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引き寄せられた中国禍

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10 先 進 せんしん 
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「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
---------------------------------------------------------------------
25.子路が、若い子恙を費の地方長官に推挙した。孔子が子路に言った。
「荷が重すぎないか。本人のためになるまい」
 子路は反論した。
「社稜を祭り、人民を統治する実地の経験だって勉強でしょう。なにも読書
だけが勉強だとは思いません」
「それだから口の達者なやつは、わたしはきらいだ」

Zi Lu made Zi Gao the magistrate of Fei. Confucius said,"Zi Lu, you
spoil him." Zi Lu replied,"Fei has the people and he has to govern
them. I think reading books is not the only way of learning."
Confucius said,"This is why I hate a glib talker."



新型コロナウイルスの消毒方法
ここにきてバタバタしている。朝の歯磨きは恐怖、実に怖い。鏡に映る形相
が恐ろしいのだ。政府要請で、自治体関係諸団体のスケジュールが軒並み中
止・延期連絡のオンパレード。わたしも困惑疲労なのに、関係訪問者や情報
連絡メッセンジャ(非官僚・公務員)にご同情申し上げる他ない。
彼女は彼女で「マスクがない」「トイレットペーパーがない」と騒ぎ、市中
のドラグ・ストアーやスーパーマーケットの異変を刻々報告する(同情しつ
つも、多少迷惑なのだが)。そこで、多少は医療・薬品関係の知識はあると
自負?している手前、"ここは一丁噛む"ことに。例えば。厚労省の「新型コ
ロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)」では、

 新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路は飛沫感染と接触感染であ
 ると考えられています。2020年2月21日現在、食品を介して新型 
 コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。
 製造、流通、調理、販売等の各段階で、食品取扱者の体調管理やこまめ
 な手洗い、アルコール等による手指の消毒、咳エチケットなど、通常の
 食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心
 配する必要はありません。WHO は、一般的な注意として、生あるいは加
 熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避けること、それらの取り扱い・
 調理の際には、交差汚染予防のために注意すること、としています。

 遺体の搬送や火葬場における火葬に際しては、遺体からの感染を防ぐた
 め、遺体について全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望
 まれて(中略)他方、継続的に遺体の搬送作業及び火葬作業に従事する
 者にあっては、必ず手袋を着用し、血液・体液・分泌物(汗を除く。)・
 排泄物などが顔に飛散するおそれのある場合には、不織布製マスク、眼
 の防護(フェイスシールド又はゴーグル)を使用してください。衣服へ
 の汚染を避けるため、ディスポーザブルの長袖ガウンの着用が望ましい
 です。また、これらの器具が汚染された場合には、単回使用のものは適
 切に廃棄し、再利用するものは適切な消毒を行ってください(中略)
 万が一、遺体の体液等で汚染された場合など、消毒を行う必要が生じた
 場合には、消毒に用いる薬品は、❶ 0.05~0.5%(500~5,000 ppm)次
 亜塩素酸ナトリウムで清拭*、または 30分間浸漬、❷アルコール(消毒
 用エタノール,70v/v% イソプロパノール)で清拭、または30分間浸漬
 とし、消毒法は、消毒薬を十分に浸した布またはペーパータオル等で当
 該箇所を満遍なく拭く方法が望まれます。❸消毒剤の噴霧は不完全な消
 毒やウイルスの舞い上がりを招く可能性があり、推奨しません。また、
 可燃性のある消毒薬を使用する場合については火気のある場所で行わな
 いようにしてください。❹手指衛生は、感染防止策の基本であり、遺体
 に接触、あるいは消毒措置を講じた際等には、手袋を外した後に流水・
 石鹸による手洗いまたは、速乾性擦式消毒用アルコール製剤による手指
 衛生を実施してください。❺血液などの汚染に対しては 0.5%(5,000
 ppm),また明らかな血液汚染がない場合には0.05%(500 ppm)を用い
 る。なお,血液などの汚染に対しては,ジクロルイソシアヌール酸ナト
 リウム顆粒も有効である。

ここで、掲載されている塩素消毒剤について、「塩素消毒剤と特徴|福島県
ホームページ」で次のように解説されている。

 (1)次亜塩素酸ナトリウム液
 次亜塩素酸は NaOClの水溶液です。 工業的には塩素ガスを水酸化ナト
 リウムNaOHの水溶液に吹き込んで製造します。濃厚なままの液体は次亜
 塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを含むため、皮膚に対して強い腐
 食性があり、手につくと容器が滑りやすくなるので、取り扱いには注意
 が必要です。手などについた場合は、速やかに大量の水を使って洗って
 ください。通常の使用方法は、次亜塩素酸ナトリウム液用の耐食性注入
 ポンプを使って、プール水を循環する配管に圧入して、その水をプール
 に送水ポンプで送り込みます。この場合、循環プール水量に比べて、次
 亜塩素酸ナトリウム液の圧入量が非常に小さいので、注入ノズルは微細
 なものになります。ノズル口がつまったり、気泡が咬んだりして、所要
 量が流入していないことがあるので、常に点検が必要です。注入装置を
 用いず、直接プール水に流し込む場合は、濃厚な次亜塩素酸ナトリウム
 液をそのままプールに入れるのは、薬剤の取扱のうえからも好ましくあ
 りません。大量の水を用いて薄めたものをプール全体に散布するように
 します。大量の水で薄めることにより、液のアルカリ性が弱められるば
 かりでなく、プール全体への残留塩素の分布がよくなります。

 (2)次亜塩素酸カルシウム
 次亜塩素酸カルシウムを主成分とする白色、固体の塩素剤です。現在市
  販されているものは、高純度の中性次亜塩素酸カルシウム剤で、保存性
  がよく水に溶解した際の不溶解分がほとんどありません。品質のよい中
 性次亜塩素酸カルシウムは有効塩素含有量が70%以上あり、市販商品の
 形としては、錠剤と顆粒があります。顆粒のものはプール水中に散布す
 ると速やかに溶解します。錠剤のものはプールに投入しておくとしだい
 に溶解して、徐々に有効塩素濃度が上がるので、装置を使用しなくても
 有効塩素の補給が手軽に行えるという特徴があります。また、顆粒を使
 用し、一旦機械内で溶解して注入する塩素水注入装置もあります。

 (3) 塩素化イソシアヌル酸
 イソシアヌル酸という化学的に安定な化合物に塩素を作用させて製造し
 たもので、白色、固体の塩素剤です。塩素の含有量によって次の三種類
 があります。トリクロロとジクロロではトリクロロが溶けにくく、カリ
 ウム塩とナトリウム塩ではカリウム塩の方が溶けにくいという特徴があ
 りますので、成分名を確認して使用するようにします(後略)。

ウイルスとなにか
ウイルスは細胞内でのみ増殖可能で、環境では増殖できない。 しかし、ウ
イルスは環境で比較的長時間生存できる。 たとえば、乳幼児腸炎の主要な
起因菌であるロタウイルスが玩具に付着すると、10日間以上生存する。ロタ
ウイルスのほうが大腸菌より乾燥に強い。また、エイズウイルスは環境表面
で数日間生存できる。したがって、ウイルスは細菌と同様に、重要な消毒対
象。ウイルスに対して有効な消毒薬は、高水準消毒薬(過酢酸、グルタラー
ル、フタラール)および中水準消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム、アルコール、
ポビドンヨード)である(図1)。また、ウイルスに対しては80℃・10
分間などの熱(熱水や蒸気)も有効である。ウイルス汚染の器材には、ウォ
ッシャーディスインフェクタやフラッシャーディスインフェクタなどを用い
た熱消毒や、高水準および中水準の消毒薬で対応する。また、ウイルス汚染
の環境には、中水準消毒薬のアルコールや次亜塩素酸ナトリウムで対応する。


コロナウイルスとは
人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルス。人に感染症を引き起こす
ものはこれまで6種類が知られているが、深刻な呼吸器疾患を引き起こすこ
とがある SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)と MERS-CoV(
中東呼吸器症候群コロナウイルス)以外は、感染しても通常の風邪などの重
度でない症状にとどまる。

新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症とは、過去にヒトで感染が確認されていなかった
新種のコロナウイルスが原因と考えられる感染症です。今回の新型コロナウ
イルスについて、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法に基づく「検疫
感染症」に指定された。ウイルスはその構造からエンベロープ(脂質性の膜)
のあるウイルス(エンベロープウイルス)と、エンベロープのないウイルス
(ノンエンベロープウイルス)に分けられる。エンベロープウイルスは、ア
ルコール消毒剤によりダメージを受けやすい。インフルエンザウイルス、コ
ロナウイルス、ヘルペスウイルス、風疹ウイルス、エイズウイルスなど。  


新型コロナウイルス感染症がどのように感染するのかについては、現時点で
は、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。新型コ
ロナウイルス感染症がどのように感染するのかについては、現時点では、飛
沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられている。.

飛沫感染:感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが
放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。 
※主な感染場所:劇場、満員電車などの人が多く集まる場所接触感染:感染
者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルス
が付く。別の人がその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を
触って粘膜から感染します。

※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど 世界保健
機関(WHO)のQ&Aによれば、現時点の潜伏期間は1〜12.5日(多くは5〜
6日)とされており、また、他のコロナウイルスの情報などから、感染者は
14日間の健康状態の観察が推奨されている。感染症対策:手洗いやマスク
の着用を含む咳エチケットなど通常の感染対策が重要。

手洗い・手指消毒:こまめに石けんと流水の手洗いまたはアルコール手指消
毒剤を用いた手指消毒を行い、手を清潔に保ちます。石けんと流水の日常的
な手洗いだけでは落としきれずに残ったウイルスや細菌を除去するために、
さらにアルコール手指消毒を行うことも有効です。しっかり手洗い・消毒し、
感染をストップさせよう。

マスクの効果:マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウ
イルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の
症状のある人は積極的にマスクをつける。予防用にマスクを着用することは、
混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染
予防策と考えられるが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスク
を着用することによる効果はあまり認められていない。

咳エチケット
・咳やくしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用。
・マスクを持っていない場合、咳やくしゃみをする際は、ティッシュや腕の
内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れる。
・鼻汁や痰の付いたティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくし
ゃみを受け止めた時はすぐに手を洗う。

ウイルスの消毒法
から56℃で30分処理または、アルコール(75%)や塩素系の消毒液、オキシ
ドール(過酸化水素)消毒液で消毒は可能だ。75%のアルコール除菌も有効
だが、ノロウイルスやインフルエンザウイルスのように塩素系消毒液も効果
がありそうだ。次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水(薬機法:旧薬事法に
医薬品・医薬部外品として登録がないので、除菌・消臭剤剤としての扱いに
なります)が良いと考える。次亜塩素酸ナトリウムによる消毒方法及び消毒
剤の作り方は、各市町村の保健所などで公表している解説を参考。洗濯には、
オキシクリーン(米国)を粉せっけんと一緒に入れて洗濯をしています。
オキシクリーンは、酸素系漂白剤なので消臭や過酸化水素による除菌効果も
ある。ただし、酸素系漂白剤なので、衣類を漂白してしまう場合もあり。使
用の際は洗剤の使用方自己責任の範囲でおこなう。コートなどのアウターは、
二酸化塩素を薄めた液をスプレーするのも良い。オキシクリーン(酸素系漂
白剤)とは、本剤で使用されている過炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)は自然
界で存在する炭酸ソーダと過酸化水素水を化合してつくられており、生分解
性の高分で構成されている。手洗いの徹底やマスクだけではなく、洗濯や室
内の換気によりご自宅での新型コロナウイルス対策で十分に感染は予防でき
るだろう。過度に恐れず予防に努める。(出典:(新型コロナウイルス対策
として)



図2.ウイルスのアルコール抵抗性の強さ

①厚生労働省 『新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の
目安』

「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について」
ポータルサイト(内閣官房)

新型コロナウイルス関連情報(国立感染症研究所)
新型コロナウイルス感染症について



感染防止マスクはリユース出来る!
ここまで整理・整頓し言えることは、①不織布であれ、織布であれ、マスク
は消毒洗浄し乾燥すれば再使用できるということ、②エタノール殺菌はウォ
ッカ(これは失礼)クラスの75%以上あれば使えるし、薄い焼酎のような
ものでも、一滴のヨード液や次亜塩素液、中性食器洗浄液を加えた洗浄液を
こしらえ、塩素臭や荒れの心配を気にしなければ水溶液として使用っできる
からパニックなることはないという結論である。ただ広域(大面積)の洗浄
となると噴霧器がいるので、家庭用菜園用の噴霧器があれば、綺麗に残留物
を洗浄除去しておけば問題----二酸化塩素(NSAが宇宙開発で生まれた製品:
国内は認可されていない)などの塩素系は金属腐食特に電子機器を腐食する
ので非塩素系は避ける--ないだろう。また、加熱殺菌ならスチーム洗浄機(
防黴などに使用するもので熱湯殺菌として使用)で、ぼったくり状態から脱
し、廉価に簡単に作れると結論する。要は創意工夫と科学力次第ということ
になる。



新型肺炎 「過去に類見ぬ感染症」
最新コロナウイルス 世界的な感染者数90,000人超(上図クリック)歴史的
に見ると、数千万人単位の死者を出した中世のペストや近世のコレラなどの
感染症が記録されているが、ほとんどは特定の地域の風土病が各地に急激に
拡大して多くの死者を出したケース(今回もそうだ)。一方、インフルエン
ザのように世界的な流行を反復する感染症もあるが、こちらは流行を繰り返
す中で、ある程度の免疫が獲得されているために感染と被害は一定の規模に
限定されてきた。

 検疫や隔離など社会的な対策が広まり、さらにワクチンや抗菌薬が登場
 してからは、感染症の被害は押さえ込めるようになっていた。しかし、
 今回のウイルスは突然出現して拡散したため、治療ワクチンが間に合わ
 ず、あっという間に拡散してしまった。感染制御に有効だったのは昔な
 がらの感染地区の封鎖や患者の隔離だけだ。その意味では歴史的な流行
 と言えるのではないか

             濱田篤郎東京医科大学教授(さらなる感染
             拡大の危険―新型肺炎「過去に類見ぬ感染
             症」と専門家、時事通信、2020.03.02)

つまり、韓国やイランでは特定の地域に患者が集中して見つかっているが、
日本では全国各地に感染経路が見えてこない患者が点在する形になっており、
点に見える患者も誰かから感染させられたわけで、周囲を感染させて
いる可能性もある。この状態が進めば、感染が点から面になる恐れが
あり、感染拡大に歯止めがかからず、患者の増加を引き起こす可能性
もある。特に新型コロナウイルスは感染して発症しても、1週間程度
は微熱や軽いせきなど通常の風邪と見分けがつかない。その期間、感
染しても日常生活を続けてしまい、そのまま治癒してしまう患者も多
く、感染者として認知されなれず、感染症対策が適用しにくい。全国
的な患者発生が起きている日本は、全体が感染源の可能性があるとみら
れ、海外への渡航者が訪問先の国から検疫の対象として受け入れを拒ま
れたり、数週間隔離されたりする可能性も出てくる。そうなれば経済へ
の影響も長期に及んでしまう。このため、政府の責任ある立場の人が、
分かりやすくかつ正確に説明することが『リスクコミュニケーション』
上、不可欠だと件の教授は指摘する。


新型インフルエンザ等対策特別措置法

引き寄せられた中国禍
今回の感染拡大で、1月18日に武漢の集合住宅エリアで開催された4
万世帯が参加した大食事会「万家宴」が感染拡大に一役買ったとされ、
香港では鍋を囲んだ親族19人のうち9人が感染したことが報じラれて
いる。さらに、感染源の動物として、センザンコウやコウモリなど起因
説も流されている。最新刊『覇権の歴史を見れば、世界がわかる』(ウ
ェッジ刊)で、現在に至る『野味』(中国の食文化・食習慣)の生活圏
拡大の歴史的経緯をクローズアップし、中国に関する教養としてまとめ
ている(「新型肺炎が教える中国ビジネスのリスク パンデミックが多
発する中国との付き合い方」 ITmedia ビジネスオンライン、2020.3.3)。
このネット記事では、中国の食文化・食慣習を軸として、以下のよう
に結んでいる。

 現在では食のグローバル化に伴って、安全な食品が求められてい
 るが、十数年前の中国はニセ食材を作ることで話題になった。そ
 の汚名はまだ拭い切れておらず、常にパンデミックと隣り合わせ
 にいるのもまた事実なのである。食文化。
 それはそれでユニークなものであるが、今回の新型肺炎や未知の
 感染症を引き起こす原因となれば話が違ってくる。日本人から見
 れば、中国がまだまだ潜在的な力を秘め、市場としての魅力を有
 していることは事実だが、中国と末永くビジネスをしていこうと
 するならば、中国人のステイタスを常に念頭に置いておくことが
 必要となる。
            『覇権の歴史を見れば、世界がわかる
                   島崎晋著、ウェッジ刊

そうこうしているうちに、先月24日、中国湖北省武漢市を中心に広
がる新型肺炎を引き起こすコロナウイルスの感染源として野生動物が
疑われる中、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が、
「違法な野生動物の取引禁止とみだりに野生動物を食べる悪習の排除」
に関する審議を行う。習近平指導部は、感染症のまん延を防止するた
め希少な野生動物の売買を厳しく取り締まる法整備を行う方針だが、
野生動物を珍味として楽しむ「野味」と呼ばれる食文化があり、規制
の実効性は不透明だと報ている(野生動物取引、規制強化へ 新型肺
炎、感染源排除目指す―中国:時事ドットコム、2020.2.24)。



「なぜ、イギリスはEUを離脱するのか」「なぜ、米中は貿易、宇宙、
AI等で覇権を争うのか」「なぜ、アメリカは世界の警察官をやめたの
か」「なぜ、大国はことごとく衰退する運命にあるのか」「世界を正
しく読み解くうえで欠かせない視座こそ「覇権」である。有史以来「
覇権」をめぐって争ってきた人類。世界史は興亡、争奪、確執、戦争
を繰り返した歴史でもあり、世界史だけが覇権を握る条件を知ってい
ると言えよう。ローマ帝国、漢王朝、モンゴル帝国、大英帝国、アメ
リカ合衆国……。歴史上、覇権国家と呼ばれた国は「生存」「宗教」
「植民地」「経済」といった目的にそって熾烈な争いを歴史に刻んで
きた。本書は「覇権」という視座から2000年の歴史に立ち返り今の世
界で起きていることの根源を探る新視点の歴史教養本。

島崎 晋(しまざき・すすむ)1963年、東京都生まれ。歴史作家。立
教大学文学部史学科卒業(東洋史学専攻)。大学在学中に、立教大学と
交流のある中華人民共和国山西大学(山西省太原市)への留学経験をも
つ。卒業後は旅行代理店勤務ののち、歴史雑誌の編集に携わり、歴史
作家として独立。著書に『目からウロコの世界史』(PHP研究所)、『
さかのぼるとよくわかる世界の宗教紛争』(廣済堂出版)、『一気に同
時読み! 世界史までわかる日本史』(SB新書)などベストセラー多数。
古今東西の歴史・文化・地理・宗教に精通し、多方面にわたる著作の
多い稀有な歴史作家として知られる。
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ここで、致死率を比較すると、中国3.67%、韓国0.54%、イタリア4.40
%、日本0.82%、フランス1.57%、米国5.83%となり、米国がトップ、
イタリア、中国、フランス、日本、韓国とつづく。日本が高いのは、
ダイヤモンド・プリンセス号乗船が効いているように思える。"人命は
地球より重し"的倫理的価値から評すれば、中国は日本より368倍過
酷(劣悪)な環境に置かれていたことになり、米国は致死率で、4.4
倍と過酷であることが伺えるのではと考える。参考にインフルエンザ
を傾向を比較してみる。
中国・武漢市から広がっている新型コロナウイルスの猛威が世界的な
関心を集める中、米国ではインフルエンザの流行が深刻化している。
米疫病対策センター(CDC)の推計では、19年10月以降の今シーズン
で2月1日までに死者は1万2000人に達した。米国ではインフルエンザ
が原因で毎年少なくとも1万2000人以上が死亡。とりわけ感染が深刻
だった17~18年のシーズンには患者数は4500万人に上り、6万1000人
が死亡した(産経新聞、2020年2月8日)。インフルエンザ患者が多い
のは例年5月までなので、今期のインフルエンザによる死者は、17~
18年ほどではないにしろ、かなり多い。(なんと1日50人以上「インフ
ル死者」が日本で急増する不気味 怖いのは新型コロナだけじゃない、
PRESIDENT On line 2020.2.18)
 

また、この記事の「高齢化とインフルエンザの拡大は関係あるのか」
最後に、高齢化とインフルエンザの拡大との関係を探るため、OECDデ
ータにおける各国のインフルエンザ死亡者数の増減傾向と高齢化との
相関図を描いてみた。対象はOECD諸国とOECDのデータベースで取り上
げられているパートナー国、合わせて42カ国である結果は、カナダが
ややはずれた位置にあるが、おおむね、高齢化の進んでいる国ほどイ
ンフルエンザの死亡者数が多くなる傾向が認められる。ブラジル、南
アフリカ、コロンビア、ロシアといったOECD以外の国では、高齢化も
あまり進んでおらず、またインフルエンザ死亡数もむしろ縮小してい
る国もある。図表5のインフルエンザの死亡数は各国の人口規模の違
いを考慮して、人口10万人当たりの数字を採っている。死亡数の増加
は、図表3では、米国や日本が目立っていたのであるが、これは母数
の人口規模も大きいためであり、人口当たりの死亡数としては、カナ
ダ、あるいはフィンランド、スウェーデンといった寒冷国での増加が
著しいことがわかる。米国や日本も拡大することは拡大しているが、
それほど目立たない。日本の場合は、高齢化の割には、インフルエン
ザの死亡数の増加は、むしろ程度が大きくないともいえる。流行を食
い止める対策は緊急の課題である。

だが、犠牲者の数からいえば、高齢化の進んだ先進国では、一般的に
感染拡大が深刻化しているインフルエンザの封じ込め対策についても
もっと関心が払われるべきであろうと指摘する。このようにパンデミ
ックとその制圧に関心が払われているが、寧ろ、「疾病のパンデミッ
ク」の背後要因の「覇権争い」として語るのではなく、「新自由主義
政策のリスク(誤謬)」から考え、「世界的交通貿易」における「国
際的サプライチェーン」と「一極集中とポートフォリオ」から「最適
リスクマネージメント」を考えるものであり、端的に言うならば。「
人件費削減偏重の是正」と「格差是正」を遠して、高度資本主義から
社会主義社会への主体的で円滑な移行(変遷)としてこの「新型コロ
ナウイルス・パンデミック」「令和恐慌」「中国リスク」を考えてい
るが、未だリスクの全容が見通されているわけではない。




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