12 顔 淵 がんえん
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内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄
弟なり」(5)「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓
足らずば、君たれととも君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、
子たり」(11)「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに
風を尚うれば必ず催す」(19)
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16.君子は、他人の善行については、それが成就するように援助
するが、非行については援助しない。小人はこの逆である。(孔子)
子曰、君子成人之美、不成人之惡、小人反是。
Confucius said, "A gentleman should encourage good deeds
and discourage bad deeds. A worthless man opposes it."
【下の句トレッキング:心は同じ花のうてなぞ】
法然の流罪が決定し、九条兼実がその別れこそ「今生の別れ」とな
ると悲しんで詠むる歌
ふりすてて行くは別れのはしなれど ふみわたすべきことをしぞ思ふ
法然も親鸞もともに流罪で済んだというのは九条兼実が画策したと
いう。そして法然と親鸞がその別れに際して下の歌を読む。
法然の返歌
露の身はここかしこにてきえぬとも 心は同じ花のうてなぞ
建永二年(1207)四国に流罪の宣旨が下った法然が名残りを惜しむ
九条兼実に対して、会者定離は常であるが、共に念仏することによ
り極楽浄土で同じ蓮の上において再会できることを明らかにとする
兼実との別れの手紙に「露の身はここかしこにて消えぬとも心は同
じ花のうてなぞ」と添える。
親鸞
会者定離ありとはかねて聞きしかど 昨日今日とは 思わざりけり
法然の返歌
別れ路のさのみ嘆くな法の友 また遇う国の ありと思えば
尚、「花のうてな」とは蓮台のこと。また 「一蓮托生」という言
葉もこの歌の意味も同じ----極楽浄土で同じ蓮華の上に生まれる
ことを指す。