彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨から救った
と伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国
時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成のこと)
の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこにゃん」。
13 子 路 し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
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16 葉公が、政治の眼目についてたずねたときの孔子の答えは、
「領内の人民から慕われ、他国からも評判をきいて人民が移住してくる
ような政治が望ましい」
葉公問政、子曰、近者説、遠者來。
Magistrate of She asked about politics. Confucius replied, "If
the local people are delighted with your government, many people
will come from far away."
【ウイルス共生描論24:抗体検査見える化技術Ⅱ】
結核の予防接種「BCG」の効果は台湾とスペインでは1800倍超の差
AERA 2020年5月18日号では、「BCG」の接種の有無で、新型コロナの死亡
率に大きな差が見られた。中でも、日本から広がった「日本株」という株
を接種している国の死亡率が極めて低いという事実関係を特集。元はネタ
は、3月末の米ニューヨーク工科大学の研究グループの「BCGワクチンが
新型コロナに対する防御を与えているのかもしれない」とした論文である。
(BCG有無でコロナ死亡率「1800倍差」の衝撃 日本や台湾で死者少ない「
非常に強い相関」 (2/2) 〈AERA〉、AERA dot.)----各国の新型コロナの
感染者数や死者数の人口比と、BCGワクチンの接種状況を調べたところ 感
染率や死亡率は、接種していないイタリアやベルギー、米国などで接種し
ている国々よりも統計学的に有意に高かったことの経緯の詳細はブログ掲
載しているので省略するとして----人口100万人あたりの死者数でみれば、
よりクリアに相関が浮かぶ。集団接種を行ったことがない米国が 227人、
イタリアが490人。 過去に広く接種していたものの現在はしていないフラ
ンスは396人、スペインは553人。 一方、BCG を広く接種している中国は
3.2人、韓国が5.0人、日本は4.4人。台湾に至っては0.3人にとどまる(い
ずれも5月7日)。台湾とスペインでは 1800倍超の差がある。ただ、BCG
ワクチンの「株」の種類により、集団接種を行っている国の中でも、 100
万人あたりの感染者数や死者数に開きがある最も初期に分けられたのが日
本株とソ連株。デンマーク株は10年ぐらい後にパスツール研究所からデン
マークに供与されている。日本株は台湾やイラクなど、ソ連株は中国など
デンマーク株は欧州各国などにそれぞれ分配されている。株による死亡率
の違いはなぜ生じるのか。カギとなっている可能性があるのが、ワクチン
に含まれる「生菌数」と、「突然変異」。日本株やソ連株とほかの株で結
核に対する予防効果は変わらないものの、遺伝子変異によってそれぞれの
株に含まれる細胞膜の成分に差異が生じる。もしBCGが 新型コロナに効い
ているのだとしたら、こうした性状の違いが寄与していることが推察され
る(大阪大学免疫学フロンティア研究センタ宮坂昌之招聘教授)。
AERA 2020年5月18日号より
このように、結核の予防接種「BCG」が 新型コロナに対する抵抗力を高め
ているのでは。そんな研究結果が注目され、そのよりどころが、「訓練免
疫」との新説である。つまり、実はこれまでも BCGを接種した子どもは感
染症の死亡率が低い傾向が見られたり、幼児期のBCG接種が 成人期以降の
肺がんの発生リスクを下げたり膀胱がんの進行を抑えたりするという効果
を各国の疫学研究者が報告。2012年と18年にオランダの研究チームが発表
した自然免疫----外来の病原体が侵入すると、常に同じ強さで働くという
のが定説、2度、3度と感染を繰り返すとそれを記憶し、ある程度は強くな
るのではと----外から来た病原菌と最初に闘う免疫で、その情報をもとに
ウイルスなどに個別に対応して強力に排除するのが「獲得免疫」。ワクチ
ンは獲得免疫をつけることが狙いで、自然免疫は常に「初見」で病原体と
闘うと考えられてきたが実際には、BCGが自然免疫と獲得免疫の両方を活
性化している可能性が浮上。オランダの研究チームは、BCG が自然免疫を
強化する現象を「訓練免疫」という新たな概念で提示。BCG 接種を受けた
人の血液に含まれる「遺伝子スイッチ」の状態を調べたところ 1回のBCG
接種で免疫細胞の活性化を担う「サイトカイン」という物質を分泌しやす
くなるようスイッチが入り、自然免疫がパワーアップした状態になること
を突き止める。
❏オートファジーは、BCG誘発訓練免疫と膀胱癌の膀胱内BCG療法に対する
反応を制御する。
【要約】抗結核ワクチンカルメットゲラン菌(BCG)は、世界で最も広く使
用されているワクチン。結核に対するその効果に加えて、BCGワクチン接種
は、特定の形態の悪性腫瘍および無関係な病原体による感染に対して 非特
異的な有益な効果も引き起こす。最近、BCGの非特異的効果は、単球の後成
的再プログラミング、 訓練された免疫と呼ばれるプロセスを介して媒介さ
れることが提案されている。本研究では、オートファジーがBCGによって誘
発される訓練された免疫に寄与することを示す。 オートファジーの薬理学
的阻害は、β-グルカンや BCGなどの刺激によってインビトロで誘発された
訓練された免疫をブロックしした。オートファジ遺伝子ATG2B(rs3759601)
およびATG5(rs2245214)の一塩基多型(SNP)は、無関係な細菌または真
菌の刺激による再刺激時に、BCGのin vitroおよびin vivoトレーニング効
果の両方に影響を与えました。さらに、オートファジーの薬理学的または
遺伝的阻害は、H3K4トリメチル化のレベルで単球の後成的再プログラミン
グをブロックした。最後に、ATG2Bのrs3759601がBCG膀胱内注入療法後の膀
胱癌の進行と再発と相関することを示す。これらの調査結果は、BCGの非特
異的な保護効果のためのオートファジーの重要な役割を識別する。
統計的調査法で調べたCOVID-19に対するBCGワクチン接種の影響ダイヤモ
ンドプリンセスの肯定的な結果はなく、以前、世界規模の比較で報告さ
れた国間の違いにはいくつかの点で欠陥がある。
【要約】
最近、BCG(Bacillus Calmette-Guerin)ワクチン接種がCOVID-19の感染ま
たは重症度を低下させるという物議を醸す仮説が提案された。本研究は、
公的データに基づく統計的アプローチを使用してこの仮説を検討し、3つ
のアプローチが利用:1)クルーズ船のダイヤモンドプリンセスの人々の感
染率と死亡率の比較、2)国間の死亡数の比較、および3)国間の総死亡率
の1日あたりの最大増加率の比較。 1)の結果は、ダイヤモンドプリンセス
に関する、日本国民と他の国籍、BCG義務国と非BCG義務国の間で、一人当
たりの感染と死亡率感染に有意差がないことを示し。 2)の結果は各国間
の死亡数は以前の調査と同様であることを示すが、この分析では、各国で
のCOVID-19の到着のタイミングも考慮された。到着時刻を修正した後、以
前に報告されたBCGワクチン接種が全死亡率の低下に及ぼす影響は消失し
た。
これは、BCGワクチン接種のない国々がCOVID-19の震源地に近い西ヨーロ
ッパに集中しているためで、以前の一部のレポートは、このアーティファ
クトの影響を受けると見なされている。結果は、震源地からの陸上散布に
よって欠陥があるかもしれないが、一部の結果では、BCG義務国と非BCG国
の間で特定の時点での死亡数にわずかな有意差が見られた(特に日本の
BCG株Tokyo 172の使用)。ただし、これらの結果は3か国の結果の影響を
受けており、BCGワクチン接種の効果は決定的なものではない。 3)の結
果は、各国の1日あたりの死亡率の最大増加率が、 BCGワクチン接種政策
間で有意差を示さなかった。本研究では、いくつかの結果はBCGのワクチ
ン接種方針の間に統計的に有意な違いを示したが、それらは国家の感染対
策方針、社会的距離、人々の行動変化、可能性のある以前の地方流行のよ
うな他の様々な要因の影響によって影響を受ける可能性がある密接に関連
するウイルスまたはACE2または他の遺伝的多型の集団間差異。各国間での
感染と死亡率の違いが観察された根本的な原因をよりよく理解するには、
さらなる研究が必要。それにもかかわらず、我々の結果は、BCGワクチン
接種の効果があったとしても、他の多くの要因によって覆い隠され得るこ
とを示している。したがって、可能な影響は比較的小さい可能性がありま
す。実際、ほとんどすべての市民がワクチン接種を受けている日本では、
COVID-19の症例は常に増加。ウイルスの増殖を防ぐ上での人々の行動の重
要性を考えると、この仮説によって引き起こされた楽観的な見方の広がり
は、BCGワクチン接種国にとって有害である。
❏ doi: https://doi.org/10.1101/2020.04.17.20068601:ダイヤモン
ド・プリンセス号とBCG接種の分析(査読前論文)
BCG接種していても、ダイヤモンド・プリンセス号は三密空間にいると
感染する ➲BCGは自然免疫・訓練免疫を強化するものであって、獲得免
疫ではない。BCGを接種しているとSARS-CoV-2への抗体があるわけではな
い。ウィルスへの曝露量次第では感染するし、死亡する。韓国の新興宗教
での局所的な感染爆発はその現れであり、ダイヤモンド・プリンセス号も
その一例である。 BCG接種していても三密・濃厚接触したら感染する。と
言う。
✔ 例えば、説明要因が百あれば難しい。誤差のなかに埋もれてながら相
関係数が百分の、千分の1桁の差異で判定も出来なくはないだろうが、
まして、上記の反論のように、考えられないような強烈な汚染密集下では、
だからと言って、やすやすと「自然免疫・訓練免疫」利用技術研究機会を
放棄するのももったいない。
全自動遺伝子検査装置・全自動遺伝子検査装置・全自動遺伝子検査装置
❐ WO2019/189753 全自動遺伝子検査装置 栄研化学株式会社
【要約】
検体から核酸を抽出精製する工程、核酸を含む溶液を注入する工程、及
び核酸を増幅して検出する工程を全自動にて実行することができ、医師が
患者と近接した位置において、遺伝子検査を行うことができる小型化され
た全自動遺伝子検査装置を提供すること。 検体から核酸を抽出精製する
第1ユニットと、前記核酸を増幅するための複数の反応場を有する検査チ
ップに前記核酸を含む溶液を注入する第2ユニットと、前記反応場におい
て増幅された核酸を光学検出するための第3ユニットと、を備えることを
特徴とする全自動遺伝子検査装置。
この項つづく
【ポストエネルギー革命序論 176】
図1 有機分子材料表面での電荷移動を用いた導電性電極と充放電反応の
導電性リレー機構の模式図。(2020.05.18)
混ぜるだけ!発想を変えた新しい有機蓄電池
実用化できるかできないかは別として、発想を変えた新しい有機蓄電池
が東北大学の研究グループから提案されている。世界的に低環境負荷・
安価・高容量が期待できる次世代の有機蓄電池の研究開発が進んでいる
が、同グループは導電助剤を全く用いない高容量な有機蓄電池システム
を考案・実証。有機材料は導電性が低いため、大量の導電助剤を必要と
することから、実質的な容量が小さくなる課題を、①二つの有機分子材
料を混ぜることで導電性が現れる電荷移動現象と、②充放電時の導電性
有機ラジカル塩生成機構を組み合わせ、導電性リレー機構」を考案、導
電助剤フリーで繰り返し充放電が可能な有機蓄電池の開発に成功。
➲絶縁性のため利用できなかった多彩な有機材料への応用により、有機
蓄電池の高性能化に拍車がかかると期待されている。
【要点】
①安価・安全・高容量・高出力な新しい水系有機蓄電池システム
②絶縁性有機材料に複数の導電機構を組み合わせ蓄電池反応に利用
③従来の蓄電池に必須な電極の導電助剤が不要になることから、蓄電池
の実質的な高容量化が可能
④材料の多様な組合せ可能で、有機蓄電池の更なる高性能化や低価格化
が期待
【要約】
ほとんどの有機電極材料は導電率が低く、多くの導電性添加剤を必要と
し電極全体の重量/体積に基づいて実効容量が減少。この研究では、充電
/放電サイクル全体にわたって導電性添加剤なしで有機小分子電極に導電
性を与える新しい導電性リレーシステムを提案。元の状態での電荷移動
現象と酸化還元状態での有機ラジカル塩の形成の組み合わせで構成され、
テトラチアフルバレン(TTF)とテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の単
純混合分子結晶カップルをカソードとして使用し、導電性添加剤と電解
質としての臭化ナトリウム水溶液を使用せずに、この導電率リレーシス
テムを示す。
充電/放電中、陰極の導電率はTTF / TCNQインターフェースでの電荷移動
と(TTF)BrnとNaTCNQラジカル塩によってサポートされ、陰極は112 mAh
g–1の比容量と30サイクルで80.7%。さらに、TTFとTCNQの分子結晶カッ
プル電極は、純粋な電荷移動錯体電極よりも優れた充放電性能を示す。
これは、このシステムが有機電極材料の候補をさまざまなペアに拡張し、
形成されていない小分子の混合比であることを示す電荷移動錯体である。
この研究では、多彩な導電性有機低分子材料群に着目し、充放電過程で
導電性を担う有機材料が代わることで電極の導電性を保つ「導電性リレ
ー機構」を考案(図1)。今回の研究では、有機分子材料であるテトラチ
アフルバレン(TTF)とテトラシアノキノジメタン(TCNQ)を混合した電極と
臭化ナトリウム(NaBr)水溶液(電解液)を組み合わせ、導電助剤フリーか
つ充電・放電時間が10分程の高速充放電が繰り返し可能であることを見
出す。TTF とTCNQは混合することで粒子表面で電荷移動が起こり、表面
で導電性を示す(図2)。 また、TTF と臭化物イオン、TCNQ とナトリウ
ムイオンはそれぞれ有機ラジカル塩((TTF)Brn、NaTCNQ、0.7≤ n ≤ 0.8)
を形成することが知られており、これらはTTFやTCNQ と比べ高い導電性
を示します。これら電荷移動現象と有機ラジカル塩を行き来することで、
充放電による電子状態の変化に対しても電極の導電性を保つことが可能
になります(図1)。今回の系では、TTFとTCNQ の接触表面および(TTF)
Brnが金属に匹敵する高い導電性を示すため、導電助剤フリーでの高速
充放電が可能となる。
図2 (左)TTF 結晶、(中)TCNQ 結晶、(右)TTF とTCNQ を乳鉢で20 分混
合した粒子。表面での電荷移動により導電性が発現し黒色を示す。
【今後の展開】
TTFとTCNQは電荷移動錯体を形成することが知られているが、本電池系で
は電荷移動錯体電極よりもTTFとTCNQの混合電極の方が高い特性を示し
た。これは、粒子接触表面のみで電荷移動が起こる組み合わせであれば、
電荷移動錯体を形成しない有機分子の多彩な組合せや多様な混合比でも
応用が可能であることを示唆。「導電性リレー機構」では、低導電性の
ため利用できなかった多彩な有機材料群に、充放電に耐えられる高い導
電性を容易に付与でき、幅広い有機材料開拓が可能になり、有機蓄電池
の高性能化が期待されている。
✔ 仮に導電性のため利用できなかった多彩な有機材料群に、充放電に耐
えられる高い導電性を容易に付与でき、幅広い有機材料開拓できたとし
て、耐久性の高い有機蓄電池の市場規模はどうなるだろうか。電荷移動
錯体の自動交換システムを付与して、大規模エネルギー貯蔵システム向
けの市場開拓ができれば、下図を参考にすれば2030年で1兆円規模
となる。
図 電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場(出典:富士経済グループ)
奥飛騨温泉郷区で地熱発電所建設:ダブル・フラッシュ発電
5月13日、東芝エネルギーシステムズ株式会社と中部電力グループの株
式会社シーエナジーが共同で出資している中尾地熱発電株式会社は、岐阜
県高山市奥飛騨温泉郷中尾地区において「(仮称)中尾地熱発電所」の建
設決した。なお、地熱発電事業における建設の決定は、東芝グループ、中
部電力グループ両者にとって本件が初となる。
奥飛騨温泉郷中尾地区は、源泉の蒸気量が豊富かつ高温であり地熱発電に
適した地域。温泉地域と共生した地熱エネルギーの活用を目指して設立以
来、地熱資源ならびに周辺環境の調査、地熱発電の事業性の評価を行って
きた2020年9月から建設工事開始を予定。今回建設する「中尾地熱発電所
」は、中部地区では初となるフラッシュ方式(蒸気発電方式)を採用した
地熱発電所で、出力は最大1,998kWで、約4,000世帯分の発電を行い、全量
を中部電力パワーグリッド株式会社へ売電本発電所は、地下から噴出され
る高圧蒸気と、それと共に噴出される熱水を減圧沸騰させた低圧蒸気の2
種類の蒸気を、蒸気タービンに導いて発電するダブル・フラッシュ方式を
採用。ダブル・フラッシュ方式は、一般的なシングル・フラッシュ方式と
比較して約20%効率が高く、本方式を採用する発電所としては世界最小規
模となる。