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国際抗ウイルス創薬局(Ⅲ)

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12 顔 淵 がんえん 
--------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え伺をか惺れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
--------------------------------------------------------------------
6.君主の徳性について子張が質問したとき、孔子はこう答えた。
「腹黒い臣下ともなると、一見それとわかるような謹言はやらない。水が土
にしみこみ、ほこりが肌にしみつくように、いつのまにか君主の心に食いい
ってしまうものだ。もしこういう巧妙な漫言を受けつけない君主であれば、
人を見抜く徳性の持ち主といってよいだろう。いや、そればかりか、達人と
いってもよいだろう」司馬牛は嘆かずにいられなかった。

子張問明、子曰、浸潤之譖、膚受之愬、不行焉、可謂明也已矣、浸潤之譖、
膚受之愬、不行焉、可謂遠也已矣。
英訳文

Zi Zhang asked about intelligence. Confucius replied, "If you can
ignore a repeated slander and a false accusation against an innocent
person, you are intelligent. If you can do that, you can also foresee
many things."


 



電気自動車の完全普及によるCO2排出量削減の効果 
2月19日、京都大学と広島大学らの気候変動に関する研究グループが中心
となり、将来の電気自動車の導入とそれによるCO2 排出量削減の効果を解
明。現在電気自動車が急速に普及してきており、それによって将来の自動
車由来のCO2 排出量は大きく変わると予想されている。2015年のパリ協定
では、国際社会は全球平均気温の上昇を2℃以下に抑え、温室効果ガスの
排出を今世紀後半に実質ゼロまで下げるという気候安定化目標を掲げたが、、
それに電気自動車がどのように貢献できるのかという問題は明確でなかっ
た。同研究グループは、電気自動車の導入状況と交通部門以外の排出削減
努力の進展度合いにより6通りのシナリオを設定、コンピューターシミュ
レーション(数値計算)を行いその結果、電気自動車の導入により、エネ
ルギー消費量が減少するが、発電システムが火力発電依存の現状のままで
は将来のCO2 排出量はほとんど変わらず、全体としては正味で増加してし
まうことがわかった。さらに、仮に発電システムに再生可能エネルギーを
大規模に導入したと仮定しても、2割程度のCO2 削減にとどまる。この結
果は、パリ協定の2℃目標を達成には、交通という単一セクターの限定的
な取り組みだけでは難しく、家庭 産業 交通といったエネルギー需要全体
と共に、発電などのエネルギー供給が脱化石燃料化してかなければならず、
社会全体での取組みが必要である。

図1.モデル構造  ENENCHEおよびENTERSは、AIM / CGEおよびAIM /
Transportで計算されるエネルギー消費量を表す。


上記のシナリオでシミュレーションを行った結果、本研究では次のことが明
らかになった。
(1) 電気自動車の導入により交通部門のエネルギー消費量は下がる(下図左)。
(2) 電気自動車の導入により自動車由来の直接CO2 排出量も抑制されるが、
発電システムが火力発電に依存
する現状では、人間社会全体からの排出量は逆に増加してしまう(下図右①
と④の比較)。
(3) 自動車をすべて電気自動車にして、発電システムを再生可能エネルギー
に置き換えることで、CO2 排出量
は2 割程度削減することができる(下図右①、⑥の比較)。
(4) 自動車関連の対策だけではパリ協定の2℃目標には程遠く、目標達成のた
めには家庭 産業 交通といったエネルギー需要側全体と発電を含むエネルギ
ー供給側が総動員で脱化石燃料化しなくていけない (下図右②、⑤に相当)。



FDAの10倍高速新型コロナウイルス検査装置
FDAは、新しいコロナウイルステストの緊急認可を付与。 完全自動化
されたシステムは、患者の検査速度を10倍改善し、1週間あたり約
400,000(40万)の検査できるという(New coronavirus test is 10
times faster,FutureTimeline.net,2020.3.15)。



コロナウイルスのパンデミックが新しい10年の予想外の始まりである。
現在、世界中の感染者数は162,000人で、指数関数的に増加している。
現在の死者数は6,000人で、典型的な季節性インフルエンザの20〜30
倍以上の死亡率を生み出している。人命の苦しみとレクイエムは別と
し、経済はアウトブレイクによって混乱に陥り、ダウ・ジョーンズや
他の指数で過去最大の規模の下落が目撃している。オーストラリア国
立大学の研究
では、「深刻度の低い」結果でさえ、最終的な死者数は
約1500万人、世界のGDP損失は2.4兆ドル(259兆円)と予測。同報告
書によれば、「高重症度」モデルでは、現在の世界人口の約0.9%で、
第二次世界大戦の犠牲者数と同程度の6,800万人が死亡し、経済に9兆
ドル(972兆円)の大打撃を与える。米国疾病対策予防センタ(CDC)
は、1月21日に米国で最初のCOVID-19ウイルスの症例を報告。それ以
来、全国の症例数は3,250件に達している。米国のような先進国が衝
撃的なほど低い検査数が批判されてきた。


出典:Worldometers.info:人口当たりのCOVID-19コロナウイルス
検査テスト数。 2020年3月15日時点の正しい数値

米国の検査は、2月に連邦政府によって配布された欠陥のあるキット
によってさらに妨げられ、いくつかの誤った結果をもたらす。患者を
正確にテストする能力を高め、ウイルスの拡散を正確に追跡するため
に、FDAはcobas SARS-CoV-2テストの緊急使用許可(EUA)を承認。こ
のシステムは、テスト基準を満たす患者の咽頭および鼻腔スワブのサ
ンプルから、COVID-19疾患を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2が
検出できる。病院と研究所は、スイスの診断メーカであるRocheが開
発した完全自動化されたcobas 8800および6800システムでテストを実
行できるようになった。機械は3.5時間以内に個々の結果を提供でき、
24時間で最大4,128個のサンプルを処理可能とロシュ先週金曜に説明
を行う。ハイエンドの8800バージョンは、MagNA Pure 24およびLight
Cycler480デバイスで実行されるコロナウイルスに対するロシュの既
存のテストよりも約10倍速く患者をテストできる----患者がSARS-Co
V-2に感染しているかどうかを迅速かつ確実に検出することが重要。
ここ数週間、緊急対応チームはこのテストを患者に届けるために懸命
に取り組んでいるす。CEマーク認証とFDA EUAの付与は、この深刻な
病気と闘うために不可欠な信頼性の高い診断をより多くの患者に----
提供できる。ウイルスは指数関数的な方法で人々に感染。高スループ
ットシステムでなければならない。これは、感染している患者を隔離
するのに役立つので、他の人を感染させない担保となりうる。可能な
限り多くの高速テストを提供することで生産能力の限界に向かってい
ると説明する。現在、これらのコバスマシンは米国に110台あり、ロ
シュはここ数週間、全国の主要な場所に「かなりの量」の新しいコバ
スマシンを設置しておりは、週に約40万のテストが提供できる予定。
同金曜日に国家緊急事態を発表し、トランプ大統領は米国の試験能力
が月内に500万まで拡大できることを約束する。



 ● 今夜の一品
新型コロナウイルス用マスクなら少々お高くても多層式マスク!
大気汚染もウイルスも煙害も防ぎ、花の香り
オーストラリア特産の、自然の香りに癒やされます。最大で5層のフ
ィルターを組み合わせ、その内1枚がボタニカルな香りを放つ高機能
なマスク「AusAir」。これは元々、シドニー出身の若者3人が中国旅
行で大気汚染のひどさを嘆いて作ったというもの。医療用でもなけれ
ば、今回の新型コロナウイルスが流行る前から開発していたのですが、
このタイミングで完成したのですね。なので本来の目的であるPM2.5
と、そして0.1~0.5ミクロンまでの細菌も97%以上防ぎ、また山火事
などで発生する灰や煙もブロックする優れもの。このマスクは、内側
から鼻の形をキープするパッド付きの不織布インナー、香り付きPM2.5
フィルター、活性炭素フィルター、そしてアルミ製の鼻クリップが
付いて、外側のアウターと補強するレイヤーと、最後に1番外側が呼
気と熱を逃がす穴がふたつ空いた、耳掛け付きのアウターという5層
構造となっている。しかしこれらを全部合体させる必要もなく、最低
でもインナーとアウターと補強レイヤーの3枚も使用可能。


できれば、インナーは再利用・再使用できればウエルカムなのだ!

【ポストエネルギー革命序論154】

   


風速2m/sで発電できるマイクロ風車
3月6日、シナネンとグローバルエナジーは共同で、微風でも発電可能
でマイクロ風力発電事業に参入することを公表。シナネン100%出資の
新会社Sinagy Revoを設立し、マイクロ風車搭載製品の開発製造および
販売・メンテナンス事業を展開。再生可能エネルギー関連事業を手掛け
るグローバルエナジーは、新たに平均風速約1m/sの微風で回転し、約
2m/sの風速で発電可能なマイクロ風車の開発に成功した。剛性を兼ね
揃えた特殊な形状の軽量ブレード羽を搭載しする垂直型の風車で、360
℃全方向からの風を発電に利用できる。これらの特性から30%以上の高
い設備利用率が期待できる他、風切り音は30db(デジベル)程度、設置
場所から数メートル下の地上では、人の耳ではほとんど聞こえないレベ
ルのため、市街地での設置も可能としている。シナネンでは新会社の
Sinagy Revoにおいて、グローバルエナジーが開発した小型風車を利用
し、ポール型完全独立電源装置や、屋上用風力発電装置の開発・販売を
行う方針。


高体積エネルギー密度全固体リチウム二次電池技術


図1 a、高面積容量(> 6.8mAh cm-2)のNMCカソード、SSE、および
過剰なLiを必要としないAg-Cナノコンポジットアノード層で構成され
るASSBの概略図。 正極および負極の集電体として、それぞれAlおよ
びSUS箔を使用 。

図1.b、ASSB構造の断面SEM画像は、高密度に統合されたコンポーネ
ント間の密接な接触を示す。 c、SSEイオン伝導度と温度のアレニウス
プロット。 d、アルギロダイト固体電解質のラマンスペクトルおよび
XRDパターン。 e、LZOコーティングされたNMC粒子のTEM画像。 厚さ5
nmのLZO層がNMC上に均一にコーティングされた。 f、安定したLiめっ
きおよび剥離のためのSUS集電体上のAg–Cナノコンポジット陽極層の概
略図。 g、ASS–Cナノコンポジットアノード層を備え、従来のLIBおよ
びLi金属電池よりも高い体積エネルギー密度を示すASSBの概略図。
3月12日、Samsung Advanced Institute of Technology(SAIT)と
Samsung R&D Institute Japan(SRJ)らの研究者は、初めて銀炭素
(Ag- C)を用いて過剰なLiを含まないアノード複合層型高性能電池の
開発に成功したことを公表。
【要点】
リチウム金属アノードを備えた全固体電池は、従来のリチウムイオン
電池の性能を上回る強力な候補。望ましくないリチウム樹枝状結晶(
デンドライ)との成長とクーロン効率の低さは、実用化の障害であっ
たが、過剰なリチウムを含まない銀-炭素複合アノードにより、硫化物
電解質を備えたことで、高性能全固体リチウム金属電池の実現に成功。
薄いAg-C層がLiの析出を効果的な制御を実現、これにより真に長い電
気化学的サイクル性がもたらされた。フルセルのデモンストレーショ
ンでは、高比容量(> 210 mAh g-1)および高面積容量(> 6.8 mAh
cm-2)の高Ni層状酸化物カソードと、アルギロダイト型硫化物電解質を
採用。電極と電解質間の接触の改善に、温間静水圧プレス技術も導入
し、準備されたプロトタイプポーチセル(0.6 Ah)は、高エネルギー
密度(> 900 Wh -1)、99.8%を超える安定クーロン効率、および長い
サイクル寿命(1,000倍)を実現。 液体電解質を利用する広く使用さ
れているリチウムイオン電池と比較して、全固体電池はより大きなエ
ネルギー密度をサポートし、より大きな容量の実現の扉を開き、安全
な固体電電池を実現。ただし、全固体電池で頻繁に使用されるリチウ
ム金属アノードは、樹枝状化の傾向があり、電池の寿命と安全性を低
下させる望ましくない副作用を引き起こす。厚さわずか5μm(マイク
ロメートル)の超薄Ag-Cナノコンポジット層により、チームは陽極の
厚さを減らし、エネルギー密度を高めた。また、プロトタイプを従来
のリチウムイオン電池よりも体積で約50%コンパクト化に成功。

【概要】
既存のリチウムイオン電池(LIB)に比べてエネルギー密度と安全性が
向上し、電化輸送におけるより高い電力とエネルギー密度の需要により、
全固体電池(ASSB) 2 ;に強い関心が寄せられている。硫化物や酸化物
などの固体電解質は、高エネルギー密度のASSBの調製に適している。中
でも、硫化物固体電解質(SSE)は、室温での高いLiイオン伝導率(1
〜25 mS cm-1)により、電気自動車(EV)バッテリーでの使用に最も
適しています。液体電解質。さらに、SSEのLi転移数(t Li + tLi +)
は1に近く、液体電解質のそれ(t Li + tLi + tLi +≈0.5)よりもは
るかに高く、Li樹枝状結晶の成長を防ぐのに有利です。重要なのは、
SSEの柔らかい機械的特性により、電極と電解質層を単純なプレスプロ
セスで製造できるため、通常の高温焼結が不要になり、加工性が大幅
に向上し、薄膜の調製と大量生産が可能になることです、したがって、
SSEはASSBで使用するための主要な候補です。ただし、SSEの調製中に
硫化物と水分が反応するため、非常に毒性の高いH2Sガスの生成に関連
する環境上の課題は未解決です。さらに、界面で比較的反応が遅いア
ルギロダイト(Li6PS5X(X = Cl、Br、I))タイプの電解質を除き、
ほとんどの硫化物電解質はリチウム金属と接触すると急速に分解する
傾向がある。これはSSEの準備中に追加の課題をもたらす。
ASSBの構築
アルギロダイト型SSEは、結晶性のチオLiSICON(リチウム超イオン伝
導体)と比較してLi金属に対して良好な安定性と、合理的なイオン伝
導率(> 1 mS cm-1)を有し、高いカソード負荷を可能にします35,36。
このため、ASSBのSSEとしてアルギロダイト(Li6PS5Cl)を使用。アル
ギロダイト粉末を使用して調製したSSEスラリーをドクターブレード法
(t = 30 µm)でPETフィルムにコーティングし、外部圧力(50 MPa)
を加えることによりLiNi0.90Co0.05Mn0.05O2(NMC)カソードに移した。
LIBでは、セパレータは通常、電極間の短絡を防ぎます。しかし、典型
的な不織布セパレーターを使用せず、代わりにフィルムを使用した。
これは、均一性を改善し、厚さを減らすために転写法を使用して作成
された。アルギロダイトSSE10,11の柔らかく弾性のある機械的特性に
より処理が簡素化され、SSEと電極間の密接な接触が促進される。調
製したSSEフィルムは、十分な機械的強度と柔軟性を示し、温間静水
圧プレス(WIP)で加圧することで密度が増加したため、機械的強度
はさらに向上した(補足図1)。フィルムの機械的剛性とそのLiイオ
ン伝導率に大きな影響を与えることが知られているSSE分散の均一性
を改善するために、キシレンとイソ酪酸イソブチルの混合物でアルジ
ロダイトスラリーを調製した(補足図2) 。温度は電解液のリチウム
イオン伝導度に大きく影響し、図1cは温度の関数としての硫化物電解
質のリチウムイオン伝導度のアレニウスプロットを示す。アモルファ
ス硫化物電解質の場合、Li2SおよびP2S5組成の変動により、室温でそ
れぞれ0.19µmS cm–1および0.76µmS cm–1のLiイオン伝導度が得られた。
対照的に、結晶性アルギロダイトは、1.8 mS cm-1のより高い室温Li
イオン伝導率を示す。バインダーをSSEと混合すると、室温でのLiイオ
ン伝導度は1.31µmS cm-1にわずかに低下。調製したSSEの活性化エネル
ギーは0.35 0.3eV。図1dは、調製されたアルゴロダイト電解質のラマ
ンスペクトルとX線回折(XRD)パターンを示しす。ラマンスペクトル
は、アルギロダイトのPS43–イオンユニット(オルトチオホスフェー
ト)に関連する約420µcm-1のピークを示し、この領域に他のピークが
ないことは、調製した電解質に関連する不純物がないことを示す。SSE
シートのラマンスペクトルは、初期のアルギロダイトパウダーのラマ
ンスペクトルとほぼ同一であり、溶媒またはバインダーによって引き
起こされるアルギロダイトの化学的または構造的変化がほとんどない
ことを示す(補足図3)。酸化物の中で、ガーネット型のLiイオン伝
導性Li7La3Zr2O12電解質は、その広い電気化学的安定性ウィンドウと
優れたリチウム金属適合性により、高エネルギー密度のASSBを調製す
るための固体電解質として使用できる有力な候補である。ただし、そ
の製造プロセスでの高温焼結に不可欠な要件は、大規模生産を可能に
するためのさらなる研究の必要性を強調する。Liは、その高い理論容
量(3,860 mAh g-1)と低い電気化学ポテンシャル(標準水素電極に対
して-3.04 V)により、EVアプリケーション用の高エネルギー密度ASSB
を得るための最も有望なアノードであり、現在のLIBの広く使用されて
いるグラファイトアノード(理論容量372capacitymAh g-1)の交換に
最適。ただし、Liデンドライトの成長によるクーロン効率(充放電効
率)の低下と体積膨張は、安全性の問題とサイクル寿命の短縮につな
がる深刻な課題。さらに、リチウム金属のセル製造プロセスは、その
柔らかい性質のために高圧を必要とする。

これは、ASSBでの使用をかなり困難にし、これらの制限を回避のため
に、アノードとして集電体のみを使用するアノードフリーのコンセプ
トが開発された、ここでカソードは充電中のLi金属の唯一の供給源で
す。このアプローチでは過剰なLiが使用されないため、結果のASSBの
エネルギー密度を非常に高い値に増やせ、このアプローチでは、セル
の組み立てプロセスでリチウム金属箔を処理する必要がなく、バッテ
リーコストが削減できる。低Liクーロン効率と広範な樹状突起成長の
解決策はまだ報告されていない。ここでは、SSEとLi金属フリーアノー
ドを使用することで、900 Wh -1を超えるエネルギー密度と長いサイク
ル寿命(1,000倍)のASSBを実現することを報告。このASSBは、Li金属
の代わりにAg–Cナノコンポジット層をアノードとして備え(図1a、b)。
AgはLiに可溶であり、Liの形成の核生成エネルギーを低減に、集電体
へのLiの均一な堆積を支援し、ASSBのパフォーマンス。 カーボンは、
以前は保護層として、またはLi金属の堆積の3次元ホストとして使用
されていた。ただし、この作業では、SSE層をLi金属から遠ざけるセパ
レータの役割を果たします。 これにより、SSEの耐久性が向上し、SSE
を介したLi金属の浸透が回避される。さらに、XRDパターンは、アルギ
ロダイト相が適切に形成された立方体F-43m空間グループに存在し、15、
17、25、30、および31度のピークが(111)、(200)、( 220)、(
311)および(222)のそれぞれの平面にある。高エネルギー密度(>
900 Wh l-1)を得るために、ASSBで6.8 mAh cm-2の高い面積容量を持
つNMCカソードを使用した。しかし、4.0 Vを超える高電圧でのカソー
ド活物質とSSEの間の界面副反応と、ASSB の容量とサイクル寿命を低
下させる高い固体間界面抵抗は、このカソード。以前の結果に基づい
て、透過型電子顕微鏡(TEM)画像(図1e)で見ることができる。
SSE-カソード界面特性の改善するために。NMCカソード活物質に厚さ
5μmのLi2O-ZrO2(LZO)コーティングを適用した。
繰り返しサイクル中のLiめっきと剥離安定性を改善するために、Agナ
ノ粒子(NP)とカーボンブラックを1:3の重量比で含むステンレス鋼
(SUS)集電体(図1f)に複合アノード層を導入した、およびポリフッ
化ビニリデンバインダー。 SUS集電体は、機械的強度が高く、硫化物
との反応性が低いために選択されました(補足図4)。
グラファイトアノードを備えたASSBとは異なり、固体電解質はシステ
ムのアノード内部に含まれていません。特に、充電プロセス中に、集
電体とAg–Cナノコンポジット層の間にLi金属が均一に形成された。セ
ルアセンブリには金属Liコンポーネントは使用されず、カソードから
発生したSUS集電体に堆積したLi金属がアノードとして使用。過剰なL
i金属を使用せずに高いクーロン効率と均一なLi堆積を実現するには、
ASSBの長寿命と操作上の安全性を確保するための重要な要素である。
Ag–Cナノコンポジット層の厚さはわずか5–10µmであるため、開発した
ASSBで優れた体積セルエネルギー密度を達成することができた(図1g)。

Ag–Cナノコンポジット層の有無によるLi堆積
リチウム金属の堆積は、基板の表面特性に大きく影響される。開発し
たASSBでのLi析出挙動を調べるため、SUS集電体を追加層なしで固体電
解質と直​​接接触させて使用したとき、この現象を最初に研究し(図2a)。
Li樹状突起の形成は明らであった。Li堆積物(t = 30 µm)は密では
ないが、充電状態(SOC)はわずか50%でしたが、厚くて不規則な形状
(図2b、c) 0.05 Cレート(0.34 mA cm-2)。サイクルが繰り返され
ると、SSEは、Li堆積物の不均一な成長により簡単に損傷し、短絡の
可能性が高くなります。さらに、孤立したリチウムの生成により、放
電容量が低下します。さらに、集電体とSSEの界面は、マイクロギャ
ップの形成やその他の副反応により不十分な接触をすることがあり、
その結果不均一なLi堆積が生じます。図2dは、60°Cで0.1°C / 0.
33°Cの充電/放電レート下でSUS集電体のみを使用したポーチ型フル
セル(2×2 cm2、20 mAh)のサイクル性能を示しています。実際、比
較的低い電流でも、数サイクル後に容量が急激に低下した。これは、
リチウムの不均一な核生成と成長が原因である。



                         この項つづく    
                                          


図1 上)有機半導体膜上への電極の転写手法模式図。下)デバイスの
断面図

電気自動車の完全普及によるCO2排出量削減の効果 
3月13日、東京大学、産業技術総合研究所らの研究グループは、洗
濯のりにヒントを得て、高精細にパターニングされた電極を有機半導
体に取り付ける手法を開発したことを公表。さまざまな機能性を有す
る電子素子を駆動させるためには、電圧や電流を入出力するための電
極が必要不可欠。電極は通常金属で、高真空下で大きなエネルギーを
用いて成膜されることが多く、電極の設置面へのダメージを抑え、接
着力など下地との相性を最適化することも重要な課題である。同研究
グループは、洗濯のりの成分であるポリビニルアルコールが乾燥する
と固まり、水にあうと簡単に溶けることを利用し、基板上で高精細に
パターニングされた電極をポリビニルアルコールなどとともに電極フ
ィルムとして引き剥がし、半導体上に移し取る手法を開発した。さら
に、たった1分子層(厚さ4ナノメートル)からなる有機半導体に金属
電極を取り付け、半導体の機能を十分利用できることを実証。取り付
け先の制約は極めて少なく、曲面や生体などへの応用も期待できる。
今回の成果により、さまざまな積層デバイスへの応用が可能となり、
将来の産業応用における低コスト・フレキシブルエレクトロニクス用
のプロセスとしての利用が見込まれている。有機半導体は、塗って乾
かすだけで高品質な結晶性薄膜が低コストで得られ、RFIDタグや種々
のセンサといった膨大な数のデバイスが必要となるIoT時代の基盤材料
として近年盛んに研究されているが、原子同士が共有結合で強く結び
ついている無機半導体と比較して、分子同士が弱い分子間力により集
合している有機半導体は、溶剤や熱によるダメージを受けやすいとい
う課題があった。例えば、有機電界効果トランジスタ(OFET )では、
有機半導体や電極といった構成要素を積層して作製するが、有機半導
体上への電極形成時に、熱によるダメージやパターニングに必要な溶
剤によるダメージを抑える必要がある。


図2 図2 左)作製した電極フィルムの写真。右)半導体膜上への転
写前後の電極の走査型電子顕微鏡(SEM)像。

洗濯のりが乾燥すると固まり、水にあうと簡単に溶けることにヒント
を得て、「のり」を使って基板から電極を引き剥がし、後で「のり」
を除去するという発想に至る。さらに、電極を薄い保護層で覆えば、
半導体と保護層との静電気力を利用して電極を半導体に接触させられ
るのではないかと考えた。こうしてたどり着いた半導体上への電極の
取り付け手法を図1に示す。本法では、基板上でパターン化された電
極を半導体上に移し取るため、安価で広く用いられている2種類の高
分子を使用する。1つ目は、アクリル樹脂の一種であるポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)、2つ目は洗濯のりの成分として知られ、水によ
く溶けるポリビニルアルコール(PVA)。まず、基板上で電極材料をパ
ターニングし、その上に薄いPMMAを塗布する。これらはいずれも厚さ
数10~100ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)と薄く、
このまま取り扱うことが困難なので、その上にPVAを20~30マイクロメ
ートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)の厚さに塗り乾か
し、電極、PMMAおよびPVAを一括して基板から引き剥がすことで、取り
扱いが容易な電極フィルムをる(図2左)。続いて、電極フィルムを
半導体上に貼り付け、温水でPVAを溶解して除去すると、薄い電極お
よびPMMAが静電気力によって半導体上に吸着する。以上の簡便な手法
により、1マイクロメートルという高精細でパターニングされた電極
を、プロセス中に伸縮することなく半導体上に移し取ることに成功す
る(図2右)。


図3 作製した単分子層のOFETの飽和領域の伝達特性(実線)および
従来の真空蒸着法によって電極を作製したOFETの伝達特性(橙色破線)。
図中のVDはドレイン電圧。

開発した手法の有用性を確かめるため、1分子層(厚さ4ナノメート
ル)の単結晶からなる有機半導体の上に電極を取り付けてOFETを試作
しました。従来の真空蒸着法で電極形成したOFETでは、ゲート電圧を
変化させてもドレイン電流が殆ど流れないことから、熱的なダメージ
によって特性が大きく低下している(図3橙色の破線)。一方、開発
した手法で作製したOFETは、ゲート電圧を変化させると有機半導体の
本来の性能であるドレイン電流値を示し(図3赤色の実線)、ゲート電
圧とドレイン電流の平方根(図3青色の実線)の関係から移動度を求
めたところ、実用化の指標となる10 cm2/Vs程度を示し、1分子層の有
機半導体が持つ性能を引き出せることが実証できた。

この手法を用いることで、積層デバイスの作製が容易となるため、よ
り複雑で高度な機能を実現する集積回路の作製が可能となります。ま
た、安価で汎用性が高く環境負荷の小さいPMMAやPVAを使用しているこ
とや、大面積化が容易で、曲面などさまざまな表面形状の半導体にも
適用できるなど、電極を取り付ける半導体側の制約が少ないことも特
長。今後、こうした特長が活かせる有機半導体を用いたソフトエレク
トロニクスの社会実装やバイオエレクトロニクス分野への貢献が期待
される。






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