彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(
戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編の
こと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
愛称「ひこにゃん」
【ポストエネルギー革命序論 351: アフターコロナ時代 161】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
● 環境リスク本位制時代を切り拓く
使用電力の100%を再エネに、村田製作所の工場で「初」
10月12日、村田製作所は脱炭素化の取り組みの一つとして、同社生産
子会社の金津村田製作所(福井県あわら市)の使用電力を100%再生
可能エネルギー(再エネ)とすることを発表。工場に導入した太陽光
発電システムと蓄電池ユニットおよび、再生可能エネルギー由来の電
力調達を組み合わせることで100%を達成する。村田製作所は同日、こ
れらの太陽光発電システムと蓄電池ユニットなどを報道陣に公開した。
金津村田製作所は、高周波同軸コネクターやDCモジュール、高圧抵抗
器、蓄電池システム(ESS)を製造する。使用電力の100%を再生可能
エネルギーとする工場は、村田製作所として初めてになる。
金津村田製作所に導入されている太陽光発電システムは屋根置き型と
カーポート型の2種類があり、発電容量は合計で638kW。蓄電池ユニッ
トは32台あり、容量は合計で913kWh。これに、電力消費/発電予測/
生産管理/気象情報を統合し、エネルギーの使用をリアルタイムで最
適化できる、村田製作所独自のエネルギーマネジメントシステムを組
み合わせたシステムを活用している。現在は同システムによる自家発
電率は13%だが、2021年11月1日から残りの87%を再生可能エネルギ
ー由来の電力に切り替えて、再生可能エネルギーの使用率を100%と
する予定。年間の発電電力量は74万kWhで、年間のCO2削減効果は368
トンに上るとする。金津村田製作所では今後、ソーラーパネルを約
700kW増設し、自家発電率を約27%に引き上げる予定。
日本初の"カーボンニュートラル"なゴルフ場
10月1日、ヤンマーエネルギーシステムは滋賀県に位置するゴルフ場
「琵琶湖カントリー倶楽部」が、同社のエネルギー機器を核としたト
ータルエネルギーソリューションにより、2021年度内にゴルフ場とし
て日本初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラルを実現予
定であることを発表。はこれまで、廃棄物を有効利用するバイオマス
発電やエネルギーを最適制御するエネルギーマネジメントサービス
「Enerico(エネリコ)」などを提案することで、さまざまなエネルギー
問題の解決に取り組んできた。今回の取り組みは、県内最古のゴルフ
クラブ「琵琶湖カントリー倶楽部」で行われる。ヤンマーエネルギー
システムが太陽光パネルを設置・維持管理する発電事業「YANMAR ENE-
RGY FARM」により、初期投資ゼロで再生可能エネルギーである太陽光
発電システム300kWの電力をクラブハウス内に供給する。また、木質チ
ップを燃料としたバイオマスボイラーの熱エネルギーや太陽光発電で
発電した電気など、館内の熱電エネルギーはすべてエネルギーマネジ
メントシステム(Y-EMS)で最適制御し、光熱費、CO2の削減を行う。
これまで、同施設の年間CO2排出量は約800トン(クラブハウス、売店な
どで695トン、管理機など107トン)だった。再エネ・省エネソリューシ
ョンでエネルギーの地産地消を実現することにより、ゴルフ場内で発
生するCO2排出量を約300トン削減し、さらにグリーン電力などのカー
ボンオフセットで500トンのCO2排出量を削減。こうしたトータルエネ
ルギーソリューションで、年間CO2排出量802トンが実質ゼロとなる。
再生可能エネルギー100%のグリーン電力は、FIT制度を利用しない新
設非FIT電源を中心とした再生可能エネルギー電気料金メニュー『D-
Green Premium』を、大阪ガス(代理店:Daigasエナジー)とヤンマー
エネルギーシステムが契約して調達する。また、芝刈り機の燃料やガ
スボイラ―などで発生したCO2はJ-クレジットの購入により相殺される。
【ウイルス解体新書 80】
⛨ 最新新型コロナウイルス
序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第9節 感染予防・検査・治療
9-6 生物兵器対策
9-6-1 脅威に懸念 防御後手
9-6-2 2001年米国の炭疽菌事件
9-6-3 米ロ、今も根絶した天然痘ウイルスを保有
9-6-4 ゲノム編集可能になり生物兵器も新世代に
9-6-5 国連の原因不明の生物学的事象担当者はゼロ
9-6-6 新型コロナウイルス
1.中国、15年からコロナの軍事的研究を開始か…「生物兵器攻撃
で敵の医療体系を崩壊」
▶2021.5.24 RIETI - 中国、15年からコロナの軍事的研究を開始か
著者:藤 和彦 コンサルティングフェロー
世界の新型コロナウイルスへの対応を検証する独立調査委員会は5月12
日、最終報告書を公表した。この委員会は世界保健機関(WHO)の194
の加盟国の決議で設立されたものであり、議長はクラーク前ニュージ
ーランド首相などが務めている。報告書は5月24日から始まるWHOの年
次総会の討議資料となる。公表された報告書のタイトルは「新型肺炎:
最後のパンデミックにしよう」であるが、その結論は「危険の兆候に
注意を払っていれば、パンデミックによるここまでの大惨事は防げた
はずだ」というものである。2019年12月に中国・武漢市で感染拡大が
最初に確認された際の初期対応については「切迫感が欠如していた」
と指摘、また各国が警告に十分な注意を払わなかったために20年2月は
手痛い「失われた月」になったとの見方を示した。パンデミック再発
防止のために「WHOをはじめ各国の指導者は大々的な改革を模索する必
要がある」と強調しており、改革の柱は以下の通りである。
(1)ワクチンを公共財に位置づけ、迅速に開発できるようにする。
(2)各国に責任を負わせる権限を持つ、世界的な脅威に関する評議会
を創設し、関係国の承認なしに情報を公開できる疾病監視システム
を構築する。
まず(1)についてだが、主要7カ国(G7)の今年の議長国である英国
政府は4月30日、「ワクチン研究開発に向けた資金を集めるため、22年
にサミット(首脳会談)を開催する」と表明した。今後のパンデミッ
クに備えてワクチン生産のスピードアップを目指す国際団体を支援す
る。支援するのは「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」で
ある。CEPIは、日本、ドイツ、ノルウェーのほか、米マイクロソフト
創業者のビル・ゲイツ氏が設立した財団などの出資で17年に発足した。
CEPIは3月10日、「次のパンデミックに備えて100日以内にワクチンを
開発できるようにするためには、メッセンジャーRNAなどの最新の技術
開発を迅速化するとともに、承認の円滑化に向けた世界の医薬品当局
の製造加速化の連携も欠かせない」との考えを示し、総額35億ドルの
5カ年戦略への資金提供を呼び掛けていた。 英国政府の官民連携によ
る構想には、英アストラゼネカや米ファイザーなどワクチンの製造を
手掛ける企業の幹部や科学者らが参加するようだが、ロシアや中国の
専門家などが参加するかどうかはわからない。ワクチンの特許権放棄
を表明したバイデン米政権は、米国のバイオ技術が中国やロシアに流
出しないよう対応策を検討している(5月8日付ロイター)ことなどか
ら、世界が一丸となった協力体制が構築できない可能性がある。
□ 米国立衛生研究所の一部資金が武漢ウイルス研究所に
問題がより深刻なのは(2)のほうである。 WHOは3月末の最終報告書
で「新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した可能性は
低い」と結論付けたが、独立調査委員会の米国の専門家(国内・国際
保健法)は責任の所在を明確にしていない。「中国政府による武漢市
での疾病発生の報告が大幅に遅れ WHOによるウイルス起源の調査を阻
害したにもかかわらず、独立調査委員会は中国政府の責任を問わなか
った」と批判した(5月12日付ロイター)。 米国政府関係者の間では
「武漢ウイルス研究所からの流出説」が以前から根強いが、国務省は
4月15日に公開した武器コンプライアンスに関する報告書で「中国当局
は生物兵器禁止条約(1975年に発効)に違反してウイルスなどの軍事
的応用に関する活動を行っている」と記載した。この点について17年
から中国と協議を行っていたが、「中国当局は昨年、国務省武器管理
規制担当者とのオンライン会議を拒否した」という。米国務省が中国
と協議していた背景が徐々に明らかになりつつある。英紙デイリー・
メールは9日、 米国務省が対外秘としている報告書のなかには『武漢
ウイルス研究所の研究員を含む中国の科学者は、2015年からコロナウ
イルスの軍事的可能性に関する研究を開始した』と記載されている」
と報じた。 豪紙オーストラリアンも前日の8日、米国務省が昨年入手
した15年に人民解放軍の科学者らが作成したとされる文書の内容を報
じたが、その内容は驚くべきものである。その文書には「生物兵器を
使用して最大の被害を引き起こす理想的な条件」が縷々説明されてお
り、その目的は「このような攻撃で病院での治療を必要とする患者を
急増させ、敵の医療体系を崩壊する」ことである。まさに新型コロナ
ウイルスのパンデミックにより西側諸国で起きた惨事を彷彿とさせる
ものだが、文書の執筆者には「第1次世界大戦は化学戦争、第2次世界
大戦は核戦争なら、第3次世界大戦は明らかにバイオ戦争となる」とす
る恐ろしい戦略的認識がある。 米国側が武漢ウイルス研究所からの流
出説にこだわるのは、同研究所で行われてきたコウモリのコロナウイ
ルスを遺伝子的に改変するためのプロジェクトに対して、米国立衛生
研究所の連邦助成金60万ドルの一部が充てられていたという「不都合
な真実」も関係している可能性が高い。 米国の情報機関はパンデミッ
クが武漢ウイルス研究所からの流出により引き起こされた可能性があ
るとしつつも、意図的に流出させたことを示す証拠はないとしている
が、18年に同研究所を訪問した米国大使館の外交官が「研究所の安全
運営に問題がある。コウモリのコロナウイルス研究はSARSのようなパ
ンデミックを引き起こすリスクがある」と警告していたことが明るみ
になっている。 このようにパンデミックに関する責任論をめぐり米中
の対立が激化している状況下では、次のパンデミックを未然に防止で
きるWHO改革は不可能だといわざるを得ないだろう。 ニュースサイト
で読む: https://biz-journal.jp/2021/05/post_226497.html新規ウィ
ンドウが開きます Copyright © Business Journal All Rights Rese-
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掲載
第10節 ウイルスとともに生きる
10-1 バイオハザード対策の発展史
10-2 高度隔離施設の現場へ
10-3 病原体の管理基準
10-4 根絶の時代から共生時代
10-4-1 ウイルスは「脅威」だが「敵対」するものではない
10-4-2 21世紀はウイルスと共に生きる時代
□ ウイルスと人間は“共犯者”
本来なら、異物であるハチの卵がイモムシの体内に入ってくると、イ
モムシの自己防衛機能により血液中の血球がハチの卵を取り囲んで殺
すはずです。そこで、山内一也氏は、ヒメバチの卵巣に寄生する「ポ
リドナウイルス」に注目する。「ヒメバチがイモムシに自分の卵を注
入すると、そのとき一緒にポリドナウイルスも入っていく。そして、
そのポリドナウイルスが非常に巧妙な手段を使って、子どもをかえし
ていくことも分かってきた」。ポリドナウイルスのDNAには、免疫抑制
遺伝子が含まれていて、イモムシの免疫細胞を麻痺させてしまい、ハ
チの卵を殺すのを阻止。また、ポリドナウイルスはイモムシにハチの
幼虫の餌となる糖を生産させ、さらにイモムシの内分泌系を乱して、
イモムシがチョウやガに変態するのを阻止する。
孵化したハチの幼虫はイモムシの体内でまず脂肪体、ついでイモムシ
が生きるのに重要ではない器官を餌とし、十分に発達すると重要な器
官を食べ、皮を食い破って外界に這い出す。ポリドナウイルスはハチ
にとっては幼虫の生存を支える頼もしい共犯者。ハチが生存すればウ
イルスも存続でき、ハチとウイルスの双方にとって利益がある。一方
で、イモムシにとっては恐ろしい病原体。ハチ、イモムシ、ウイルス
という3者の関係を人間にも当てはめている。「私にとっては人間が
ヒメバチであって、イモムシが自然生態系であると。ウイルスという
のは科学技術、それが手助けをして、結果的に自然生態系を破壊して
いくという結果になっているように思えてならないのです」と語る。
□ 21世紀はウイルスと共に生きる時代
「20世紀は根絶の時代というか、ウイルスの根絶を目指した時代。
21世紀は共生の時代であると山内氏は考える。ウイルスは30億年前に
地球上に現れて、現生人類のホモ・サピエンスが現れたのは20万年前。
生命の1年歴というものがある。これは地球が46億年前にできて、そ
こから現代までを1年に例えると、ウイルスが出現したのは5月の始め。
人間が出現したのが12月31日の最後の数秒だった。ほんのひととき。
ウイルス対人類と言っても、人間なんてウイルスにとっては取るに足
りない存在だと思う。コロナウイルスに例えて言えば、コウモリとい
う宿主でずっと1万年前からいる。 (ウイルスが)人間の方に来なけ
ればいいだけですが、来るように仕向けているのが人間社会なのです。
ウイルス対人類と考えてもいいが、ただ敵というか、勝つとか負ける
とかいう相手ではない。全然違う存在だと思う。我々の遺伝子のヒト
ゲノムの4割くらいはウイルスです。ウイルスは私たち人間と一体化し
ているというか、完全に身の内なのです。腸内細菌が100兆個くらい
あるわけですが、1つの細菌にウイルスが10以上いると言われている。
すると1千兆ですね。それだけのウイルスが我々の体の中にいるとい
うことであり、 20世紀は、ウイルスの根絶を目指した時代。しかし、
21世紀はウイルスと共に生きる「共生の時代」であるとそう語る。
via ウイルスと共に生きる ウイルス学者・山内一也さんに聞く(後
編)NHK ハートネット。
✔ 新型コロナ感染症によるパンデミックは、そのような牧歌的な思
惑を2つの意味で超えているとわたし(たち)は考える。1つはバイ
オテロ(生物兵器)由来の可能性とパンデミック。2つめは、スペイ
ン風邪のような世界大戦という「人流的側面」による影響、つまりは、
グローバリズム下で加速する交通・交易・観光の環境的側面由来の感
染症、そして、それは変異ウイルスの多発している(いまもその兆し
は衰えていない)ように、ウイルスへの変容を促しているのではとの
思いであり、「共存」するわけにはいかない事態を経験しているのだ
と考えている。
この項了
遺伝遺伝子の謎 ㉒
第1章 遺伝子のすべて第2章 あなたは誰?
第3章 遺伝子と健康
第4章 遺伝子学の活用
第5章 どんな未来が待ち受けているのか
命題:神になりかわることは許されるか
□ これという答えはまだない
遺伝学は特別な科学だ。私たちが何者かを決めるのは遺伝子であり、
遺伝子こそは万人にとっての本質と言って差し支えない。だからこそ
遺伝学は、プライバシーや遺伝子検査、そして遺伝コードの改変とい
ったことに関わる(しかし限定されない)諸問題をはじめとする倫理
的、道徳的、法的な問題が理圭った地雷原なのである。疑問はいくら
でもあるが、答えぱなかなか見つからない。例えば米国では、個人の
遺伝情報を守る法案が多くの州議会で可決されている。本人の同意な
しにそうした情報を得たり利用したりするのを禁じようというのは、
なるほど、もっともな考えだ。
しかし、結果的に何か起きるだろう? むしろ、貴重な情報ぱ複数の
研究者で共有すべきではないのか。手に入る情報が多ければ多いほど
さまざなな病気の治療法が見つかる可能性は高まると考えるのが道理
なのでは? こういった法律が障壁をつくっているせいで、人々の命ぱ
かえっておびやかされているとは言えないだろうか?
□ 所有権と利用権
では、保険会社や雇用主が遺伝子検査の結果を利用できるようにすべ
きだろうか? そのような情報を使って加入や採用を拒むことを、彼ら
に許してもよいのだろうか? 2013年、米国、カナダ、オーストラリア
で、ハンチントン病のリスクを抱える個人433人を対象に調査が行われ
た。それによると、回答者の46.2パーセントが、家族歴や遺伝子検査
の結果を理由になんらかの差別を受けたり白い目で見られたりした経
験があるという。また、26パーセント近い人が保険会社から、そして
6.5パーセントの人が雇用において、差別を受けたと回答している。
ある人が父親かどうかを確かめるのに、関係者全員の同意を得ずに遺
伝子検査を活用しても構わないものだろうか? 民間のデータベースに
登録されている個人の遺伝子情報を、政府やその他の第三者が利用す
ることは認められるべきだろうか? そもそも、この情報は「誰の」も
ので、利用の可否は誰が決めるのだろうか?
□ 知識と警戒
さらに言えば、ゲノム編集は神をも恐れぬ所業なのだろうか? 病気の
予防と肉体改良との線引きは、どこで行われるのだろうか? 病気と戦
える遺伝子治療を見つけることが何よりも社会のためになるという考
えには、大多数の人が賛同できるはずだ。だとしたら、同じテクノロ
ジーを使って人々をより賢く、より強く、より速くすることぱなぜダ
メなのか? 生まれてくる子供をより魅力的にすることは、むしろ推奨
されるべきでは?
もちろん、そういったことを法律で禁ずることはできる。しかし、そ
れが本当の解決になるのだろうか? ホーキング博士の考えは違った。
探求すべき分野がなくならない限り、答えを見つけるべき疑問が尽き
ない限り、そこには科学がある。科学の進歩を止めることはできない
し、おそらく止めるべで禁ずることはできる。しかし、それが本当の
解決になるのだろうか? ホーキング博士の考えは違った。探求すべき
分野がなくならない限り、答えを見つけるべき疑問が尽きない限り、
そこには科学がある。科学の進歩を止めることはできないし、おそら
く止めるべきではない。
そこで、あなたの出番だ。あなたやあなたの家族、友人の命に関わる
ような決定を、科学者任せにしないことが重要になる。遺伝学がこの
世界に何をもたらしたのか、その意味するところを理解するのぱ私た
ち全員の務めだし、その影響を理解することもまた、私たちの義務な
のである。
本書のはじめで、遺伝学を説明するのに「すばらしき新世界」という
言葉を使った。確かに遺伝学には私たちの暮らしを劇的に改善する力
かおる。しかし私たちは、船が迷走しないよう舵取りをしなければな
らない。そのためには、なんといっても知識を養うことが肝心なのだ。
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世界を変える力
遺伝学は私たちの住む世界を良い方向に変えているが、その影響につい
ては社会全体できちんと認識しなければならない
--------------------------------------------------------------
□ ペットのクローン
ペットを溺愛するあまり、できるだけ長く一緒にいるためならどんな
ことでもする----クローン技術に頼ることさえ辞さないという人は少
なくない。2005年、韓国の研究チームが世界で初めて犬(2匹のアフガン
ハウンド)のクローンをつくることに成功したと発表した。1匹は生ま
れてすぐ死んだが、「スナッピー」と名づけられたもう1匹は10年生きた。
スナッピーは、骨の折れるクローン作成が日常的になっていた研究室で
生まれた。タイム誌は当時、次のように讃えている。「何年にもわたる
報われない実験の日々、数えきれないほどの不運、そして数々の手痛い
失敗とが、犬のような、クローン作成が最も難しい対象にさえ適用でき
る、きめ細かく調整された技術を生んだ。そして、この成功は、確かな
技術さえあれば、およそどんな哺乳類のクローンも作成可能だという
ことを示している」。
スナッピーの誕生以来、大枚をはたいて愛するペットのクローンをつく
らせようとする裕福な飼い主たちは引きも切らない。犬に5万ドル、猫
に2万5000ドルが投じられることもあるほどだ。お金を積まれれば喜ん
でペットのクローンをつくるという企業は、米国の国内外にいくつかあ
る。女優で歌手のバーブラ・ストライザンドは、飼っていたサマンサと
いうコトン・ド・テュレアールの細胞から、クローン大を2匹つくらせた。
「14年間一緒に過ごしたサマンサを失って、私は本当に打ちのめされて
いたんです。だから、どうにかして彼女をそばに置いておきたい一心で
した。サミーの一部が生きていると思えば、別れを受け入れることが少
しは楽だったのです」。ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、彼女
はそう説明している。
もしあなたがペットのクローンをつくろうと考えているのなら、費用
以外に考慮すべきことがある。新たに生まれてくる動物は遺伝子的に
は亡くなったペットと同じかもしれないが、いずれ個性が芽生えるの
は避けられない。そもそも、ペットが愛しいのは一緒に過ごした時間
があればこそだ。クローンはゲノムを完璧に再現するかもしれないが
おもに環境的要因により、元のペットとは別物になる。「犬の外見は
コピーできても」とバーブラ・ストライサンドは綴っている。「心ま
でコピーすることはできません。それでも、2匹の顔を見るたびにサ
マンサのことが思い出され(中略)自然とロ元がはころぶのです」。
□ 知っていましたか
99.鎌状赤血球症の保因者は、普通の人よりもマラリアに対する抵
抗力が強い。
100.嚢胞性線維症は単-の欠陥遺伝子によって引き起こされる病
気で、全米の白人の子供2500人~3500人に1人が罹患する。.
--------------------------------------------------------------
✔ 「ゲノム」とは、古典遺伝学では、「ある生物をその生物たらし
めるのに必須な遺伝情報」として定義される。遺伝子「gene」と、染
色体「chromosome」あるいはgene(遺伝子(ジーン)の)+ -ome(総
体(オーム))=genome(ジーノーム)をあわせた造語であり、1920年
にドイツのハンブルク大学の植物学者ハンス・ヴィンクラーにより造
られた。 H. Winkler によるはじめの定義では「配偶子(生殖細胞)
が持つ染色体セット」を意味したが、1930年に木原均によって「生物
をその生物たらしめるのに必須な最小限の染色体セット」として定義
し直された。木原は、コムギ染色体の倍数性の観察に基づき、このゲ
ノム説を提唱した。どちらの定義でも、生殖細胞に含まれる全染色体
(もしくはその遺伝情報)を表し、N倍体生物の体細胞にはN組のゲノ
ムが存在すると考える。 1956年にDNAが発見されて以降は、「全染色
体を構成するDNAの全塩基配列」という意味も持つ。
ゲノム(独: Genom、英: genome, ジーノーム)とは、「遺伝情報の全
体・総体」を意味するドイツ語由来の語彙であり、より具体的・限定
的な意味・用法としては、現在、大きく分けて以下の2つがある。古典
的遺伝学の立場からは、二倍体生物におけるゲノムは生殖細胞に含ま
れる染色体もしくは遺伝子全体を指し、このため体細胞には2組のゲノ
ムが存在すると考える。原核生物、細胞内小器官、ウイルス等の一倍
体生物においては、DNA(一部のウイルスやウイロイドではRNA)上の
全遺伝情報を指す。分子生物学の立場からは、すべての生物を一元的
に扱いたいという考えに基づき、ゲノムはある生物のもつ全ての核酸
上の遺伝情報としている。ただし、真核生物の場合は細胞小器官(ミ
トコンドリア、葉緑体など)が持つゲノムは独立に扱われる(ヒトゲ
ノムにヒトミトコンドリアのゲノムは含まれない)。ゲノムは、タン
パク質をコードするコーディング領域と、それ以外のノンコーディン
グ領域に大別される。ゲノム解読当初、ノンコーディング領域はその
一部が遺伝子発現調節等に関与することが知られていたが、大部分は
意味をもたないものと考えられジャンクDNAとも呼ばれていた。2020
年現在、①遺伝子発現調節のほか、②RNA遺伝子が生体機能に必須の
情報が、この領域に多く含まれることが明らかにされている、と。こ
こまで読み終え、さらに『遺伝子の謎』が深まる。というのも。「新
型コロナウイルス感染症」に遭遇し、「単なる偶然の産物」(突然変
異)とする言説に対し、内なる命題の「ウイルスに意思が存在するか」
とおき、現在進行形で考察の最中にあり、本誌にある「環境的要因に
より、元のペットとは別物になる」(「ペットのクローン」より)の
文言を分子量的側面をネグレットすれば、「新型コロナウイルスも環
境的要因により変化する」ことだけは間違いなさそうで、それを「意
志の萌芽」と呼べるのではと類推することになるが、『ウイルス解体
親書』の執筆は今後もつづく(「唯識論」への考察と収斂していくの
ではないかと期待している)、はずである。
この項了
□ ゲノム・ゲームとは何か
『DEATH STRANDING』(デス・ストランディング)はコジマプロダクシ
ョンにより制作されたインディーズビデオゲーム。ソニー・インタラ
クティブエンタテインメント(SIE)によりPlayStation 4用ソフトと
して2019年11月8日に発売。略称は「デススト」]「DS」。
特集|中国撤退 Ⅲ
□ 世界の「製造強国」を目指す
中国との経済関係と、悪化する地政学的状況とのバランスを取ること
先進国とその企業は、2つの懸念に直面している。1つは、中国との間
で激化する技術開発競争だ。 中国は2015年に、「中国製造2025」と呼
ばれる産業政策を発表した。バイオテクノロジー、ロボット、通信な
ど幅広いハイテク分野でトップ企業を育成し、「世界の製造強国の仲
間入り」をするという野心的な計画だ。さらに、建国100年に当たる
2049年までに、少なくとも10の重点分野で世界的な競争力を持つこと
を目指す。産業ロボットのファナックや、人工知能の開発も手掛ける
東芝や富士通などにとって、中国はもはや普通の市場ではない。ハイ
テク企業は「北京を捕食者と見なし、自分たちの知的財産を何として
も守らなければならない」と、日産の元役員(匿名を希望)は語る。
企業の投資判断を左右するもう1つの要因は、中国から始まった新型
コロナウイルスのパンデミックの影響で、世界中の多国籍企業がサプ
ライチェーンの脆弱性を目の当たりにしたことだ。バイデン政権は2
月に、アメリカのサプライチェーンの脆弱性の検証を指示。6月に発
表された報告書は、中国と同じように幅広いハイテク産業に補助金を
給付することや、中国に移転されたサプライチェーンを国内に戻すよ
う企業に働き掛けることを求めている。日本は昨年、一足先に行動を
起こしている。中国から東南アジアや日本に生産拠点を移す企業への
補助金制度を導入し、57件、約574億円分を決定。2200億円を計上し
た予算を860億円積み増している。これを中国経済からの大々的な「
デカップリング(分断)」の始まりだと称賛するアナリストもいるが、
米シンクタンク「戦略国際問題研究所」シニアフェローのスコット・
ケネディはこう指摘する。「補助金を受ける企業をよく見ると、中国
に大規模な投資をしている大手メーカーではなく、中小企業ばかりだ」
□ 経済的な魅力と政治リスク
中国との経済関係と、悪化する地政学的状況とのバランスを取ること
は、繊細で複雑な問題だ。世界中の大企業にとって、巨大で豊かな国
の巨大な中産階級が自社の製品を購入するというチャイナ・ドリーム
は、なかなか忘れ難い。バイデン政権が中国のサイバー攻撃に激怒し
たとしても、当のマイクロソフトの経営陣は困惑していた。彼らは長
年、中国の横暴に耐え、繰り返し中国市場に戻ってきた。かつては北
京や上海の露店で、ウィンドウズのOSやワードなどの海賊版を数ドル
で買えた。しかしマイクロソフトは、状況を改善するという中国政府
の言葉を信じ、今日まで投資を続けてきた。7月に日米欧数十カ国がエ
クスチェンジサーバーのサイバー攻撃について中国を非難したが、そ
の1カ月足らず前にマイクロソフトは中国で4カ所の巨大なデータセン
ターを新設し、数十億ドルを投資する計画だと報じられた。クラウド
サービスを利用する中国企業を取り込もうというのだ。ここに多国籍
企業にとっても各国の政府にとっても、中国政府と付き合うジレンマ
が凝縮されている。中国がもたらす経済的な機会と現在の危険性を両
立させることは、今後の重要な課題になるだろう。「中国製造2025」
の重点分野に挙げられているテクノロジー企業は、特に苦境に立たさ
れそうだ。鄧小平の「改革開放」が「改革閉鎖」に置き換わりつつあ
ると、在中国米商工会議所の元会頭で、現在はコンサルティング会社
APCOワールドワイドの大中華圏会長を務めるジェームズ・マグレガー
は言う。なかでもアメリカの半導体メーカーは、中国での事業展開の
見直しを迫られている。今後数十年で、魅力的な巨大市場が中国企業
に支配される可能性がある。工作機械やロボット、新エネルギー素材
など、多くの分野も同じだろう。多国籍企業とその母国の政府は、最
大限の防御策を講じなければならない。つまり、知的財産の窃盗に対
し最大限の反撃をして、中国政府が自力で野心的な経済目標を達成す
るように仕向けるのだ。そこにチャイナ・ドリームはない。しかし、
これが世界中のCEOに突き付けられる厳しい現実である。
この項つづく
風蕭々と碧い時代
曲名:さらばシベリア鉄道(1980年) 唄: 太田裕美
作詞:: 松本隆 作曲: 大瀧詠一
「さらばシベリア鉄道」(さらばシベリアてつどう)は、松本隆作詞、
大瀧詠一作曲による、太田裕美の曲。1980年11月21日にCBS・ソニー
から19作目のシングルとして発売され(7インチシングル盤:07SH-901
)、後に大瀧自身によるセルフカヴァーが1981年3月21日発売のアル
バム『A LONG VACATION』に収録された。 もともとは大瀧詠一がジョ
ニー・レイトン(英語版)「霧の中のジョニー(英語版)」に刺激さ
れ、アルバム『A LONG VACATION』のために作った曲である。大瀧は
いったんレコーディングを始めたが、慣れない女言葉で歌うのを気持
ち悪がり、担当ディレクターが同じ白川隆三だった事もあり太田裕美
への提供を思い立った。ただ、自身の録音スケジュールの関係や、こ
れまでの太田裕美のサウンドとの一貫性を大事にしたいという大瀧の
意向から、編曲については萩田光雄に全面的に依頼した。ただ、先に
出来上がっていた自身のバージョンのオケ(編曲は大瀧自身)をデモ
テープ代わりに萩田に渡したため、大瀧の原編曲が生かされている部
分もあり、間奏のギターソロは大瀧バージョンと同じ鈴木茂が担当し
ている。編曲の萩田が「よくできたデモ・テープだ」と評した"大瀧バ
ージョンのテープ"のメロディを元に太田は歌っているが、後に大瀧
が自身で制作したバージョンは、同じように歌いたくないと思ったた
めか、メロディが少し異なる。太田裕美のシングルとしての発表時、
オリコンチャートランキングは最高で70位留まりだったものの、大瀧
にとっては作曲家として、初めて100位以内にランクインした楽曲。
その後、『A LONG VACATION』のロングセラーにより、アルバム収録
の「さらばシベリア鉄道」に注目が集まるようになった。現在では太
田自身最大のヒット曲「木綿のハンカチーフ」等と同じく、当曲を歌
謡番組で披露する事が多いという。
※ ジョン・ダドリー・レイトンはイギリスの俳優兼歌。ヒット曲「
ジョニー・リメンバー・ミー」で知られ、死の言及でBBCによって禁
止されたにもかかわらず、1961年8月にUKシングルチャートで1位に輝
く。生年月日: 1936年2月17日 (年齢 85歳)
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