彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨か
ら救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言
える赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗
りにした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれた
キャラクター。愛称「ひこにゃん」。
13 子 路 し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
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11 善人が百年間政権を担当すれば、暴力も極悪犯も影をひそめると
いうが、まったくだ。(孔子)
〈善人〉 原文のままであるが、仁者、聖人などと比較してどういう評
価があたえられているのかはっきりしない。したがって全体の意味も明
確でない。次章の「王者」と対比させて、王者でも三十年、まして善人
なら百年はかかるというようにも取れる。
【ウイルス共生描論20:面白い感染症対策技術】
コンパクトで常温使用フィルム型>生ワクチン登場
インフルエンザやはしか、おたふくかぜなどの感染症にかかる前にあら
かじめ免疫をつけるため、病原性を弱めたり不活化させたりしたウイル
スや細菌を体内に送り込むのが「ワクチン」----「生ワクチン」「不活
化ワクチン」「トキソイド」があり。生ワクチンは病原体となるウイル
スや細菌の病原性を弱らせて接種するもの、不活化ワクチンは病原性を
なくしたウイルスや細菌を接種するもの、トキソイドは細菌の産生する
毒素を使って毒性をなくした上で接種する。通常、注射器を使って接種
するが、ワクチンテキサス大学オースティン校マリア・クロイル薬学教
授のグループは、「注射を使わないワクチン」の開発に成功したという。
しかし、ワクチンは生物由来原料を使用し、紫外線や温度による影響を
大きく受け、時間と共にその効力を失なう。そのため、ワクチンの保管・
管理には冷蔵保存が可能な設備が必要で、こうした設備の用意と維持に
は一定のコストがかる。また、ワクチンの接種は基本的に注射で行われ
ます。注射の針は正しく管理されなければ肝炎やエイズといった感染症
の経路となる。
クロイル教授が2007年から開発を進めているワクチンは、砂糖や塩など
の天然成分を含む薄いフィルムでワクチンを挟み込み、経口による接種
が可能。コストは安価で、製造プロセスも比較的簡単であることから、
手頃な価格でワクチンを提供することが可能になるとのこと。また、平
らで場所を取らなくなるため、大量のワクチンを保管し配布することが
可能。同研究プロジェクトの最大のブレイクスルーは、エボラウイルス
のワクチン開発の一環でウイルスをフィルムに挟んでいたところ、3年
間も放置されていたにもかかわらず、ワクチン内のウイルスの95%以上
が活動しており、ワクチンとしての効果を失っていなかった。そして、
2004年にフィリピンで1カ月に1800万人の子どもたちへ予防接種を行っ
たキャンペーンでは、1950万本の注射器が廃棄されましたと語り、フィ
ルムによる針なしのワクチンが普及すれば、ワクチンの保管だけではな
く医療廃棄物の問題が解決できる。
【要約】
生きたウイルス、細菌、抗体、酵素を冷蔵せずに長期間保存する、新し
い薄膜プラットフォームについて説明。16の凍結融解サイクルによる
ライブウイルスの回復をサポートする最適化された製剤での組換えアデ
ノウイルスの研究により、室温を超えるガラス転移を伴うアモルファス
固体の生成と、ウイルスとフィルムコンポーネント間の窒素-水素結合
が安定性の重要な決定要因であることが明らかとなる。舌下および頬側
経路による最適化されたフィルムでの生きたインフルエンザウイルスの
投与は、筋肉内注射によって達成されたものと同等かそれ以上の抗体媒
介性免疫応答を誘発。この作品は、生産、流通、サプライチェーンのメ
ンテナンスのコストを削減できるテクノロジーを提供することにより、
さまざまな医薬品へのグローバルアクセスを改善する可能性を紹介。
図1 フィルム技術は、生きている微生物と生物学的化合物を周囲温度
で長期間安定化する。(A)この原稿に記載されている長期安定性の評価
に役立つプロトタイプの単位用量フィルム。(B)備蓄および保管に使用
でき、配布用に複数の単回投与フィルムに切断できるプロトタイプの大
規模フィルム。(C)固体フィルムマトリックスにおける組換えアデノウ
イルスの36か月の安定性プロファイル。複製フィルム(n =タイムポイン
トあたり5)を20℃保存し、滅菌水で再構成して、標準的な限界希釈アッ
セイで感染力価を評価した(19)。ivp、感染性ウイルス粒子。(D)20
℃の生菌を含むフィルムの6か月安定性プロファイル。フィルム(各時
点でn = 5 )を滅菌生理食塩水で再構成し、溶液を栄養豊富な寒天に播
種しました。コロニーは、フィルムからの生菌の回収の評価のために数
えられた。 (E)薄膜で安定化され、室温(RT)℃30日間保存された一
次抗体(178260、Millipore)の 結合親和性は同じ条件下で液体として
保存されたメーカーの製品よりも優れている。再水和されたフィルムか
ら作られた溶液はアルファ-1アンチトリプシン(A1AT)酵素免疫測定法
(ELISA)アッセイで、説明されているように3回使用(59)。 4℃で
保存された新鮮なストック(新鮮)、20℃で30日間保存されたフィルム
から再構成された抗体(フィルム)、および 30日間 保存されたメーカ
ーの液体製剤に保存された抗体で作成された 標準曲線の相関係数(r2)
2℃(製造元フォーム)での日数は、それぞれ0.99、0.99、0.10。(F)
ロバ抗マウスIgG抗体であるAP192P、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)
コンジュゲート(ミリポア)の結合親和性の、 20℃ での薄膜保存後の
回復。パーセント回収率は、各濃度のA1AT標準に対して製造元から提供
された新鮮なストックの再構成フィルムからの二次抗体を使用したアッ
セイによって生成された相対吸光度。結果は、RTで保存された製造元の
在庫と比較(推奨される-20℃ではなく)。グラフの各棒は、所定の実
験で3つの別々のフィルムから回収された抗体から得られた読み取り値
を表し、データは3つの別々の実験から収集されたデータの平均 ±SEM
を反映している。写真提供者(AおよびB):テキサス大学オースティン
校のMaria A. Croyle。
Vaccines without needles – new shelf-stable film could revolut-
ionize how medicines are distributed worldwideグローバルな予防接
種キャンペーンによって残されたエコロジカルフットプリントは、考慮
されず。1か月で1,800万人の子供たちに予防接種を行った2004年 のフ
ィリピン麻疹撲滅キャンペーンでは、1,950万本の注射器、つまり143ト
ンの鋭利な廃棄物と約80トンの無害な廃棄物が発生。対照的に、ワクチ
ンが入っている封筒を医療従事者に配布するだけ。いったん摂取すると、
健康な世界が残る。それは痕跡を残さない。
そう言えば、ブログで紹介した、4月2日、ピッツバーグ大学の研究グ
ループの有望なCOVID-19ワクチン候補(PittCoVacc)の作製しているが
----このワクチンは指先サイズのパッチを介し配信(送達)され、驚異
的なウイルス抗体を生成。このワクチン(ピッツバーグコロナウイルス
ワクチンの略称である"Pitt- CoVacc"呼称)は、実験室で作られたウイ
ルスタンパク質片を使用。また、効力を高めるために、マイクロニード
ルアレイと呼ばれる薬物を送達するための新技術を使用----400本の小さ
な針の指先サイズのパッチ(一種の絆創膏)----し、免疫反応が最も強
い皮膚にスパイクプロテイン片を配信(送達)でき、針は糖類とタンパ
ク質片より作製し、皮膚に溶けこませる技術と双璧をなす。(指先サイ
ズのパッチワクチン、「切れた正味に消費が迫る」、2020.04.09)
スマートフォンのディスプレイを消毒する方法
特に現代人が常に手で触って操作するスマートフォンは重大な感染源にな
り得るため、スマートフォンのディスプレイを定期的に掃除することが非
常に重要。そんなスマートフォンのディスプレイの消毒について、ロバー
ト・マクファーレン・マサチューセッツ工科大教授は、携帯電話など何か
の表面に触れるたびに、手についた物質の一定量が触った表面に移動。ま
た、手で触れた表面の素材も、ある程度手につきます。そのため、スマー
トフォンのメーカーは化学的に強く他の物質を吸着しない材料でディスプ
レイをコーティングすることで、表面に残る残留物の量を最小限に抑えて
いると言う。スマートフォンのディスプレイには、映像がくっきり見える
ための「透明性」、タッチしていない時に反応しないための「電気抵抗性」、
タッチした時に反応するための「導電性」、ぐっと触ったり汚れたりして
も壊れない「耐久性」、拭き取るだけで簡単に掃除できる「扱いやすさ」
など、仮に抗菌性をもたせるためにディスプレイに新しいコーティングを
施しても、それによって何か別の特性が失われてしまう可能性があるため、
開発難度は指数関数的に上がってしまう。スマートフォンを清潔に使うに
は、適度に清掃する必要がある。一般的にフッ素樹脂かフルオロカーボン
などの撥油性----指で触ることでディスプレイに残留する汚れの大部分は
油脂であり、ディスプレイの表面に撥油性のコーティングを施すことで、
油脂の残留量を最小限に抑えることが可能となる----コーティングを施す。
撥油性コーティングは消毒用アルコールで除去される可能性は低いものの、
高濃度のアルコールに長時間さらされるとコーティングの均一性が失われ
てしまう可能性があるそうです。コーティングの均一性が失われると残留
物が付着しやすくなってしまい、見やすさやタッチ感度など、ディスプレ
イの光学的・機械的特性に影響を与える可能性がある。スマートフォンの
ディスプレイを清掃するには、消毒用アルコールを水である程度希釈して
から使うべきで、スマートフォンのディスプレイに施されている撥油性コ
ーティングは微生物の付着をある程度は防ぐが、COVID-19のパンデミック
を考慮した場合、十分に微生物による汚染が防いでいない。セキュリティ
企業のカスペルスキー社によれば、撥油性コーティングに最も影響が少な
い消毒液はイソプロピルアルコールで、濃度は70~80%が最適。ウォッカ
やウイスキーなど、飲料用エタノールは撥油性コーティングを痛めてしま
う可能性があり使用しないこと。
特開2020-51988 検査判定機および検査判定方法 デンカ生研株式会社
患者の唾液等の検体に細菌やウイルスなどの被検出物質が含まれているか
否か(陰性/陽性)を判定する際にイムノクロマトグラフィ法による検査
が行われる。イムノクロマトグラフィ法による検査には、被検出物質の有
無により検出領域に異なる色を呈するテストストリップを備えた検査キッ
トが用いられる。テストストリップには、被検出物質が含まれている可能
性のある液体試料の流れる方向(以下「展開方向」ともいう)の上流から
順に、滴下領域、標識化物質含有領域、検出領域が設けられている。滴下
領域は、液体試料を滴下する領域である。滴下領域に滴下された液体試料
は展開方向に展開する。標識化物質含有領域は、被検出物質に選択的に結
合しかつ標識となる標識化物質を含有する領域である。標識化物質は特定
色の標識であり、液体試料と混合されると抗原抗体反応により被検出物質
と結合する。液体試料が標識化物質含有領域を通過すると、液体試料に含
まれている被検出物質に標識化物質が結合される。検出領域は、標識化物
質と結合した被検出物質を固定する固定化物質が固着された領域である。
標識化物質と結合した被検出物質は、検出領域に達すると、そこで固定化
物質と選択的に結合し、固定される。標識化物質と結合した被検出物質が
固定され、蓄積された検出領域は標識化物質により所定の色を呈する。検
査者は検出領域を目視し、呈色状態から陰性か陽性か判定する。また、一
部の医療の現場では検査者の作業を軽減するために検査判定機が導入され
ている。検査判定機は、挿入された検査キットにおけるテストストリップ
の検出領域の画像を取得し、画像処理により陰性か陽性か判定し、判定結
果を提示する(特許文献1参照)。
特開2009−133813号公報
上述のように検査判定機は検出領域の画像を取得し、その画像から陰性か
陽性かの判定を行う。しかし、検査キット内での検出領域の位置には検査
キット毎に個体差がある。その原因として以下のことが考えられる。通常、
検査キットの筐体内にはテストストリップを位置決めする部材があるが、
部材により構成されるテストストリップ配置領域はテストストリップより
も僅かに大きくなっている。そのサイズ差により、検査キットの製造時あ
るいはその後に、検査キット毎にテストストリップの位置に個体差が生じ、
検出領域の位置に個体差が生じうる。検査判定機が検出領域として認識す
る位置がずれれば、自動判定の正確性が低下する恐れがある。本発明の目
的は、イノマクロマト法による検査の自動判定において適切な検出領域で
の判定を可能にする技術を提供することである。
本開示による検査判定機は、被検出物質が含まれている可能性のある液体
試料を、テストストリップの標識化物質含有領域を介して被検出物質検出
領域に展開し、前記被検出物質検出領域の呈色状態から陰性か陽性か判定
するイノマクロマトグラフィ法の検査判定機であって、観測部と、処理部
と、を有し、前記観測部は、前記テストストリップにおける前記被検出物
質検出領域の展開方向の下流にあり前記液体試料が到達したことを呈色状
態で示す試料展開検出領域の少なくとも一部の位置を含む範囲について、
呈色状態の指標である呈色指標のデータを取得し、前記処理部は、前記呈
色指標のデータから前記試料展開検出領域を特定し、前記呈色指標のデー
タにおける前記試料展開検出領域から所定の領域間距離だけ上流の位置に
前記被検出物質検出領域を特定し、前記被検出物質検出領域の呈色状態に
基づいて陰性か陽性か判定する。本開示によれば、イノマクロマト法によ
る検査の自動判定において適切な検出領域での判定が可能となる。検査キ
ットの平面図である。テストストリップの2面図である。検査判定機の斜
視図である。検査判定機のブロック図である。検査処理のフローチャート
である。試料展開検出領域特定処理のフローチャートである。観測窓特定
処理のフローチャートである。判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…検査判定機、11…スロット、12…操作ボタン、13…表示器、
14…撮像部、15…処理部、16…操作部、17…表示部、18…検
知部、20…検査キット、21…筐体、22…開口部、23…観測窓、
30…テストストリップ、31…試料展開メンブレン、32…試料滴下
パッド、33…標識化物質含有パッド、33…標識化物質含有領域、34
…第1被検出物質検出領域、35…第2被検出物質検出領域、36…試
料展開検出領域
世界初!大気・熱・バイアスストレス耐性を有する高信頼性かつ高移
動度電子輸送性有機半導体材料の開発に成功
移動度と環境ストレス耐性を併せ持つ実用に耐えうる塗布型 n型有機半
導体であるPhC2–BQQDIの開発に世界で初めて成功した。この優れた半導
体性能は、第一に無機半導体に類似したバンド伝導機構に起因するもの
であることが実験的に示された。また、第二に、有機半導体特有の伝導
阻害の主要因である分子間振動が、分子設計により効率的に抑制された
ことが、分子動力学計算および伝導計算により実証された。今回開発し
たPhC2–BQQDIからなる n型有機半導体は、印刷法による安価かつ低環境
負荷の電子タグなどの開発を大いに加速し、また、高熱ストレス耐性に
加えて、還元体の安定性を有するバンド伝導性 PhC2–BQQDIをベースとし
た未利用エネルギーを有効活用するエネルギーハーベストである熱電変
換素子などの次世代のプリンテッド・フレキシブルエレクトロニクス分
野の起爆材料となる。
【概説】
現在、日常生活に欠かせない情報端末----スマートフォンやノートパソ
コンなど電子機器に用いられている半導体は、シリコンを中心とした無
機化合物からなる半導体(無機半導体)です。共有結合により原子同士
が結びついた固体の無機半導体は、共有結合を介して電荷輸送ができ、
電荷移動度は極めて高いが、その一方で、重く、硬く、また、デバイス
作製に約300–1000℃の高温が必要。これに対して、パイ電子系分子が弱
い分子間力によって集合した固体である有機半導体は、軽量かつ機械的
に柔軟である特長を有し、印刷による低温での作製が生産時のコストと
環境負荷を飛躍的に軽減し、次世代のプリンテッド・フレキシブルエレ
クトロニクスにおける鍵材料として大変期待されているが、無機半導体
とは対照的に、有機半導体は共有結合ではなく分子軌道の弱い重なりを
介し電荷輸送しているため、電荷移動度は低くなる。さらに、弱い分子
間力で集合している有機半導体分子は、熱エネルギーにより固体中で分
子運動(分子間振動)が生じることで電荷移動度が低下することが報告
されている。したがって、有機半導体の性能向上のためには、①分子軌
道の重なりを大きくすることに加え、②固体中で分子間振動を効率よく
抑制する分子設計指針の考案が重要と考えられている。
Title:Robust, High-Performance n-Type Organic Semiconductors:
「Science Advances」(2020年5月1日付)
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