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カマンミール・オレンジティー

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


                                     
17 陽 貨  よ う か
--------------------------------------------------------------
「性、相近し、習、相達し」(2)
「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」(4)
「道に聴きて塗に説くは、徳をこれ棄つるなり」(14)
「ただ、女子と小人とは養い難しとなす」(25)
「年四十にして悪まるるは、それ終わらんのみ」(26)
--------------------------------------------------------------
25 女と小人は始末にねえない。眼をかけてやればつけあがるし、
放り出せばめそめそする。(孔子)

子日、唯女子与小人、為難養也。近之則不孫、遠之則怨。
Confucius said, "Women and worthless men are hard to deal. If
you are kind to them, they will be too frank. If you are not
kind to them, they will have a grudge against you."

26 四十歳になっても人にきらわれているようでは、その人間はも
うおしまいだね。(孔子)

子日、年四十而見高焉、其終世已。  
Confucius said, "A person who is disliked by others even though
he is over 40 years old, I can do nothing for him."




 カモミールオレンジ・ティーを楽しむ

【ハーブ園芸設計:①カモミール】
体調が悪いというので、彼女がリプトンの「カモミール・オレンジテ
ィ-バッグ」をわたしの体臭と胃腸と眼精脳疲労、神経の不調・回復
にと購入、8日から飲みつづけたが、口当たりもよくすっきりした爽
快感が残るものの、口臭に変化がないかたずねると、悪臭もないがカ
モミール匂いもしないという返事だが、自身はその匂いが口周わりか
ら匂うような体感がするので首をかしげるが、とりあえず、6月まで
つづけることに決め、結論はまたまとめブログ記載する。

➲ それが悪ければローズティー(二人分:茶葉(アッサム・ジャワ
等5~6g/熱湯 ティーカップ2杯分/ドライローズ ティースプーン2
杯分/ローズジャム ティースプーン2杯分/グラニュー糖 ティースプ
ーン1杯分)に換えてみる。それにしてもハーブにまつわる出版物や
レシピも多くあり整理整頓してみる必要もありそうだが、1年後にそ
れは考えるとして、カモミールの苗・鉢植えの購入準備は急ぐ必要が
ある。いずれ、「ハーブ野菜料理とハーブドリンク」をテーマとして
の園芸設計と写真集を出版してみてもおもしろいかも。



  

 


  

【ポストエネルギー革命序論 287:アフターコロナ時代 97】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」


図1 電子回路に木材由来のナノ繊維をコーティングするだけ、
水濡れ故障や発熱・発火といった事故を防ぐことが可能

❏ 木材由来のナノ繊維 濡れても割れても電子回路を守る
どんな封止も一度損傷してしまえば水の侵入を防ぐことはできず、
故障は免れないが、大阪大学産業科学研究所の研究グループは、
電子回路上に木材由来のナノ繊維をコーティングすることで、回
路の短絡及び発熱・発火といった事故を防止できることを発見。
さらにその短絡抑制効果はコーティングが損傷した状態からでも
発揮され、24時間以上継続する。本成果は、吸水によるナノ繊維
の再分散、電気泳動、ゲル化という3ステップを上手く組み合わ
せることで実現する。本成果により、近年開発・普及が進んでい
るウェアラブル・ヘルスケアデバイスなどのさらなる安全性向上
が期待できる。


図2 既存技術とは全く異なるメカニズムで水濡れ故障を防ぐた
め、コーティングが損傷した状態からでも効果を発揮

今回、本研究グループは木材由来のナノ繊維(セルロースナノフ
ァイバー)を電子回路上にコーティングし、イオンマイグレーシ
ョンの発生過程を評価しました。その結果、コーティングをしな
かった回路は水没後 数分で短絡してしまう一方で、ナノ繊維を
コーティングした回路は水没後 24時間経っても短絡しないこと
を発見しました(図3下 コーティングあり)。詳しくメカニズムを
見ていくと、乾燥状態で積層していたナノ繊維が吸水・再分散し、
陽極(+)の周囲に電気泳動することで「集まり」、陽極から溶け
出した金属イオンを吸着して「固まる(ゲル化する)」ことが判明
した。陽極周囲に構築されたナノ繊維のゲルが樹状析出の成長を
阻害するため、長時間経過しても短絡しません。たとえコーティ
ングが損傷していたとしても、ナノ繊維が損傷部を修復するよう
に電気泳動して集まる(図2, 3)ため、コーティングが破損するよ
うな過酷な状況でも水濡れ故障を抑制できる。


図3 木材由来のナノ繊維による短絡抑制メカニズム
出典:"Cellulose Nanofiber Coatings on Cu Electrodes for
Cohesive Protection against Water-Induced Short-Circuit
Failures"、ACS Applied Nanomaterials、2021.4.1


変異株「全く別のウイルス」 専門家、強力な対策要請
5月8日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本感染症学会
など、変異株に関する緊急シンポジウムを横浜市内で開催。最新の知
見を発表する学術講演会の中で開いたもので、専門家は「従来株より
感染力が強い全く別のウイルスと考えていい。ワクチンが十分行き渡
るまでは強力な対策を取らざるを得ない」と訴えた。国立感染症研究
所の鈴木基・感染症疫学センター長は、置き換わりが急速に進む変異
株の大半を占める英国型の感染力は、従来株の1.5倍と分析。従来株
なら1月以降に発令・適用した緊急事態宣言やまん延防止等重点措置
で制御できたはずだが、大阪などでは新規感染者数が下がっていない
とした上で、「従来と同じ対策では全く立ち行かない新しいウイルス
が出てきていると考えなくてはいけない」と強調した。鈴木氏は「特
に40、50代における重症化リスクが高い傾向もみられる」とし、「危
機感を持って対応しないといけない」と呼び掛けた。同研究所の斎藤
智也・感染症危機管理研究センター長は「封じ込められるチャンスは
ごくごく初期に限られる」と指摘。「地域的に偏りがない検査体制をつ
くるのが非常に重要。疫学的な調査能力を一体的に向上させるのが必
要だ」と訴えた。(変異株「全く別のウイルス」 専門家、強力な対
策要請 学会緊急シンポ、時事通信、2021.5.8)



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第1節 免疫とはなにか
第2節 感染症法での取扱い
日本国内でSARS-CoVやMERS-CoVの感染者が見つかった場合、病気の伝
播を抑えるために、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対す
る医療に関する法律)に従って感染拡大防止策がとられる。SARS-CoV
とMERS-CoVは共に、感染症法において二類感染症に分類されている。
感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、陰圧管理され
た病室で治療を受けることになる。同時に疫学調査が行われ、感染経
路や接触者が特定される。実験室内でのSARS-CoVとMERS-CoVの所持に
ついても、感染症法によって規制されている。SARS-CoVは二種病原体、
MERS-CoVは三種病原体に分類されており、「所持の許可」、「教育訓
練」、「滅菌の管理」において、SARSの方がMERSよりも厳しく管理さ
れている。SARS-CoVとMERS-CoVはいずれもBSL3実験室内に保管して取
り扱う必要がある。一方、風邪のウイルスHCoV-229E、HCoV-OC43、HC
oV-NL63、HCoV-HKU1は特に危険な病原体ではないため、感染症法での
指定は無く、BSL2実験室で取り扱うことができる。

第6節 エマージェンシーウイルスの系譜
第7節 嗅覚障害
第8節 新型コロナウイルス
8-1 コロナウイルスの特徴(2020年2月10日時点)
中国湖北省武漢市で2019年12月に発生が報告された新型コロナウイル
ス感染症は、世界各地に感染の広がりをみせる。コロナウイルスはプ
ラス鎖一本鎖のRNAをウイルスゲノムとして有するエンベロープウイ
ルス。ウイルス粒子は直径 約100-200 nmで、S (スパイク)、M (マ
トリックス)、E (エンベロープ)の3つの蛋白質で構成されている。S
蛋白質は細胞側の受容体(ウイルス蛋白質を鍵とするとその鍵穴)と
結合して、細胞内への侵入に必要な蛋白質です。コロナウイルスのゲ
ノムRNAは約3万塩基とRNAウイルスの中で最長なのが特徴。
注.日本ウイルス学会HP


ヒトに感染するコロナウイルスとしては、風邪の原因ウイルスとして
ヒトコロナウイルス229E、OC43、NL63、HKU-1の4種類、そして、重篤
な肺炎を引き起こす2002年に発生した重症急性呼吸器症候群 (SARS)
コロナウイルスと2012年に発生した中東呼吸器症候群 (MERS)コロナ
ウイルスの2種類が知られている。
今回発生している新型コロナウイルスは、SARSコロナウイルスと同じ
ベータコロナウイルス属に分類され、新型コロナウイルスの遺伝子は
SARSコロナウイルスの遺伝子と相同性が高く(約80%程度)、さらに、
SARSコロナウイルスと同じ受容体 (ACE2)を使ってヒトの細胞に吸着・
侵入することが最近の研究で報告されている。すなわちSARSコロナウ
イルで得られた科学的知見を新型コロナウイルスに応用することで、
基礎・応用研究を迅速に行うことができ、新型コロナウイルスのウイ
ルス学的特徴を素早く明らかにすることができる。

8-1-2 症状
この新型コロナウイルスにより、現在(2月8日)までに、全世界で
34,896人が感染(その内、724人が死亡)したと報告されています。
臨床症状は、頭痛、高熱、倦怠感、咳などのインフルエンザ様症状か
ら、重症例では呼吸困難を主訴とする肺炎に進行する。新型コロナウ
イルスの致死性は現時点では約1-2%と低いようだが、SARSコロナウ
イルスの致死率は約10%前後。もっとも新型コロナウイルスは発生か
ら1か月余りで、SARSコロナウイルスの総感染者数を超えるほど感染
が拡大していので、引き続き厳重な感染防御対策が必要。

8-1-3 治療薬やワクチン
ウイルス感染症だから抗生物質(抗菌薬)が無効だが、まず、解熱や
呼吸補助などの対症療法がとられる。そして、ウイルスの感染を抑え
る抗ウイルス剤として、新型コロナウイルスに有効であると承認され
た薬剤、もちろんワクチンはない。国立感染症研究所竹田誠部長と松
山州徳室長らの研究グループにより、日本で新型コロナウイルスが分
離に成功する。

8-1-4.検査体制
新型コロナウイルスの検査はウイルス遺伝子を増幅するPCR法、あるい
は定量的PCRにより陽性サンプルの検出が行われている。臨床現場で
そのまま使える迅速診断試薬の開発が急ピッチで進められる。

8-1-5 自然宿主
新型コロナウイルスの遺伝子配列は、SARSコロナウイルスに近く、さ
らにコウモリ由来のSARS様コロナウイルスにも相同性があることから、
おそらくコウモリがこの新型コロナウイルスの起源となったウイルス
を保持していると考えられていた。しかし、この新型コロナウイルス
がコウモリから直接ヒトに感染するようになったのか、あるいは、そ
の間に別の宿主がいるのかどうかはまだ不明。

8-1-6 予防
新型コロナウイルスはエンベロープウイルスですのでアルコールなど
で感染力を失うことが知られています。必要以上に恐れる必要はあな
いが、手洗い・うがい・マスクなどの基本的な感染症予防を行うこと
が公衆衛生上重要。

8-1-7 コロナウイルスの今後:
コロナウイルスは様々な動物でその感染が報告。SARSコロナウイルス、M
ERSコロナウイル、新型コロナウイルスのように、約10年ごとに突如
出現し、大混乱を引き起こす。今後も新たなコロナウイルスが出現し
てくる可能が十分考えられる。



8-2 最初のコロナウイルスの発見
ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症
肺炎ウイルス2種類が知られている。これらについては、それぞれの
症状や感染経路などの特徴を表1に示す。ヒトに日常的に感染する4
種類のコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)は、HCoV-229E、
HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1である。風邪の10~15%(流行期35
%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とする。冬季に流行のピーク
が見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験する。多くの感染者
は軽症だが、高熱を引き起こすこともある。HCoV-229E、HCoV-OC43が
最初に発見されたのは1960年代であり、HCoV-NL63とHCoV-HKU1は2000
年代に入って新たに発見された。

8-3.重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
SARS-CoVは、コウモリのコロナウイルスがヒトに感染して重症肺炎を
引き起こすようになったと考えられている。2002年に中国広東省で発
生し、2002年11月から2003年7月の間に30を超える国や地域に拡大し
た。2003年12月時点のWHOの報告によると疑い例を含むSARS患者は
8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡した(致命率9.6%)。当初、
この病気の感染源としてハクビシンが疑われていたが、今ではキクガ
シラコウモリが自然宿主であると考えられている。雲南省での調査で
は、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガシラコウモリに感
染していることが確認されている。ヒトからヒトへの伝播は市中にお
いて咳や飛沫を介して起こり、感染者の中には一人から十数人に感染
を広げる「スーパースプレッダー」が見られた。また、医療従事者へ
の感染も頻繁に見られた。死亡した人の多くは高齢者や、心臓病、糖
尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人であった。子どもには殆ど
感染せず、感染した例では軽症の呼吸器症状を示すのみであった。

8-4.中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
MERS-CoVは、ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスである
が、種の壁を超えてヒトに感染すると重症肺炎を引き起こすと考えら
れている。最初のMERS-CoVの感染による患者は2012年にサウジアラビ
アで発見された。これまでに27カ国で2,494人の感染者がWHOへ報告さ
れ(2019年11月30日時点)、そのうち858人が死亡した(致命率34.4
%)。大規模な疫学調査により、一般のサウジアラビア人の0.15%がME
RSに対する抗体を保有していることが明らかになったことから、検査
の俎上に載らない何万人もの感染者が存在していることが推察される。
その大多数はウイルスに感染しても軽い呼吸器症状あるいは不顕性感
染で済んでおり、高齢者や基礎疾患をもつ人に感染した場合にのみ重
症化すると考えられる。重症化した症例の多くが基礎疾患(糖尿病、
慢性の心、肺、腎疾患など)を前もって患っていたことが解っている。
15歳以下の感染者は全体の2%程度であるが、その多くは不顕性感染か
軽症である。ヒトからヒトへの伝播も限定的ではあるが、病院内や家
庭内において重症者からの飛沫を介して起こる。年に数回程度、病院
内でスーパースプレッダーを介した感染拡大が起こっているが、市中
でヒトからヒトへの持続的な感染拡大が起こったことは一度もない。
2015年に韓国の病院で起こった感染拡大では、中東帰りの1人の感染
者から186人へ伝播した。

8-5 動物コロナウイルス
コロナウイルスは家畜や野生動物などの、我々の周りに棲息するあら
ゆる動物に感染し、様々な疾患を引き起こすことも知られている。イ
ヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの家
畜に加え、シロイルカ、キリン、フェレット、スンクス、コウモリ、
スズメからも、それぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出されて
いる。多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こ
すだけであるが、致死的な症状を引き起こすコロナウイルスも知られ
ている。家畜では豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性胃腸炎ウ
イルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、実験動物では
マウス肝炎ウイルス(MHV)、ペットでは猫伝染性腹膜炎ウイルス(
FIPV)が致死的である。コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を
越えて他の動物に感染することは殆どない。

8-6 「次の新型コロナウイルス」に備える
新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界
的大流行)宣言から約1年。世界は次なるパンデミックに備えるべき
だと、新型コロナワクチンを開発した独ビオンテックのウグル・サヒ
ン最高経営責任者(CEO)が呼び掛けている。世界の日常生活の大
部分が依然として新型コロナによる制約を受けているものの、COV
ID19が最悪とは限らないとサヒン氏はインタビューで指摘。将来
的にさらに深刻なパンデミックが起きる可能性はあるとして、鍵を握
るのはそうした事態に対する準備だと指摘する。(出典:世界はコロ
ナ後のパンデミックに備えるべきだ-独ビオンテックCEO、Bloomberg、
2021.3.14

8-7 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現
8-7-1 コロナウイルスの変異を理解する
8-7-2 新型コロナの「変異」とは
1.新型コロナウイルスの構造と変異の仕組み
型コロナウイルス (SARS-CoV-2) は、エンベロープという脂塩基の
連なりからなっている。塩基とは、アデニン(A)、シトシン(C)、
グアニン(G)、ウラシル(U) の4種類。4文字」からなる設計図
には3万「文字」ほどが並んでいるということである。この設計図は
暗号のようになっており、「RNAの塩基3文字が1セット」となって、
アミノ酸というものの並びを決めています(コドン)。アミノ酸が鎖
(チェーン)のようにつながったものがタンパク質である。つまり、
RNA の並び順に従って、アミノ酸をつなげてタンパク質ができること
になる。この RNAに書き込まれた設計図は、ウイルスが増殖する際に
自らをコピーするために新たなRNA に複写(コピー)する。一文字ず
つ塩基を書き写していく作業が行われる。しかし、この書き写しの際
に、エラーが起きて塩基(文字と同じですね)が書き換わることがあ
る。これが変異。RNA の文字が書き換わるとそこで指定されているア
ミノ酸基が変わることがある。そうなると、タンパク質の形が変わる
ことがある。タンパク質の形が変わるとその性質が変わることがあり、
そうするとウイルスの性質が変わることもある。これが変異の問題に
なってくる。まとめると、ウイルスの設計図であるRNA の「文字」が
書き換わることが変異であり、変異によって、タンパク質の変化が起
こり、ウイルスの性質自体も変わり得る。

3.変異の状況と変異の速度
世界中で検出されている様々な変異ウイルスについてのゲノム情報(
設計図の情報)は GISAID というサイトなどに登録されている。登録
されているデータをもとに、系統樹といって家系図のようにまとめた
もの(下図、nextstrainより)。このグラフでは、点一つ一つが変異
ウイルスを指しており、これだけたくさんの変異ウイルスが確認され
ている。これらの変異ウイルスはあくまでも検討されたものだけが登
録されているので実際にはもっと多くの変異ウイルスが存在しているこ
とになる。変異が起こるたびに枝分かれして描かれているが、別れた
先の塊は同じ変異を持つことになる。また、このサイトなどに掲載さ
れている情報を元に、変異の速度をみることができる。変異の速度と
いうのは、一年間流行した場合にどの程度の数の変異がウイルスに起
こるかという。
新型コロナウイルスの場合には、おおよそ23カ所の変異が年間に起こ
っていることが分かる。この変位速度はインフルエンザウイルスより
はゆっくりとしったものである。

4.新型コロナウイルスが変異すると何が問題なのか
新型コロナウイルスの変異によってウイルスの性質が変わることがあ
るわけだが、では何が問題になり得るか。変わり得る性質はいく
つもあるが、特に問題となるのは以下の3つ。① 伝播性の上昇
、② 病毒性の上昇、③ 免疫逃避 であるこの3つを中心に変異
によるウイルスの性質変化についてみていく。

①伝播性(transmissibility)の変化:伝播性とは人から人への
感染のひろがりやすさのこと。これが上昇することによって、よ
り流行が強く起こる可能性が考えられる。これがれる。これが低
下すれば、流行しにくくなることになる。この程度は再生産数
R(実際には基本再生産数R0)の変化として現れることになるが、
これを厳密に評価することは実際には困難な場合が多く、モデル
などをもちいて推測される。なお「感染力」と言う言葉は別の意
味をもつ。
②病毒性(virulence)の変化:病毒性とは感染した際にどのぐ
らい重い病気を引き起こすかということ。病毒性が上昇すると重
症化率や致死率の上昇などが考えられる他、治療期間が長くなる
などの影響も出てくる可能性がある。メカニズム的にはウイルス
が増えやすくなることや免疫が効きにくくなったり免疫が効き過
ぎたりすることなどが考えられる。
③免疫逃避(ワクチン効果の低下、変異ウイルスによる再感染の
可能性):免疫の機能から逃れることを指しす。これがあると、
再感染といって2回感染することが起こったり、ワクチンの効果
が低下したりする可能性がある。免疫から逃避することができる
ようになると、免疫システムから逃れたウイルスだけが「選択さ
れて」増えてくる。
 ④その他:この他にも、ウイルスの増えやすさや細胞への親和
性(fitness)の上昇などいろいろな性質の変化があり得る。し
かし最も問題になるのは前者3つの変化ということがいえる。

6.話題となっている新型コロナウイルスの変異
(変異体と変異箇所)
今様々な変異ウイルスが話題になっている。ここからは、①
いくつかの具体的な変異ウイルスと、② いくつかの変異の箇
所(ウイルスのどこがどう変異したか)についての2つの切り
口でみていく。まず変異ウイルスの種類からみていこう。報道
などで取り上げられているのは、イギリス、南アフリカ、ブラ
ジル、カリフォルニア、インド、フィリピンなどで注目された
もの、また日本の中では大阪、関東や東北でひろがっているも
のなどです。これらには正式な名称(系統名)がついており、
それぞれの特徴が明らかになりつつある。する(WHO シチュエー
ションレポートにも概要がある)、

①イギリス中心にひろがったもの
N501Y という変異を含む 23 個以上の変異を持っている変異ウイ
ルスで、イギリスやイスラエルでは流行の主流となりました。こ
の変異ウイルスでは感染のひろがりやすさ(伝播性)の上昇があ
ることが確実視されている。しかしその程度は不明であり、その
変化の原因となる変異(責任変異) が N501Y であるかどうかは
不明。病毒性(どのぐらい重い病気を引き起こすか)については
上昇を示す報告と、上昇は明らかではないという報告があるが、
あったとしても 30% 程度までの上昇が示唆されているもので、
著しく大きいものではないと評価できる。免疫逃避 (ワクチン
への影響)についてはその影響はほぼないと考えられており、実
際、ファイザー社の mRNAワクチンはイギリスにおいてもイスラ
エルにおいても非常に高い効果を示していることが明らかになっ
ている。
②南アフリカ中心にひろがったもの
N501Yに加え、E484K という変異を含む複数の変異のある変異ウ
イルス。南アフリカでの流行の中心となっている。伝播性の上昇
を示唆する報告や提起はあるが、正確なとこはわかっていない。
病毒性の変化も不明。 一方、免疫逃避(ワクチンへの影響)に
ついてはその影響があることが明らになっているが、従来のウ
イルスに一度感染したことや、ワクチンによって得られる「中和
抗体」という感染を防ぐ抗体が、うまく作用しなくなることが分
かっている。ただし、完全に作用しなくなるのではなく、その効
果が低下するというものです。ファイザー社の mRNAワクチンで
は効果は下がるものの、無くなるわけでくなるわけではないこと
が実地の試験として示唆されている。

③ブラジルを中心にひろがったもの
この変異ウイルスも、B.1.351 同様に N501Y や E484K を含む複
数の変異を有する変異ウイルスです。伝播性および病毒性の変化
はまだ検証がなされている。免疫逃避については B.1.351 同様
の懸念がある。

④フィリピンから日本に入ってきたもの
N501Y と E484K の変異を含んでいる変異ウイルスであり、特に
E484K による免疫逃避が懸念されているが、詳細な性状は不明。

⑤インドを中心にひろがったもの
で、E484Q、L452R という2つの変異を含んでいる系統(この他
にも P681R など複数の変異が含まれる)。伝播性の増加、病毒
性の増加は不明。E484Qが E484Kと同じ部位であることからワク
チンの効果に影響がある可能性が推測されている。L452R につい
てもワクチンの効果への影響が生じる可能性が推測されている。
しかし詳細な性状は現状未解明。一部報道などで「二重変異」
(double mutation)などと言われているが、これは避けた方が
良い表現であり、使うべきではないと推測されている。WHO シチ
ュエーションレポートに現状のまとめがある

⑥R.1 …起源不明で、関東中心にひろがりがみられているもの
E484K 変異のある変異ウイルスであり、免疫逃避が懸念されてい
る。詳細な性状は不明。
⑦B.1.427、B.1.429…カリフォルニアを中心にひろがったもの
L452R という変異がある変異ウイルスで、抗体療法の効果が低
下することが判明しており、ワクチンの効果が下がる懸念がある。
その他の性状は現在検討されている段階です。とが判明しており、
ワクチンの効果が下がる懸念がある。その他の性状は現在検討さ
れている段階。その他 B.1.525やB.1.526(ニューヨークでひろ
がっている)では E484K を含む複数の変異があり、免疫逃避が
懸念されている。今後も様々な変異ウイルスが発生してきて、注
目される可能性がある。

ここまでみてきたのは「変異ウイルス」そのものやその子孫を含
んだグループとしてのまとまりでした。これらの変異ウイルスは
いずれもいくつもの変異を含んでいる。含まれている変異の位置
と内容についても様々なものが知られている。

7 スパイクタンパク質の変異部位とその内容
変異ウイルスにおいてはその表面に突き出しているスパイクタン
パク質にある変異が特に注目されている。スパイクタンパク質は
1,273個のアミノ酸がつながったもの、このうち 438-506 番目程
度の部分が、ACE2 というヒトの細胞表面にあるタンパク質と結
合する重要な部位(receptor binding domain、RBDという)にな
る。この部分は、ワクチンによってできる中和抗体が結合する部
分としても重要。よって、この RBD という場所に変異があると、
ワクチンが効きにくくなるなど、ウイルスの性状が大きく変わる
ことがありえる。特に、ワクチンの効き方が悪くなることがあり
得る。これは、ワクチンによってつくられる中和抗体という抗体
がスパイクタンパク質に結合しにくくなることによりる。

8.変異の種類の書き表し方
変異については、変異の内容と場所が分かる簡単な記号で書き表
される。タンパク質の変化として、501番目の N が Y に変わる
とN501Y、484番目の E が K に変わると E484K と書くことにな
っている。このように、変異の場所と変異の内容が分かるように
表される。

9.注目される変異とその特徴
表 変異ウイルスとワクチン

変異ウイルスにおいてワクチンの効果が低下することは大きな懸
念になるが、結論から言えば、現状みつかっている変異ウイルス
についてワクチンが無効になるような大きな変化はみられない。
ただし、完全に効果がなくなることはないものの、効果が低下す
るものもあるということは判明しているため、mRNAワクチンなど
はすでに変異に対応した改良版のものが臨床試験に入っている状
況。今後臨床試験を経て、必要に応じて実用化されるものと思わ
れる。また今後、ワクチンのより効きにくい変異が発生する可能
性もあるため、監視と検討を続けることは重要である。

変異ウイルスに対する日本の対策
日本では国としては、①水際措置、②サーベイランス(調査監視)
体制、③感染拡大防止策、④普及啓発、⑤研究開発 の5つの観
点から対策を行っている。 
いずれも重要ですが、個々人にとって最も重要なのは③と④にな
る。特に③は次の項目で述べるように最も重要なポイントになっ
いる。①については対策が緩い可能性が高いといえます。外国で
発生した変異ウイルスが国の市中で発見されるということは、水
際対策が機能していないということです。14日間の隔離などの徹
底が望まれるところで、入国者に対する措置が甘い可能性が高い
② については拡充が図られていますが、意義との兼ね合いで、
コストパフォーマンスの良い範囲内で実効的に意味のあるサーベ
イランスを行うことが重要。ただ解析や監視をしていればよいと
いうものではない。目的を持った必要十分な監視を行うことが重
要。⑤については他国において変異ウイルスの性状調査や変異対
応ワクチン開発等が進んでいますが、本邦においても進めること
は重要でしょう。(仕組みや状況・対策は …… 新型コロナの
変異ウイルスとは?いま分かっていること(2021年5月2日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/minesotaro/20210502-00235680/

第9節 人類はどのような手段を持っているのか



9-1 検査方法
核酸増幅法は数コピーの標的核酸を可視化可能なレベル、すなわ
ち数億コピー以上に増幅する技術であり、生命科学研究分野のみ
ならず、遺伝子診断、臨床検査といった医療分野、あるいは、食
品や環境中の微生物検査等においても、広く用いられている。代
表的な核酸増幅法は、PCR( polymerase chain reaction)で
ある。PCRは、
(1)熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNA
  への解離)、
(2)鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、
(3)DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、
という3ステップを1サイクルとし、このサイクルを繰り返すこ
とによって、試料中の標的核酸を増幅する方法である。アニーリ
ングと伸長を同温度で、2ステップで行う場合もある。RNAを
分析する場合、このPCRの前段として、鋳型RNAをcDNに
変換する逆転写(Reverse Transcription;RT)を実施する。こ
れをRT-PCRという。
このRT-PCRは、
(1)RT、PCRを非連続に実施する2ステップRT-PCR、
(2)RT、PCRを、単一酵素を利用して連続して実施する一
  酵素系1ステップRT-PCR、
(3)逆転写酵素とDNAポリメラーゼの2種類の酵素を利用し
  て、RT、PCRを連続的に実施する二酵素系1ステップR
  T-PCR
の3つに大別される。ウイルス検査の代表例として、病原性RN
Aウイルスの一つであるノロウイルスが挙げられる。ノロウイル
スは、急性胃腸炎の原因となる1本鎖RNAウイルスである。感
染力が強く、集団食中毒や集団感染を引き起こすことから、公衆
衛生上関心の高い
ウイルスである。ノロウイルスはGenogroupI(GI)及びGenogr
oupII(GII)の2つの遺伝子群に分類される。ノロウイルスの
病原体検査では、組織培養法が確立できておらず、電子顕微鏡法、
ELISAによる免疫学的抗原検出法、または核酸増幅技術を利
用したウイルス遺伝子の検出法が開発されてきた。このうち、日
本においては、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(
食安監1105001号)に基づく
RT-PCR法が公定法として普及している。本発明は、以下の
工程(1)事前の遠心分離操作をおこなわず不溶性物質を含む試
料と、ファミリーAに属する逆転写活性を有する耐熱性DNAポ
リメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液とを混
合した混合液を調製する工程、及び、(2)反応容器を密閉後、
1ステップRT-PCR反応を実施する工程、を含むことを特徴
とする、試料中のRNAウイルスの存在を検査するための方法を
提供する。(出典:特開2021-019559 改良されたウイルス検出方
法 東洋紡株式会社



1.国産ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いたCOVID-19迅速診断法



2020年6月2日東京大学医科学研究所の研究グループは、国産ゲ
ノム;">編集技術CRISPR-Cas3により、サンプル中の微量なウイルス
RNAを正確に検出する手法(CONAN法)を開発し、COVID-19迅速診
断法として確立している。この新しいCRISPR検査法を用いて、最
短40分で数十個(数十コピー)のウイルスRNAの有無を試験紙で
検出することに成功。COVID-19患者由来サンプルを用いた結果、
陽性一致率(PPA)は90%(9例/10例)、陰性一致率(NPA)は95.3
%(20/21例)を示し、PCR検査法とほぼ同等の検出感度、検出特
異度であることを確認。このCRISPR検査法は、一般的な試薬と試
験紙、保温装置があれば実施できるため、安価で素早くだれでも
簡単に診断できるPOCTになると考えられます。今後、野外や医療
現場、空港など様々な場所で使用できるCOVID-19診断できる。
出典:国産ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いたCOVID-19迅速診
断法の開発-最短40分で試験紙による正確な診断が可能に----
(medRxivにて発;">表)、東京大学医科学研究所>

9-1 検査方法・装置設備
9-2 ワクチン
9-2-1 変異ウイルスとワクチン

9-3 治療薬
9-4 公衆衛生対策
9-5 「ワンヘルス」にもとづく発生監視
第10節 ウイルスとともに生きる
10-1 バイオハザード対策の発展史
10-2 高度隔離施設の現場へ
10-3 病原体の管理基準
10-4 根絶の時代から共生時代
11-1 バイオハザード対策の発展史
11-2 高度隔離施設の現場へ
11-3 病原体の管理基準
11-4 根絶の時代から共生の時代へ
                                            この項つづく


風蕭々と碧い時代;
唄 泣き笑いのエピソード:秦 基博
(作詞・作曲)秦 基博



秦 基博(はた もとひろ、1980年10月11日 - )は、日本のシン
ガーソングライター。所属事務所はオフィスオーガスタ、所属レ
ーベルはユニバーサルミュージック。宮崎県日南市生まれ、神奈
川県横浜市育ち。身長178cm。血液型A型。「泣き笑いのエピソー
ド」は、秦基博の24枚目のシングル。 NHKの連続テレビ小説「お
ちょやん」の主題歌として、秦がこの番組の脚本を読んで書き下
ろした。秦は「主人公・千代の、どんな苦境の中にあってもめげ
ないその心、そして、自分の身にふりかかる不幸や悲しみを糧に
して、それらを「笑顔」に変えていく力強さ、明るさ。その部分
に一番感銘を受けて、この曲を書きました」とのコメントしてい
る。2021年1月27日CDシングル販売 。

● 今夜の寸評:


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