く使用されている.硝酸
塩系溶融塩を熱媒体とした場合,熱媒体の最高温度は 550℃程度ま
で上げることができ,蒸気もそれに近い温度の過熱蒸気が得られる.
それとともに,蓄熱システムでは熱媒体を直接,蓄熱媒体としても
利用可能であるため,下図に示すように簡単な設備構成となり,高
効率で比較的低コストの蓄熱システムを備えたプラントが建設可能
であるが,硝酸塩系の溶融塩を熱媒体とする場合の最大の問題点は,
融点が高いことである。
❷コンクリート(固体蓄熱)
コンクリートやセラミックなどを用いた固体蓄熱システムの耐久性
やコストについて研究している。この蓄熱システムは,コンクリー
ト・セラミック躯体中に配管によって熱媒を通し,熱交換するもの
である。本システムの第一のメリットは,安価なコンクリートやセ
ラミックを使用することや,ハンドリングが容易なことなどから,
コストを削減できる点にある.課題は,固体媒体と熱媒間の熱交換
効率の向上である。さらなる熱交換効率の向上と低コスト化が進ん
でいる。
②潜熱蓄熱
潜熱蓄熱材(Phase Change Materials:PCM)は 材料の相変化を利
用するもので,比較的,小容量で大きな熱エネルギーを蓄えられる
ため,蓄熱コストを削減できるメリットがある。潜熱蓄熱材料で有
望視されているのは,低温では硝酸塩系溶融塩と,より高温領域で
使用される金属系PCM である硝酸塩系溶融塩は、カチオンの変化及
び異種のカチオンを混合することによって,融点を容易に変化させ
ることが可能である.したがって,蓄熱システムが必要とする温度
の材料を容易に選択できる。硝酸塩系PCM の問題点は,熱伝導率が
低いことである.この欠点を克服するため,グラファイトとの複合
化や,伝熱面積を増やすためにフィン構造を使用するなど工夫され
ている。現在,より高温の条件で使用可能なPCM 蓄熱材料として,
金属系PCM が注目されている。金属系は熱伝導率が高く,比熱が大
きく,一般に安定であるために,PCM 蓄熱材料として適している。
太陽熱発電用の金属PCMとしては,特にAl-Si合金が注目されている.
これは通常,Siの代わりに高濃度のAl-Si 合金を用いるもので,比
熱,熱伝導率が高く,PCM としては非常に優れた材料である.本材
料の融点は約580℃であり,高温高効率のタワーの蓄熱材料とし
て特に重要である。
③化学蓄熱
相変化蓄熱材料に続く次世代の蓄熱媒体として有望視されているの
が,化学蓄熱である.化学蓄熱は蓄熱密度が高く,適切な反応系を
選ぶことで,幅広い温度域に適用できる.現在,机上スケールでの
研究・開発が進行しているが,化学蓄熱として適している反応とし
ては,下表に示すようなものがある。特に体積当たりの蓄熱量が大
きいCa系の材料が注目されている。下表に示す反応系の中で,アン
モニアの合成と分解を利用した熱輸送/蓄熱システムが提案されて
いる.下図はオーストラリア国立大学が提案しているもので,太陽
熱でアンモニアを水素と窒素に分解し,一旦タンクに溜める水素と
窒素を電力が必要なタイミングで合成し,その際得られる熱で発電
するというものである。合成されたアンモニアは,水素と窒素と一
緒にタンクに溜められ、昼間の太陽熱で分解される。上記以外に、
①低濃度の無機塩共晶混合物、②溶融塩カーボンナノチューブなど、
新規蓄熱媒体の技術開発が進められている。
【関連特許事例】
①特開2017-078147 化学蓄熱材 株式会社豊田中央研究所
【概要】
化学蓄熱システムは、化学蓄熱材と熱媒貯蔵材の間で熱媒(アンモ
ニアまたは水等)を移動させることにより、蓄熱(吸熱)と放熱(
発熱)を行う。化学蓄熱材として、従来は水との反応により水酸化
物を形成する酸化カルシウム(生石灰)等が一般的に用いられてい
たが、最近では、より低温域で作動可能なアンモニア錯体(アンミ
ン錯体)を形成する金属塩化物が利用されつつある。その金属塩化
物の一種であるCaCl2等を用いた化学蓄熱システム(排ガス浄
化触媒の反応装置)に関連する記載が、例えば下記の特許文献1に
ある。化学蓄熱システムの高効率化やコンパクト化を図るためには、
化学蓄熱材と熱媒貯蔵材の間で、作動温度や作動圧力の整合(マッ
チング)を図り、所望する領域(温度、圧力)で作動させ得ること
が重要となる。このため、特許文献1で用いられているようなCa
Cl2等とは異なる温度域または圧力域でも作動し得る化学蓄熱材
も求められていた。なお、非特許文献1には、CrCl2がアンモ
ニア(NH3)の配位数として2、3、5および6を取り得る旨の
一般的な記載がある。しかし、非特許文献1に、CrCl2を化学
蓄熱材とし得る旨の記載は一切ない。本発明はこのような事情に鑑
みて為されたものであり、従来の化学蓄熱材とは異なる範囲で作動
し得る新たな化学蓄熱材を提供することを目的とする。
下図1のごとく、化学蓄熱材は、熱媒の吸蔵または放出により発熱
または吸熱する金属塩からなる化学蓄熱材であって、熱媒はアンモ
ニア(NH3)であり、金属塩は、クロム(Cr)とハロゲン元素
(X)とからなるクロムハロゲン化物(CrXn、n:2または3
)であることを特徴とする。クロムハロゲン化物はCrCl2であ
ると好ましい。このCrCl2は、NH3を吸蔵するとCrCl2・
5NH3 となって放熱し、NH3を放出するとCrCl2・2NH
3となって吸熱する。この化学蓄熱材を用いることにより、従来と
は異なる作動温度の化学蓄熱システムを提供できる。
②特開2018-076214 水素生成装置 株式会社豊田自動織機
③特表2018-526463 蓄熱及び伝熱用途の組成物 ヒンドゥスタン・
ペトロリアム・コーポレーション・リミテッド
風が年々強力になることで風力発電量が劇的に増加
10年から19年までの約10年弱ほどで、世界の平均風速が約11.
2km/)から約11.9km/hまで増し、これに伴い風力発電における発電
17%増加した。米国では10年以降、風力発電量が年々増加して
いるが、発電増加量の半分は風速の上昇によって説明できるという。
70年以降から10年に至る約40年にわたり、世界規模な「風速
低下」を観測。この現象は「世界規模の減勢」と呼ばれ、研究者の
間でさまざまな憶測を呼んできた。Scientific Americanの解説では
都市開発などによって地球の表面に凸凹が生じ、空気の流れが遮ら
れるたためだとされてきた。しかし、10年以降の風速の増加で、
この学説は覆され、研究チームの論文では、一連の風速変化は大規
模な気候サイクルが原因している可能性が高い。モデルを用いて世
界の風に影響を与えうる因子を解析すると風速に大きな影響を与え
てることを発見。隣接する地域同士で気温差が存在すると、海陸風
などの風が生じ、世界の風速に影響していた。さらに、このまま増
加傾向が続けば、24年には発電量は最大37%増加する可能性が
あると指摘している。
❐ 何とも皮肉な"発見"ではないか。
● 今夜の一枚
書籍コーナーがある小さな農家
トレーラーで移動でき農家って素敵ではないか。移動する図書館・レストラン。広
大な農地で季節毎に移動するなんて。