彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成のこ
と)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこに
ゃん」
13 子 路 し ろ
-----------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
-----------------------------------------------------------------
10 ある男が子産の人物評を孔子に求めた。
「立派な政治家だ。人民に愛情をもっていた」
「では子西は?」
「ああ、あれは……」
「管仲はどうです」
「管仲は大夫の伯氏を断罪して、広大な領地を没収した。伯氏はそのた
めに困窮のどん底に落ちたが、生涯うらみつらみを言わなかった。管仲
の処置はだれがみても公正だったからだよ」
〈子西〉楚の公子中のことで、弟の昭王に位を譲り、自分は大夫として
昭王を助けた人であるが、昭王が孔子を登用しようとしたさい、これを
阻んだという。一説に、子産の同族にあたる鄭の大夫であるともいう。
〈伯氏〉斉の大夫。罪を得てその領地を没収された。
或問子産、子曰、惠人也、問子西、曰、彼哉、彼哉、問管仲、曰、人也、
奪伯氏駢邑三百、飯疏食、沒齒無怨言。
Someone asked about Zi Chan. Confucius replied, "He is modest."
He asked about Zi Xi. Confucius said, "You mean that man?"
He asked about Guan Zhong. Confucius replied, "He confiscated
Pian village of three hundred houses from Bo family.
But Bo family never complained about it even though they lived
on poor meals because of it."
● 今夜の一冊
里山に生息する、さまざまないきものの生態を知ろう。コレ1冊で里山
探検がもっと楽しくなる・好きになる!「一日一種」。SNS上で自然
やいきもの好きから熱い支持を受けている、人気のイラストレーター。
環境部門の技術士の資格をもつ、野生生物調査員。現在は調査員の経験
を生かし、生き物屋としてフィールドワークに出かける傍ら、いきもの
デザイン研究所にて生き物をメインにしたイラストを手掛ける。
【著者概歴】
一日一種[イチニチイッシュ]
SNS上で自然やいきもの好きから熱い支持を受けている、人気のイラ
ストレーター。環境部門の技術士の資格をもつ、野生生物調査員。現在
は調査員の経験を生かし、生き物屋としてフィールドワークに出かける
傍ら、いきものデザイン研究所にて生き物をメインにしたイラストを手
掛ける。
五箇公一[ゴカコウイチ]
国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室長。外来生物や化学物質に
よる生態系や人間社会への影響を研究している。様々な生物種を調査し
ているが、専門はダニ学。五箇公一(ごか こういち、1965年1月生まれ)。
富山県高岡市生まれ。京都大学に進み、大学院修士課程修了後は宇部興
産に入社した。宇部興産では主に殺虫剤、殺ダニ剤の研究開発に従事し、
同社在職中の1996年3月に京都大学で論文博士(農学)取得。論文の題
は、「ナミハダニの休眠性とアロザイムに関する生態遺伝学的研究」。
1996年12月からは国立環境研究所に転じ、『生物多様性の減少機構の解
明と保全プロジェクトグループ』総合研究官などを担当し化学物質を規
制する法律改正など。国立環境研究所勤務の傍ら、東京大学、東京農工
大学、お茶の水女子大学等で非常勤講師を務める。学位を持つ国立研究
所の研究者というプロフィールとギャップのあるロックファッションが
注目され、テレビのバラエティ番組にコメンテーターとして出演。
階層的生物多様性とは何か、
☈なぜ重要なのか美しき青き地球と生物圏
1961年にボストーク1号によって、人類で初めて有人での宇宙軌道飛行
に成功したソ連(当時)の宇宙飛行士ガガーリン少佐が、大気圏の外から
地球を眺めたとき、「地球は青かった」という言葉でこの美しい惑星を賛
美したエピソードは有名である。地球は、我々が知り得る限り、太陽系
で唯一生命が繁栄する惑星である。その表層には青く美しい海と緑あふ
れる大地が広がり、そこにさまざまな生物種が生命活動を営んで生物圈
(biosphere)を形成している生物圈は一様ではなく地域ごとに異なる環
境が展開し、地域特有の生物相が存在する。陸域においては山岳や平野、
森林や砂漠、川や湖というようにさまざまな環境の変異があり、それぞ
れの環境に適応した固有の生物種が生息することで地域固有の生物活動
が営まれている。海域でも同様に、深海から浅瀬に至るまで、それぞれの
環境に特異的な海産生物が生息している。これらの地域ごとに生息する
生物たちとそれらが展開する生命活動システム生態系(エコシステム ec-
osystem)という、生態系は水たまりの中に形成されるちいさなスケール
のものから熱帯のジャングルに形成されるような大スケ-ルのものまで
存在する。小さな生態系はより大きな生態系に内包され、さらに地球上
の全ての生態系が統合されて生物圈を形成している。
☈環境の多様性と生態系ネットワーク
地球上にはさまざまれぞれの生系の中でエネルギー流動と物質循環が行
われている。さらに、生態系と別の生態系の間でも物質やエネルギーの
フローが存在し、地球全体で巨大な生態系システムのネットワークが形
成され連動している。そして、それぞれの地域の生態系がもつ機能が続
合されることにより、大気気や水界の成分や温度など、生命が生息する
上での必須環境である生物圈が安定して維持されている。森林生態系は、
その豊富な植物相によって大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を供給す
るという大気の浄化化機能を担い、さらに微生物、昆虫、鳥や動物など
多くの生物種を擁することで豊富な有機物・無機物を生産し続けている。
これらの栄養物が河川を通じ、海へ注がれることで沿岸の生態系に栄養
物が供給され、海産生物相を豊かなものにする。このとき、河川や海水
の富栄養化を防いでいるのが湿地・干潟の生態系となる。湿地・干潟に
は無数のプランクトンやカニ、ゴカイ、二枚貝などの生物種が生息し、
それらが「生物フィルター」として機能し、汚れた河川水や海水の水質浄
化を果たしている。
図2.種の多様性の意義
種の多様性が高い生態系(左)であれば、食う一食われるの関係が複雑な
ネットワークで結ばれ、例えばカエルが滅んでも、他のルートで栄養循
環が維持され、生態系システム自体は簡単には壊れない。しかし、種の多
様性が低い生態系(右)では食う一食われる関係が単純な直鎖構造となり、
カエルが滅びれば、餌を失って鳥も絶滅し系は簡単に崩壊、することにな
る。
☈生物多様性の階層性と生態学的意義
このように地球上にはさまざまな生態系が存在し、機能しているが、そ
れぞれの生態系を構成し、その機能を維持しているのは多様な生物種で
ある。生態系における生物種の数の大小を「種の多様性」という。生態系
において生物種の数が大きくなる、すなわち種多様性が高くなればなる
ほど、その食物網ネットワークは複雑になり、エネルギーや物質のフロ
ー・ル-トが多岐にわたるので、環境変動や人為各欄によって生物種の
一部が「欠員」した場合でも、系全体の機能は大きく損なわれず維持さ
れ、やがて「欠員」した生態的なポジションに新たな種が進化して組み
込まれ。元の状態に復帰するという具体に系の受難性と抵抗力が高まる
とされる。種の耐用性が高い生態系であれば、空・食われるの関係が複
雑なネットワークで結ばれ、例えばカエルが滅んでも、他のルートで栄
養循環が維持され、生態系システム事態は簡単に壊れれない。しかし、
種の多様性が低い生態系では食う一食われる関係が単純な直鎖構造とな
り、カエルが滅びれば、餌を失って鳥も絶滅し、系は簡単に崩壊するこ
とになる。
さらに、それぞれの生物種集団(同じ種に属する個体の集まり=個体群)に
とって集団内にさまざまな遺伝子型の個体が存在するほうが、環境変動
に対して多様な反応を示すことができるので、集団の生存確率は高まる。
逆説的に言えば、時間的にも空間的にも変動を続ける環境中にあっては、
一様な遺伝子組成をもつ集団は環境変動に耐えきれず、絶滅してしまい、
結果的に多様な遺伝子組成を維持する集団が環境淘汰を生き残ることに
なる。このように種やその集団内に遺伝的変異が存在する状態を「遺伝
子の多様性」という。この遺伝子の多様性こそが、変化する環境の中で生
物が進化するための必須アイテムなのであると言う。
同種のチョウ集団でも、遺伝子の多様性が高い集団であれば、羽の色や
模様にバリエーションが生じ、新たな天敵が登場しても、天敵に見つか
りにくい形質をもった個体が生き残り、天敵に対して抗力をもつ集団へ
と進化できる。しかし、遺伝子の多様性が低い集団(同右)では羽の形質
に変異がないため、一旦、天敵に覚えられると全個体が簡単に見つけら
れて食い尽くされる(=絶滅する)恐れが高くなる。
そして、上述した通り、大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を供給する
森林生態系や水を浄化する湿地生態系など生態系にもバリエーションが
存在することによって、さまざまな生態系機能が融合され、地域全体の
環境安定性、さらには地球全体の環境安定性が維持され、ている。これ
を「生態系の多様性」という。
図3 .遺伝子の多様性の意義
同種のチョウ集団でも、遺伝子の多様性が高い集団(左)であれば、羽の
色や模様にバリエーションが生じ、新たな天敵が登場しても、天敵に見
つかりにくい形質をもった個体が生き残り、天敵に対して抗力をもつ集
団へと進化できる。しかし、遺伝子の多様性が低い集団(右)では羽の形
質に変異がないため、一旦、天敵に覚えられると全個体が簡単に見つけ
られて食い尽くされる(=絶滅する)恐れが高くなるという。そして、上
述した通り、大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を供給する森林生態系
や水を浄化する湿地生態系など生態系にもバリエーションが存在するこ
とによって、さまざまな生態系機能が融合され、地域全体の環境安定性、
さらには地球全体の環境安定性が維持されいる。これを「生態系の多様性
という。さらに大きなスケールでの多様性として「景観の多様性」があ
る。
図4 生物多様性の中に生かされている人間
地球上には地域ごとに固有の生態系が展開し、それぞれが独自の機能を
もつ。それらの機能が融合して、地球上の生物圈(生物が住む空間)の
環境が安定して維持されており、人間もその中で生かされている。
地域ごとに地形や気候といった環境要素とそこに住む生物たちが作り出
す固有の生態系との組み合わせによって独特の景観=風景が構成され、
地球上には様々な観のバリエーションが存在する。例えば日本の中でも
北海道の草原、瀬戸内海に浮かぶ島々、沖縄の密林など、地域ごとに異
なる景観が展開している。そして、世界を旅行すれば、青い海にサンゴ
礁が広がる南海の離島、うっそうと茂った熱帯林、どこまでも砂の大地
が広がる灼熱の砂漠、雪と氷に覆われた南極大陸などなど、全く異なる
景観と、そして全く異なる生物たちを私たちは目にすることができる。
景観の多様性は、生物の生息環境のらには景観にいたるまでさまざまな
階層異質性固有性を反映するものであり、生物多様性を実感する上での
重要な生態学的指標と言える。しかし、何より訒元社会にとって、景観
の多様性は精神的・文化的な生産性に重要な働きかけをする。新緑や紅
葉、清流や青い海など、美しい風景は我々に自然の美という感動を与え
文化的なインスピレーションヘと繋がる。目から入る情報だけでなく、
川のせせらぎや、海の波の音、山林から聞こえる鳥や昆虫の鳴き声は我
々の音感にも作用して、安らぎや喜びを与えてくれる。
図5 生物多様性の階層性
どこへ行っても全てが同じ景観だったら、この地球は、どれほど退屈で、
つまらない世界になることだろうか。そんな景世界では、今のような、
様々な文化や芸術も生まれることはなかったであろう。地球上には地域
ごとに固有の生態系が展開し、それぞれが独自の機能をもつ。それらの
機能が融合して、地球上の生物圈(生物が住む空間)の環境が安定して維
持されており、人間もその中で生かされているとする。
☈生物多様性の中に生かされている人間
このように遺伝子から種、生態系、さらには、景観にいたるまでさまざ
まな階層で生物が織りなす多様な世界を「生物多様性」という(図5)。
それぞれの階層、性が重要な意味をなし、複雑性が機能の多様性と持続
性(進化的発展性)を生見だしている。人間とうい生物も。水や空気や
食料が必要であり、そうした生命維持のための必巣資源を供給してくれ
ているのが、生物多様性が支える生態系の多面的機能である。人間の分
明社会が作り出した食料や物資の供給システムである農業・工業といえど
も、水や土壌や空気がなければ稼働しない。人間の生活基盤は全て生物
多様性に帰結する。さらに景観の多様性という、人間社会における文化
的多様性の萌芽を生み出す機能までもが生物多様性には備わっており、
人間社会を支える上での必須かつ重要な環境要素が生物多様性なのであ
ると。このように説く。(五箇公一「生物多様性とは何か。なぜ重要な
のか?①」、環境ビジネス、2020年夏季号)
✔ 五箇公一氏はテレビや新聞などマスコミを通じて環境科学の普及に
力を入れている。NHKクローズアップ現代で解説を務める一方で、フ
ジテレビ「全力!説カタイムズ」にレギュラー出演するなどバラエティ番組
を活用して、環境科学に対する無関心層の引き込みを図っているが新コ
ロナウイルスに対し「排除」の必要性を訴えている(ウイルスと共生?
それじゃ困る 生態学者が語る「排除」 [新型コロナウイルス]:朝日新
聞デジタル)。視聴回数が12万回を超えたユーチューブ動画「新型コロ
ナウイルス発生の裏にある“自然からの警告”」で、五箇は外来生物と
新型コロナの似た点を指摘し、ウイルスが生きものかどうかとの議論は
あるが、生物界にいる寄生体として見れば一緒。人間の自然破壊などに
よって、本来の生息地から移動させられたのが外来生物で、目に見えな
い外来種が病原菌やウイルスなど。彼らにもすみかがあり、本来の生態
系の中ではおとなしいが、違うところでは天敵や免疫がないので、どか
んと増える。グローバル化に伴い、外来生物もウイルスも急速に広がる。
南米原産で毒を持つ特定外来生物、ヒアリの国内での拡大なども心配さ
れている。最近『ウィズコロナ』『コロナとの共生』と言うが、経済活
動を復活させるため、やむを得ず言っているにすぎず。気にせず普段通
りやりましょう、というムードでは困るとし、インフルエンザなどに比
べて圧倒的にコントロールできないでいる。排除という作戦を採らざ
るを得ない。ワクチンと新薬の開発を急ぎ、科学の力でコントロールで
きなければ、安心安全な社会は取り戻せないと批判し、地球上からウイ
ルスをなくすことはできず。彼らのすみかは野生の世界に、人間の世界
をゾーニング(分断)し、自分たちで環境を維持してしか生きられない
ことを知り、丁寧に世界をつくっていかないと長くは保てない。その第
一歩は地産地消。地域ごとに自立した地方分散型社会をつくり、緩やか
につながる(生物学的には『メタ個体群構造』という)、たまにに交流
し遺伝子をやり取りすることで、全体として安定した進化を繰り返す。
人間社会も一緒ですよ彼らの世界をこれ以上、荒らさないようにするこ
とだと提案する。
【ポストエネルギー革命序論 196:アフターコロナ時代⑩】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」
電気2次元ビーム走査可能な新たなフォトニック結晶レーザーチップ
自動運転へ応用も「光」装置開発
京都大学工学研究科の野田進教授らの研究グループが、高い出力を維持
したまま光の向きをさまざまに変えることができる新たな装置を開発し
たと発表し、自動運転技術などへの応用が期待されている。野田教授ら
のグループは、半導体の膜に1万分の数ミリという非常に小さな穴が規
則的に並んだ「フォトニック結晶」と呼ばれる特殊な素材を使って、レ
ーザー光をほとんど拡散させず、高い出力でまっすぐ進ませる技術を開
発。光を反射しにくい黒い物体との距離も正確に測定できることから、
自動運転技術などへの応用が期待されている。今回、グループはこの小
さな穴の位置や大きさを特定のパターンに配列することで、光の向きを
さまざまに変えることができる縦横3ミリほどの極めて小さな正方形の
チップを開発。自動運転に不可欠な光の向きを変える操作のために従来
は鏡の反射を利用していましたが、このチップを使えば装置の小型化が
可能で振動などの影響も受けにくい。野田教授は、「非常に作りやすい
うえに、性能の高いレーザーが出せる。従来の装置よりも一気に小型化
して値段も下がるため、自動運転の普及に繋がる装置だ」と話している。
✔ 実用化まで大凡20年ですか。すごいですね。基礎研究➲応用研究
➲そして、シンギュラティ研究時代ということですね。ノーベル賞(複
数人)ものです。
❐ タンデムと結晶系ソーラーモジュール
2030年に商用結晶製品に対するタンデムPVモジュールの競争力を予測に
よると、結晶系ソーラーは10年間で変換効率が22~24%へ向上。バック
コンタクトヘテロ接合バージョンが主流になり25%となる。これに対抗
するためには、タンデムデバイスはこれと同等の寿命と劣化率、さらに
30%の効率をクリアする必要がある。
3接合ガリウム砒素太陽電池のブラックライト試験
これは、フランスの技術研究所 L’InstitutPhotovoltaïqued’le-de-
France(IPVF)の研究者による、「2030年に向けたPVテクノロジ展望」
の1つ(Progress in Photovoltaicsで公開)。それによると、結晶シ
リコン系に対するタンデムモジュールの潜在的な競争力の評価----前者
の商用バージョンは、10年の終わりまでに22〜24%の効率に達し、相互
嵌合バックコンタクト(IBC)ヘテロ接合製品が商業生産に達した場合、
おそらく25%レベルである。結晶系は、2030年までに、価格は15ドル/W
未満、理論上の最大変換効率は29.4%で、30年間の寿命で0.5%の年間
劣化率を担保する。
ペロブスカイト
そのシナリオでは、研究者によると、タンデムデバイスは、新しい部品
表を必要とし、ペロブスカイトは歴史に委託されることからそれらを救
う可能性がある。「c-Si (結晶シリコン)タンデムモジュール上の
ペロブスカイトは 100GWを超えるc-Siモジュールの生産拠点の上に構築
することができ、プレミアム製品として競合地域の市場で最初に展開さ
れ、競合することが予想さます。SHJ [シリコンヘテロ接合]とIBCプレミ
アムc-Siモジュールを使用する」と報告されている。このような規模の
生産基盤を利用して、ペロブスカイトベースのタンデムデバイスは30%
の効率を達成し、結晶シリコンのライバルと同様の劣化率と寿命を提供
でき、競合できる可能性がある。そのシナリオでは、タンデム製品は結
晶性デバイスよりもわずか0.05〜0.10/W 高くなる可能性がある。
IPVFグループによると、ガリウムヒ素(GaAs)Ⅲ-V太陽電池は、試作段
階ではすでに32%の効率を上回っている。「しかし、現在取り組まれて
いるⅢ-V材料は重大な価格問題があり、水素化物気相エピタキシーなど
の低コストの堆積方法の開発課題がある」と話す。ペロブスカイト型タ
ンデム太陽電池は、これまでにすでに変換効率は約28%に達している。
図2 主流(Al-BSF / PERC)産業用結晶シリコン太陽電池およびモジュ
ール電力変換効率および内部データから)の歴史的進化と、Pearl-Reed
関数を使用した2030年に向けた外挿27%(低シナリオ)のc-Si太陽電池
の実用的な効率限界と29.4%(高シナリオ)の理論的限界をそれぞれ考
慮が必要。IBC細胞に対するITRPVの期待値を比較として示す。
ペロブスカイトの安定性
オーストラリアの研究グループが世界初のペロブスカイト太陽電池を開
発。低コストのソリューションを使用した一連の熱および湿度試験に合
格し、技術の商品化を妨げているいくつかの課題を克服、シンプルで低
コストのポリマーガラスブランケットを使用してペロブスカイトセルの
分解を抑制することで実現する。ニューサウスウェールズ大学とシドニ
ー大学の研究グループが、耐久性のあるペロブスカイト太陽電池(世界
で初めて「次世代」の太陽光発電技術と呼ばれる)の開発レースに参画。
商業化に踏み出し、そのペロブスカイトが熱と湿度に関する厳しい国際
電気標準会議の試験基準に合格したことを公表。メタルハライド(金属
ハロゲン化物)ペロブスカイト太陽電池を扱い、わずか10年間で電力変
換効率が3.8%から25.2%に向上と前例のない進歩を遂げる。26.7%の
シリコン系セルの変換率開発には約40年かかっており、恐ろしく安価で、
厚みはは500分の1さで 柔軟で超軽量(※直射光だけでなく拡散光を吸
収する)の優れた特性と高い太陽光変換率を持つ。」(アニタ・ホーベ
イリーシドニー大学教授);ただし、保護されていないペロ;ブスカイト
電池には、シリコンベース側の電池の耐久性がないため商用段階にはな
い。このためペロブスカイトは、湿気、熱、および光によっ対する長期
的な耐環境ストレス性が必要である。「ペロブスカイト電池には、現在
の商用規格に対応する必要があり、それがこの研究の刺激的なところで
あり。熱安定性を大幅に改善できることを示した。」と同教授は話す。
是正策としての汎用ガラスとポリマーの研究は、オーストラリアの14人
の研究者からなる論文が、Science 誌で発表された。チームが考案した
低コストのソリューションについて詳しく説明すると、まず、ガスクロ
マトグラフィー質量分析(GC-MS)を 用いて高性能セルにて一般的な熱
ストレスを受けたハイブリッドペロブスカイトの揮発性生成物と分解経
路を特定する。この方法を用いて、シンプルで低コ;ストの ポリイソブ
チレン(合成ゴム)ベースまたはポリオレフィンベースのポリマーでカ
プセル化したハイブリッドペロブスカイト太陽電池-ガラスの組み合わ
せは、IEC61215:2016湿熱および湿度フリーズテストを行った。低コス
トのポリマーガラススタックの耐圧カプセル化が、ペロブスカイトの「
ガス放出」、つまり分解につながるプロセス抑制が効果的あることを確
認した。このようなカプセル化スキームを使用すると、CH3NH3(MA)を
含むマルチカチオンマルチハライドペロブスカイト太陽電池は、1800時
間を超える耐湿熱テストと75サイクルの30湿度フリーズテストで初めて
IEC61215:2016標準の要件を超えはるかに優れた性能を示すことができ
た。研究のもう1つのエキサイティングな結果は、過酷な国際電気標準
会議の標準的な環境試験条件下でペロブスカイトセルを安定化させた。
また、熱サイクル試験に合格しただけでなく、湿熱および湿度凍結試験
の厳しい要件も超えましたと話す。これらのテストは、太陽電池モジュ
ールを-40℃から85℃の温度サイクルや85%の相対湿度の暴露試験し、
太陽電池モジュールが屋外動作条件下での長期安定性を判断するもので。
熱安定性が低いことが知られているMAカチオンが含まれているが、最も
過酷な湿気と熱ストレスを及ぼす湿度フリーズテストに耐えたことを報
告する。フランスの研究者は、2030年に商用結晶系タンデムPVモジュー
ルとの競合を予測し、無機結晶系は、10年間で22~24%と効率的で、相
互嵌合バックコンタクトヘテロ接合型が主流になれば、変換効率は25%
となる。競合に当たり、タンデムデバイスは同様の寿命と劣化率に加え、
30%の効率を達成させる必要がある。 ペロブスカイト分解の詳細 太陽
電池は太陽光の下で動作するときに加熱され、ハイブリッドペロブスカ
イト太陽電池の有機化合部、特にメチルアンモニウムカチオンは熱分解
を受ける可能性がある。カプセル化は、このような反応を平衡化させる
ことにより分解を制限し、有害な周囲の湿気への曝露を防ぐことができ
る。揮発性生成物をガスクロマトグラフィー質量分析で解析し、ペロブ
スカイトフィルムとデバイスのいくつかのカプセル化スキームを検討(
フアレスペレスとハロによる展望記事を参照)。耐圧ポリマー/ガラス
スタックのカプセル化は、ガスの移動を抑制に効果的であり、メチルア
ンモニウムを含む太陽電池が過酷な湿気および熱サイクル試験に合格す
る構造を示し 材料開発により、ペロブスカイト太陽電池(PSC)のエネ
ルギー変換効率は驚くほど進歩し、わずか10年間で>38%から25.2%に
増加しましたが、これらの太陽電池は、性能の劣る耐久性が改善されな
い限り、商業的に成り立たない。PSCが現在25年の性能保証を提供して
いるシリコン技術と競合する場合、ペロブスカイトの不安定性に対処す
る必要がある。この問題への以前のアプローチには、金属酸化物バリア
層とブチルゴムシーラントの使用が含まれ、ここでは PSCが厳しい国際
電気標準会議(IEC)61215:2016の湿熱および湿度の凍結試験に合格で
きるようにする、低コストのポリマー/ガラススタックのカプセル化スキ
ームを報告。これらのテストは、太陽電池モジュールを繰り返しの温度
サイクル(40℃~85℃)および85%の相対湿度に曝すことにより、屋外
の動作条件の影響に耐えられるかどうかを判断するのに役立つ。この気
密カプセル化スキームは、湿気の侵入を防いだ。また、分解生成物のガ
ス放出を抑制する効果もあり、有機ハイブリッドPSCの分解反応を平衡
化させることで分解反応を抑制しました。ガス組成は、ガスクロマトグ
ラフィー質量分析(GC-MS)によって確認されました。
根拠
GC-MS技術では、ガスクロマトグラフィーが混合物の成分を分離し、各成
分の化学的同一性は質量分析で決定されます。マルチカチオンペロブス
カイト前駆体、カプセル化されていないペロブスカイトテスト構造、お
よび高温でカプセル化されたフルセルの分解生成物を高い特異性で直接
特定できました。その結果、加熱中に混合カチオンペロブスカイトのガ
ス放出生成物を特定することにより、熱劣化経路を特定することができ
ました。次に、GC-MSを使用して、PSC用に開発されたさまざまなパッケ
ージング手法の有効性を評価しました。パッケージスキームは、ポリイ
ソブチレン(PIB)ベースのポリマーブランケットカプセル化、ポリオ
レフィンベースのブランケットカプセル化、およびPIBエッジシールで
した。次に、これらの包装層にガラスカバーをかぶせた。エッジシール
はセル内の分解ガスをシリンジで採取しました。これらのパッケージン
グ技術の実現可能性は、IEC太陽電池モジュールの標準の湿気および湿
度の凍結試験でも実証。
結果
CH 3 I、CH 3 Br、NH 3などの 特徴的な分解生成物が特定され、CH 3
NH 3 I(MAI)、HC(NH 2)2 I(FAI)、CH 3 NH 3 Br( MABr)、およ
び混合カチオンおよび混合ハロゲン化物(FAI)0.85 +(MABr)0.15ペ
ロブスカイト前駆体(350°、140°、85°Cでの二次分解反応を含む)。
GC-MSの結果から、Br含有前駆体はI含有前駆体よりも熱分解しにくいこ
とが確認されました。また、CsFAMAセルは、対応するFAMAセルの5分の
1の分解生成物をガス放出することがわかりました。これは、 Cs含有セ
ルの方が熱安定性が優れていることを示しています。FAI の分解は可逆
的ですが、MAとFA前駆体の混合により、分解生成物が不可逆的な二次反
応に関与しました。この発見は、化学的安定性の低下によるMAとFAペロ
ブスカイトの混合の欠点を確認しました。ブランケットカプセル化PSCは、
1800時間のDamp Heatテストまたは75サイクルの湿度フリーズテストの
後、効率の低下は見られなかつた。
結論
GC-MS は、熱ストレス下での有機ハイブリッドペロブスカイトの分解の
特徴的な揮発性生成物を特定し、それにより分解経路を通知しました。
調査結果は、野外の細胞が通常高い動作温度を経験することを考えると、
潜在的な細胞安定化戦略を開発するために重要です。さらに、GC-MS の
結果は、私たちが開発した低コストの耐圧密閉が、そのようなガス放出
を抑制し、したがってPSC の分解反応を抑制するのに効果的であること
を確認しています。このカプセル化方式は、ペロブスカイト電池が IEC
光起電モジュールの標準テストに合格するための最も簡単な方法です。
私たちのアプローチは、他のパッケージングアプローチの有効性の評価
や、光や熱による劣化の制限を目的としたコーティングや材料組成の有
効性のテストに適用できますタンデム太陽電池で製造されたPVモジュー
ルは、30%の効率を示す必要があり、製造業者が商業生産を行いたい場
合、標準の結晶パネルと同じ寿命と劣化率を提供する必要がある。これ
は、フランスの技術研究所L’InstitutPhotovoltaiqued’Ile-de-France
(IPVF)の研究者による、2030年のペーパーIPVFのPVテクノロジービジ
ョンの主要な調査結果の1つであり、Progress in Photovoltaicsで公開
されている。論文によると-結晶シリコン製品に対するタンデムモジュー
ルの潜在的な競争力を評価する。後者の商用バージョンは、10年の終わ
りまでに22~24%の効率に達する。ヘテロ接合製品は商業生産に入って
いる。結晶系は、2030年までに$ 0.15 / W未満のコストで、理論上の最
大効率が29.4%で、30年の寿命にわたって 0.5%の年間劣化率をクリア
する予想されている。
✔ これも、大凡20年で実用(商用)段階の事業化となりました。ここ
でも『デジタル革命渦論』の基本則のダウンサイジングが500分1が
起こっています。いつでもどこでも発電時代の幕開けです。
●今日の昼食:
セブンイレブンの冷凍焼き餃子(5個入り)を電子レンジに解凍し、準
備しておいたオムレツパン(陶器製)にキャノーラオイルとおろしニン
ニクを入れ回答餃子を入れ、6百ワット60秒電子レンジで加熱。一味
唐辛子と花かつおをトッピングし、朝食のお粥(胃腸が疲れ気味なので)
とだし巻きたまごと梅干しの残りものと美味しくいただく。
『日本文明を環境から解き明かす』④
⬒ 日本文明形成の地 平城京遷都
情報の中心
日本列島の主たる街道が、地形的に自然と京都に集まっていた。凸レン
ズは散漫な光を集め、焦点で一点に集めていく。京都は3,000kmの日本
列島を歩く人々を、一点に集める地形のレンズの焦点だった。近代の明
治になるまで、一千年間、京都は日本の都であり続けた。日本の歴史は
揺れ動いたが、京都の都は不動であった。なぜなら、京都は日本列島の
交流輔の焦点だったからだ。「都」であるための条件を、一つだけあげる。
その条件は「情報」である。都が都であり続けるためには、情報の中心で
なければならない。京都はまさに日本列島の街道の集中点であり、情報
の集中点であった。日本列島を歩く人々は京都に向い、京都で集まり、
京都で情報を得た。そして、人々はその情報を持って、全国に散らばっ
ていった。3,000kmという南北に細長い日本列島に生きていた人々は、
情報を共有していた。情報を共有する人々は、同じ共同体である。山岳
と海峡と河川に分断されて生きていた日本列島の人々は、京都が発信す
る情報を共有し、同じ言葉を話し、同じ文字を読み続けた。
言語と共同体
メソポタミア文明、インダス文明、エジプト文明そして黄河文明は、広
大で拡張的で、外へ外へと広がっていく文明である。日本列島の京都の
ように歩いていると自然と一ケ所に集まるという焦点の地形はなかった。
外へ拡張していく文明では、情報は拡散していく。情報が拡散すれば人
々は、異なる情報を持つ。異なった情報を持つ人々は、隣の共同体との
差別化のため異なる言葉を話し始め、異なった文字を作り出していく。
そして、人々は異なった共同体を形成していく。
英国が抜けたEU連合は南北の距離は日本と同じ 約3,500kmである。そ
のEUには26ケ国が参加している。そのEU議会において公用語は23言
語もある。ヨーロッパの地形は拡散している。人々は拡散し、情報も拡
散し、言語は異なっていった。言語を異にする共同体は、自分たちを他
の共同体と区別し際立たせるために、さらに言語を独特なものにしてい
った。それに対して3,500 kmという細長い日本列島で、何千年間も言語
は分裂せず、日本人という共同体意識が醸成されてきた。それは、日本
列島の地形が京都で集中し、その京都で人々は情報を共有していたから
であった。京都は日本列島の地形の中心であった。京都は日本の都とな
る運命を背負った土地であった。桓武天皇は、長岡京の遷都で治水上の
大失敗をした。しかし、二度目の遷都で、日本列島の人々の共同体意識
・アイデンティティーを醸成する京都という都の脱出に成功する。
次回は、第5回「奇跡の正倉院-なぜ、奪われなかったか」。
✔ 前々から興味があり個人的な仮説を構想していたこともあり、興味
津々モード。
この項つづく
産総研:光でプラスチックの劣化が診断可能に!?
製造物責任法の施行以来、材料メーカーには生産品の安全性や品質の保
証がより明確に求められることとなり、多くの企業では製品の品質を担
保し、適切に管理するための分析技術が必要となっている。金属と比べ
て劣化しやすいプラスチック部品では、とりわけ最終品の品質保証が重
要視されており、出荷までに何度も検査が行われ、大きなコスト要因と
なっている。従来、プラスチック製品の品質は、測定対象を引張変形さ
せた際に加えた力を計測する機械試験によって評価している。この方法
は測定対象を変形、破壊してしまうため、既に製品の中に組み込まれ、
実際に使用されているプラスチック部品の品質や劣化を診断することは
できず、それに代わる非破壊で診断する技術はこれまで確立していなか
った。
図2 データ解析の概要(左)とポリプロピレンの劣化推定の結果(右)
破断伸びとは、試料が破断されるまでの引張伸び率で、ポリプロピレン
部品の機械特性を示す重要な指標として実際の製造現場で用いられてい
る。ポリプロピレンの劣化が進むと、破断伸びが減少する。今回、あら
かじめ劣化処理を行い、劣化の程度が異なるポリプロピレン試料を作成
し、それらが吸収する近赤外光(光吸収スペクトル)を計測するとと
もに、破断伸びを計測した。図1に近赤外光吸収の計測の様子と、劣化
処理したポリプロピレン試料に1600 nm~2000 nmの波長の近赤外光を照
射して測定された近赤外スペクトルの一例を示す。今回用いた装置では
透過した光だけではなく反射した光でも近赤外スペクトルの測定が可能
で試料の厚みや形状に応じて透過光と反射光を選択できるため、多くの
試料に適用できる。図1に示したポリプロピレン試料の場合は透過した
近赤外光をセンサーで検出して近赤外スペクトルを測定した。なお、こ
の際の近赤外スペクトルの測定時間は6秒。
✔ 今夜は、1887年にレイリーは電磁波の伝播特性を研究し、膜に垂直
に伝わる光にバンドギャップが存在することを発見から、日本でバイア
ススパッタリングの特性を利用する自己成形プロセスの開発されたバル
ク人工誘電体(自由にパタン化できる)----撮像素子、光ディスクの記
録再生素子、計測システム、通信デバイスなどに幅広い応用がある----
産業化の初期段階に入りつつあるように、次世代オプテックス(光学応
用事業術)の事例事案2件を取り上げた。後者は、非破壊で検査できる
ため、新規材料開発が加速される。