彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(
戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成の
こと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこ
にゃん」。
13 子 路 し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
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14 あるとき冉有は、朝廷からの帰りが遅くなった。
遅いじゃないか。何かあったかね」と孔子に声をかけられて、再有は答
えた。
「ええ、ちょっと政務がありまして」
すると孔子は言った。
「政務? 政務というより、季氏の私用じゃないか。なるほどわたしは
実務にたずさわってこそいないが、政務に関することなら、わたしの耳
にはいらぬはずはない」
冉子退朝、子曰、何晏也、對曰、有政、子曰、其事也、如有政、雖不吾
以、吾其與聞之。
Ran Zi came back from the palace. Confucius asked, "Why have you
come back so late?" Ran Zi replied, "We had a problem of national
affairs" Confucius said, "It is probably a problem of Ji family's
affairs. If there is a problem of national affairs, they surely
consult me even if they don't leave it to me."
【ポストエネルギー革命序論 175】
❏ Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空
間)を 高度に融合させたシステムにより実現。これまでの情報社会(Soc
iety 4.0) では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(デー
タベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入
手し、分析。Society 5.0 では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な
情報がサイバー空間に集積される。サイバー空間では、このビッグデータ
を人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々
な形でフィードバック。今までの情報社会では、人間が情報を解析するこ
とで価値が生まれてきた。Society 5.0では、膨大なビッグデータを人間の
能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィー
ドバックされ、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもた
らされる。➲第5次産業(後期デジタル革命渦論)
図2 エチレンによる果物の熟成
植物ホルモンを常時モニタリングできる小型センサ
エチレン(CH2=CH2)は、野菜や果物から放出されるガス分子で、野菜や果
物の熟成を促進させる植物ホルモン。また、野菜や果物の保存庫内にエチ
レンを添加して熟成(追熟)を促すこともでき、バナナやキウイフルーツ
などに広く用いられています。しかしながら、エチレンが過剰に存在する
と熟成が進みすぎて、腐敗を進行する(上図2)。エチレンの濃度を常時
モニタリングして熟成の進行を予測すれば、最適な輸送・保存管理につな
がる、農業・食品業界では安価で小型なエチレンセンサが切望されていた
が、エチレンを高感度かつ高選択的に検出には、現在のところ、ガスクロ
マトグラフィーなどの高価で大型な装置を必要である。一方、半導体材料
を用いて、電気化学的にエチレンを検出する小型センサが市販されている
が、他の還元性ガス分子(アルコールやメタンなど)に誤応答してしまう
ことが課題。これは、半導体センサは一般的に高温状態(200〜300℃)で
駆動するため、センサ材料表面が高い活性を持ち、ほとんどの還元性ガス
と反応し、エチレンガスを選択的に検出し難いことが原因。この産業技術
総合研究所らの研究グループは、①エチレンを選択的にアセトアルデヒド
に変換する高活性触媒(Pd-V2O5-TiO2)と、②アセトアルデヒドと反応して
酸性ガスを発生する試薬(NH2OH∙HCl)、③そして酸性ガスを高感度に検出
する単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を担持した電極の三要素を組み合
わせることで、エチレンを選択的かつ繰り返し高感度に検出できる小型セ
ンサを開発しました(図3)。アセトアルデヒドと試薬の反応(CH3CHO +
NH2OH∙HCl → CH3CH=NOH+ H2O+ HCl)で発生した酸性ガス(HCl)は半導
体SWCNTに対して強い電子引き抜き剤として働くため、SWCNTの電気抵抗値
を変化させる。この仕組みにより、僅か1 ppmのエチレンを僅か5分の短
い時間で高感度かつ高選択的にモニタリングすることに成功した。例えば、
バナナとキウイフルーツの熟成(追熟)に用いられるエチレンの濃度は、
それぞれ約500 ppmと約10 ppmなので、本センサで十分に対応できる。本セ
ンサの感度(1ppmのエチレンに対して、約10%の電流変化量)は世界最高
レベルであり、5分間の測定における検出限界は0.2 ppm、15分間の測定で
は0.1ppm。この高感度化には、産総研が以前開発した半導体 SWCNT の分離
精製技術が生かされている。ひとつのセンサに用いられるSWCNTはごく僅か
であり、1グラムのSWCNTから数百万個のセンサが作製可能である。
図3(A)エチレンセンサの原理(B)エチレンに対する繰り返し応答(C)
エチレン濃度と応答の関係
研究達成には、センサ用途に最適化された高活性触媒が重要な役割を果た
す(下図4)。高活性触媒は、ガラス管に詰められた粉末状の固体材料(
Pd-V2O5-TiO2)で、エチレンを含む空気を通過させるだけで、空気中に含
まれる酸素と水を基質とした環境に優しい触媒反応(Wacker反応)により、
エチレンをアセトアルデヒドに変換できます。ppmレベルのエチレンを通
過させると、ほぼ全てのエチレンがアセトアルデヒドに変換されることを
確認した。高活性触媒は繰り返し利用可能であるとともに、室温付
近(40℃)で駆動するため、高温に維持する必要がなく低消費電力
で動作可能という点でも小型センサに適す。高活性触媒に含まれる
パラジウム(Pd)は貴金属だが、ひとつのセンサに用いられる量は
僅か0.8ミリグラム程度で、現在の価格に換算すると10円以下相当。
図4.エチレンをアセトアルデヒドに変換する高活性触媒(Pd-V2O5-TiO2)
センサは、エチレンを選択的に識別することができる。下図5Aに示
すように、1 ppmおよび10 ppmのエチレンに対しては電流値が増加し
ますが、一般的な有機分子からなるガス(メタン・トルエン・クロロ
ホルム・テトラヒドロフラン・アセトニトリル)に対しては電流値が
僅かに減少するだけであり、エチレンと容易に識別することができる。
10 ppmのエチレンと10ppmのアセトアルデヒドは同等の応答を示すが
(図5A)、これはアセトアルデヒドと酸性ガスを発生する試薬(NH2OH∙
HCl)が直接反応するためで、高活性触媒を省いたセンサを追加で用
意して応答を比較すると、アセトアルデヒドには両方のセンサが応答
するのに対し、エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応答
しない(図5B)。これにより、エチレンとアセトアルデヒドを明確に
識別することができる。また、1ppmのエチレンと500 ppmのエタノー
ルも同様の応答を示しすが、これはエタノールの一部が高活性触媒上
で酸化され、アセトアルデヒドが生成しているため(図5A)。
ここで、パラジウムを含まない触媒(V2O5-TiO2)を用いたセンサを追
加で用意して応答を比較すると、エタノールには両方のセンサが応答
するのに対して、エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応
答しない(図5C)。これにより、エチレンとエタノールを明確に識
別できる。また、1ppm のエチレンと500 ppmのエタノールも同様の
応答を示すが、これはエタノールの一部が高活性触媒上で酸化されて、
アセトアルデヒドが生成しているため(下図5A)。ここで、パラジ
ウムを含まない触媒(V2O5-TiO2)を用いたセンサを追加で用意して応
答を比較すると、エタノールには両方のセンサが応答するのに対して、
エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応答しません(図5
C)。これにより、エチレンとエタノールを明確に識別することがで
きる。
図5.エチレンへの選択性(A)エチレンと他のガス分子への応答(B)エ
チレンとアセトアルデヒドの識別(C)エチレンとエタノールの識別
本小型センサを用いてエチレンの常時モニタリングを行えば、野菜や
果物の最適な輸送・保存管理によって、食べ頃の調整や、フードロス
の削減などが可能になると期待される。また、多くの小型エチレンセ
ンサから集まる情報(ビックデータ)を集積・ネットワーク化するこ
とにより、農業・食品業界において Society 5.0----第5期科学技術
基本計画において提唱された我が国が目指すべき未来社会の姿。サイ
バー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合さ
せたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間
中心の社会(Society)のこと。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会
(Society 2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society 4.
0)に続く、新たな社会と位置づけられている----の実現に向けた取
り組みを推進することができると考えている。さらに、別の高活性触
媒を設計し、エチレン以外のガス分子に対応する小型センサの開発も
進めるとある。
✔ 今回はエチレンガスセンサ技術とデバイス開発であるが、先回の
「ヘマタイトメソ結晶系水素製造触媒」でも掲載しているしていると
ころであるが、まさに、わたし(たち)が「ネオコンバック創業論」
として論じていることであり、前途洋々とした事業の勃興に収斂され
るところである。
金属3Dプリンティングのランダム欠陥の解明
5月8日、ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究グループは、ハ
イファイコンピュータシミュレーションと超高速X線イメージングを組み合
わせで、一般的なレーザーベースの金属3Dプリンティング構築部品の欠陥
を削減または排除処理する戦略を発見したことを公表した。
レーザー粉末床溶融結合法(3Dプリンティングの1形態であり、金属が媒
体として使用される)の際にスパッタを制御すると、ランダム欠陥が減少
し、製造品の全体的信頼性が向上する。金属材料の3Dプリンティングが可
能な新技術により、特に、航空宇宙および生物医学という先進的用途の製
造に大変革がもたらされようとしている。そのような新技術の1つである
レーザー粉末床溶融結合法(L-PBF)では、複雑な部品を製作するために、
高出力レーザーが使用され、層毎に金属粉末の溶融および結合が行われる。
しかしながら、有望視されているにもかかわらず、主として動作信頼度が
最適でないため、金属3Dプリンティングの広範な利用は未だに実現してい
ないのが現状。そこで、3Dプリンティングの際にランダムに発生するラン
ダムな細孔など、種々の欠陥が蓄積するため、適切な規格がL-PBFプリンテ
ィングされた部品により要求品質を見たさないことがしばしばある。これ
らの課題を解決するためには、レーザー、粉末層およびこれら両者の接点
にある溶融プールの間の複雑な動的過程を含め、L-PBFプリンティング工程
の基礎となる物理現象についての理解にある重大なギャップを解消しなけ
ばならない。複数物理モデルによる予測およびシンクロトロン放射X線実験
を使用し、高速であっという間に消え去るレーザー、粉末および溶融プー
ル間の動的過程を捕捉して、Saad KhairallahらはL-PBFプリンティングに
おけるばらつきおよび欠陥を低減する最善の方法を調査。スパッタによる
影響であって、以前は未知であったもの(L-PBFプリンティングにおいてよ
く見られるが、過小評価されていた可能性がある現象)をいくつか発見し
ており、これらによって欠陥および変形が形成され得る。今回の結果によ
ると、スパッタ問題はレーザー出力を慎重に制御することで緩和でき、こ
れにより欠陥のランダムな形成を最小限に抑えるとともに、再現性のある
高品質な3Dプリンティングを確実なものとすることに役立つ。
➲レーザーパウダーベッドフュージョン:粉末をレイヤーごとにレーザ
ー溶融して3次元(3D)部品を構築する積層造形技術。実験とマルチフィ
ジックスモデルを使用し、メルトスパッタの起源と、造形部品の特性
を低下させる欠陥の形成を特定。 情報に基づいたレーザー出力の変
調は、粉体層を乱したりレーザーシャドウイングを作成したりするこ
とを避けるために重要となる。これにより、細孔の形成が減少し、
3Dプリントされた部品の特性がより均一になる。
補足説明➲上図の<このシミュレーションは、レーザーがメルトプー
ルと同時に金属粉末粒子の大きな「スパッタ」と相互作用することを
示す。この場合、レーザー出力は、スパッタをスキャントラックから
追い出すしきい値を超えてい。これにより、溶けた金属粉末がレーザ
ーを遮る「レーザーシャドウイング」による欠陥の形成を防止した。
黒の革命
世界初!高熱伝導CNT接着シート
4月17日、富士通研究所は最高100W/mKの高熱伝導性を実現したカーボンナ
ノチューブ(CNT)接着シートを世界で初めて開発。
CNTは、銅の約10倍の熱伝導性を持っており、シート化することで半導体素
子などの熱源から熱を逃がす放熱材料としての活用が期待されている。
しかし、①シート形状保持のため2000℃以上の超高温で焼成成形をする必
要があることから、シートが硬くなってしまい凹凸の大きい材料同士の接
合には向かないなど、その活用用途が限定されるという課題があった。②
また、半導体素子周りでの利用の場合、素子の動作前後に発生する熱によ
る変形に追随するように、半導体と熱を逃がすための冷却部をCNT放熱シー
トを介して接着させる必要がある。一般的にCNTに接着性を付与するために
は、樹脂やゴムなどの粘着素材にCNTを混ぜ込んでシート化するような手法
が用いられるが、これらの粘着素材の熱伝導率は低く、熱伝導性と接着性
を両立させることが困難だった。2つの新技術によってこれらの課題を解
決。界面抵抗を含めた場合でも最高100W/mKと、極めて高い熱伝導率を示す
CNT接着シートを世界で初めて開発したとしている。
具体的には、まず保護シートと接着層の2層で構成したラミネート層がCNT
の上下を保護する積層構造をとる「シートラミネート技術」を開発。
形状が崩れやすいCNTそのものをラミネート層で保護することによって安定
させ、これまで難しかった裁断加工やハンドリングを容易にした。さらに、
同社が長年培ってきたCNTと樹脂の境界面における熱抵抗に関する知見を生
かし、CNTの密度、樹脂の種類や厚み、接合条件といった3つ以上の相関パ
ラメーターを最適化した「シート高熱伝導接合技術」を開発。
この技術によってCNTの熱伝導性を損なうことなく、十分な接着性を保持し
たまま接合を行うことを可能にする。同社は、今回開発したシートを、イ
ンジウムを原料とする既存の放熱材料と界面抵抗も含めた実測値により比
較。その結果、最大で3倍の熱伝導率を確認。また、開発したシートは、
接着層および保護層と一体でラミネート化されているため、容易に裁断加
工やハンドリングが可能かつ、接着を必要とする用途への展開が可能とな
る。同社はこのシートの使用を、材料メーカーなどへライセンスしていく
ことで実用化を目指す方針。
3次元架台の活用や蓄電池の併設
日本アジア投資のメガソーラー3件稼働
4月12日、日本アジア投資は、同社グループが投資するメガソーラープロ
ジェクト3件が完成し売電を開始したと発表した。紋別市弘道太陽光発電
所(北海道紋別市)、広野ソーラーパーク(福島県双葉郡広野町)、横津
の丘太陽光発電所(北海道亀田群七飯町)の3カ所である。紋別市弘道太陽
光発電所は、最大出力が15.7MW、予想発電電力量が年間約1万8993MWh(メ
ガワット時)。売電開始は2020年2月。買取価格(FIT)は40円/kWh(税抜
き)である。同発電所は、スマートソーラーとの共同投資案件となる。出
力変動タ対策として蓄電システムを導入した他、パネルの設置角度を最大
20度まで調整可能な3次元架台を使用。また、パネル表面への積雪回避のた
め、パネルを高い位置に急な傾斜角度で設置している。
アフターコロナの社会を見据えたソーラーシェアリング
緊急事態宣言後に経済産業省などからの通知もあった通り、電力など社会
インフラを支える企業には事業継続が要請され、同時に農業もまたこの社
会情勢下で食料需要を満たしていくというミッションが強くなったと感じ
ています。ソーラーシェアリングでエネルギーと農作物を生産し、その取
り組みを新しい働き方で実現していくことで、アフターコロナの社会に私
たちがどう貢献するのか。コロナウイルスによる経済停滞は、大都市一極
集中の働き方や住み方がもたらす負の側面も浮き彫りにした。人が密集し、
密接な環境下で働き生活していくことによる経済的なメリットは確かにあ
る一方で、感染症の拡大防止を図るために経済活動が抑制状態に入ると、
仕事も生活も成り立たなくなってしまうこともまた、多くの人々が経験。
ソーラーシェアリングのある農地で得られる電気を活用して農業の低炭素
化を進めたり、農村のBCP対策を進めたりという実証事業。(「アフターコ
ロナ」とソーラーシェアリング、未来の持続可能性を見据えて;スマート
ジャパン)
東亜ディーケーケー、主要3事業所の電力を100%再エネ
4月16日、東亜ディーケーケーは本社、狭山テクニカルセンター(STC)、
東京エンジニアリングセンター(TEC)の主要3事業場で使用する電力を
100%再生エネルギー由来の電力に切り替え、CO2ゼロの事業経営を実現し
たと発表。本社とTECの電力については、19年12月、オリックスが提供す
る非化石証書付き再エネ電力に切り替えた。STCについては、20年3月、
東京電力エナジーパートナーが提供するグリーン電力証書(環境付加価値
)付き電力を導入。これにより20年4月から、地方営業所を除く全ての事
業活動で消費する電力を再エネで賄う体制を整えた。加えて、生産拠点の
子会社でも再エネ化を導入している。山形東亜DKKでは、東北電力が山形
県と協力して提供している「やまがた希望創造パワー」により再エネ活用
を推進中である。また、岩手東亜DKKでは、山形県から購入したJ-クレジ
ット「やまがた太陽と森林の会クレジット」を用いて、19年度に同社使用
電力から発生したCO2ゼロ化を推進している。
透明でも太陽光で発電するガラス、NTT-ATが20年秋から販売5月、
NTTアドバンステクノロジは、無色透明型光発電素子「SQPV(SolarQuartz
Photovoltaic)」技術を使用して製造した高機能ガラス製品の販売で、
inQsと日本国内独占販売契約を締結したと発表。透明な意匠性を保ったま
ま、赤外光を吸収し発電する太陽電池の機能を持った高機能建材ガラスと
して、2020年10月から販売開始する計画。SQPVは紫外光と赤外光を吸収し
発電する技術。可視光は透過するため一般のガラスが使える全ての用途に
おいて、遮熱と発電という機能を付加できるという。この一般のガラス並
に可視光を透過しつつも、赤外光を吸収(遮熱)する特徴を生かし、デザ
イン性の高い省エネルギー遮熱・発電ガラス材料としての用途開拓が可能
であり、特に遮熱効果はビルなど省エネに有効という。この技術を開発し
たinQsは2011年創業のベンチャー企業。同社とNTTアドバンステクノロジ
は3年前より協業を進めており、inQs製の室内光や低照度環境下で発電で
きる極低照度型光発電素子を利用したIoT機器向け独立電源などを開発し
ている。NTTアドバンステクノロジは今回の契約により、SQPVを使用して
製造した高機能ガラス製品を国内で独占販売する。「ネット・ゼロ・エネ
ルギー・ビルディング(ZEB:Net Zero Energy Building)」向けを中心
に提案を進める他、瞬間調光ガラスやIoTセンサーと組み合わせ、電源不
要な調光ガラスやセンサー付きガラスなど応用製品の開発も他社と協力し
ながら開発する方針。
【inQs株式会社 会社概要】 http://www.inqs.co.jp/
2011年6月に設立された、発電素子において世界的に優れた技術力を持つ
ベンチャー企業です。室内光や 低照度環境(月明かり等)下の光を高効
率に電気エネルギーに変換できる極低照度型光発電素子SQ-DSSCは、基礎
技術を開発した親会社の国際先端技術総合研究所株式会社(IFTL Inc.)
と共に、米国シリコンバレーで開催されたID TechEX Show において、Best
Technical Development within Energy Harvesting 賞(Energy Harvesting
部門の技術開発最優秀賞)を受賞しており、IoTの自立電源に活用されてい
ます。無色透明型光発電素子SQPVは、ビルや建物、自動車等の窓を利用し
て、発電、採光、遮熱をもたらす。
❏再表2012/169530 複合ガラス板 国際先端技術総合研究所株式会社
【符号の説明】1,11,13,ガラス基板 12,透明導電膜
2,2酸化ケイ素粒子層 3,2酸化チタン粒子層 18 増感色素添加
2酸化チタン粒子層 15,電解液 14,封止材 17,負荷
❏特開2017-005267 タンデム型ソーラーセル inQs株式会社
【要約】従来の色素増感ソーラーセルの太陽光利用率は、理論的に30%
、実際には最大で10%であった。透明導電膜が形成された2枚のガラス
基板(11,13)が各々の透明導電膜(12)を向かい合わせて配置し、
ガラス基板の一方に2酸化チタン層(16)を配置し、他方に2酸化ケイ
素粒子(18)を配置し、2枚のガラス基板の間に電解質(15)を充填
してソーラーセルを構成する。光が入射しないガラス基板は金属板とする
こともできる。2酸化チタン層あるいは2酸化ケイ素層にはルテニウム錯
体等の増感色素を吸着させることもできる。2酸化チタン層は入射した紫
外光により起電し、2酸化ケイ素層は入射した可視光及び赤外光により起
電することにより、ソーラーセルの総合的な変換効率が高くなる。(下表
クリック参照)
❏特許6268357 蓄電装置及びその制御方法 inQs株式会社
【要約】シンプルな回路構成による、充放電制御回路を提供する。本発明
の蓄電装置は、それぞれが並列接続された複数の蓄電素子と、電源入力端
子とそれぞれの蓄電素子の間に設けられた、蓄電素子と電源を接続するス
イッチを含む充電部と、出力端子とそれぞれの蓄電素子の間に設けられた、
蓄電素子と負荷を接続するスイッチを含む放電部と、複数の充電部を制御
する充電制御回路と、複数の放電部を制御する放電制御回路とを有する。
充電制御回路は、充電対象の1つの蓄電素子を選択すると、当該蓄電素子
に接続された充電部のスイッチをONにして、当該蓄素子の充電を行わせ
る。当該蓄電素子の充電が完了すると、当該蓄電素子に接続された充電部
のスイッチをOFFにし、所定のルールに従い、次の充電対象の蓄電素子
を選択し、選択された蓄電素子の充電を行う。
❏特開2020-60516 状態監視装置、および状態監視システム
inQs株式会社
【要約】状態監視装置において、振動状態を適切に監視する技術を提供す
ることを目的とする。状態監視装置は、振動を検出する振動センサと、振
動センサから振動の検出値を逐次取得し、複数の前記検出値に基づいて振
動の異常/正常または振動の有無などの状態を示す評価値を算出する評価
値算出部と、評価値算出部が算出した評価値を無線送信する無線部と、光
発電した電力を電源として状態監視装置に供給する光発電部とを備える。
この状態監視装置から無線送信される評価値に基づいて、振動の異常/正
常または振動の有無を判定することで監視対象の状態を適切に監視するこ
とが可能になる。
【ウイルス共生描論22:感染症とデジタル社会的共通資本Ⅰ】
全世界で30万人近くの死者
ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、パンデミックで世界中で失わ
れた命の数は30万人に近く、297,197人の死者が報告。4,347,015の感染を
確認。真の数値は、コロナウイルスによる死を構成するものの過小報告ま
たは異なる定義の結果として大幅に高くなる可能性がある。
リモートワーク(あるいは、テレワーク)は、高所得者を助け、
格差拡大させるだけ
在宅勤務としても知られているリモートワークの重要性は、現在のCOVID
-19危機の際に明白。閉じ込めと身体的距離のある期間中、在宅勤務により
一部の労働者は自宅から仕事を実現させてきた。しかし、遠隔地の仕事は
さまざまな方法で労働者の社会経済的不平等の原因にもなり得る。
これらは、ジョブセクターと雇用者、およびリモート作業に関連する利点
の喪失に関連している。下のグラフに示すように、2015年カナダ一般社会
調査(GSS)から編集すると、在宅勤務者の数は個人の収入とともに増加。
給与が高い人ほど、自宅で仕事ができる可能性が高い。
収入と業界の変動
カナダのある調査によると、在宅勤務と互換性のある仕事は44%だけであ
ると推定、リモートで働く可能性はすべての人が利用できるわけではない。
リモートワークは、大卒者、マネージャー、専門家の間で特に一般的で、
その実践は、セクターや仕事の性質にも依存する。たとえば、製造業と比
較すると、財務は遠隔地の作業に適す。その結果、多くの労働者は、COVID
-19パンデミックのような危機の最中にも働き続けることを可能にする代替
手段を奪われている。2015年 GSSデータは、カナダで最も多くの労働者を
雇用している2つの職業カテゴリの在宅勤務者の比率が非常に低いことを
示す。リモート作業は、10の職業カテゴリのうち4つだけで、はるかに頻
繁に行われている。下のグラフが示すように、低所得労働者のシェアが高
い職業は、通勤者がほとんどいない。(在宅勤務は「富の不平等」を促進
するという指摘 GIGAZINE)
つまり、外出しなければヒトとヒトの接触を減らせるため、COVID-19対策
の一環としてアメリカなどの国は「在宅勤務」を奨励する、全ての仕事で
在宅勤務な可能なわけではなく、アメリカ合衆国労働省労働統計局のデー
タによると、在宅勤務が可能な職種は全体の34%に過ぎない。
これらの調査から、「COVID-19パンデミックによって、低所得者に過度な
負担がかかっている」と主張。低所得者はCOVID-19感染リスクの低い在宅
勤務ができない上に、飲食店従業員などは今回のパンデミックで解雇され
るリスクも抱えています。一方、高所得者は在宅勤務によって通勤時間が
短縮されてライフワークバランスも確保しやすく解雇されるリスクも低い
ため、「貧富の差」がさらに広がると予想する。そこで、カナダ政府は「
カナダ緊急対応給付金」などの低所得者に対する補償政策を講じており、
一部のスーパーマーケットの労働組合は「時給を2ドル(約210円)増加させ
る」という交渉を行うなどの非在宅勤務者の待遇改善を訴えており、「不
平等を是正するためにより多くのことをすべき」と主張。その一環として、
①政府に対して在宅勤務での採用を増やすこと、②そして在宅勤務に必要
なPCやその他機器を提供すること、③在宅勤務を実施する企業に助成金や
経済的なインセンティブを与えることなどを提案しているという。
✔ 感染症パンデミック対策に「強靱な社会的共通資本の形成」を最優課
題と捉えるわたし(たち)の考え方でいけば、「デジタル社会的共通資本
主義政策」の推進となる。よく、耳にする「ギグエコノミー」はこのこの
パンデミックで、その産業社会形態が大きく変容している。もともとネッ
トやITの発達は、かつて主流だった会社に所属して長期的に働くワークス
タイルにも大きな変化をもたらしたギグエコノミーとシェアリングエコノ
ミーの違いと共通点は、ギグエコノミーと似た概念として、シェアリング
エコノミーがあり、ギグエコノミーは「ヒト(人材)」を共有するが、シ
ェアリングエコノミーは「モノ」を共有するという考え方になる。
ギグエコノミーが拡大する背景に、ネット上でプラットフォームを提供す
る企業が台頭していることも大きく影響。ネットの普及により、労働者側
にもテレワークやノマドワーカーといった多彩な働き方が生まれ、世界中
のどこからでも仕事ができるようになったことも要因のひとつ。ギグエコ
ノミーはアメリカを中心に広がりを見せており、市場規模は今後の7年間
で37兆円にまで達する試算されているが「雇用契約が曖昧で労働者の保護
や権利」がこれまで、「非正規労働者」として「物品扱い」としてきた「
新自由主義経済政策」と「デジタル社会」の負の側面と共通課題を抱えて
いるように看える。前者は「超格差社会」として、後者は「超サイバー犯
罪社会」として顕れることは間違いない。実は、わたしはスカイプなどの
声・ビデオ通話ソフトおよびサービスと無縁----パーソナルコンピュータ
のカメラは一切使っていない(盗聴・盗撮防止)--を遠う避けている。
とはいえ、「ウイルス感染パンデミック」には。デジタル社会及び産業の
積極的な促進は不可避と考えており、その意味において、宇沢弘文の『社
会的共通資本政策』の拡充は、社会の"強靱化"にとって極めて、重要政策
だと思っている。
この項つづく