彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨から救っと
伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成のこと)の
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこにゃん」。
13 子 路 し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
-----------------------------------------------------------------
17 子夏が地方長官として菖父(魯の町)へ赴任するにあたって、孔子
に政治の眼目をたずねた。
「あせらぬこと、そして小利にまどわされぬことだ。あせると仕損じるし、
小利にまどわされると大事業は完成しない」
子夏爲魯筥父宰、問政、子曰、毋欲速、毋見小利、欲速則不達、見小利則
大事不成。
Zi Xia became the magistrate of Ju Fu and asked about politics.
Confucius replied, "Do not rush. Do not pursue a small profit.
If you rush, you will fail. If you pursue a small profit, you can
not accomplish a great task."
5月12日から「サントリーブルー」が全国で発売された。早速、飲む、爽
やかで軽妙なフルーティさとハーブ系のすっきり感をロングテールする。
天然水とエール酵母にこだわったスッキリ爽快な味わいが特徴とのうたい
文句だが、「ザ・プレミアム・モルツ 香るエール」に通じるというが、
そういえばそだが、これはそれを超えている。大ヒットまちがいない。
ところで、酵母は糖類を食べ、酸素があるときは呼吸を行って炭酸ガスと
水に分解、酸素がないときは発酵を行って炭酸ガスとアルコールに分解。
酵母の種類のひとつである「ビール酵母」は、このアルコール発酵で大量
のアルコールを生産するとともに、優れた味と香りを作り出す。ビール酵
母のなかにも種類があって、大きく「上面発酵酵母」と「下面発酵酵母」
に分けられ、①上面発酵酵母は15~25℃の温度で発酵し、フルーティーな
香りのもとであるエステルなどを多く作り出す。発酵の際に発酵液の表面
に浮かび上がる性質を持つことから、このように呼ばれている。この上面
発酵酵母で作られたビールを総称して「エールビール」と呼び「エール酵
母」とも呼ばれている。②下面発酵酵母は、5~10℃前後の低温で発酵する
酵母で、香味成分は多く発生しないがが、キレのある爽やかなノド越しを
作り出します。発酵の際に酵母が沈むことからこの名が付けられている。
エール酵母発酵系に、イギリスやベルギーでは、今も多くの人に愛されて
おり、「エール」「IPA」「ヴァイツェン」「ホワイト」「ホワイトカク
テル」「トラピスト」「アベイ」「スタウト」「ポーター」が、上面発酵
ビールに属す。
下面発酵ビールは「ラガービール」と呼ばれることから、この酵母は「ラ
ガー酵母」とも呼ばれている。フルーティーなものが多いが、味や香りに
多様性があるのもこのビールの特徴。長い歴史のなかで、作られてきた地
域の風土や生活が反映され、個性的でバラエティーに富んだビールが育ま
れてきました。冷やして飲んでもおいしいですが、香りを楽しむために10
℃以上の温度で味わうのがいいと言われ、ビールは“ノド越し”や“キレ”
だと言われるが、上面発酵ビールで、芳醇な味と香りをじっくりと味わっ
てみるの一興とあるので、一度ゆっくりと楽しんでみよう。
【ポストエネルギー革命序論 177】
特開2020-0747828 T細胞受容体およびB細胞受容体レパトアの解析シス
テムならびにその治療および診断への利用 Repertoire Genesis株式会社
【概要】
免疫システムによる生体防御機構は、主にT細胞やB細胞によって担われる
特異的免疫に大きく依存している。T細胞やB細胞は自己の細胞や分子には
反応せず、ウイルスや細菌などの外来性の病原体を特異的に認識して攻撃す
ることができる。そのために、T細胞やB細胞は細胞表面上に発現した受容
体分子によって自己抗原とともに他の生物由来の多様な抗原を認識し、識別
できる機構を有している。T細胞ではT細胞受容体(Tcell receptor,TRC)
が、B細胞ではB細胞受容体(B cell recepter,BCR)が抗原受容体として
働く。それら抗原受容体からの刺激によって細胞内シグナルが伝達され、炎
症性サイトカインやケモカインなどの産生が亢進し、細胞増殖が増進され、
様々な免疫応答が開始される。TCRは、抗原提示細胞上に発現する主要組織
適合遺伝子複合体(Major histocompatibility complex,MHC)のペプチド
結合溝に結合したペプチド(peptide-MHC complex, pMHC)を認識すること
で、自己と非自己を識別するとともに抗原ペプチドを認識している(Cell
1994, 76, 287-299)。TCRは、2つのTCRポリペプチド鎖からなるヘテロダ
イマー受容体分子であり、通常のT細胞が発現するαβ型TCRと特殊な機能
をもつγδ型TCRが存在する。αおよびβ鎖TCR分子は複数のCD3分子(CD3
ζ鎖、CD3ε鎖、CD3γ鎖、CD3δ鎖)と複合体を形成し 抗原認識後の細胞
内シグナルを伝達し様々な免疫応答を開始させる。ウイルス感染に伴い細
胞内で増殖したウイルス抗原やがん細胞由来のがん抗原などの内在性抗原
は、 MHCクラスI分子上に抗原ペプチドとして提示される。また外来微生
物由来の抗原はエンドサイトーシスにより抗原提示細胞に取り込まれ、プ
ロセシングを受けたのちにMHCクラスⅡ分子上に提示される。これらの抗原
は、それぞれCD8+ T細胞あるいはCD4+ T細胞の発現するTCRにより認識
される。TCR分子を介した刺激には、CD28、ICOS、OX40分子などの共刺激分
子が重要であることも知られている。TCR遺伝子は、ゲノム上では異なる領
域にコードされた多数のV領域(variable region,V)、J 領域(joining
region,J)、D領域(diversity region,D)と定常領域のC領域(constant
region,C)から成る。T細胞の分化過程において、これら遺伝子断片が様
々な組み合わせで遺伝子再構成され、α鎖およびγ鎖TCRはV-J-Cから成る
遺伝子を、β鎖およびδ鎖TCRはV-D-Cから成る遺伝子を発現する。現在、
IMGT(the International ImMuno GaneTics project)のデータベースで
は機能的α鎖TCR V遺伝子断片(TRAV)は43種、TRC J遺伝子断片(
TRAJ)は50種、機能的βTCR V遺伝子断片(TRBV)40-42種、TCR D遺伝
子断片(TRBO)2種、TCR J遺伝子断片(TRBJ)13、機能的γ鎖V遺伝子断
片(TRGV)4~6種、TRC J遺伝子断片(TRGJ)5種、機能的δ鎖V遺伝子断
片(TRDV)3種、TRC D遺伝子断片(TRDD)3種、TCR J遺伝子断片(TRDJ)
4種が知られる(Nucleic Acid Research, 2009, 37 (suppl1),D1006-D1012)。
これら遺伝子断片の再構成により多様性が創出されるとともに、VとDある
いはDとJ遺伝子断片の間に1つ以上の塩基の挿入や欠失が起こることによ
り、ランダムなアミノ酸配列が形成され、より多様性の高いTCR遺伝子配列
が作り出されている。
TCR分子とpMHC複合体表面が直接結合する領域(TCRフットプリント)は、
V領域内の多様性に富んだ相補性決定領域(complementarity deterermining
region,CDR)CDR1、CDR2およびCDR3領域から構成される。中でもCDR3領域
はV領域の一部、ランダム配列により形成されるV-D-J領域とJ領域の一部を
含み、最も多様性に富んだ抗原認識部位を形成している。一方、他の領域
はFR(framework,region)と呼ばれ、TCR分子の骨格となる構造を形成する
役割を果たしている。胸腺におけるT細胞の分化成熟過程において、β鎖
TCRが最初に遺伝子再構成され、pTα分子と会合してpre-TCR複合体分子
を形成する。その後、α鎖TCRが再構成され、αβTRC分子が形成されると
ともに、機能的αβTCRが形成されない場合はもう一方のα鎖TCR遺伝子ア
レルにおいて再構成が起こる。胸腺における正・負の選択を受け、適切な
親和性をもったTCRが選択され、抗原特異性を獲得することが知られる(
Annual Review Immunology, 1993, 6,309-326)。
BCRは、免疫グロブリン(Ig)として知られ、Igの膜結合型はBCRとして抗
原受容体分子として働き、その分泌型蛋白は抗体として細胞外に分泌され
る。抗体はB細胞が最終分化した形質細胞(プラズマ細胞)から大量に分泌
され、ウイルスや細菌などの病原体分子に結合することで、またその後に
続く補体結合反応などの免疫反応によって病原体を排除する働きを持つ。
BCRはB細胞表面に発現され、抗原に結合したのち細胞内シグナルを伝達し、
様々な免疫応答や細胞増殖を開始させる。BCRの特異性は抗原結合部位のア
ミノ酸配列の多様性によって担われている。抗原結合部位の配列はBCR分子
間で大きく異なり、可変部(V領域)と呼ばれている。一方、定常領域(C
領域)の配列は、BCR分子間あるいは抗体分子間で高度に保存され、抗体の
エフェクター機能や受容体のシグナル伝達機能を有す。
BCRと抗体は膜結合ドメインの有無を除いて同一である。Ig分子は、2本の
重鎖(heavy chain、H鎖)と2本の軽鎖(light chain、L鎖)のポリペプ
チド鎖からなる。一つのIg子では、2本のH鎖どうしが、また1本のH鎖と
1本のL鎖がジスルフィド結合によって結合している。Igには、μ鎖、α
鎖、γ鎖、δ鎖、ε鎖と呼ばれる異なる5つのH鎖クラス(アイソタイプ)
が存在し、それぞれIgM、IgA、IgG、IgD、IgEと呼ばれている。通常、生体
防御に働く高い特異性を持った抗体はIgG型抗体であり、粘膜免疫に関与す
るIgA型抗体やアレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎に重要なIgE型抗体な
ど、アイソタイプによりその機能や役割が異なることが知られる。さらに、
アイソタイプには、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4などの数種のサブクラ
スが存在することが知られる。L鎖にはλ鎖(IgL)とκ鎖(IgK)の2種類
が存在し、どのクラスのH鎖とも結合することができ、機能的な違いはない
と考えられている(Annual Review Immunology, 2000, 18,495-527)。
BCR遺伝子は、TCR遺伝子と同様に体細胞内で起こる遺伝子再構成によっ
て形成される。可変部はゲノム上でいくつかの遺伝子断片に分かれてコー
ドされ、それらが細胞の分化過程において体細胞遺伝子組み換えを起こす。
H鎖の可変部の遺伝子配列は、V領域、J領域、D領域と異なるアイソタイプ
を規定しているC領域(constant region,C)からなる。それぞれの遺伝子
断片はゲノム上では離れて存在するが、遺伝子再構成によって一連のV-D-J
-C遺伝子として発現される。IMGTのデータベースでは、機能的IgH鎖V遺伝
子断片(IGHV)は38~44種、D遺伝子断片(IGHD)は23種、J遺伝子断片(G
MJ)は6種、機能的IgK鎖V遺伝子断片(IGKV)34種、J遺伝子断片(IGKJ)
5種、機能的IgL鎖V遺伝子断片(IGLV)29~30種、J遺伝子断片(IGLJ)5種
が知られる。これらの遺伝子断片が遺伝子再構成をすることでRBCR多様性
を確保している。さらに、TRC同様にランダムなアミノ酸配列の挿入や欠失
によって高度な多様性をもつCDR③領域が形成される(Nucleic Acid Rese-
arch, 2009, 37 (suppl1), D1006-D1012)。B細胞の分化成熟過程におい
て、未熟なB細胞によって最初にIgMが産生される。抗原に晒されていない
ナイーブB細胞はIgMとIgDを共発現し、抗原の刺激を受けて活性化した後
に、可変部の配列はそのままでIgMのC領域であるCμとIgGのC領域配列で
あるCγを変換させるクラススイッチ(アイソタイプスイッチ)が起こる。
同様に、Cμは、IgAのC領域(Cα)あるいはIgEのC領域(Cε)と変
換して、IgAやIgGを産生するようになる。これらクラススイッチ組換えに
より、病原体を排除するために必要な種類の抗体が必要な場所で産生され
ることになる。さらに、クラススイッチを受けたB細胞の増殖過程におい
て、IgG、IgAあるいはIgE領域の可変部において高頻度に突然変異が起こる
(体細胞超変異、somatic hypermutation)。その結果、抗原に対してより
高い特異性を獲得したB細胞がさらに刺激を受け、増殖し、この過程を通
してより高い特異性を持った抗体産生B細胞が選択される(親和性成熟、
affinty maturation)(Proc Natl Acad Sci, 1993, 90, 2385-2388)。
T細胞またはB細胞は、特定の抗原に対し高い特異性を持った1種類のT
CRまたはBCRを産生する。生体には多数の抗原特異的T細胞やB細胞
が存在することで、多様なTCRレパートリー(レパトア)やBCRレパ
トアが形成され、様々な病原体に対する防御機構として有効に機能するこ
とができる。したがって、免疫細胞の特異性や多様性の重要な指標である
TCRやBCRレパトアの解析は、単クローン性や免疫異常の解析に有用
な解析ツールである。仮に、T細胞あるいはB細胞が抗原に反応して増殖
した場合、多様なレパトアの中で特定のTCRあるいはBCR遺伝子の割
合が増加することが観察される(クローナリティーの増加)。TCRやB
CRレパトア解析により、TCRあるいはBCRを発現するリンパ系細胞
の腫瘍化をクローナリティーの増加として検出する試みがなされてきた(
非特許文献6)。また、スーパー抗原のような特定のVβ鎖を有するTC
Rを選択的に刺激する分子に暴露された場合は、特定のVβ鎖の使用頻度
が増加することが報告されている(非特許文献7)。抗原特異的免疫応答
を調べる目的で、関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、シェーグレン
症候群、特発性血小板減少性紫斑病などの免疫異常により発症する難治性
の自己免疫疾患の解析にも多く利用され、その有用性が示されてきた。
従来のTCRレパトア解析とは、試料中のT細胞が個々のV鎖をどれくら
い使用するかを調べる解析法である。その一つは、特定のVβ鎖特異的抗
体を用いて、個々のVβ鎖を発現するT細胞の割合をフローサイトメトリ
ーで解析する方法である(FACS解析)。この手法には、比較的多くの
細胞を必要とすることからリンパ球を多く含む末梢血の解析には有用であ
るが、組織材料由来の試料には適応できない。また、現在でもすべてのV
鎖に対応する抗体が入手できないことから、網羅的な解析を行うことはで
きない。
その他に、ヒトゲノム配列から入手されるTCR遺伝子の情報をもとに、
分子生物学的手法によるTCRレパトア解析が考案されてきた。細胞試料
からRNAを抽出し、相補的DNAを合成後、TCR遺伝子をPCR増幅
して定量する方法である。個々のTCR V鎖特異的プライマーを多数設
計して、別個にリアルタイムPCR法等で定量する方法、あるいはそれら
特異的プライマーを同時に増幅する方法(Multiple PCR)法
が用いられてきた。しかしながら、各V鎖について内在性コントロールを
用いて定量する場合でも、利用するプライマーが多いと正確な解析ができ
ない。さらに、Multiple PCR法ではプライマー間の増幅効率
の差が、PCR増幅時のバイアスを引き起こす欠点がある。このMult-
iple PCR法の欠点を克服するため、鶴田らはTCR遺伝子の二本
鎖相補的DNAの5’末端にアダプターを付加した後に、共通のアダプタ
ープライマーとC領域特異的プライマーによってすべてのγδTCR遺伝
子を増幅するAdaptor-ligation PCR法を報告した(
非特許文献8)。さらに、αβTCR遺伝子の増幅にも応用し、個々のV
鎖に特異的なオリゴプローブによって定量するReverse dot
blot法(非特許文献9)やMicroplate hybridiz-
ation assay法(非特許文献10)が開発された。これらの方
法は、バイアスを生じることなくTCR遺伝子を増幅する優れた方法であ
るが、V鎖使用頻度以外の情報はほとんど得ることができない。J鎖、D
鎖あるいは抗原認識部位であるCDR3領域の塩基配列情報などは、その
後のTCR遺伝子の相補鎖DNAのクローニングと塩基配列決定によって
行う必要があった。
近年、急速に進歩した次世代シーケンス解析技術により大規模な遺伝子の
塩基配列決定が可能になった。ヒト試料からTCR遺伝子をPCR増幅し、
次世代シーケンス解析技術を利用することで、従来は小規模かつV鎖使用
頻度など限られた情報を得るTCRレパトア解析から、クローンレベルの
より詳細な遺伝子情報を入手して解析する次世代TCRレパトア解析法が
実現できるようになった。そのような中、いくつかの次世代TCRレパト
ア解析法が開発され(特許文献1および2)、他の試みもなされている(
特許文献3~11)。
【図の簡単な説明】
図1は、アイソタイプ特異的プライマーの交差性を示す。左パネルは、第2
のIgMサンプルに関する例であり、左端(L)は分子量マーカーのレーン
を示す。M、G、A、DおよびEは、それぞれIgM、IgG,IgA、
IgDおよびIgEの特異的プライマーでの結果を示す。中央パネルは、
左側に第2のIgGサンプル、右側に第2のIgAサンプルでの結果を示し、
右端(L)は分子量マーカーのレーンを示す。M、G、A、DおよびEは、
それぞれIgM、IgG,IgA、IgDおよびIgEの特異的プライマー
での結果を示す。右パネルは左側に第2のIgDサンプルおよび右側に第
2のIgEサンプルを示す。左端(L)は分子量マーカーのレーンを示す。
M、G、A、DおよびEは、それぞれIgM、IgG,IgA、IgDお
よびIgEの特異的プライマーでの結果を示す。使用した免疫グロブリン
アイソタイプ特異的プライマーの特異性を評価するため、目的の免疫グロ
ブリンアイソタイプ特異的プライマーとともに他のアイソタイプ特異的プ
ライマーによる増幅を行い、交差反応性の有無を確認した。10μLのG
S-PCR増幅産物を2%アガロースゲルにてTAE緩衝液中で電気泳動
後、エチジウムブロマイド染色により評価した。各アイソタイプ特異的プ
ライマーで増幅された2nd PCR増幅産物は、他のアイソタイプ特異
的GS-PCRプライマーで増幅されることなく、プライマーの特異性が
高いことが確認された。
【図2】図2は至適希釈濃度の検討結果を示す。各アイソタイプにおける
GS-PCR至適条件を検討した。2nd PCR増幅産物の2倍階段希
釈系列を作成し、20サイクルのGS-PCRを行った。2nd PCR
増幅産物について、左からIgM、IgG、IgA、IgDおよびIgE
の、それぞれ1倍、2倍、4倍、8倍および16倍希釈の結果を示す。左
端のLは、分子量マーカーのレーンを示す。16倍希釈において良好な結
果が得られた。
【発明の効果】
本発明は、従来技術に対して、①「大規模」シーケンスに対応できるとい
う効果がある。➲特にBCRに関しては、変異が多数観察されることから変
異に関係なく「非バイアス」で増幅することができ正確な判定をすること
ができる点で特に有利な効果があるといえる。従来のシステムのうち、V
鎖特異的プライマーを利用した増幅法および配列決定法に対しては、②.非
バイアスであること、③そのため定量性に優れているといえる。
SMARTPCR法などの技術に対しても、①「非バイアス度」が顕著に改善して
おり、②各技術がもつ特有の欠点を持たないという点で有利である。たと
えば、SMARTではRepeatedTemplateSwitchingが問題として報告されている
ところ、本システムではそのような問題は発生しない。また、③アイソタ
イプ、サブタイプの同定も含め網羅的な解析ができることも有利な効果と
して挙げることができる。
本発明のシステムおよび方法では、TCRはα、β、γ、δ鎖について、BCR
はIgM、IgD、IgA、IgG、IgEの重鎖とIgL、IgLの軽鎖についてTCRおよびBCR
レパトアを導出し、様々な側面からのレパトアの変化を検出することがで
きる。疾患特異的TCRあるいはBCRの同定に重要なCDR3領域塩基配列を正確
に決定するために、シーケンス用のC領域プライマーの位置を適切な位置
に配置している。さらに、増幅した遺伝子の配列から、アイソタイプある
いはサブタイプの種類を同定でき、疾患と関連する遺伝子の特定が容易に
できるように、プライマーの位置が工夫されている。
従来技術ではいずれも多数のV鎖特異的プライマーを用いたMultiple P
CR法が採用され、定量性や精度に大きな問題を残していたところ、この
ような問題が解決された。また、本発明の解析システムを利用することで
以下も達成される。たとえば、インバリアントTCRのスクリーニングを
行うことができる。大規模塩基配列のTCRレパトア解析において、TC
Rα鎖においてHLAに関係なく多数の試料に重複するリードを検索する
ことから、インバリアントTCRをスクリーニングできることを見出した。
実際、non-classical NHCあるMR1認識するMAIT由来のTCRを多数検出するこ
とができた。インバリアントTCR発現するNLTやMAITなどは、感染免疫、抗
腫瘍、炎症などの免疫応答において重要な役割を果たしていることが知ら
れる。様々な組織試料における新規インバリアントTCRをスクリーニングし、
ユニークな機能をもつ細胞を探索する目的に利用できると期待される。
さらに、抗原特異的TCRのTCRαおよびTCRβ遺伝子ペアの推定を行うことが
できる。TCRαおよびTCRβはヘテロダイマーを形成する受容体分子である。
抗原に反応して増殖する抗原特異的T細胞は、特定のユニークなTCRα鎖と
TCRβ鎖から成る。しかし、TCRレパトア解析は、TCRαまたはTCRβ遺伝子
を別個に増幅するため、どのTCRαとどのTCRβがペアを形成するか知るこ
とができない。そこで、特定のTCRβ鎖リードが重複する個体の組み合わせ
について、TCRα鎖の重複個体と一致するかどうかを調べることで、ペアと
なるTCRαおよびTCRβ鎖遺伝子を推測することができる(図44)。特定
のTCRβ鎖の重複個体を指標にして、一致するTCRα鎖を推測することがで
きた(表3-11)。複数のリードに割り当てられる例もあるが、ペアTCR
遺伝子の特定に有用な検索方法であると考えられる。精確度の高い非バイ
アスでの大規模遺伝子解析のための試料が提供され、定量的な分析が特に
必要とされる臨床応用場面において特に有用である。また、本発明では、
「低頻度」(1/10000-1/100000またはそれ以下)遺伝子
を同定できることで、たとえば白血病のより正確な診断、治療につながる
ことになる。これは、従来技術(アダプターにプレート法を組み合わせる
方法、またはSMART法にプレート法を組み合わせる方法)では検出限
界(1%程度)のためできなかった。
また、V特異的な手法の場合、V特異的プライマー間で増幅効率が異なる
ため、定量性は低いが、この手法は1セットのプライマーで増幅するため
真の意味での精確度の高い定量を可能にする。また、1セットのプライマ
ーですべてのTCRもしくはBCRを増幅できるため、増幅に要するプラ
イマーや容器を節減できる。また、BCRについては、変異が起こる特性
があるため、V鎖特異的プライマーを用いる方法では、事実上増幅できな
い、あるいは増幅効率が低下する等遺伝子がでる欠点があり、本発明の方
法は、BCRにおいての課題も解決することができる。また、本発明を用
いた解析法では、従来法では一晩かかっていたのが本件では数分で終わる
ためこのような点でも有利である。
-中略-
図69は、in vitroで刺激試験を行い有効性および/または安全
性の評価を行う方法の概要を示す。腫瘍特異的TCR遺伝子導入Tリンパ
球の有効性および/または安全性の評価をin vitro刺激試験によ
り行う(下向きの矢印)。これらのin vitroでの評価を基に治療
に適切なTリンパ球を選定する(上向きの矢印)。有効性の評価は、腫瘍
特異的TCR遺伝子導入リンパ球と患者由来の癌細胞とを共培養し、反応
性を試験することにより行う。安全性を評価する場合は、癌細胞の代わり
に正常細胞を使用して同様の試験を行う。(【発明を実施するための形態
】以降略)
特開2020-46338 分析方法および分析用装置 東洋紡株式会社
【概要】
従来、試料に存在するウイルスや細菌等の感染性微生物の検査のため、酵
素反応を用いた生化学的分析や、抗原抗体反応を用いた免疫学的分析、核
酸増幅反応を用いた分子生物学的分析が広く行われている。例えば、特開
2008-200006には、容器を搭載するための手段、容器を移動さ
せるための手段、加温手段、外力付加手段および光検出手段などを備える
核酸増幅装置が開示されている。また、特開2011-033465には、
分注器を用いて分注する手段および分注器を移動させる手段などを備える
核酸増幅装置が開示されている。また、特開2011-072234には、
光源と光センサとを備える蛍光検出手段などを備える核酸増幅装置が開示
されている。また、特開2011-072888には、遠心機などを備え
る核酸増幅装置が開示されている。ところで、上述したような装置におい
ては、試料として生体物質を取り扱うことが多く。分析のための前処理や、
分析後の余った試料や反応に使用した容器の処理などにおいて、ウイルス
や細菌等の微生物などから検査技師等のユーザの感染リスクがあるという
問題がある。そこで、この発明は、分析用装置を用いる分析方法において
生体物質を取り扱う可能性がある場合に感染の可能性を低減或いは消失さ
せる方法、および、感染の可能性が低減或いは消失した分析用装置を提供
する。下図3のごとく、体由来成分の分析方法であって、2つ以上の空間
に分けられており、少なくともその1つは開放および閉鎖が可能であって
閉鎖時に外界から遮断されることが可能な閉鎖可能空間を備えた分析用装
置を用い、かつ、閉鎖可能空間において、(1)閉鎖可能空間において、
検体の処理に用いた使用済み容器121に対して45~90v/v%のエ
タノール水溶液を用いて感染源を殺菌する工程、及び/又は(2)閉鎖可
能空間において、検体の処理に用いた使用済み容器121に対して5~
1500mJ/cm2の照射強度でUVランプ130を照射する工程を行
うことを特徴とした、分析用装置を用いる分析方法において、病原性微生
物の感染の可能性を低減又は消失させる方法及びそれに用いられる分析用
装置の提供。
図3 核酸抽出装置100の内部構造を正面図
【符号の説明】
1:遺伝子解析装置 100:核酸抽出装置 101:Ze軸駆動ガイド
102:シリンジ内筒駆動軸ガイド 103:シリンジユニット(上下可
動) 104:シリンジセット(複数) 104-a:シリンジ 104
-b:モノリス型チップ 105:シリンジ外筒固定部 106:シリン
ジ内筒固定部(上下可動) 121:抽出部容器 121-a:溶出液容
器(複数) 121-b:抽出試薬液1元容器 121-c:抽出試薬液
2元容器 121-d:溶出試薬液容器(複数) 121-d-1:溶解
吸着液ポケット 121-d-2:溶出試薬液1ポケット 121-d-
3:溶出試薬液2ポケット 121-d-4:検体ポケット 122:抽
出液容器設置部 122-a:抽出液容器設置部(左右可動) 122-
b:抽出液容器設置部(非可動) 123:Xe軸駆動ガイド 130:
UVランプ 141:Ye軸駆動ガイド 200:核酸増幅 検査装置
400:タッチパネルディスプレイ
尚、核酸抽出装置100は、少なくとも下記工程(A)~(D)を全自動
で行なうことが可能である。
工程(A):試料と抽出液(例えば、カオトロピック剤)とを混合する。
工程(B):前記混合液とシリカとを接触させ、シリカに核酸を吸着さ
せる。
工程(C):洗浄液とシリカとを接触させ、シリカから核酸以外の成分
を洗浄する。
工程(D):溶出液(例えば、水)とシリカとを接触させ、シリカから
核酸を脱着させる。
【ウイルス共生描論25:抗体検査見える化技術Ⅲ】
特開2019-205469 血液サンプルのアッセイ法 アクシス‐シールド エー
エス
【概要】
本方法は、①試薬混合物によりサンプルを希釈するステップと、②血液細
胞を実質的に除去するステップと、③第2の成分の反応を一時的に防止す
る役割を果たす試薬を用いて、ブロック化された第2の成分を生成するス
テップと、④各分析物の構成物の選択的反応により、検出可能な反応生成
物を直接または間接的に生成させるステップであって、分析物の1つが第
1の成分であるステップと、⑤1つまたは複数の検出可能な反応生成物を
モニターするステップとを含む。対応するキットも提供され、第1および
第2の成分を含有し、前記第2の成分が前記第1の成分の測定を妨害する
血液由来のサンプルの血漿部分において、1つまたは複数の分析物の濃度
を測定するための酵素的方法を提供する。
特開2019-178981 検査用構造体、検査装置及び検査方法 大研医器株式
会社
【概要】
図11のごとく、検査用構造体の軸部20は、連通機構24の一方の端部
が上流処理室の範囲内に配置されるとともに連通機構24の他方の端部が
中間処理室の範囲内に配置されることにより上流処理室と中間処理室とを
連通させる上流連通位置と、連通機構24の一方の端部が中間処理室の範
囲内に配置されるとともに連通機構24の他方の端部が下流処理室の範囲
内に配置されることにより中間処理室と下流処理室とを連通させる下流連
通位置と、連通機構24の全体が中間処理室の範囲内に配置される阻止位
置と、を取り得るように構成されることで、検体の検査に用いられる検査
用構造体であって、検査の操作性に優れた検査用構造体を提供する。
【符号の説明】
E11 筒本体の上流端 E12 筒本体の下流端 1 検査用構造体
2 検査装置 10 筒部 10S 外周面 11 筒本体 12A~
12F シール部 20 軸部 20S 外周面 23 吸着剤捕集部
24 連通機構 241 第1凹部(第1連通部)242 第2凹部(第
2連通部)61 集菌処理室 62 菌破砕処理室 63 プライマー処理
室 64 増幅反応処理室 65 分配処理室 66 内部標準増幅反応
処理室 91 磁性部材 92 磁石 100 検査システム 101A
動作制御部 102 駆動部 103 振動部 104 磁力発生部材
111 第1開口部 120 支持部材 120A 筐体
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