9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」
(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25) -
------------------------------------------------------------
31 「にわうめの花びら
うつつともなく散り行く
思いわび道に出ずれど
あまりに達し汝が家」
この歌をきいて、孔子は言った。
子曰く、ともにともに学ぶべきも、いまだともに道に適くべからず。
ともに道に適くべきも、いまだともに立つべからず。ともに立つべ
きも、いまだともに権るべからず。
「まだまだ恋しているとはいえないな。恋していれば遠いも近いも
なくなるものだよ」
唐棣之華、偏其反而、豈不爾思、室是遠而、子曰、未之思也、夫何
遠之有哉。
"Petals are fluttering in the garden. I miss you so much.
But your house is too far to go." Confucius talked about this
poem, "The man does not miss her much. If he missed her that
much, he would go to anywhere."
僧正遍照
佐竹本三十六歌仙下句トレッキング㉒:
をとめの姿しばしとどめむ
#TheThirtySixImmortalPoets#SojouHenjou
天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ
天を吹く風よ、天女たちが帰っていく雲の中の通り道を吹き閉ざし
てくれ。乙女たちの美しい舞姿を、もうしばらく地上に留めておき
たいのだ。
僧正遍照(816~90)は、プチプロフィール素性の父で、六歌
仙にも選ばれている。仁明天皇崩御により出家し、陽成天皇誕生の
とき京都山科の元慶寺がんぎょうじを開く。花山かざん僧正とも。
説話にも数多く登場する。俗名は良岑宗貞(よしみね の むねさだ
)。大納言・良岑安世の八男。官位は従五位上・左近衛少将。花山
僧正とも号す。六歌仙および三十六歌仙の一人。
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。
人口減少時代のまちづくり㉞
第18章 人手不足 何がおこっているのか
第66節 農業従業者の減少で何か起きているのか
【要点】
①農地の維持困難や放棄。
②農業生産の減少。
③食料自給率のダウン。
1 農業従事者の減少
日本の産業構造は戦後、第1次産業から、第2・3次産業主体へ構
造へと大きく変化してきた。産業3部門(第1・2・3次産業)別
就業人口を見るとそれは明らか。戦前は、第1次産業就業者が40
~50%台で、1960年には32・7%、2・3次がそれぞれ、
29・1%、38・2%と全体として均衡し、その後、特に3次産
業化か進み、2015年では、それぞれが、3・8%、23・8%、
67・2%という就業構造になってきた。こうした動きは、ライフ
スタイルの変化を含めた都市化の流れ、そして都市部への人口集中
・市街地の拡大と相まって起こり、さらに就学・就労の機会を求め
て、若年層の都市部への流出が続き農山村都では、後継者不足も含
めて高齢化問題が発生している。その動きは、2000年の農業就
業人口、389万1千人で65歳以上が52・9%、11年で、2
60万1千人、60・7%(農林業センサス)と就業人口の減少と
高齢化が進んでいた。さらに、食料や環境上の視点から農業への関
心が高まりつつある中でも農業への3K(きつい・汚い・危険)イ
メージも一部にあり、新卒者の就職選択肢になりにくいという現実
もある。
2 何か問題か~農地の維持が困難、農業の継続性の問題
農業を取り巻く状況は、牛肉・オレンジ輸入自由化(平成3年)を
始めとしてTPP交渉の合意等、我が国の農業は国際的な競争に直
面。また、米消費の大幅な減少に象徴される国民の食生活の変化、
食品の安全・安心に対する消費者の関心の高まり等、農業生産を取
り巻く環境は厳しさが増す。このような厳しい環境が農業就業者の
減少を加速している側面もあると思われるが、結果として、農地の
維持困難や放棄への流れを引き起こし、地域によっては農業の継続
性さえ危ぶまれる状況が生まれ、ひいては、食料自給率の低下、国
土保全・地球環境上の問題を引き起こしかねません。また、農業は
地方都市の主要産業として、あるいは農業従事者は地域の担い手と
しての役割を果たしてきたが、その縮小、減少により、地域経済と
農村社会の低迷を招きつつある。
3 これまでの対応~経営規模の拡大や高付加価値化等
このような中で、稲作等の経営規模の拡大や野菜・米麦・果樹部門
への企業参入の促進、情報通信技術を活用した生産管理システムと
栽培技術の連携による農産物の高付加価値化・収量増加、さらに農
産物の輸出拡大への取り組みがなされてきた。国においては、食料・
農業・農村基本計画を定め、様々な施策、事業等を通した支援策を
実施している。こうした中、17年の新規就芸者が7万9千人とな
り、10年前と比較すると64%の増加。農業従事者の高齢化や耕
作放棄地など、農業を取り巻く問題は多々ある、一方でこのような
動きも出ている。
4 今後、どうして行くのか
農業従事者の減少問題は、一方で農業に対する夢やビジョンの問題
でもあります。夢と期待をもって農業に問わっていく担い手をどう
育成し、確保して行くかです。農家数の減少や高齢化の動きを逆に
経営規模の拡大や生産システムの高度化等へのチャンスとして捉え
ること。さらに海外市場にも目を向けた農産物の高付加価値化等々
を進めるとともに、中山間地域をはじめとした農村地域の、現に居
住する人々を大切に支える生活サービス、福祉施策、さらに意欲的
な地域づくり活動等の展開など、持続可能な地域としての総合的な
取り組みを進めるなど、豊かな地域社会の形成を図ることも大切な
視点です。
キーワード 厳しい生産環境/新規就芸者
第68 鳥獣被害はどうして多発しているのか
【要点】
①里山、森林管理の粗放化により野生鳥獣の生息環境が拡大。
②荒れた山や里山がさらなる鳥獣被害を招くという悪循環を生じさ
せる結果。
③狩猟者の高齢化で、狩猟による捕獲が厳しい状況。
1 野生鳥獣害の多発~その現状
野生鳥獣のよる農作物被害額は、10~12年度の230億円から
170億円台へと椎移。その約7割がシカ、イノシシ、サルによる
もの。地域別にみると、北海道(44億4700万円)、関東(33億
5300万円)、九州(26億4600万円)、中四国(21億10
0万円)等(16年)で被害額が大きくなる。また、森林の被害面
積は全国で年間約7千h(16年度)、この内シカによる被害が約
8割を占めている。さらに、河川・湖沼ではカワウによるアユ等の
捕食、海面ではトドによる漁具の破損、その他、野生生物侵入によ
る家屋被害や獣に噛まれる、あるいは鼠が害虫や病気を媒介して間
接的に受ける被害など、野生島鼠害による被害は多義にわたってい
る。こうした鳥獣被害は、中山間地での零細の農家等において 特
に顕在化しており、結果、営農意欲を低下させ、耕作放棄、さらに
は離農という形に一部、追い込いこんでいる。 また 森林において
も樹木や希少植物の食害、さらには車両との衝突事故等の被害をも
たらし、被害額以上に農山漁村に深刻な影響を、それも鳥獣の移動
性から広範囲に及ぼす。
2 どうして起きたか~何か問題か、そして狩猟者の現状は
こうした問題の背景には、豊山漁村の過疎化や高齢化の進行と耕作
放棄他の増加、そして集落や里山等における住民と生活・生産活動
の減少、さらに、里山、森林管理の粗放化等により、野生鳥獣の生
息環境が拡大したと考えられる。耕作放棄他の増加や、また、荒れ
た山や里山がさらなる帽鳥獣被害を招くという悪循環を生じさせる
結果となり、加えて、食物の不用意な廃棄や空き家の管理上の問題
が鳥獣被害の拡大を助長。また、鳥獣被害に対して捕獲を行う狩猟
者の状況を見ると、一時期の29万人(平成2年)から減少し、近
年、新規免許収得者が増加傾向にあるが、全体として、19万人(
平成27年)前後で減少、安定化している。しかし、高齢化(60
歳以上が約63%)の傾向にあり、狩猟による捕獲がなかなか厳し
い状況。因みに、環境省によると、この25年回でシカで約10倍、
イノシシで約3倍増加していると言われ、これまで以上の対応が求
められている。
3 これまでの対応~市町村による被害防止計画の作成
鳥獣被害の深刻化を踏まえて、平成19年に鳥獣被害防止特推法が
成立、その後、被害対策の担い手確保、捕獲の一層の推進、捕獲鳥
獣の利活用の推進等を図るための改正が順次行われ、現場に最も近
い市町村が中心となり、被害防止のための総合的な取組みに向けた
被害防止計画の作成等を進め対策を講じてきた。平成25年には、
環境省・農林水産省が「抜本的な捕獲強化対策」を策定し、シカ・
イノシシの生息頭数を10年後(平成35年)までに半減するとい
う目標を持ち、種々の施策を展開する。
4 今後どうして行くのか~地域からそして総合的な取組みを
広範囲にわたる野生鳥獣被害に対して、益々、総合的で広域的な取
組みが求められています。先ずは、地域関係者が一体となった被害
状況とその要因の確認、対策に取組み、害獣を引き寄せない瑕境づ
くり、さらには捕獲従事者の育成も含めた捕獲事業の強化、そして
処理加工施設整備の推進とジビエ利用拡大等鳥獣被害対策を収益に
変える取組みなど、地域から、そして総合的な取組みを着実に進め
ていく必要がある。
キーワード 生息環境の拡大/引き寄せない環境
第69節 森林の整備不良の現況は
【要点】
①住宅着工件数の減少などから国内木材の需要が低迷。
②森林の約4割を占める人工林の主伐や間伐、下草刈り等が適宜、
行われないため「山が荒れる」状態。
③保水機能の低下等による災害発生が目立ちはじめる。
1 森林の状態~放置される森林
我が国の森林の面積は、国土の約3分の2にあたる2500万hで、
所有形態別に見ると森林面積の69%が民有林。また、人工林(民
有林796万h、国有林233万h)は約1000万hで、その約
半数が、主我期(一定の林齢に生育した立木を用材等で販売するた
めに伐採することをいう)を迎えようとしています。人工林の平均
貯蓄増加量は年間4800万扇、しかし主我による原本供給量は1
679万h(平成27)で、成長量の約6割が利用されていない状
況。その土地所有形態が零細で、多くの森林所有者は森林の経営意
欲が低く、林業従事者も長期的に減少傾向を示すとともに、高齢化
が進んでいる。さらに、山村地域では、人口減少に伴い、不在村の
森林所有者も多くなり、所有者や境界がわからないまま放置される
森林が増えている。一方、身近な森林としての里地・里山の状況を
見ると、国土の約4割を占め、全国に広く分布。しかし、市街地の
開発に伴って未利用、荒廃等が進み、豊かで身近な自然としての里
地、里山が失われつつある。
2 どうして起き、何か問題か~林業の衰退、文化・環境問題ヘ
こうした状況は、木材の価格や供給量で競争力を持つ輸人材に押さ
れたことや住宅着工件数の減少などから国内木材の需要が低迷した
ことなどによると言われています。さらに、林業従事者の減少・高
齢化、後継者等の問題が挙げられている。結果、人工林の主伐や間
伐、下草刈り等が適宜、行われていないなどの問題から「山が荒れ
る」状態になるのが現実で、林業・山村に関連する産業・生活文化
の喪失につながっている。また、保水機能の低下等による災害発生
が目立ちはじめ、ひいては地球環境問題にもつながる問題として危
惧されている。
3 これまでの対応は~森林計画等の策定と実施、山を守る運動
林業を取り巻く状況や、森林所有者の経営意欲の問題がある中で、
国・県・市町村では森林計画の策定・実施や森林所有者等による森
林経営計画等に基づき、伐採・造林・間伐等の事業を実施してきた。
また、製材業者・建設会社、ハウスメーカー等の木材需要者をつな
ぐなどの取組み、林業活動の基盤となる道路等の整備や管理などを
行いつつ、多様で健全な森林に向けての整備が行われていきたが、
林業や森林管理を取巻く厳しい状況が続いている。しかし近年、民
間企業、団体、個人による資金提供や森林を活かし、守る活動など
の開催によって、森林の大切さを知り、整備に貢献するなどの社会
的な取組みも広がりつつある。
4 今後、どうして行くのか~森林の価値を理解する
森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性
の保全、木材等の林産物供給などの多面的な機能を有している。こ
うした森林の有する機能を維持することは、即ち、森林を守り、維
持し活かすことであり、それは、森林所有者や林業経営者の努力に
とどまることなく、広く地域や社会、そして個人が、その価値を理
解し、生活や産業活動、瑕境づくり等に取り込んでいき、実践する
ところからはじめるべきだろう。建築物等への一層の活用や森の維
持・管理活動への市民参加や運動等は、すでにはじめられている。
第70節 物流の現況は
【要点】
①宅配便の取扱個数は、ここ10年で3割以上の増加。
②全体の取扱い個数の約2割が再配達。
③人件費も含めた物流コストの上昇をどうカバーしていくかが各社
の大きな課題。
1 宅配便の値上げ~取扱い量の増加
宅配業界では「値上げ幅を大きくしないと仕事が減らせない」とい
う状況が起きた。それは、業界全体の荷物量が圧倒的に増加したた
めに、値上げしなければ、他社から客が流れ込んできて処理しきれ
なくなってしまうということで、扱う荷物量の減少を図るための手
立てとして繰り出された方法。現在の宅配使のサービス形態が開始
されて、釣40年が経過したと言われている。08年度は釣32・
1億個だった取扱個数は、17年度には釣42・5億個と、10年
で3割以上の増加と、急速な伸びを示している。また、インターネ
ットの普及により食料品や日用雑貨の購入に利用する例も増えてお
り、日常の買い物の一部を代替する状況にもなっている。しかし一
方で、全休の取扱い個数の約2割が再配達になっているという調査
結 果も出ており、再配達のコストも発生しています。
2 何が問題か~人手不足、コストの増大、地球環境問題
17年の調査(帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調
査」)によれば、「運輸・倉庫」業の60・9%の企業で正社員が
不足している。この状況は、宅配使の取扱量の増加、再配達に対応
するコスト増に伴い一層深刻化すると思われる。一般に、物流コス
トといった場合、資材等調達のための物流、企業内の拠点開の物流、
顧客への販売物流など、幅広い内容を含み、特に、近年の生産・流
通システムの多様化によって物流の重要性は大きくなるが、物流業
界の主流であるトラック運送事業は、従業員185万人、営業収入
が約14兆6千億円と物流事業業界で一番の規構となっているが、
中小企業率が90%強という状態で、中小企業ゆえの構造的ともい
える人手不足は、人件費等のコスト増をまねき、厳しい経営環境に
置かれている企業も少なからずある。同様の動きは、食品・小売り
業界にもあり、人手不足と物流コストの増大で経費が上昇するが、
商品値上げに踏み切れない状態にあるといわれている。今後、高齢
化とインターネット等の普及により、宅配の利用は更に増加し、ひ
いては物流業界全般への影響が予想される。それは、物流コストの
過半を占めるのは輸送費であり、そこをどう合理化するか、業界全
体の問題だからです。さらに、輸送、配送トラック等から排出され
るC02による地球環境への影響も大きく、無駄のない配送システ
ムの構築が一層望まれている。
3 これまでの取組みと今後~企業、業界の努力と国等の支援
人件費も含めた物流コストの上昇をどうカバーしていくかが各社の
大きな課題となる中で、例えば、食品やメーカーなどの企業では、
物流の合理化によるコスト削減とドライバー確保等に努めている。
また、ビール大手社間では、共同輸送の対象地域を拡大する方向に
向かうなど、様々な取組みがなされている。一方、国においても、
産業の競争力強化と豊かな国民生活の実現、地方を支える社会イン
フラとして、総合物流施策大綱(20年度目標)を定め、事業所間
の連携・協働による物流の効率化、災害等のリスク・地球環境問題
に備えること、新技術等の活用による物流革命、人材の確保・育成
等々の政策を民間との連携により進める。今後、長期的には車両の
自動運転による技術革新の可能性などの展問も予想されているが、
生産年齢人口の減少による人材不足や長期間労働の是正など、業界、
国との連携により総合的に進めていく必要がある。
キーワード 人手不足/値上げ/効率化
第71節 「外国人労働者」の参入の現況は
【要点】
①外国人研修制度・技能実習制度には批判がある。
②留学生の受け入れに関しても、不法就労につながることが危惧さ
れている。
③国は、「移民」を認めていない。
1 増加する外国人労働者~増加を続ける外国人労働者と3K
飲食店やコンビニで外国人の店員を見かけることが多くなった。多
くが留学生。日本では、単純労働者の受け入れを認めていないが、
多くは観光ビザや学生ビサ等で来日し、不法就労の形でサービス業
や建設業に携わるなどが見受けられました。こうした動きは、特に、
1980年代以降の日本の豊かな経済環境を求めて、また、社会の
成熟化が進む中で「きつい・汚い・危険」の3Kなどと敬遠された
職種の労働力不足に対応する形で、当初は、韓国・フィリピンから、
そして南米の日系人、パキスタンやバングラデシュ、さらにイラン
など中近東から労働者が訪れるようになる。現在、その数は、約1
28万人(2017年)で、毎年増加、直近5年間の雇用者数の増
加の2割は外国人労働者(60万人)で、その約半分は、留学生ア
ルバイト等の資格外活動や技能実習生が増加。実際、高度技術を有
した外国人労働者の受け入れは少なく、非熟練・低賃金労働で、製
造業などでは外国人労働者がいなければ立ち行かない状況になって
いる。
2 これまでの対応~技能実習制度と在留資格の整備
1981年に開発途上国の経済発展を目的とした外国人研修制度が
創設されました。その後、技能実習制度(93年)が開始され、一
定の水準に達したと認められた外国人研修生に対して追加で、最大
1年(後に2年に)の研修が許可されるようになる。一方、90年
に「出入国管理及び難民認定法」(以後、「大行難民法しか改正さ
れ、在留資格(例えば、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、
「投資・経営」、「法律・会計業務」他の定められた範囲で就労が
認められる資格)が整備され、その範囲内での就労が、また留学生
は、12年の法政正による「在籍技の許可」と「資格外活動許可」
(管轄の入国管理局)が認められた留学生に限りアルバイトが可能
になった。日系人については、職種による制限なしで就労が認めら
れるようになった。
3 何か問題になったか~居住地や制度に関わる問題
急激に増えた外人労働者は、特に、居住する地域での問題が挙げら
れています。学校で日本語を話せない児童や不就学児童の増加、生
活習慣をめぐる地域での問題等々が挙げられている。また、制度面
では、技能実習制度について、非熟練の「労働者」受け入れのため
の制度になっているのではという批判、そして技術実習の本来の目
的である途上国への技術移転が不十分との声もあり、留学生の受け
入れに関しても、不法就労につながることが危惧され、そうした実
例もあった。さらに、就労上の安全性の問題や過酷な労働に就くケ
ースなど、さまざま指摘され、取組まなければならに課題が多い。
4 今後の取組み~移民社会、多様な社会づくリヘ
外国人労働者数は過去最高となったが、人手不足が深国は、18年
12月に、人材不足が深刻な分野を対象に単純労働を含む外国人労
働者の受入れを拡大する天資難民法の改正を行った。技能実習5年、
その後「特定技能1号」で最長5年、2号で長期滞在・家族帯同可
能という流れです。受け入れ体制や滞往年の長期化に伴う家族帯同
の問題等が指摘されているが、在留資格の拡大により今後5年間で
最大約35万人の就業を規定する。当然、日本で働きながら結婚・
出産する外国人が増え、長期的には移民社会を迎えることになるだ
ろう。しかし、国は、「移民」を認めてはいない。人手不足から始
まった外国人労働者の受入れに対して、多様性を特った社会づくり
が求められている。
キーワード 人手不足/実習制度/多様性社会
この項つづく
【ポストエネルギー革命序論110】
洋上風力発電に関する着床式・浮体式2つの新建設技術
着床式において実大規模のスカートサクション®の設置、撤去を実証
11月13日、株式会社大林組は、着床式および浮体式の2つの形
式で洋上風車建設に関わる技術を確立したことを公表。それによる
と、19年4月に再エネ海域利用法が施行されたこともあり、洋上
風力発電の整備計画が各地で相次ぐなど、今後洋上風車の建設需要
が本格化する。風車の構造形式は、①風車の支柱が海底まで到達し
ている着床式と、②風車自体が海洋に浮いている浮体式とに分別さ
れ、着床式は比較的水深が浅い場合に、浮体式は水深が深い場合に
適す。大林組では、それぞれの形式に適応した洋上風車の建設技術
の開発を進めており、着床式では、実大規模の「スカートサクショ
ン」を実際に洋上に設置および撤去することで、洋上風車基礎とし
ての適合性を実証。また、浮体式では、コンクリート製浮体を海底
地盤に緊張係留する「テンションレグプラットフォーム型浮体式洋
上風力発電施設」を考案し、一般財団法人日本海事協会(Class NK)
からの設計基本承認を取得。
国内初となる実大規模のサクション基礎の設置および撤去を実証
今回設置および撤去を行ったスカートサクションは、全高33m、ス
カート長さ8m、スカート径12mであり、水深13mの海中に設置。
設置後約2週間、基礎に作用する波力、基礎の応力や変位・傾斜角
などを計測し、計測終了後はスカート内への注水により基礎を完全
撤去することで、スカートサクションの洋上風車基礎としての適合
性を実証。水圧を利用して海底地盤に貫入させる基礎(サクション
基礎)の施工例はこれまでもあるが、洋上風車の基礎になり得る実
大規模で、実際の波浪を受ける洋上に設置し、撤去まで実施したの
は国内初。
浮体を係留させるためのテンションレグプラットフォーム型は、浮
体とそれを海底地盤に緊張係留(浮体構造物の余剰浮力により生じ
る緊張力を利用して海底地盤に固定)するためのテンションレグと、
テンションレグを海底地盤に固定するアンカーから構成される。カ
テナリー形式に比べて海域の占有面積が小さく済むため、生物への
影響を抑えられるとともに、係留材が少量で済む、また、洋上風車
の動揺が小さいため発電効率が高くなるなどのメリットがある。
大林組では、アンカーにスカートサクションを採用した「テンショ
ンレグプラットフォーム型浮体式洋上風力発電施設」を考案してお
り、このたび、一般財団法人日本海事協会から、一定の条件を規定
することで当該施設の設計が可能であることを承認するAIP(設計
基本承認)を取得しました。AIPを取得したことで、テンションレ
グプラットフォーム型の浮体式洋上風車は、これまでの机上での検
討段階から実現に向けた一歩を踏み出す。
【関連特許事例】
①特開2017-20287 サクションアンカーの引抜き防止方法及びシステム
②特開2018-178633 回転体設置方法及び回転体設置装置
③特開2018-178622 構築装置、構築方法及び、構築物
④特開2018-4020 水素貯蔵設備
⑤特開2017-128248 浮体構造物の係留構造
⑥特開2017-133433 風車管理システム、風車管理方法及び風車管理
プログラム
プロペラなし! 振動で発電するスティック型風力発電機
スペイン生まれの羽根のない風力発電機が2020年に販売スタート
従来の風車タイプような回転する羽根ではなく、ゆらゆらと揺れる
長い一本の棒で構成された「Vortex Bladeless」。筒内に二つの反
発する磁石を内蔵した上下二分割の構造で、風の渦を利用し一本の
棒を左右に細かく振動させることで、振動エネルギーを電気に変換
する仕組みを採用している。カーボンファイバーとFRP(ガラス強化
繊維)を使用し強度と軽さの両立に成功しており、構造がシンプル
なため建造コストも削減可能で、騒音が少なく鳥が巻き込まれる心
配もない。
従来の風力発電機は、風車が地面に対して垂直に回る水平軸風車と
、地面に対して平行で横に回転する垂直軸風車の2種類。主に商用
化されているのは水平軸風車で、飛行機の羽根に似た3枚のプロペ
ラが付いたものが一般的。プロペラを動力に内蔵、タービンを回し
エネルギーを生み出す方式。一方、Vortex社が開発中の風力発電機
Vortex Tacomaは、小型ロケットのような形をした円筒形で、高さ
は約2・7m。軽さと強度を保つために炭素繊維とガラス強化繊維
素材を使い、振動する上部と地面に固定される下部に分かれている。
商用化される際には、重さ約15kg、発電量100W/h を想定。筒
の中にはコイルと磁石を用いた特許取得済みの発電装置が内蔵され、
上部が左右に振動することでエネルギーを生み出す仕組み。
【関連特許事例】
①US20190101100A1 Electrical power generator VORTEX BLADELESS
【要約】
発電機は、細長い形状を有する第1の部分、第1の端部、および第
2の端部を含む。第1の部分は、第1の端部に対応する基部への取
り付けのために配置され流体内に位置するように構成され、流体が
移動すると、第1の部分が流体内に渦を生成し、揚力が発生するよ
うに構成される。最初の部分は、最初の部分の振動運動を生成しま
す。加えて、発電機は、第1の部分の振動運動を電気エネルギーに
変換するように構成されたサブシステムを含む。サブシステムは、
少なくとも部分的に最初の部分に収容される。
28年度までに年間CO2排出削減量6千トン(19年度比)に
ーの活用
拡大発電規模8・4メガワットの国内有数の自家消費発電を
目指す
11月19日、株式会社明治はCO2排出量削減に対する取り組みの一
環として、自社工場において自家消費を目的とした太陽光発電設備
を導入し、再生可能エネルギーの活用を拡大します。28年度まで
に年間CO2排出削減量約6,000トン(19年度比)を目指し、発
電規模約8.4メガワットの国内有数の自家消費型太陽光発電に向け
て取り組みを進めることを公表。
2070年平均気温が4℃上昇した世界
Impacts of a 4℃ global warming
永久凍土層から放出された膨大な量のメタンは、地球の気候の急激
な変化を引き起こした。大気は現在、3400万年以上前に続いて
いた前氷期/間氷期条件に移行。産業革命前の2倍半のレベルで、
北極圏では15℃上昇、世界平均気温は4℃上昇。世界の多くの地
域で、人間の適応限界を超え、難民急増に対応するために国家間で
食糧と資源を共有しようと試みるが、この災害の規模は非常に大き
い。改良した遺伝子組み換え作物、水耕栽培、脱塩、およびその他
の技術適用で、一部の地域ではある程度の安定性が維持される。ナ
ノファブリケータもより高度な社会で利用されているが、他の多く
の人にとって、水の欠乏、土壌の枯渇などの環境への影響が進行し、
あらゆる農業の維持は困難。極端な洪水と干ばつが広がり、赤道近
くの多くの国が放棄され、人々は流浪逃散し、都市の洪水災害が頻
繁に発生。海面が1メートル上昇し、何兆ドルもの不動産が消滅。
避難民の数は、国際機関や政府の対処能力を圧倒し、多くの難民は
高緯度または低緯度で生き残り定住を試みるが、多くは難民の旅を
終わることはない。国境への入国が拒否され、餓え、紛争、有害な
環境条件により死者が続出。伝統的な自由市場資本は瀕死状態に直
面し、自然は竟にバランスを改善しはじめる・・・・・・。
Via. Global average temperatures have risen by 4°C
● 今夜の一品
【世界の工芸】
リンド,フランチェスカ(フィンランド)
陶板 Plate