10 先 進 せんしん
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「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』
」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
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11 順潮が死んだ。友人たちは盛大な葬儀を営もうとした。孔子は「
心がこもっていれば質素でいい」
と言ってとめた。だが、友人たちはやはり盛大な葬儀を営んだ。
孔子は言った。
「回はわたしを父のように慕っていた。それなのに、わたしは回をわが
子同様にしてやれなかった。これはわたしの咎ではない、あの連中がや
ったことだ」
顔淵死、門人欲厚葬之、子曰、不可、門人厚葬之、子曰、囘也視予猶父
也、予不得視猶子也、非我也、夫二三子也。
When Yan Hui passed away, other disciples begged to perform a
gorgeous funeral for his class. Confucius said,"You should not."
But disciples performed his funeral gorgeously. Confucius said,
"Yan Hui adored me as his father. But I could not love him as my
son. I have done nothing for him. They have done for him."
消費増税でデフレ脱却できず
経産省が11月28日に発表した10月の商業動態統計によれば、卸売業は前月
比▲8.2%、前年同月比▲10.0%、小売業では前月比▲7.1%、前年同月比
▲14.4%といずれも大幅な低下。財務省が11月28日に発表した10月分貿易
統計によれば、輸出は前年同月比▲9.2%、輸入は▲14.8%とともに大き
く低下。経産省が11月29日に発表した10月の鉱工業指数によれば、生産指
数は、前月比▲4.2%、前年同月比▲7.4%と大幅な低下。10月の出荷指数
は、前月比▲4.3%、前年同月比▲7.1%と大幅低下。厚労省、11月29日に
発表した10月の一般職業紹介状況で、10月の有効求人倍率は1.57倍で、前
月と同水準。12月6日、総務省の10月の家計調査で、2人以上世帯の消費支
出は1世帯あたり27万9671円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月
比5.1%減少。12月6日、内閣府の10月の景気動向指数は、景気の現状を示
す一致指数が前月比5.6ポイント下落の94.8。(2019年の日本経済、やっ
ぱり「消費増税」は最悪の選択だった、髙橋 洋一、現代ビジネス 2019.
12.30)。
2019年10-12月期のGDP(1次速報)の公表は2月17日だが、その前に補正
予算は成立し、政府としても手を打っているとはいえる。本来であれば
昨年の臨時国会で補正予算を成立させておくべきで、「桜を見る会」な
どに国会の議論を費やした野党の責任である。(中略)例えば、国の来
年度一般会計をみると、歳入計102.7兆円のうち財収・税外収入70.1兆円、
公債金32.6兆円。歳出計102.7兆円のうち国債費を除く支出79.3兆円、国
債費23.4兆円。PBは70.1-79.3=▲9.2兆円、財政収支は70.1-102.7=
▲32.6兆円だ。PBと財政収支の違いは、国債費を含めるかどうかだ。消
費増税は8%から10%に上がったので、おおよそ5.6兆円の有効需要を奪
う。軽減税率で1兆円、ポイント還元で0.3兆円程度戻すので、ネットで
みれば4兆円強である。補正予算はそれと同規模なので、マクロ的には
増税分を吐き出したともいえるが、タイミングが遅れたため、それだけ
では不十分。しかも昨年の消費増税は、世界経済が(1)米中貿易戦争、
(2)ブレグジット、(3)ホルムズ海峡リスク、(4)日韓問題の要因
で地合の悪いなか行われたので、2%増税でも3%増税した2014年と同程
度の悪影響が予想され、東京五輪が終わった後、秋口に再び補正予算が
必要になる可能性がかなり大きい。(中略)財政状況は、債務残高で決
まるのではない。また、債務残高対GDPで決まるのでもない。資産を勘
案したネット債務残高対GDPで決まってくる。これはファイナンス論の
イロハであるが、2018年10月15日付け本コラム「IMFが公表した日本の
財政『衝撃レポート』の中身を分析する」(https://gendai.ismedia.
jp/articles/-/57978)で示したように、ネット債務残高対GDPの数字が、
国の財政破綻確率にも大きく関係していることからもわかる。
なお、PBとネット債務残高対GDPの関係を完全に理解したければ、前数式
を見ればよい。(中略)ネット財務残高対GDPを悪くしないという観点か
らみれば、借金を作りながら資産を形成できる投資が、最も適切な政府
の行動になる。今はマイナス・ゼロ金利環境なので、モノやヒトへの将
来投資の絶好の機会だ。この投資は、当面の有効需要を増大させるとと
もに、将来の供給力を増加させるので、一石二鳥の妙策になる。その手
始めに、15年間も据え置かれている国交省での公共投資採択基準におけ
る将来割引率4%を、早急に見直す必要がある。それだけで、採択基準を
満たす公共事業は増加し、現在の6兆円から20兆円近くになるだろう。そ
れとともに、教育、研究開発や医療などへの投資も増やせばいい。
その手始めに、15年間も据え置かれている国交省での公共投資採択基準
における将来割引率4%を、早急に見直す必要がある。それだけで、採
択基準を満たす公共事業は増加し、現在の6兆円から20兆円近くになる
だろう。それとともに、教育、研究開発や医療などへの投資も増やせば
いい。こうした話は、伝統的な経済理論から合理的に導くことのできる
話だ。MMTのように奇をてらったモノではない。その証拠に、標準的な
経済学者であるサマーズ元米財務長官も、「消費増税『デフレ懸念』/
『5Gや医療に投資を』」(https://www.asahi.com/articles/DA3S14326
886.html)と言っているくらい当たり前のことだ。上記の主張も、統合
政府で見れば日本の財政は問題なし、マイナス金利だから政府投資せよ、
という正統理論だ。こうした話は、伝統的な経済理論から合理的に導く
ことのできる話だ。MMTのように奇をてらったモノではない。その証拠に、
標準的な経済学者であるサマーズ元米財務長官も、「消費増税『デフレ
懸念』/『5Gや医療に投資を』」(https://www.asahi.com/articles/DA
3S14326886.html)と言っているくらい当たり前のことだ。上記の主張
も、統合政府で見れば日本の財政は問題なし、マイナス金利だから政府
投資せよ、という正統理論だ。(財務省の「緊縮病」と裏腹に、日本は
財政破綻しないと言えるワケ、髙橋 洋一、 現代ビジネス、2020.01.20)
「武漢だけで患者数5000人」との予測
1月25日、北海道大の研究チームは、新型コロナウイルスによる肺炎
患者数について、「武漢市内だけで5000人を超える可能性が高い」との
推計を発表。通常の感染症モデルにおいては、拡大の逆のフィードバッ
クがあるので、発生当初だけ指数関数的な拡大を見せる「ロジスティッ
ク飽和モデル」になる。その手法で、2015年に韓国でのMERS感染者数を
予測したグラフがあるが、今回も、2015年の韓国並みのデータがあれば、
現段階でもかなり正確な予測ができるだろうが、いかんせんデータ不足
である。上グラフのPROJECTION1とPROJECTION2のふたつのシナリオを考
えている。いずれも、2003年のSARSのときのように、最終的な患者数は
1万人程度を想定。その場合、現在公表されている数字が過小であれば、
ここから1、2週間は患者数がどんどん増えていく。もし過小でなくても、
まだまだ発生当初の段階なので、しばらくは患者がまるで指数関数的に
増えていくだろう。その数字に圧倒される人も多いかもしれないが、い
ま中国も必死に隔離政策を実行しており、1000万人都市の武漢は交通を
遮断され隔離している。(新型コロナウイルス「中国の情報隠蔽」を考
えて患者数を予測したら… 髙橋洋一、現代ビジネス、講談社(2020.01.
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