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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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今夜もテクがてんこ盛り

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
愛称「ひこにゃん」


                                   

17 陽 貨  よ う か
-------------------------------------------------------------
「性、相近し、習、相達し」(2)
「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」(4)
「道に聴きて塗に説くは、徳をこれ棄つるなり」(14)
「ただ、女子と小人とは養い難しとなす」(25)
「年四十にして悪まるるは、それ終わらんのみ」(26)
-------------------------------------------------------------
8 「由よ」と、孔子は子路に呼びかけた。「おまえは六言六蔽とい
うことを知っているかね」
「いえ、はじめてうかがいました」
「まあ、お坐り。話してあげよう。
まず徳の最高のものといえば仁だが、仁だけにたよって学問をおろそ
かにしたなら、その仁さえも盲目的な爰に変質してしまうだろう。そ
のつぎに高い徳といえばさしずめ知だが、知だけにたよって学問をお
ろそかにしたなら、思考が混乱して収拾がつくまい。信にしても、そ
れだけを後生大事に守って学問をないがしろにすれば、かえって人を
傷つけるハメになる。直についても同様だ。学問抜きの直では杓子定
規にすぎない。勇や削はどうだろう。学問を忘れて勇▽不やりでつっ
ぱしれば、秩序などぷちこわしになるだろうし、剛を誇って学問を忘
れたら、これはもう気違い沙汰だ。どんな徳でも、学問を通じてはじ
めて血となり肉となるのだよ」
 
〈六言六蔽〉 六つの美徳についての六つの弊害。「六言」は、以下
の仁知信直勇削を指す。

  

ポストエネルギー革命序論 277:アフターコロナ時代 87
♘現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」

 


2035年「どこでも電池」事業時代
富士経済の2035年の予測のESS(電力貯蔵システム)・定置用システム
向け蓄電池の世界市場は、約2兆5千億円(2020.7.17)とであるが、
同市場は、再生可能エネルギーの普及拡大や導入補助政策の整備、大
規模な実証事業などを背景に急速に拡大している。電池別では、リチ
ウムイオン蓄電池(LiB)や鉛電池(Pb)の 搭載が多いが、長期的に
は LiBが低価格化の進展に伴い大幅に伸長し、市場拡大を牽引すると
予想している。用途別では、系統・再エネ併設用向けが 最も大きく、
2019年で4646億円を占め、2035年も2019年比 3.0倍の3673億円まで伸
長すると試算されている。ここでわたし(たち)は、未来の蓄電池市
場は、多様性をもち、定置置きだけでなく、携帯用を含め『どこでも
ソーラー事業』のように蓄電池も「デジタル革命渦論」に基本5則に
基づき、「ダウンサイジング・シームレス・ボーダレス・デフレーシ
ョン」の進化をつづけ、ディスププレイの「大・安・軽・薄」と類似
した展開をみせるだろう。

リチウムイオン電池の10倍の速さで充電できる新型電池
今月7日、サンクトペテルブルク大学らの研究グループは、酸化還元
活性のあるニトロキシル含有ポリマーの研究を進め----その特徴は、
エネルギー密度が高く、酸化還元反応が迅速で、充放電速度も速いが、
電気伝導性が十分ではなく、カーボンのような高導電性添加剤を使用
しても電荷収集が妨げられる----広範な温度において高い静電容量性
能を達成できる、ニッケルサレン錯体をベースにしたポリマーを合成
し、この新開発ポリマーを用いた電池は、一連の実験により、①従来
のリチウムイオン電池に比べて約10倍高速に充電できる。②低温動
作時も性能低下がない。③コバルト系の電池に比べて火災の危険性が
少ない、④環境に悪影響を及ぼす金属含有量も少ないなどの利点を挙
げている。


図S5
標準(A)およびトランケート(B)電位範囲でのp-DiTS合成のEQCM分
析、合成の最初の3サイクル 0.1M Et4NBF4 / CH3CN、50 mVs-1スキャン
レートの両方の範囲(C、D)。 標準電位でのp-DiTS合成のEQCM分析
0.1 MEt4NBF4 / CH3CNの範囲、5 mVs-1スキャンレート(E)。 酸化電
位での重合の可能性を確認。
【要約】
レドックス活性ニトロキシル含有ポリマーは、その高いエネルギー密
度と速いレドックス速度論により、無機ベースのエネルギー貯蔵材料
の可能な代替品の有望な候補。このシステム実装に向けた1つの課題
は、導電性が不十分であり、導電性の高い添加剤を使用しても電荷の
収集が妨げられる。アクティブな電荷収集ワイヤとしての高分子ビス
(サリチリデニミナト)ニッケル(NiSalen)導電性バックボーンの
最初の実装に関して報告。 NiSalenは、同時にニトロキシルペンダン
トの電荷コレクターとして機能し、材料の酸化還元能力を支援。最大
91.5 mAh g-1の比容量を示し、800 Cで理論容量の87%を保持し、3000
℃30%以上を保持する(2000サイクル後の容量保持は66%)。動作時
の新材料の特性を、オペランド電気化学的方法、UV‐Vis、およ
び電子常磁性共鳴分光法を用いた。

【展望】
充電容量が30~40%少ないため、充放電速度を維持しつつ容量増
大のための研究をおこなう。
.リチウムイオン電池の10倍の速さで充電できる新型電池登場、火
災の危険性が低く環境への悪影響も控えめ、GIGAZINE、2021.4.7


写真 コーネル大学

長持ちするアルミ電池
今月6日、コーネル大学らの研究グループは、99.5%を超える可逆性
を示し、「最大10,000回のエラーのないサイクル」を提供できるアル
ミニウム電池を開発している。カーボンファイバーの基板をアノード
設計に組み込むことにより、バッテリーの充電時に形成される化学結
合をより適切に制御できるようになり、パフォーマンスが大幅に向上
させる。今日の商用バッテリー技術よりも高いストレージ容量の可能
性と、より安価で豊富な材料への依存により、アルミニウムベースの
バッテリーは長い間科学者にとって魅力的でした。しかし、貯蔵寿命
とサイクル性の問題により、これが商業的利益にさらに発展すること
は妨げられている。②021年の最初の数か月は、アルミニウム電池技
術のいくつかの有望な開発をもたらし、安定した超高速充電のAl電池
を実証。


【要約】
リチウム基材の電池は現在のエネルギー貯蔵の状況で支配的な役割を
確立している、リチウム後の化学物質(たとえば、アルミニウム;Al)
または亜鉛:Zn)は次世代の充電式電池の有望な候補として浮上して
いる。負極としてAlまたはZn金属を使用する電気化学セルは、潜在的
な低コスト、本質的な安全性、および持続可能性のために興味深いも
のである。現在、このようなセルは、金属アノードの可逆性が低く、
蓄積される電荷の量がごくわずかで、実用的ではないと考えられてい
る。ここでは、Al堆積物と基板の間の強力な酸素媒介化学結合を促進
すように設計された電極が、堆積形態の微調整を可能にし、並外れた
可逆性(99.6?99.8%)を提供する。可逆性は、異常に長いサイクリン
グ時間(> 3,600時間)にわたって、以前に報告された値よりも最大
2桁高い面積容量で維持され、この特性は、脆弱な電子輸送経路の排
除、および特定の金属-基板化学結合を介したAlの非平面堆積に起因
することを示す。
【補足】
アノードとカソードにアルミニウムとカーボンの2つの元素しか使用
せず、どちらも安価で環境を配慮したものであり、また非常に長いサ
イクル寿命をもつ。バッテリ電極に平面構造ではなく3次元構造を使
用することで、研究グループはバッテリーのサイクルに合わせてアル
ミニウムの層をより細かく制御できる。化学的推進力を使用して、建
築物の細孔へのアルミニウムの均一な堆積を促進。さらに、アルミニ
ウムはアノードとカソードを分割するセパレーターと反応してバッテ
リーを故障させる傾向があり、アルミニウムとさらに強力な結合を形
成する炭素繊維を織り交ぜた基板を組み込んだ。同様のアプローチは
他の材料にも適用できると研究者らはのでている、亜鉛ベースの電池
を使った以前の研究に基づく。電池の亜鉛およびリチウム金属電極を
安定化の以前の技術革新とは表面的には異なるが、原理は同じ。核形
成を促進する大きな熱力学的駆動力を提供する基板を設計、金属電極
の暴走した安全でない成長は、小規模で大規模になる可能性のある表
面張力などの力によって防止される。(A long-lasting aluminum b-
attery – pv magazine International、2021.4.6)


図1 超5Vリチウムイオン電池のイメージ図 
電池の正極(左側)と負極(右側)間の電位差(電圧)が大きいほど
高いエネルギー密度を有する。

超5Vリチウムイオン電池で実用レベルの安定作動
-高電圧作動時の劣化を抑制-
今月6日、現状(4.3 V)よりはるかに高い5 V以上の作動上限電圧を
可能にする次世代リチウムイオン電池の開発が20年以上前から活発に
行われているが実用化レベルでの安定作動(初期容量比80 %維持率/
1000回充放電)の実現には至ってない。その原因として挙げられてき
たのが、高電圧作動時の電解液と正極活物質の激しい劣化である。そ
こで、山田淳夫東京大学教授の研究グループは、従来の高電圧リチウ
ムイオン電池開発において見逃されていた、第三の重要な劣化因子を
特定した。具体的には、高電圧環境下で、正極の導電性を担保するた
め少量添加している炭素導電助剤への電解液中のアニオン(マイナス
イオン)の挿入が活発に起こり、これが充放電安定性に多大な影響を
及ぼすことが分かった。そこで、独自の“濃い”(高濃度)電解液と
これによるアニオン(マイナスイオン)の透過を防ぐ表面設計(保護
膜形成)を適用し、全ての劣化要素を高度かつ同時に抑制することに
成功した。これにより、5.2Vを上限電圧とするリチウムイオン電池の
実用レベルの長寿命化(初期容量比93%持率/1000回充放電)が達成さ
れ、はるかに高いエネルギー密度を有する新型二次電池や、リチウム
イオン電池の格段の長寿命化や高速充電化の可能性が示された。


図2 炭素導電助剤へのアニオン(マイナスイオン)挿入による劣化
機構。(a) 正極の模式図。集電体(灰色)の上に正極活物質(青色)
とバインダー(黄色)、炭素導電助剤(黒色)が絡み合っている。(b)
炭素導電助剤への電解液中のアニオン(マイナスイオン)挿入、(ま
たは、溶媒の共挿入)のイメージ図。炭素導電助剤の黒鉛層間距離に
対し、アニオン(マイナスイオン)や溶媒分子のサイズは非常に大き
い、これらの挿入は炭素導電助剤の構造を破壊する。これにより、電
解液の酸化分解反応を加速する新たな活性サイトが出現すると同時に、
正極全体の導電性が低下する。

【要点】
①従来のリチウムイオン電池(4.3 V)よりもはるかに高い5.2 Vを上
限作動電圧とするリチウムイオン電池の長期安定作動を実現。
②正極に含まれる炭素導電助剤と電解液中のアニオン(マイナスイオ
ン)との副反応が、高電圧作動時の容量劣化を引き起こす主要因であ
ることを明らかにした。
③正極に含まれる炭素導電助剤と電解液中のアニオン(マイナスイオ
ン)との副反応が、高電圧作動時の容量劣化を引き起こす主要因であ
ることを明らかにした。


図4 フッ化リン酸コバルトリチウム(Li2CoPO4F)と黒鉛からなる超 5
Vリチウムイオン電池の充放電サイクル特性。商用電解液と従来の表
面設計では200 回の繰り返し充放電で容量が大きく劣化した。一方、
“濃い”(高濃度)電解液とアニオン(マイナスイオン)の透過を防
ぐ新規表面設計(保護膜形成)を用いた場合、1000回以上の繰り返し
充放電を行ってもほとんど容量が劣化しない。
 

図3  “濃い”(高濃度)電解液と保護膜によるアニオン(マイナス
イオン)挿入抑制のイメージ図。(a) 商用電解液と従来の表面設計を
用いる場合、電解液中のアニオン(マイナスイオン)が炭素導電助剤
に容易に挿入される。(b)“濃い”(高濃度)電解液は、アニオン(マ
イナスイオン)がリチウムイオンと強く結び付いて(配位して)いる
ため、炭素導電助剤へのアニオン(マイナスイオン)の挿入が困難に
なる。また、正極表面に形成されたアニオン(マイナスイオン)の透
過を防ぐ保護膜は、炭素導電助剤にアニオン(マイナスイオン)が近
づきにくくする。

図5.(a)“濃い”(高濃度)電解液によるアニオン(マイナスイオ
ン)挿入活性化障壁増加。“濃い”(高濃度)電解液は、アニオン(
マイナスイオン)がリチウムイオンと強く結び付いて(配位して)い
る独特な構造を有している。従って、アニオン(マイナスイオン)の
炭素導電助剤への挿入時に必要な活性化エネルギーが大きく上昇する。
(b) 新規表面設計(保護被膜形成)によるアニオン(マイナスイオン)
挿入抑制。正極表面に形成された保護膜は、アニオン(マイナスイオ
ン)の透過を防ぐと同時に、正極活物質の表面を強い酸化雰囲気から
保護する。

【概要】
高電圧リチウムイオン電池は、電池のエネルギー密度を高めるために
広く研究されてきたが、電解質の酸化や遷移金属の溶解など、高電位
カソードの問題を克服するためにさまざまな戦略が提案されているに
もかかわらず、それらのサイクル安定性は依然として不十分です。こ
こでは、見落とされているが重要な問題として、カソード導電性炭素
への陰イオンのインターカレーションを報告します。2つのメカニズ
ムを介して陰イオンのインターカレーションを防ぐ濃縮スルホラン(
SL)ベースの電解質を提案します:(1)その強力な陰イオン-Li +相
互作用を介してインターカレーションに対する高い活性化障壁を提供
することによって、および(2)硫黄含有陰イオン-を形成することに
よってSL由来の中間相をブロックする。この電解質は、酸化的に安定
しているが通常は陰イオンのインターカレーションを受けやすい黒鉛
化アセチレンブラックとともに使用され、1,000サイクル後に93%の
容量保持でLi2CoPO4F /グラファイトフルセル(カットオフ電圧= 5.2
V)の安定した動作を可能にします。クーロン効率の平均は99.9%以上
です。これは、商用レベルで5Vを超えるリチウムイオン電池の可逆性
を強化するための極めて重要な戦略である。
【展望】
長年不可能だった5 V以上の上限電圧で動作する高電圧リチウムイオン
電池の長寿命化が実現可能なことが示され、理論的限界に近づきつつ
あったリチウムイオン電池のエネルギー密度に大幅な増加の余地が生
まれることになる。また、高電圧作動による電池の直列数低減や、複
数の副反応同時抑制による長寿命化などにより、現行型を含む様々な
電池システムのエネルギー密度や信頼性向上にも寄与することが期待
される。このようなリチウムイオン電池の根本的な制限因子の撤廃は、
低炭素・持続可能社会の実現にむけての電気自動車やスマートグリッ
ドシステムの普及に大きく貢献すると考えられる。


図1(a)未処理のガラスと(b)ナノすりガラスの表面の原子間力顕
微鏡像。

「ナノすりガラス」で超親水性を実現
先月29日、東京大学と産業技術総合研究所らの研究グループは、ナノ
メートル級の凹凸を設けた「ナノすりガラス」を開発したこことを公
表。これによりナノすりガラスの表面は、150 °Cの高温でも、1日程
度の長時間に渡って超親水性を維持できることが分かり、高温での印
刷が必要な有機半導体でも良質な単結晶薄膜を大面積製造が実現する。
インクを用いた印刷プロセスには、インクの濡れ拡がり性をよくでき
る親水性表面が適している。有機半導体のインクを印刷して良質な単
結晶薄膜を得る際にも、半導体インクを均質に基板に塗り広げるため
に親水性表面を持つ基板が必要で、物質表面の親水性とは、水への濡
れやすさの度合いを指す。表面に付いた水が玉のような水滴にならず
に、薄く広がった膜を作る状態は、親水性が高い状態であるが一般的
に、親水性表面は、親水性コーティング(親水性を有する化学種・化
合物を薄くコートする)、UV光照射、プラズマ処理などで得られるが
汚損による親水性の低下が見られ、継続的に親水性を維持することは
困難であった。

同研究グループは、物質の表面のわずかな凹凸と表面の濡れ性が関係
することに着目し、一般的なガラスの表面を弱酸である炭酸水素ナト
リウム水溶液を80°Cで処理することで、ナノメートルスケールのわず
かな凹凸(1ナノメートル程度)を形成(図1)。機械的な研磨などに
より表面にマイクロメートルスケールの凹凸加工を施したガラスは「
すりガラス」と呼ばれているが、これと区別するために開発し「ナノ
すりガラス」と命名する。ナノすりガラスの表面では水がよく濡れ広
がり、超親水性の指標である水の接触角は3°以下となることが分か
り。さらにこの超親水性状態は、150 ℃の高温でも1日程度維持され
ることを判明する。親水性コーティング剤や表面化学種の修飾効果は、
熱などで表面化学種が劣化し親水性の維持が困難であったのに対し、
ナノすりガラスは物質の表面の凹凸構造による親水性を利用している
ため、熱による親水性の劣化が著しく抑制できた。


図2 ナノすりガラスの(a)製造工程と(b)高温(150 °C)処理後
の水の接触角の時間依存性


図3  
未処理のガラスおよびナノすりガラスともに測定前にUV照射処理を実
施。このようにナノすりガラス上では、高温での印刷が必要な有機半
導体でも良質な単結晶薄膜を大面積製造することが可能となり、将来
の産業応用における低コスト・フレキシブルエレクトロニクス用の基
板としての利用が期待している。a)開発したナノすりガラスを利用し
て転写されたn型有機半導体膜の偏光顕微鏡写真。(b)作製した有機
電界効果トランジスタ(OFET)の構造の模式図。(c)作製したOFET
の飽和領域の伝達特性。ドレイン電圧VD = 30 V、チャネル長L = 50
μm 、チャネル幅W = 100 μm。特性から見積もられた電子移動度は
2.2 cm2 V-1 s-1。



先月22日、世界的に加速するEV=電気自動車へのシフト。従来の自動
車は3万点ほどの部品から成るが、電気自動車では、エンジン関連を中
心に部品の数が半分から3分の1程度になるとも言われ、既存の自動
車メーカ以外の企業の参入が容易になる。ユニークな技術で存在感を
高めようとするイスラエルにあるリー・オートモーティブ(REE Autom-
otive)」が開発した「EVプラットフォーム」がNHKで紹介されていた。
一見すると単なるシャーシの様にも見えるが、シャーシの部分にはバ
ッテリーが備わっている。そして、独自の技術が凝縮されているのが
タイヤの部分だ。狭い空間の中に、モーターやサスペンション、ブレ
ーキ機能、ステアリングに必要なパーツなど、走るための機能が一体
化されて収まっている。



タイヤの部分をシャーシに組み合わせることでプラットフォームが完
成し、電気自動車として走ることができる。乗用車向けからトラック
向けまで、5種類のプラットフォームを用意していて、ボディーや内装
の組み合わせによって、幅広い電気自動車に対応できるという。ここ
で同社の創業は2011年。バレルCEOは当初からEVプラットフォームに特
化した開発を目指す。他社との差異化のために導き出したのが、部品
のモジュール化(=一体化:定の部品を組み合わせて汎用性のあるひ
とかたまりの部品にすること)。走る機能をすべて詰め込んだ「タイ
ヤの部分」。EVプラットフォームは、来年から大量生産を始めること
を目指し、自動車メーカーなどに連携を呼びかける。当面のターゲッ
トは、商用車。





【液肥製造装置や水耕栽培事業】
微生物のちからで廃棄物を肥料へ|近年発見されたユニークな生物
が廃棄物からの効率的な液肥生産を担う
先月30日、産業技術総合研究所らの研究グループは、タンパク質を
多く含む食品加工廃水を原料に、遂行栽培に使用できる有機液肥を安
定・効率的に製造する技術のを開発した。
【要点】
①微生物の作用で食品加工廃水から安定的に高品質な液体肥料(液肥)
を生産する技術を開発
②近年発見されたComammox菌というユニークな微生物が効率的に窒素
栄養分を変換することを解明
③実用レベルで廃棄物を有価物へ変換でき持続可能な社会基盤構築へ
の貢献に期待される。



✔水耕栽培が注目を集めているが、水耕栽培用の有機液肥はほとんど
開発されていない。植物は窒素分として硝酸イオンを吸収するため、
水耕栽培には硝酸態窒素を含む液体肥料が理想的である。しかし、J
AS(日本農林規格)では化学的手法による肥料の生産は認められてい
ない。それ以外の方法で硝酸態窒素生産は難しい。一方で硝酸イオン
は、アミノ酸からアンモニア、アンモニアから硝酸イオンと、微生物
の作用によって二段階の変換反応で得られる(図1下)。アミノ酸の
元のタンパク質は、水産加工場などの食品加工廃水に豊富に含まれ
(図1左上)、IAIでは、この廃水を原料に、微生物を使った液肥製造
装置を作製。この装置は2つの反応槽で構成され、アンモニア化反応
と硝化反応を別の反応層で進めている。それぞれの反応を担うのが別
種の微生物であり、それぞれに必要条件を個別に整え効率的に液肥を
製造するが(図1下)、装置内には数千種以上の微生物が存在し、そ
の内どれが重要な微生物かは不明で、液肥製造反応を担う重要微生物
を安定維持法はわからずにいた。


図1 食品加工廃水からの液肥製造工程
尚、「図2 Comammox菌は担体に付着して安定的に維持」の概説図は
掲載せず。
【展望】
今回開発した技術で製造した液肥の性状の解析を進める。また、液肥
製造装置や水耕栽培ユニットは、IAIにより事業化などを進める予定。









新型コロナの遺伝子変異を検出
感染経路特定につながる新技術を開発
2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界はこれまでにな
い大きな危機に直面しました。名城大学では、この危機に立ち向かうた
め、「名城大学 新型コロナウイルス対策研究プロジェクト」を始動。
プロジェクトに選定された神野透人教授の研究グループは、ウイルスの
変異をPCR検査と同様の手法・時間で検出する、実用目前の試みである、
注.「ゲノム分子疫学的調査への応用を指向した新型コロナウイルスSA
RS-CoV-2遺伝子変異検出法の開発」が「名城大学 新型コロナウイルス
対策研究プロジェクト」に選定されている。

検査原理:ウイルス遺伝子のPCR産物の温度特性から変異濃霧を判定
検出方法は、高分解能融解曲線分析(HRM解析法)(図1)を用い、ま
ずウイルスのゲノムから、蛍光色素を結合させたDNA二本鎖をPCRで作成。
徐々に温度を上げていくと1本ずつに分かれていき、その際に蛍光強度
が変化する。DNAを構成する塩基の種類が1個でも違えば温度―蛍光強
度グラフの曲線(図2)が異なることを利用して、変異の有無を判別す
る。



SARS-CoV-2は遺伝子変異を起こしやすいウイルスで、 武漢型やスペイ
ン型に加えて、東京型、埼玉型といった変異型も話題となる。変異によ
るタンパク質の立体構造の変化は、感染力や毒性の変化につながる。一
般に行われている PCR検査では、ウイルスの全ゲノム(遺伝情報)のう
ち、変異の有無にかかわらず共通する部分を増殖させて検出するため、
どの型かは分からず、クラスターが発見されたとしても全員が同じ感染
経路とは断定できない。これに対し、あえてゲノムの異なる部分を検出
しようというのが、「ゲノム分子疫学的調査への応用を指向した新型コ
ロナウイルスSARS-CoV-2遺伝子変異検出法」。





【ウイルス解体新書 ⑩】



第1章 ウイルスの現象学
第□節 免疫とはなにか
免疫とは、免疫担当細胞が体内に侵入した異物を排除するシステム。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による疾患(COVID-19)やインフ
ルエンザなど、感染症から身を守るには、免疫力を高めることが大切と
盛んに言われている。そもそも免疫とは何か----一言で表すと免疫とは、
病原体などの異物から体を守るために備わった仕組み。体内への異物の
侵入や、がん細胞の増殖などに対して、白血球の一種であるマクロファ
ージやリンパ球といった免疫細胞が働くことで機能する。

□-1 発病を左右するのは免疫のバランス
私たちの周りの空気や土壌といった環境中には、細菌や真菌(カビ)、
ウイルスが無数に存在する。これらは環境中に存在するだけでは問題な
いが、宿主である人の体内への侵入を許すと、発病する場合がある。そ
の際に重要となるのは、病原体の毒力と免疫力の「バランス」である。両
者のバランスが取れていれば、感染しても発病しない。免疫が病原体の
毒力に負けてしまうと発病に至る。栄養さえあれば増殖する細菌や真菌
に対して、ウイルスは宿主の細胞を利用する。ウイルスの種類に対応し
た特異的な受容体を持つ細胞の表面に吸着して細胞内部に侵入し、細胞
が自身のタンパク質を合成する仕組みを利用し、ウイルス由来のタンパ
ク質が作られることで増殖する。

これに対して免疫システムは、ウイルスの増殖を抑えようと、免疫細胞
が、免疫を誘導するサイトカインの一種である「I型インターフェロン
(IFN-α・β)」を出す。それがウイルス感染細胞の表面に結合すると、
細胞内でのウイルスの増殖が抑制される。また、同じく免疫細胞である
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、ウイルス感染細胞を傷害して死滅
させる。このような一連の免疫機構が「自然免疫」と呼ばれるもので、子
どもから高齢者まで、誰にでも生まれながらに備わっている。

□-2 発熱は自然免疫が異物を排除しようとして起きる
思春期以前の子どもは免疫力がそれほど高くありません。それにもかか
わらずCOVID-19の重症者が少ない理由の一つとして、BCGワクチンやお
たふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチンなど、各種のワクチンを接種し
ていることが挙げられている。ワクチンは、それぞれの病原体の成分(
抗原)を体内に入れて特異的な免疫(抗体)を誘導し、病原体を記憶し
て次の感染時に迎え撃つ「獲得免疫」を得るためのもの。ワクチンの中に
は抗原の他に、自然免疫を高める物質「アジュバント」が入っている場合
がある。予防接種を受けた直後に発熱することがあるのは、病原体由来
の抗原やアジュバントの作用によって免疫細胞がサイトカインを出し、
免疫を誘導しているため。サイトカインは免疫細胞の働きを高めるとと
もに、体温を上げる働きがあり、風邪をひくとウイルスを殺そうと体温
が上がるのも、これと同じく自然免疫によってサイトカインが出ること
による。どちらも免疫が働いている証拠である。

□-3 免疫は「鍛える」ことでバランス良く働くようになる
感染すると自然免疫が働くと同時に、獲得免疫ができます。免疫が病原
体の毒力に負けないバランスを保つには、免疫を「鍛える」ことが必要。
鍛えるというのは、獲得免疫の種類を増やすと同時に、さまざまな種類
の免疫細胞がリレーのように免疫システムを動かす際の連携を良くする
という意味である。幼児に土いじりをさせると丈夫に育つと言われるの
は、土壌中に存在する多様な微生物を体内に取り入れることで免疫シス
テムが鍛えられるため。大人も免疫を鍛えることは可能だが、免疫系に
疾患のある方や免疫力が低下した高齢者は別。また、微生物には毒素を
産生するものもあるため注意が必要である。

もう一つバランスに関しては、アレルギーを抑えるには、獲得免疫のう
ち、免疫細胞自身の働きによって異物を排除する「細胞性免疫」と、抗体
を産生する「体液性免疫」のバランスが重要となる。アレルギーがある人
は、両者のバランスが崩れ体液性免疫が異常に高く働く。ヨーロッパの
研究では、成人を対象に幼少期の生活習慣を調査した結果、牛舎でよく
遊んだ経験を持つ人にアレルギーの発症が少なかったという報告がある。
これは、牛舎で遊ぶことにより多くの微生物に感染することで幼少期に
免疫が鍛えられ、両者がバランスよく働いているためと考えられている。
BCGワクチンなど生きた菌を接種する生ワクチンにも、細胞性免疫を刺激
してバランスを整える作用があり、この接種によりアレルギー症状が改
善したとの報告がある。

□-4 食事・睡眠・適度な運動は、免疫力を高める有効な方法
免疫の鍛え方は高齢者には向きませんが、よく長生きの秘訣として挙げ
られる食事・睡眠・適度な運動は、年齢を問わず免疫力を高める上で効
果的。バランスのいい食事をすれば、免疫細胞を活性化する物質や、細
胞のエネルギーとなる物質を摂取できる。睡眠は体の働きをリセットす
るために不可欠ですし、ストレス解消には免疫の働きを抑えるストレス
ホルモンと呼ばれているコルチゾールの発現を低下させることが重要で、
森林浴や笑いにはその効果が期待できる。また、笑うことでナチュラル
キラー細胞(NK細胞)が増加するとの報告もあり、適度な有酸素運動も、
ストレス解消と同時に、体温を上げ免疫細胞が働きやすい状態にする。
このように食事・睡眠・適度な運動というのは、免疫システムが効率良
く働くために最も有効な方法だと言える。免疫力を高めるというと、CO
VID-19でよく耳にする免疫の暴走「サイトカインストーム」を心配される
方もいるかもしれない。これは免疫力が高すぎることが原因ではなく、
肺など全身のあちこちの細胞でウイルスが増殖したために、免疫細胞が一
斉にサイトカインを出し、多量のサイトカインが組織にダメージを与え
ることで起きます。免疫力が弱い人でも、全身でウイルスが増殖すれば
起こり得ることで、インフルエンザでも同様のことが見られる。これを
防ぐには、体の中でウイルスを増やさないことに尽きる。大切なのは病
原体と免疫との力のバランス。人の体は、あらゆる部位がバランスによ
って成り立っている。それがホメオスタシス(恒常性)である。




風蕭々と碧い時代:

 

● 今夜の寸評 :
ウイルス


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