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深海魚の謎

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● 深海魚の謎 ダイオウイカのメッセージ

福井市茱崎町の海岸で17日、岩場に打ち上げられているダイオウイカを住民が見つけた。既
に死んでおり、最長の食腕2本がともに無くなっているが、全長は約7メートルと推測される
という。近くに住む上野志津子さんが午前9時ごろ、海藻アカモクの育ち具合を見に行って発
見した。約40年間イカ漁をしていた上野さんも「これまで見たことがない」と驚いていた。越
前松島水族館(福井県坂井市)の笹井清二飼育員によると、雌で、腐敗が進んでいないことか
ら死後間もないとみられる。最長の食腕2本を除いた体長は3メートル77センチ。県内では
ダイオウイカは昨年、小浜市や越前町で発見されている(福井新聞 オンライン 2015.02.16 )。



また、富山市の四方漁港沖2kmの定置網で、3日朝、生きたまま暴れる全長およそ4メートル
のダイオウイカが発見されている。四方漁港沖では、1月19日にも定置網にダイオウイカが
かかっていたが、今回のダイオウイカは、前回より一回り大きなものだった。富山湾で見つか
ったダイオウイカは、2015年に入って7例目となると伝えている(「富山市沖でダイオウイカ
深海魚からのメッセージ」2016.02.06 ブログ「謎と真実の狭間で」より)。また、昨年の4月
22日には、室戸岬沖で深海魚105匹が捕獲されている(「海域に異変か」と専門家/「47
NEWS」2014.04.22)。そして、葛西水族館のマグロの大量死(「マグロ大量死原因分からず!」
2015.02.14.)として掲載したこともあり、マグニチュード7以上の大地震が間近に迫っている
ことを告知する現象ではないかと訝ったりもするが、ここは警戒を怠らないことだろう。


※ 日本の列島と近海地震履歴(マグニチュード4以上)

2015年02月17日 13時46分ごろ 2015年02月17日 13時51分 岩手県沖     5.7   5強
2015年02月17日 08時06分ごろ 2015年02月17日 08時18分 三陸沖       6.9   4
2015年02月06日 10時25分ごろ 2015年02月06日 10時29分 徳島県南部   5.0   5強
2015年01月26日 07時20分ごろ 2015年01月26日 07時25分 千葉県北東部 4.9   4
2015年01月25日 19時41分ごろ 2015年01月25日 19時47分 鳥島近海     5.7   1
2015年01月25日 16時19分ごろ 2015年01月25日 16時23分 奄美大島北東沖 4.3 1
2015年01月23日 18時11分ごろ 2015年01月23日 18時15分 福島県沖     4.2   3
2015年01月22日 02時35分ごろ 2015年01月22日 02時39分 釧路沖       4.5   3
2015年01月16日 16時48分ごろ 2015年01月16日 16時52分 宮古島近海   4.0   2
2015年01月16日 00時44分ごろ 2015年01月16日 00時49分 北海道東方沖 4.2   2
2015年01月14日 10時15分ごろ 2015年01月14日 10時20分 沖縄本島近海 4.6   3
2015年01月14日 09時40分ごろ 2015年01月14日 09時44分 奄美大島北西沖 4.5 1
2015年01月14日 04時50分ごろ 2015年01月14日 04時55分 福島県沖     4.3   1
2015年01月14日 02時46分ごろ 2015年01月14日 02時50分 岩手県沖     4.8   3
2015年01月12日 13時59分ごろ 2015年01月12日 14時04分 沖縄本島近海 4.3   2
2015年01月09日 12時56分ごろ 2015年01月09日 13時00分 北海道東方沖 4.5   1
2015年01月09日 03時42分ごろ 2015年01月09日 03時47分 根室地方中部 5.4   4
2015年01月08日 12時01分ごろ 2015年01月08日 12時06分 静岡県西部   4.2   3
2015年01月07日 18時58分ごろ 2015年01月07日 19時02分 宮城県沖     4.3   3 
2015年01月04日 14時51分ごろ 2015年01月04日 14時56分 奄美大島北東沖 5.0 2
2015年01月02日 01時14分ごろ 2015年01月02日 01時17分 日向灘       4.2   3
2015年01月01日 23時41分ごろ 2015年01月01日 23時45分 奄美大島近海 3.7   1
2015年01月01日 22時57分ごろ 2015年01月01日 23時00分 苫小牧沖     4.4   4
2014年12月31日 17時17分ごろ 2014年12月31日 17時21分 根室半島南東沖 4.3 1
2014年12月31日 16時54分ごろ 2014年12月31日 16時58分 与那国島近海 4.6   1 
2011年03月11日 14時46分ごろ 2011年03月11日 15時01分 三陸沖       9.0   7

 



● ミヤンマーへの自転車と自動二輪車の贈与支援

「庶民の車」として親しまれてきた軽自動車が、高級品の代名詞である輸入車と競い合う時代
を迎えているという。乗り心地や走行性能が格段に進化した軽は、スポーツカータイプが人気
になるなど高級化が進む。一方、輸入車は、日本国内で顧客の裾野を広げようとコスト競争力
がある小型車の導入を加速。価格帯が一部で重なったことで比較検討するユーザーが増え、互
いのライバル意識も徐々に高まってきているとか。ただ軽の高級化は、税制優遇など軽の最大
のリである維持費の安さを損ないかねない懸念を伝えている(「SankeiBiz」2015.02.18)。
自家用車のダウンサイジングは『デジタル革命渦論』の基本特性の必然性であり驚くに当たら
ないが、同時に、テレビでは佐野史郎が、ミヤンマーの旧日本製機関車旅行のルポルタージュ
し、1往復で30円を素土器運びし稼いだ金を全額母親に差し入れているという少女が、自転
車が欲しいとインタビューで応えていたが、日本のODAとして自転車と自動二輪車を贈与支
援すべきで、これがミヤンマーの戦後復興と称せられるとうな経済に必要物資のヒントではな
いかと思って観ていた。

  

 

● 今夜の一冊 推薦図書『吉本隆明の経済学』

予定とはことなり、この本を手にすることになる。下記のごとく「マルクスともケインズとも
異なる経済学」と紹介されているが、わたし(たち)は寧ろ「マルクスともケインズともある
いはには、ケインズ主義の亜流である新自由主義」とも決定的異なるものとは考えていない立
場にある。こんご時宜をみて適宜、読み進めその差異を検証していきたい。

 吉本思想に存在する、独自の「経済学」とは何か。
 資本主義の先を透視する!

 吉本隆明の思考には、独自の「経済学」の体系が存在する。それはマルクスともケインズと
 も異なる、類例のない経済学である。本書は、これまでまとったかたちで取り出されなかっ
 たその思考の宇宙を、ひとつの「絵」として完成させる試みである。経済における詩的構造
 とは何か。資本主義の現在と未来をどう見通すか。吉本隆明の残していった、豊饒な思想の
 核心に迫る。


 はじめに
 第1部 吉本隆明の経済学
 第1章 言語論と経済学
 第2章 原生的疎外と経済
 第3章 近代経済学の「うた・ものがたり・ドラマ」
 第4章 労働価値論から贈与価値論へ
 第5章 生産と消費
 第6章 都市経済論
 第7章 農業問題
 第8章 超資本主義 
 第2部 経済の詩的構造
 あとがき 

     第8章 超資本主義論

                                                  解説

  1990年代の半ば頃から日本経済は一転して不況期に入った。不況に対処する処方僕
 としては、20世紀にはケインズ的な政策が有効だと考えられてきた。そこで当時の自民
 党政権も、建設や土木工事などの公共事業に国費を投入する、ケインズ的政策で不況を乗
 り切ろうとした。吉本隆明はそれを、資本主義の現在の段階を理解していない間違った政
 策として、きっぱりと否定した。その理由は、彼の考えていた資本主義の未来像(超資本
 主義)と深く関わっている。

  消費資本主義の段階に入っている先進国では、第T次産業の人口が大幅に減少している。
 第二次産業についても似た傾向が見られる。そのかわりサービス業や金融業や情報産業な
 どの第三次産業に就いている人の割合が増えていっている。資本主義じたいが金融グロー
 バリズムの時代に入っていた。こういう社会で、ケインズの時代と同じような不況対策が
  はたして有効だろうか。ケインズの時代には第二次産業がもっとも重要で就業者の数も多
  かったから、公共投資をさかんにしていけば、人口の多くの部分がそれによって潤うこと
  になった。ところが消費資本主義の社会で同じ政策をとっても、一部のゼネコンなどが大
  儲けをするだけで、社会は全体として豊かにならない。
  
  先進国がとらなければならない不況策が、ここから自然と見えてくる。公共投資は教育、
 医療、福祉などの第三次産業へ向けられていかなければならない。いやそもそもなぜ先進
 などの第三次産業に移行してしまっているのに、政治家も経済学者も古い「支配の思考」 
 のレベルで止まってしまっており、その幻想性ゆえに現実の経済の姿が見えていないから
 である。消費資本主義の社会のほんとうの主人公は、いまや国民と企業体である。彼らの
 おこなう消費が社会を左右する力をもっている。「支配の思考」は、国民や企業体がその
 ことに気づき、消費資本主義の主人公として彼らの意志を政治に直接反映させようとする
 事態を恐れている。しかしここが突破されると、先進国ははじめて超資本主義の段階に入
 っていくことになる。

  吉本隆明はこの超資本主義の世界がどのようなものであるか、興味深い着想をいくつも
 残している。なかでも興味深いのは「アフリカ的段階」の要素を保存したままの世界にた
 いする期待である。人間の心の原初構造がハイパー科学技術と結合して(つまり人類の「
 アジア的段階」を経ることなく)つくりだす見たこともない未来を、吉本隆明は夢見ていた。


                      1 超資本主義の行方不況とはなにか I 
   i

  経済上のデータをたどって判断すると、1990(平成2)年の下四半期のおわりごろ
  から不況の萌しがみえけじめ、91(平成3)年の上四半期のはじめにははっきりと不況
 に入ったといえる。だが企業も個人も政府もまだ楽観的だった。そしてすこしずつ不況感
 は深まり、現在もまだ回復の手だてが有効さを発揮できないまま続いているといっていい。
 そこでわたしなりの見解でこの不況の情況に言及してみたくなった。ど素人のくせにこの
 経済的な不況に介入したいモチーフはなにか、あらかじめひとつふたついっておきたい。
 ケインズ以後の近代的な経済学も、その反対のマルクス主義経済学も、なまの現実の政治
  経済や社会経済を分析し、経済の政策や社会政策に反映させようと企てるばあい、いずれ
  もおなじように支配の学の発想だといっていい。やさしくいい直すと、政治や社会の政策
  をおこなえる地位にあるものが、それを実施しようとするばあいの指針の役割を果たすた
 めの学問だから、そういう支配がうち出した方策を、国民大衆のほうが無条件に受け入れ、
 大なり小なり忠実にしたがうにちがいないことが前提となっている。

  マルクス主義的な用語でいえば前衛集団が政治や経済の政策をうち出すと、労働者や民
 衆はそれを受け入れ、文句もいわずに実行するだろうことが前提とされている。
  だがわたしの経済データの分析からは、そうはならない。現在の世界でアメリカ、日本、
 EC(フランス、ドイツ、イタリア、イギリス)の三地域、いいかえれば現在の世界で経
 済的にいちばん先進的といえるこの三地域では、むき出しにいってしまえば近縁であれマ
 ル経であれ、支配の学が通用する時代は、すでに終焉してしまっている。その条件は単純
 化してしまえばつぎの二つだ。

  1.個人所得あるいは企業収益のどちらをとっても、所得あるいは収益の半分以上が消
    費または総支出につかわれていること。
  2.しかも、この個人所得の消費または企業総支出の半分以上が選択消費(抑んで自由
    に使っている消費)あるいは設備投資(あるいは択んで自由に増減できるその他の
    支出)につかわれていること。

  現在の世界でこの二つの条件をみたしている国(地域)は、典型的にいえば、アメリカ、
 EC(フランス、ドイツ、イタリア、イギリス)の三地域だといっていい。この三地域で
 はすでに支配の経済学は通用しない。政府または反政府が現在の日本のように不況対策を
 うち出しても、個人や企業が選択消費または設備投資を中心とする選択支出を引きしめる
 ことをやめないとすれば、不況を脱出することはありえないからだ。これではどんな不況
 対策をやっても脱出できないことがわかる。理由は単純化して説明できる。これらの三地
 域で、簡単なために月額所得百万円の個人を例にとる。するとこの個人は50万円以上を
 消費につかっている。そしてそのうち25万円以上を選択消費につかっている。単純化の
 ためにいま全人口の9割1分を占める中流意識の国民大衆が一斉に生活水準は落とさずに
 (つまり必要消費には手をつけずに)、自由に択んでつかっている25万円以上の選択消
 費だけを、せめて年半期だけでも引きしめて使わないと仮定する。すると約六割のウエイ
 トで、日本国の経済規模は4分の2(半分)から4分の3縮小されることになる。個々の
 企業が設備投資を中心とする選択支出を年半期いっせいに引きしめたとすれば、全ウエイ
 トで日本の経済規模は4分の2(半分)から4分の3縮小されることになる。

  そして経済規模が半分から4分の3になってしまう経済恐慌や景気後退に耐える不況政
 策や対策などは、どんな政府(自民であろうが杜共であろうが)をもってきても不可能だ
 ということは言うまでもない。わたしが何を言いたいかははっきりしているだろう。現在
 の世界でこの三地域(アメリカ、日本、EC)では国民大衆の経済的な潜在実力は、どん
 な政府支配をもってきても統御できないレベルに到達しているということだ。もっと露骨
 にいえば近代経済学の理念もマルクス経済学の理念も総じて支配を中心としてかんがえる
 経済理念はこの地域では潜在的に破産しており、国民大衆の自己支配による自己統御のほ
 かにはどんな政府もほんとうは可能ではなくなっていることにほかならない。

  公定歩合の引下げ、国債の発行、減税など、現在政府と反政府によって論議されている
 不況対策などは、いずれもまだ支配の学としての経済学の政策化が通用するとおもってい
 る錯覚にしかすぎない。たしかにその程度の不況対策でも現在の不況を脱することはでき
 るかもしれないが、それは本当をいえば「眠れる」獅子である国民大衆が、じぶんたちの
 経済的実力を自覚していないことを当てにしていることでしかない。わたしの不況認識は、
 これらの政府と反政府の認識とはまるでちがう。この不況は現在の世界の先進地域で「眠
 れる」獅子である国民大衆と「眠れる」高度技術文明の象徴である企業体が、「眠れる」
 というじぶんたちの潜在実力を信号しつつある最初の徴候にはかならないとおもっている。
 政府も反政府も「眠れる」獅子である9割1分の国民大衆と「眠れる」高度技術文明の象
 徴である企業体が、選択消費支出の部分をゆるめなかったら、どんな不況政策をやっても
 不況を脱することは不可能になっているのだという現状を認識しようともしないで、高を
 くくっていることになる。この認識が、現在の不況に言及してみたいわたしの第一のモチ
 ーフだといえる。このモチーフから派生することだが、それならばどこで不況を測ったら
 いいかという指標の問題が、言及してみたい第二のモチーフだといっていい。
  現在経済担当者や専門のエコノミストによって流布されている指標は、便利にはちがい
 ないが、すくなくとも現在の世界の先進的な三地域で通用するものだとは、とうていかん
 がえられない。

   

  経済専門家や学者や経済政策を立案している官庁が、どんなふうに現在の不況の細部を
 とらえようとしているか、すこし立ち入って、産業別にみてみることにする。はじめに証
 券会社について挙げてみると、92年9月の時点で、経常損益がプラスになっているのは、
 野村、大和、日興の3社だけであとはすべてマイナスになっている。そして光世という小
 さな証券会社だけが上位の3社といっしょにプラスを示している。東京証券取引所で株式
 の一日平均売買代金が3千5百億円くらいが損益の分岐点のところで、上期は2千5百億
 円台にとどまり、下期はさらに悪化するかもしれぬという予想がこの時点で出されている。
 これが最初に挙げられる不況の徴候として記されたものだ。

  つぎに生命保険会社の92年度の上半期の「株式含み益」は、日本生命、第一生命、住
 友生命明治生命、朝日生命、92生命、安田生命、千代田生命など上位ハ社では、軒並み
 に前年の同期との伸び率の比がマイナス50%以上になっている。最大マイナスは住友生
 命のマイナス約90%、最小でも明治生命のマイナス約53%である。「株式含み益」と
 いうのは、この株式利益を財源にして生保会社が株式評価損失の穴うめをしている経営の
 体力を意味しており、そのマイナスはこれに依存するやり方の不可能を意味すると注記さ
 れている。

  つぎに金融、保険業だけでなく、サービス業、卸・小売業、レストラン外食のような飲
 食業を含めた第三次産業の全体についていえば、業況がどうなっているかをしめす活動指
 数を、85年度を百としてみると、135・8で前年の同期比は0・4%のわずかな増大
 にとどまっていることがわかる。これは第一次石油ショックのあと74年度のマイナス1
 31%につぐ低い伸び率にあたっていることがわかる。
  つぎに電機・通信機器の大手企業は、92年の9月の時点で、経常利益がマイナス50
 %より少ないのはわずかに東芝(マイナス38・9%)だけであり、あとはマイナス50
 %をこえている。この業況をのりきるために各電機・通信機器のメーカーは設備投資の抑制と
 人件費の節約をうち出し、新卒採用者を削ること、採用取消し、そして社員のボーナスや役員手当
 の削減などをおこなっている。

  また関東地域の私鉄は、92年9月の時点で、東武、西武、京浜急行の三社が経常利益
 で、前年同期にくらべてマイナスになっている。
  信託銀行についてみるとおなじ時点で三菱など7社がすべてマイナスの経常利益に落ち
 こんでいる。
  おわりに92年10月~12月の個人の預金残高についていえば前年の同期にくらべて
 わずか122%の増加にすぎなかった。

  これらのデータはいずれも新聞、雑誌などに公開されたものだ。そしてそれぞれの産業
 分野の不況の状態について、だいたいの目安を示している。どのばあいをとってもはっき
 りしている共通点は、一様に経常の利益の伸び率の比が、前年の同時期にくらべてマイナ
 スになっていることで、不況を判断するよすがにしている。だがそれでいいのだろうか。
 たしかに企業の経常利益の伸び率は、不況になったとき前年の同期にくらべてマイナスを
 とるだろう。だが逆に経常利益の伸び率が前年同期の伸び率より下回るデータを不況の指
 標として振りまわすことに妥当性があるのだろうか? わたしにはそうおもえない。なぜ
 ならば企業体が成立していることは経常利益をもつことを前提としている。いいかえれば
 企業イコール経常利益体だということを意味している。

  それゆえその伸び率の差異は、不況と無関係にありうるものだ。伸び率が減少率に転じ
 て四半期とか半期とか一年とか経なければ、いいかえれば経常利益の損失だけで倒産に追
 いこまれない かぎり、経常利益は厳密には不況を表現しないとかんがえられるべきだと
 おもえる。いいかえれば 企業の経常利益で不況かどうかを判断するのは、粗雑ないい加
 減なものにすぎないといえる。仮に経常利益がゼロでも企業体は存在できるが、企業体の
 存在する目的は消滅してしまうように企業体はつくられている。もっと違う言い方をすれ
 ば被雇用者の命運にかかわりなく、企業体イコール経常利益体という前提を無意識のうち
 に呑みこんでしまうことはできるのだ。 
  


                                      中沢新一 編集 『吉本隆明の経済学』

                                                                                        (この項続く)

 

● 米西部に未曽有の干ばつの恐れ NASAが警告

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)はこのほど、温室効果ガスの排出がこのまま続いた場合
米西部一帯が今世紀末までに未曽有の干ばつに見舞われる恐れがあるとの研究結果を発表した。
NASAのチームは樹木の年輪を1000年前までさかのぼって過去の降雨量の変化をたどり、
これをさまざまな気候モデルに当てはめて将来の気候を予測。研究の結果を科学誌サイエンス・
アドバイシズに発表した。それによると、米国の中央平原から南西部にかけての広い範囲で今
世紀末までに大規模な干ばつが起きる可能性がある(「米西部に未曽有の干ばつの恐れ NAS
Aが警告」CNN 201502.16)。

 

 ●「自衛隊派遣恒久法」公明が容認 手続きの厳格化を条件に

政府・自民党は「派遣のたびに特別措置法を作っていたら緊急の対応ができない」と恒久法の制
定を主張。安倍晋三首相も16日の衆院本会議で「具体的なニーズが発生してから改めて立法措
置を行う考えはない」と答弁し、恒久法の必要性を強調していたという。これに対し、公明党内
には当初、特措法で対応すべきだとの意見が根強かった。しかし、首相の方針が揺るがないこと
を踏まえ、恒久法を条件付きで認めざるを得ないとの判断に傾いた。同党幹部はここにきて「迅
速な対応ができれば国際社会での貢献度をより高めることができる」と恒久法に理解を示してい
る。歯止め策としては、自衛隊派遣に国会の事前承認を義務付けることが検討されている。緊急
の場合には事後承認を認めるものの、国会が速やかに関与できる仕組みを整える方向だ。テロ対
策特措法とイラク復興特措法は「対応措置を開始し た日から20日以内に国会に付議して、国会
の承認を求める」と定めたが、公明党はより短期間での国会承認を政府・自民党に求める構えだ
という(毎日新聞 201502.18)。

これで、公明党は、原則なき「公準」なき既成事実追認の保守反動に転じたことになる。反戦平
和をすて、自動的にイスラム教圏の衰退による自己宗派の拡大を図る方針に転じたと考えられく
はない。残念ではあるがわたし(たち)が考える「積極的平和主義」と決別することとなった。
                             

                                 人命は地球より重し

 

  


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