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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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センサのダウンサイジング

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(
戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成の
こと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこ
にゃん」。 


                   
13 子 路   し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
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14 あるとき冉有は、朝廷からの帰りが遅くなった。
遅いじゃないか。何かあったかね」と孔子に声をかけられて、再有は答
えた。
「ええ、ちょっと政務がありまして」
すると孔子は言った。
「政務? 政務というより、季氏の私用じゃないか。なるほどわたしは
実務にたずさわってこそいないが、政務に関することなら、わたしの耳
にはいらぬはずはない」

冉子退朝、子曰、何晏也、對曰、有政、子曰、其事也、如有政、雖不吾
以、吾其與聞之。

Ran Zi came back from the palace. Confucius asked, "Why have you
come back so late?" Ran Zi replied, "We had a problem of national
affairs" Confucius said, "It is probably a problem of Ji family's
affairs. If there is a problem of national affairs, they surely
consult me even if they don't leave it to me."

    

【ポストエネルギー革命序論 175】


図2 エチレンによる果物の熟成
植物ホルモンを常時モニタリングできる小型センサ
エチレン(CH2=CH2)は、野菜や果物から放出されるガス分子で、野菜や果
物の熟成を促進させる植物ホルモン。また、野菜や果物の保存庫内にエチ
レンを添加して熟成(追熟)を促すこともでき、バナナやキウイフルーツ
などに広く用いられています。しかしながら、エチレンが過剰に存在する
と熟成が進みすぎて、腐敗を進行する(上図2)。エチレンの濃度を常時
モニタリングして熟成の進行を予測すれば、最適な輸送・保存管理につな
がる、農業・食品業界では安価で小型なエチレンセンサが切望されていた
が、エチレンを高感度かつ高選択的に検出には、現在のところ、ガスクロ
マトグラフィーなどの高価で大型な装置を必要である。一方、半導体材料
を用いて、電気化学的にエチレンを検出する小型センサが市販されている
が、他の還元性ガス分子(アルコールやメタンなど)に誤応答してしまう
ことが課題。これは、半導体センサは一般的に高温状態(200〜300℃)で
駆動するため、センサ材料表面が高い活性を持ち、ほとんどの還元性ガス
と反応し、エチレンガスを選択的に検出し難いことが原因。この産業技術
総合研究所らの研究グループは、①エチレンを選択的にアセトアルデヒド
に変換する高活性触媒(Pd-V2O5-TiO2)と、②アセトアルデヒドと反応して
酸性ガスを発生する試薬(NH2OH∙HCl)、③そして酸性ガスを高感度に検出
する単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を担持した電極の三要素を組み合
わせることで、エチレンを選択的かつ繰り返し高感度に検出できる小型セ
ンサを開発しました(図3)。アセトアルデヒドと試薬の反応(CH3CHO +
NH2OH∙HCl → CH3CH=NOH+ H2O+ HCl)で発生した酸性ガス(HCl)は半導
体SWCNTに対して強い電子引き抜き剤として働くため、SWCNTの電気抵抗値
を変化させる。この仕組みにより、僅か1 ppmのエチレンを僅か5分の短
い時間で高感度かつ高選択的にモニタリングすることに成功した。例えば、
バナナとキウイフルーツの熟成(追熟)に用いられるエチレンの濃度は、
それぞれ約500 ppmと約10 ppmなので、本センサで十分に対応できる。本セ
ンサの感度(1ppmのエチレンに対して、約10%の電流変化量)は世界最高
レベルであり、5分間の測定における検出限界は0.2 ppm、15分間の測定で
は0.1ppm。この高感度化には、産総研が以前開発した半導体 SWCNT
の分離精製技術が生かされている。ひとつのセンサに用いられるSWCNTはご
く僅かであり、1グラムのSWCNTから数百万個のセンサが作製可能である。


図3(A)エチレンセンサの原理(B)エチレンに対する繰り返し応答(C)
エチレン濃度と応答の関係

研究達成には、センサ用途に最適化された高活性触媒が重要な役割を果た
している(下図4)。高活性触媒は、ガラス管に詰められた粉末状の固体
材料(Pd-V2O5-TiO2)で、エチレンを含む空気を通過させるだけで、空気中
に含まれる酸素と水を基質とした環境に優しい触媒反応(Wacker反応)に
より、エチレンをアセトアルデヒドに変換できます。ppmレベルのエチレン
を通過させると、ほぼ全てのエチレンがアセトアルデヒドに変換されるこ
とを確認した。高活性触媒は繰り返し利用可能であるとともに、室温付近
(40 ℃)で駆動するため、高温に維持する必要がなく低消費電力で動作可
能という点でも小型センサに適す。高活性触媒に含まれるパラジウム(Pd)
は貴金属だが、ひとつのセンサに用いられる量は僅か0.8ミリグラム程度で、
現在の価格に換算すると10円以下相当。


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